※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

83 / 202
第83話 勝利への道筋

 修司さんがサブ薬士の能力で、効果が上昇した消臭剤を振り撒いた。

 すると、本当に悪臭が掻き消えるようになくなって、辺りが良い香りに満たされる。

 

 ……息が出来るようになった。

 

 なので

 

「お前がベルゼブブだな……?」

 

 俺がそう問うとコイツは

 

「……そうよ。私の地獄の香りを中和する薬品を用意してくるとは……用意周到ね」

 

 愉しそうに嗤い、宙に舞い上がる。

 4枚の蟲の羽根を蠅そのものの動きで動かし、飛んだんだ。

 

「ベルゼブブの撒き散らす腐敗病は、初期症状が倦怠感です! 怠いと感じたら言ってください! 治します!」

 

 そこに紗耶香の言葉。

 俺たち前衛……俺と修司さんは頷いた。

 

「そしてアイツの攻撃の主な方法は、無限に召喚できる小蠅(コバエ)の突撃による呼吸器への攻撃と……電撃。そして冷気です!」

 

 紗耶香の事前通知が続いた。

 サブで学者。ありがたい!

 

「……候補生に学者持ちがいるのね……? 面倒ね。黙って貰えるかしら?」

 

 宙に浮いたベルゼブブが、紗耶香を指差すように蟲の右腕を掲げる。

 

 すると、ヤツから蠅の大群が発生し、紗耶香たちに殺到していった。

 

 紗耶香は呼吸器への攻撃って言ってた。

 

 だから多分、あれに鼻や口を攻めさせて、気管への侵入を行うのか。

 そんなことをされたら深刻なダメージを負うはずだし、防ぐために口と鼻を押さえると、話せなくなるから情報開示も魔法の行使もできなくなる。

 

 ……させるわけにはいかない!

 

 そう思うと同時に、俺は行動を開始していた。

 

 懐から忍具「火霊石」を取り出して、投擲。

 蠅の大群に向けて。

 

 そして同時に印を結び、一声。

 

「爆裂!」

 

 爆炎が巻き起こり、蠅の大群を飲み込んだ。

 

 そのまま俺は、腰に吊るしていたホルスターから拳銃・シルバーカードを抜き、二丁拳銃で発砲した。

 

 俺の火遁の術に驚愕していたベルゼブブ。

 反応が一瞬遅れたけど、俺の放った数発の弾丸を身を捻って全て躱していく。

 

「で、こっちは忍者持ちで狩人持ち……厄介な取り合わせよねぇ……」

 

 その口ぶりには余裕が感じられた。

 嘆く内容とは裏腹に。

 

 ……相当素早いな。

 

 俺はシルバーカードに再装填(リロード)しながら、思考を巡らせる。

 多分普通に狙っても、ベルゼブブには当たらない。

 そのくらい、ヤツの身のこなしは素早く、上手い。

 

 ……どうしよう?

 

 そのときだ。

 

 隣に並んで、居合腰の姿勢をとってる修司さんが言ったんだ。

 

「……何とかアイツを地上に立たせてくれ。俺の居合斬りで仕留める」

 

 修司さんの言葉。

 

 そこで前に訊いた侍の能力について思い出した。

 

 熟練者位階で「居合加速」

 達人で「鉄斬」だ。

 

 居合加速は、漫画やアニメでよく出てくる「架空の居合」を実現させてしまうというもの。

 抜きつけの速度を爆上げし、超神速の斬撃にする能力。

 

 居合が速いのは本当ではあるけど、それは抜く速さが加速されるからじゃなくて。

 鞘に収まっている状態で、すでに剣を振り上げているのと同じ状態だから。

 そこからくる時間短縮由来の「結果的な速さ」なのよ。

 

 この能力はそういう構造的な速さじゃなくて、本当に斬撃速度を上昇させるわけだ。

 それこそ通常回避が出来ないレベルに。

 

 そこに修司さんは、斬撃に「鉄斬」を乗せる。

 そのために、今日はメイン侍で来てもらったんだから。

 

 鉄斬は、金属をも斬ってしまう斬撃。

 普通に喰らえば真っ二つ。

 

 ……なので。

 

 ベルゼブブを修司さんの居合の間合いに入れれば、勝ち筋が見えてくる。

 

 ……よし。

 

「分かりました。全力でやってみます」

 

 俺はそう答え。

 二丁拳銃で持っていたシルバーカードの一丁を、腰のホルスターに戻した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。