※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第85話 もう、こうなったら

 修司さんの居合斬りで2つになったベルゼブブが、大量のゴッドになって消滅していく。

 

 ……終わった。

 

 俺はそれを確認して、腰のホルスターにシルバーカードを戻した。

 

「あなた!」

 

 紗耶香が駆け寄ってくる。

 病気対策で、治癒士2枚で挑戦したけど、意味なかったな。

 

「色々危惧してた不利な状況、降りかかってくる前に解決できたよ」

 

 そう思ったので笑みを浮かべながら言うと

 

「何も仕事が無いのが私たちメイン治癒士は最高なんですよ! 文句なんてありません!」

 

 紗耶香の言葉に愛を感じて嬉しくなる。

 

 ……この女性(ひと)をずっと大切にしよう。

 

 そんなことを考えていたら。

 

 ……なんだか、身体が怠い感覚があった。

 

 あっ、これは……

 

「悪い紗耶香……最後に貰ったみたいだ……病気」

 

 我慢する内容ではないので、即報告。

 

 紗耶香は驚いたが

 

「分かりました!」

 

 紗耶香は杖を握りしめて、即対応してくれた。

 

「キュアディジーズ!」

 

 ……俺の病気が癒されていく……

 

 念のため、紗耶香はキュアディジーズを複数回掛けてくれた。

 症状が「身体が生きながらに腐る」という悲惨なものだから、念には念をということか。

 

 そしてそれは、向こうも同じだったようで

 

「キュアディジーズ! キュアディジーズ! キュアディジーズ!!」

 

 由宇の、そんな声が3回も聞こえて来た。

 

 

 

 そしてその後、地下6階への階段を発見し。

 下に降りて、直通エレベーターに到達階層の登録作業を行い、その日はお開きになった。

 

 で、次の日。

 夫婦の寝室で。

 

「……紗耶香の治癒士が達人位階に到達した」

 

 俺が朝の日課で、パソコンを弄り、何か変化が無いかを確認していると。

 

 気づいてしまった。

 妻のクラスも、とうとう全部達人位階に到達してしまったことに。

 

 で、にもかかわらず。

 何故か上級職の通知が一切来ないんだ。

 

 ……これはもう、上級職の選択肢は第3子の出産祝いで貰うものなんだろう。

 この件に関しては、そういう確信を得た。

 それ以外無いだろ。この状況。

 

 ……前から紗耶香とはずっと妊活してるけど……

 

 そこに

 紗耶香がトイレから戻って来た。

 さっきからずっと表情が暗い。

 

 何でなのかは、予想ついてる。

 

「……あなたごめんなさい。また失敗したみたい……」

 

 生理、来ちゃいました。

 

 ……生理報告。

 残念報告だ。

 

 今月も、俺は妻を孕ますことに失敗した。

 情けなくなってくる。

 来斗と明日香はすぐいけたのに。

 

「……着床が上手く行ってないんでしょうか? 何が悪いのかなぁ……?」

 

 自分のお腹を撫でながら、悔しそうに紗耶香。

 そんな言葉が出てくることに、俺は嬉しかったけど。

 

 そろそろ「まぁ、気長に行こう」

 これが言えなくなってくると思うんだよね。

 

 だってさ……

 

 上級職を得られないと、先に進めない。

 川上さんちにも迷惑掛かるかもだし。

 

 これはもう、選ぶしかないと思うんだ。

 

「紗耶香」

 

 悔し涙を流しそうな調子で悔しがってくれている妻に。

 俺はこう提案する。

 

「……妊娠薬を使おう」

 

 俺の言葉を聞いた紗耶香は。

 

 俺をじっと見つめていた。

 予想の範囲外だったんだろうか?

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