※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第86話 妊娠薬

「妊娠薬……本当に使うんですか?」

 

 紗耶香が最初に言った言葉はそういうものだった。

 俺は頷き

 

「川上さんちでは1回使って、その後特に問題は起きてないみたいだし。副作用は考慮しなくても良いと思うんだ」

 

 何か問題があったら、由宇はきっと警告してくれる。

 自分の被った痛みを、他人にも味わわせてやろう、なんて考える人間じゃない。

 アイツは男っぽい、さっぱりした女の子だ。

 

 それにもし、由宇がそんな人間だったら、修司さんが伴侶に選んだりしない。

 

 だけど

 

「……そうじゃなくて……」

 

 紗耶香は俺の言葉に

 

「薬を使って子供を作るんですか……? 来斗も、明日香も普通に授かった子なのに」

 

 ……そっちか。

 

 それは俺も考えたさ。

 だけどさ……

 

 俺は紗耶香に真っ直ぐに視線を向ける。

 

「俺たちだけならそれは通じる理屈だと思う。……でも、そうじゃないだろ?」

 

 この言葉で、紗耶香の目に動揺がはしった。

 

 俺たちだけなら時間は無限だし、肉体的にも衰えないから急ぐ理由は無いけど。

 そうじゃない。

 

 上級職を得られないと、川上さんたちに迷惑が掛かってしまう。

 この1点で、もう妊娠薬を使用する選択肢を選ばない理由が無くなると思う。

 

 この理屈、紗耶香は理解してくれると思うんだけど……

 

 紗耶香の中で、葛藤があったみたいだ。

 

 じっと心で何かを考えているみたいだった。

 

 俯き加減で、何も喋らず。

 

 そして……

 

「……そうですよね。私たちの都合で、川上さんたちに迷惑を掛けるわけにはいきませんよね……」

 

 ……納得してくれた。

 

 俺は紗耶香の聡明さに愛情の高まりを感じた。

 親としての拘りよりも、川上さんとの関係性の維持を優先してくれた。

 

 それは全て、俺たちの夢の実現のためであり、同時に子供たちのためでもあるんだ。

 そこを、紗耶香は分かってくれたんだ。

 

 ……紗耶香が奥さんで本当に良かった。

 

 俺は感極まって、紗耶香を抱きしめた。

 そして耳元で囁く。

 

「……紗耶香は優しいな。常に子供のことを考えてくれてる。嬉しいよ」

 

 そんな俺の言葉に、紗耶香は

 

「あなただって、そうですよね?」

 

 ……そう言ってくれた。

 俺たちの心はひとつだ……。

 

 

 

 そして。

 次の日、タマミさんから妊娠薬を購入した。

 その際、10万ゴッド払った。

 

 ……さすがに地下5階にまで到達すると、宝箱の内容が高額になり、10万ゴッドがそれほど痛い額ではなくなってきてて

 わりと余裕で払うことが出来た。

 

「まいどあり~。使用は夫婦の営みをする直前でお願いね~」

 

 薬の購入時、俺たちはタマミさんにそんなことを注意された。

 俺は

 

「無論そのつもりだけど……何で?」

 

 そう、訊き返してしまったんだが

 それに対してタマミさんは

 

「飲むとものすごーく、発情してしまうんだよねぇ」

 

 そんなことを答えてくれた。

 

 ……マジか……!

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