姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「そりゃ医神だね」
「そうだな」
上級職の相談のために、タマミさんの店に出向いたら。
川上さん夫婦にもそう言われた。
やっぱそう思うよねぇ。
1日1回、誰か1人が戦死することを視野に入れて行動できるのは強いわ。
「じゃあ、ウチの奥さんの上級職は医神で行きます」
決定。
揉めるとは思ってはいなかったけど、すんなり決まってくれて嬉しいよ。
「で、今度はこっちの話なんだけど……」
紗耶香の上級職の話が終わったので。
今度は川上さんの家の話になった。
「アタシの場合、上級職はこんな感じ」
言って由宇は、鞄からクリアファイルを出し。
そこに挟んだA4の紙に印刷したテキストを渡してきた。
……ウチと同じことやってんね。
そう思いながら、確認する。
そこには……
上級職1:ヴァルキリー
クラス構成:長物使い+治癒士
覚醒する最終能力:戦乙女
最終能力の内容:飛行能力と槍の召喚
上級職2:タマモ
クラス構成:長物使い+盗賊
覚醒する最終能力:九尾の呪詛
最終能力の内容:受けたダメージをそのまま相手にも与える
上級職3:セイントテール
クラス構成:治癒士+盗賊
覚醒する最終能力:聖奪
最終能力の内容:他者の状態異常を盗み取り、引き受ける
……うん。
この内容なら……
「ヴァルキリーでしょ」
「そうですね」
ウチの意見は一瞬で決まる。
そしてこれも、向こうも同じ結論だったようで。
「だよねぇ」
「他の2つが、こちらを窮地に陥らせるの前提の最終能力だしな」
……俺たちと同じ理由で、その結論に至っていたようだ。
タマモも、セイントテールも、最終能力が最大の効果を発揮するのは、こっちが窮地のときだけだから。
そんなの、ダメだろ。
そうならないように知恵を絞って挑むのがデフォなんだから。
前向きに活用していけて、普通に強いのがヴァルキリーの最終能力だけな以上、ヴァルキリーを選ばない理由がない。
飛行能力があって、槍の召喚が出来るということは。
それは長物使いの達人位階の能力・ゲイボルグが使い放題っていうことだ。
ゲイボルグは投げた槍を分裂させて、広範囲に降り注ぐようにする能力。
それを使い放題ってどう考えても強いだろ。
「そっちも同意見なら、ヴァルキリーを選ぶことにするわ」
そうしてくれ。
……こうして。
俺たちのパーティー内の相談は終了した。
あとはひとつのテーブルを囲んで、和やかにお茶を飲む時間になる。
まだ修司さんは魔術師が達人になってないから、上級職についてはまだ調べてないらしいのでその話はあとなんだ。
そこで俺は自分の紅茶を口にしながら
「修司さん」
「……何かな?」
話を切り出したんだ。
こういう話を
「互いの奥さんに余裕がある間に、一緒に魔術師のランク上げをしませんか? 2人だけで」
……ランク上げ2人パーティーの提案を。