※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第92話 男2人で修行

「俺と?」

 

「ええ」

 

 正直、ワクワクしている。

 男性と一緒に2人で居たいときもあるんだ。

 

 それは向こうも同じだったみたいで

 

「……キミが良いなら、是非お願いしたいね。正直、上級職が来たときに俺だけ対象外の状態は不味いなぁ、って思っていたんだ」

 

 にこやかに。

 乗り気だった。

 

 ……やったぜ。

 

 俺は心でガッツポーズを取る。

 

「オニイ、アタシら居なくて大丈夫なの?」

 

「あなた、私が居なくて大丈夫ですか?」

 

 由宇と紗耶香が不安げにそう訊いてくる。

 まぁ、そういう心配は分かる。

 

 特に俺は、紗耶香の学者の能力を頼りにしてたところはあるしな。

 

 ……でもさ

 

「由宇、その辺は大丈夫だ。山本さん夫婦と合流する前は、俺たち2人でやってただろ」

 

 修司さんの過去の実績。

 それがあるし

 

「……紙人を多めに作ってくれれば、上手くやるから大丈夫だよ」

 

 分身の術と空蝉の術が余分に使える環境があれば、まあ大丈夫。

 その自信があった。

 

 

 

 地下6階はドラゴンのフロアだった。

 

 紗耶香がいないから名前は確証無いんだけどさ……

 

 ワイバーンだとか、ヒュドラだとか。

 あと、有名RPGで登場する、オーソドックスな翼の無い緑色のオオトカゲ系のドラゴンとか。

 

「ブリザード!」

 

 修司さんがコモドオオトカゲそっくりの火を吐くトカゲたちを、ブリザード……指定の空間を氷雪の嵐で攻撃する熟練位階の攻撃魔法……で攻撃する。

 

 吹雪の嵐に巻き込まれて……寒さに弱いのか、その一撃でほぼ壊滅するオオトカゲたち。

 そして俺は生き残りたちの首を、手刀で刎ねていく。

 

 ……うん。調子がいい。

 

 

 

「上手くいきすぎて怖いですね」

 

「ああ、キミのサポートのお陰だよ」

 

 宝箱を開けられないので、魔物を全滅させた後。

 宝箱の傍で座って会話する。

 

「修司さんは子育て歴10年なんですよね?」

 

「うん、まあそのくらいだね」

 

 ……弁当を持たせてもらってるんだよね。

 俺たち。

 

 座って双方、嫁さんに作ってもらった弁当箱を開けていた。

 

「……家事ってどうしてます?」

 

 ちょっと訊きたかったこと。

 それを訊く。

 

 俺の家は……

 

 正直、俺は出来てる自信ない。

 紗耶香が辛そうなときに、何もしない自分が許せないというか。

 一応、やってはいる。

 掃除とか、洗濯とか。

 

 でもさ……正直、完璧に出来てるとはとても言えんのよ。

 

 気持ちだけで出来るってもんではないだろ?

 そう思ったんだけど……

 

「俺はまあ、大学通うために家出てたから、家事はしてたよ」

 

 そういう修司さん。

 

 だけど……

 

「俺は自分一人が快適に過ごせればいいってだけの家事だしな。それが完璧かどうかは分からん」

 

 で、由宇は川上さんちのお母さんの影響で、高校生にして料理は他人に振舞えるレベルで出来たそうで。

 

「俺の料理は鍋しか無いので、料理だけは由宇に任せてるな。……アイツが調子悪いときはよく、今夜は鍋で良いか? って聞いてるよ」

 

 ……鍋。

 そんなに鍋がいいのか。男の料理としては。

 知らんかった。

 

 ウチは……完全に紗耶香だなぁ。

 紗耶香が調子悪いときは……

 

 コンビニ弁当。

 

 ……だって俺、マジで何も作れないもの。

 

 米を炊いて、卵焼きを作ったり、市販のカレーを作ったり。

 そんな誰でも出来ることしか出来ない。

 

 やっぱ夫歴の長い人は違う……

 

 自分の出来なさ加減に落ち込んでしまう。

 すると

 

「やって貰って当然って思って無ければ良いんじゃ無いのか?」

 

 俺の様子から何か察してくれたのか、そんなことを言ってもらえた。

 

 まぁ、思って無いですよ。

 だって大切な女性だし。

 

 紗耶香は。

 

 そんな紗耶香にご飯を毎食作って貰えて、それが当然だとか無いだろ。

 この弁当も、作ってくれたからお礼は言ってる。

 

 ……俺は別にコンビニ弁当でも良かったんだけどな。

 負担は掛けたくなかったから。

 

 そんなことを思いながら、俺は唐揚げを口に入れた。

 

 ……美味い。

 妻の愛が染みる……

 

 ありがとう……

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