姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
クリスマスの家族パーティーは、今年も地味だった。
俺に飲酒の習慣が無いことと、紗耶香が妊娠中なためにお酒は出ない。
子供たちがクリスマスケーキとして確保してきたショートケーキを食べて、チキンを食べ。
らしいことはそれで終了。
9時過ぎくらいに寝かしつけて。
完全に眠りに落ちたと判断した時に、枕元になるたけ派手にラッピングしてみた飴玉を置いていおく。
3才の子と1才の子。
本当はもっといいものを贈ってあげたいけど……
何を贈ればいいのか良く分からんしな。この世界だと……
足音を忍ばせて。
ドアをそっと閉め。
任務終了。
メインクラス忍者の俺の仕事として、うってつけだ。
ミッションを終え、俺はリビングに戻った。
すると
「ご苦労様。あなた」
妻の紗耶香がテーブル席から俺を労ってくれて。
そのテーブルに
食べ残しのチキン2つ。
明日香の食べ残しと、来斗の食べ残し。
捨てるわけにもいかないので、これから2人で食べるんだけど……
「そんな重いもの、気持ち悪くなったりしないのか?」
心配だから、ちょっと訊いたんだ。
すると
「……どういうわけか、妊娠時の弱った胃腸には、ジャンクフードが良いらしいんです」
……え? そうなの?
「だからフライドポテトなんてすごく良いんですって。実際、試してみたら確かにムカムカしてても収まるというか……」
そうなんだ。
普段なら身体に悪い食べ物なわけだけど……
絶食するよりは良いよなぁ……
でもそれ、お腹の子に影響するんでは……
いやしかし……
紗耶香の隣に座りながら、俺は妻の話を興味深く聞いた。
ちょっと予想外の話で、面白い。
で、無性に
「なぁ、お腹触っていい?」
……我が子の成長度合いを感じたくて。
そんなことを言ってしまう。
すると
「……ええ。良いですよ」
許可してくれたので。
俺は紗耶香の大きく膨らんだ腹部に耳を当てる。
ああ……心音が聞こえる気がする。
ここに……俺が紗耶香と愛し合った結果、宿った我が子が育ってるんだな……
嬉しい……
喜びに浸りながら、さらに訊く
「……名前、どうする?」
この子が生まれたら当然問題になること。
それについては……
「男の子だったら
なるほど……良い名前だ。
そう思っていたら
スッ、と
紗耶香がお腹に耳を当てている俺の頭を撫でてくれた。
優しく。
そして小さく
「……拓斗さんに、私の処女をあげたかったなぁ……」
そんなことを呟いた。
……俺はそんなこと気にしてないって言ってるけど、ふたりきりになるとたまに言うんだ。
初めての男も俺が良かったって。
……いいや。
生涯、抱かれたのは俺1人の方が良かったって。
そんなことを。
……ムチャ言ってるなとは思うけど。
それぐらい俺を愛してくれているということだと思うから
俺は
「……ありがとう」
お礼を言った。
そんな実現不可能な夢を口にしてしまうくらい、俺のことを愛してくれている奥さん。
俺は身を起こして
そのお腹をゆっくりと撫でながら
彼女の唇に唇を合わせる。
そしてそっとその唇を舐めた。
すると
彼女もそれに応え
俺たちの舌と舌が、触れ合う。
そのまま互いの舌を吸い合うようなキスになり
最後には情熱的なものになった。
互いの愛を口にしながら、唾液と一緒に気持ちを交換する。
何も見えなくなるくらい、俺たちは向き合った。
「……中学生のときに」
キスしながら、俺の想い出の話をする。
中学生のときのあの思い出の
「私の身体を見て精通したって言ってた……」
うん……そうだな……
俺の方も、紗耶香への愛を込めてキスを続けていた。
そしたら
「……小1のときに、私の処女を奪いに来て欲しかった……」
同じ家に住んでるんだから
そんなことを言いだした。
さすがにそれは……
「ムチャだろ」
そうツッコむと。
彼女は少し、困ったように微笑んでくれた。