※この作品はR-18です。

冒険者ゆかりさん、魔物娘に敗れる   作:竹@竹林にて。

4 / 12
セヤナーとかダヨネーとかから発想を受けて(?)スライム琴葉姉妹にゆかりさんを責め立ててもらいました。スライム化の立ち絵もありますしね。
今回スライムの自由な責めというか形状の特殊さをもっと活かして書きたかったなぁとかいう反省点があったり…、小説って難しい。


冒険者のゆかりさんがスライム娘のアカネちゃんとアオイちゃんに捕まって冒険終了してしまう話

 紫髪を揺らしながら軽装の冒険者の少女が身を翻す。その場所に狙ったように少女を包み込むほどに大量の赤い粘液がぐちゃり、と叩きつけられた。叩きつけられた粘液がもぞもぞと蠢いたかと思うと、ぐるりとロープで身体を縛り付けるように六本の触手を伸ばす。ち、と舌打ちをすると冒険者は言葉を微かに唱えて掌を構えた短剣の刀身に滑らせる。それを追うように刃を炎が覆う。一瞬にして炎の塊と化した刃が迫りくる粘液触手を切り払う。そのまま触手を伝い粘液塊まで走ろうとする炎を触手ごと切り離しながら、粘液はぐにゃりと波の様に身体を蠢かせると冒険者から距離を開けた。

 

「はぁ、今日の獲物は随分活きがいいやんか」

「…そいつはどうも」

 

 そう言って、冒険者の少女———結月ゆかりは頬に伝う汗を拭う。暗く深い洞窟の奥、ひんやりとした空気が支配する場所でありながら少女の肌を汗が伝う。

 

「そういう獲物って、ええ性を持ってるんよなぁ。早く欲しいわぁ…」

 

 ぬるり、と赤い粘液から人間状の身体を伸ばしてそううっとりとした表情でどこか異国の訛りを交えながら余裕気に語る粘液———スライム娘は、蕩けながらも抜かりない視線でゆかりを捉えながら挑発するように粘液状の身体を蠢かせる。そうして粘液は波立つように広がってゆかりの足元に迫る。後退しながら躱すも後方には岩肌。前にも後ろにも逃げ場はない。

 

「さぁ、観念して捕まってくれや!」

 

 言葉に興奮を滲ませてスライム娘は波と共にゆかりへと距離を詰める。背中からぬるり、と触手を伸ばしながら盤石の態勢でゆかりを捕獲せんと迫っていく。だからこそ魔物娘は気づかない。ゆかりが軽く笑みを浮かべていることに。

 

「じゃあ、これは防げますか?…凍れ、《氷結の魔弾》!」

「なっ!?」

 

 叫んだとともに振るわれたゆかりの短剣からいくつもの氷の欠片が弾丸となって射出される。氷片の触れた箇所から粘液は凍り波が不規則に止まる。その上、凍り付いた箇所からぴしぴしと凍結が広がっていく。スライムは先程までの勝気な様子から一転して驚愕と焦りの表情を浮かべ、凍り付いた粘液を切り離そうと身体を蠢かす。その一瞬の隙をついて凍り付いた粘液を足場にゆかりは跳んだ。スライム娘が凍り付いた粘液を切り離すとほぼ同時、ゆかりは未だ氷結の力が残る短剣を突き立てる。痛みゆえか不覚を取った悔しさゆえか、顔をしかめるスライム娘を見下ろす。散々に燃やされた挙句に先程の氷魔法が相当堪えたのだろう、その体積は半分ほどまで減少しておりその外見も幼く見える。

 

「液状の敵だったので凍らせてみましたが…、正解でしたか」

「くっそ…、ウチが何したいうんや!?」

「…とりあえず、ここの鉱山の鉱夫を片っ端から搾り取ったでしょう?死者まで出して、何もしていないとは言いませんよね?依頼を受けた冒険者も何人も殺しちゃって…。それは討伐対象にもなりますよ」

「それが魔物娘いうもんやろ!飯食わずに死ねいうんか!?」

「そっちの方が助かりますね、残念ながら。人間と魔物娘、相容れない存在でしょう?兎に角、あなたとはこれでさようならです」

「…ふ、くくく」

 

 当然の笑い、ゆかりは怪訝そうな表情を浮かべ赤いスライムを睨みつける。

 

「ええよ…、殺したいなら殺せばええやん。…ただし、」

 

 瞬間、ゆかりは背後に気配を感じた。

 

「殺せればの話やけどなぁ…!」

 

 背後に視線を向ければ、こちらに向かって何かが速度を上げて迫ってくる。それが、色こそ青と違えど今追い詰めているスライム娘の同類ということは分かった。咄嗟に対処しようと振り向こうとして、

 

「おう、ウチを殺すんちゃうんかぁ!?」

 

 今しがた追い詰めた赤いスライム娘が行動を阻む。自らの手が凍り付くことも厭わず短剣を握る。その上、触手を伸ばし振り向こうとしたゆかりの口元を塞いできた。

 

(まずっ…!?)

 

 その一瞬の判断が命取りだった。剣を封じられ、魔法を紡ぐこともできない。捕らえるものと捕らわれるものの立場が逆転した。その間に青い方のスライム娘の射程圏内に入ってしまった。ゆかり目掛けて青い触手が伸ばされ、そのままぐるりと首元を一周する。喉に伝わる圧迫感に幾度か経験した死の気配を感じながら、ゆかりは意識を手放した。

 

 

 

***

 

 

 

「…ォイ、殺してないよな?」

「うん、大丈夫のはずだけど…」

 

 途切れた意識が戻り、ゆかりの耳に届いた声は二人分。よく似てはいるが、異国の訛り交じりで話す一人と、もう一人の声。恐らく後者は青い方のスライムの声だろう。

 

「あ、起きたみたい」

「お、そうか。随分とお寝坊さんやなぁ、油断して捕まった哀れな冒険者さん」

 

 赤いスライム娘は挑発するようにそう言って覗き込んでくる。抵抗しようと身体を動かそうとするが、後ろ手に身体の一部であろう粘性の拘束がされていて動けそうにない。その上口を開こうとしても同様に塞がれてしまっている。万事休す、とはまさにこのことだろう。しかし、ゆかりはせめてもの抵抗として睨みつけることだけはやめようとしなかった。

 

「へぇ…、まだ睨みつけるだけの余裕があるんやな。そんなら、これからどうやって状況打開すんのか見せてもらおうかなぁ?」

「お姉ちゃん、やめなよ。私が偶然来なかったら負けてたのに…」

「やかぁしいぞ、アオイ!」

 

 呆れたように言う青いスライム娘、アオイに赤いスライムは叫ぶ。先程よりは幾分かましだがまだ身体が小さく姉らしい外見はしていない彼女が粋がる姿はやや滑稽にも映ってしまう。

 

「…でもまあ、お姉ちゃんを退治しようとしたのはちょっと許せないかな?そういうわけだから覚悟してね、冒険者さん?」

 

 そう言うと、アオイと呼ばれたスライムは自らの身体から紐状に切り離した分身体をゆかりの首に結び付ける。そうして、口に詰める形で塞いでいたスライム体を外してやる。

 

「気分はどうかな、冒険者さん?」

「っ、《氷結のま》…っ!?、が、ぅ…っ!?」

 

 聞かれた隙をついて反撃をしようと詠唱を始めたゆかりは、しかし、先程首に巻かれた紐が首を絞めつける苦痛に言葉を途切れさせてしまう。

 

「余計なことは言わなくていいよ?じゃあ、もう一度聞くね。気分はどうかな?」

「っ、ふ、ふぅ…はぁ…っ!さ、いあく、ですね…」

 

 そう、見下すように笑いながら尋ねるアオイにゆかりは思ったままの言葉を口にする。それに満足したような表情を浮かべて、アオイは言葉を続ける。

 

「一応、自己紹介でもしておこうか?私はアオイ、見ての通りスライムの魔物娘。そして、あなたが追い詰めたのが私のお姉ちゃんのアカネ。姉妹、それも双子の魔物娘なんて珍しいよね。じゃあ、今度はあなたの名前を聞かせてほしいな?」

「誰が、そんな…!」

「うーん?」

 

 ぎゅ。

 

「ぐっ、ぅ…!ゆ、ゆかり、です…」

「へぇ、ゆかりっていうんだ。綺麗な名前だね」

 

 すっ。

 首元にかかっていた力が抜ける。首にかけられた拘束がある限り反抗することは敵わない。いよいよ手の打ちようがなくなってしまったことにゆかりは歯噛みする。どうすればこの状況から脱せられるかと必死に思考を巡らせるが、そのどれもが通用しそうにない。

 

「それじゃあ、とりあえずお姉ちゃんからでいいよね?」

「当ったり前や!やられた分、倍返しにして返してもらわんとな!」

「…ばい、がえし?」

 

 その発言に、ゆかりの思考の中に嫌な予感が過る。

 

「うちらは魔物娘の中でも特殊でなぁ、今みたいに身体が縮んだりしても獲物から性を搾り取れば割とすぐに身体が元通りになんねん」

「…はぁ、結局魔物娘のいつものやつですか。好きにすればいいでしょう。わたしだって冒険者です、それくらいの覚悟は持っています」

「…なんや、えらい淡白やなぁ、つまんな。まぁ、そう言うんならお望み通り貰ったるわ」

「はっ、望んでなんかいないんですがね」

 

 そんな小言の応酬を繰り返しながら、二人の距離は縮んでいく。そうして、触れるまでの距離に近づいた時、アカネがまずしたことは前戯としてのキスや服を脱がすでもなく、

 

「はい、ぎゅー」

 

 ゆかりの身体を抱きしめることだった。肌の触れ合い自体は確かに魔物娘の常套手段ではあるだろう。しかし、ゆかりは服を着たままに拘束されていた。しかも、スライム娘だ。体温の交換だとかとは無縁の生物である。この行為にゆかりは意味を見出せなかった。しかし、その意味をすぐに理解させられることになる。

 じゅ、と熱した鉄鍋に水を入れた時の様な音がした。

 

「っ、な、服が…!?」

 

 じわりじわりと茜が触れたところから服が解けていく。段々と肌が露になっていく感覚に不気味さを、それ以上に皮膚まで溶かされてしまうのではないかという恐怖とがない交ぜになって、ゆかりの思考を乱していく。

 

「は、離せ…、溶かすな!」

「おう、いいリアクションしてくれるやん?やっぱ犯すときはこうじゃなくちゃあなぁ」

 

 身を捩りながら抵抗するゆかりの身体を抑え込みながらアカネは悦に浸る。その間にもゆかりの服は恐ろしく速い速度で劣化していくようにぼろぼろになっていく。そうして前面の衣類が意味をなさず、控えめな胸や薄い秘毛に隠された蜜壺が露わになった。

 

「や、やめ…!溶かすなら、一思いに殺、っん」

 

 ゆかりが叫ぶのを抑え込むように、アカネが自らの唇をゆかりのそれに押し付ける。そのまま、あまりに長く自由に動かすことのできる最早舌と呼べるかすら分からないスライムのそれをゆかりの口内に潜り込ませる。アカネはそれを器用に使い、ゆかりの舌にぐるぐると巻き付けて上下に扱き上げる。かつて襲われた淫魔などの魔物娘にもやられたことのない口淫にゆかりは戸惑いを隠せぬまま与えられる快感に翻弄される。初めての責めもそうだが、与えられる快感が普段のそれよりも数段に強いもののように感じられてゆかりは困惑する。スライム娘に襲われたことのないゆかりに知る由はないが、淫魔の汗や精液がそうであるように全身が液体の彼女らの身体はその全てが媚薬の様なものだ。つまるところ、キスをするどころか触れているだけ、もっと言えば彼女らの近くにいるだけで否応なく性感が高められてしまうのだ。

 

「んちゅ、ちぅ…、なんや、キス下手やなぁ。鼻呼吸とか知らへんの?」

「は、はぁ、はぁ…。そん、な、余裕、ひうぅ!?」

「あ、すまんすまん。手持無沙汰やったし、ちょっとやってもうた」

「な、に、あぁん!?」

 

 ゆかりが驚くのも無理はない。今のアカネは抱きしめているだけ、腕は背中に回されているのに胸を揉みしだかれている快感に襲われているのだから。全身液状の身体であるスライム娘はその形状を自由に使うことができる。今、アカネが行っているように、重なり合った胸元をゆかりの胸を揉むように動かすことで刺激を与えることができる。直接的な性技に長けたサキュバスなどとは違うが、スライム娘もまた性を得ることに長けた種族であると言えるだろう。

 

「こん、こんなぁ!?」

「あー…、今でも美味い性ポンポン出してくれるやん…。ちょっと、本気出してみてもええよな?」

「な、これ、いじょう、なにを、んぅうっ!?」

 

 アカネはそう言うと、ゆかりの唇を奪う。奪いながら、それまで人間状であった身体を変えていく。自ら溶けていくように液状にして、山肌を伝う溶岩の様にゆかりの身体に纏わりついた。そうして液状の身体をじわりじわりと動かして、ゆかりの全身を揉み解すように刺激する。脇腹や二の腕に与えられる刺激はくすぐったさが同居したこそばゆい快感を、肩や腰といった頻繁に使われる部位にはまるでマッサージかのような若干の痛みの入り混じった心地よさを、そして明確な性感帯である胸は出もしない母乳を搾り取るように強く揉みしだかれる。その上、薄いながら確かに膨らみのある胸の先で存在を主張する薄桃色の蕾を舌先で嬲るようにちろちろと優しく責められる。これら全ての刺激を一度に与えられてゆかりは気が狂いそうだった。

 その許容量限界ぎりぎりで意識を辛うじて保っている様子を察したのか、アカネはとどめと言わんばかりにゆかりの濡れそぼった秘唇目掛けて一息に自らの身体を突き入れた。実物の硬さや熱量こそないものの勢いよく突き入れられた粘液の質量は快楽の瀬戸際にいるゆかりの意識を堕とすには十分だった。

 

「~~~~~~っ!!?」

「っ、ふぅ…。あぁ、うま…」

 

 うっとりしたような表情で満足げにアカネは呟いて、がくんと脱力したゆかりの身体を支えながらアカネは再び人間状の身体に戻った。その姿は、ゆかりに散々に攻め込まれるその前、幼さを感じさせない、ともすればゆかりと対峙するその時よりも成長しているようにも見える。それほどにゆかりの性は上質なものだった。

 

「これは、いいわぁ。ゆかりの性、ほんま美味いで」

 

 その賞賛に応えることもできぬまま、ゆかりはぜぇはぁと息を整える。目の焦点は合っておらず、与えられた快感やその疲れがどれほどのものかを如実に表していた。

 

「ほんなら、次はアオイの番やな」

「うん、見てるだけで、もう我慢できなかったや…」

「ふぇ…?」

 

 その発言に朧げな意識を傾けて、ゆかりは視線を僅かに動かす。その先で、興奮の色を隠しもせずにこちらに迫ってくるアオイの姿。その姿に、アカネの責めで既に心の折れかかっていたゆかりは恐怖しか感じられなかった。

 

「や、やめて…。こないで…」

「はは、大丈夫ですよ。とびっきり気持ちよくしてあげますから」

「あんま搾り取らんでくれよ、アオイはやりすぎるんやから」

「はは、分かってるって」

「い、いや…!こな、んあぁああああ!?」

 

 ゆかりが突然に悲鳴を上げる。アオイが彼女の視界の外から外れるようにして自らの身体を伸ばし、ゆかり自身の意志とは無関係に膨らんだ秘芯を捉え食むように挟み込んだからだ。出だしから強烈な快感を与えられてゆかりは悶絶した。そうしている間にもアオイはほくそ笑みながらゆかりとの距離を縮めていく。怖い怖いと軽口を叩きながらアカネはゆかりと距離を取る。そうして遮るものがいなくなった彼女の元へ一息に近づくとアオイは身体を液状に変化させ、ゆかりの身体を包み込む。

 

「いや、離し、あぁっ!」

「お姉ちゃんはあんまり激しくはしてくれなかったでしょう?私はもっと気持ちよくしてあげますからね、期待してくれていいですよ?」

「はぁ?アオイの責めがネチネチしつこいだけですけどぉ?」

「そんな、きたいなん、て、いぃぃぃいんっ!?」

 

 秘芯を包んでいた包皮を完全に取り払い、アカネがゆかりの下にそうしたように螺旋状に縛り上げて扱く。その上、胸の先で自らを主張する蕾も同様の責めを開始する。それもただ扱き上げるのではない、細やかな振動を交えて緩急を付けながらゆかりの身体を責め立てているのだ。その快感を与えられるゆかりからすれば堪ったものではない。二人分の全身媚薬で感度の上がった身体に与えられる、じわじわと意識を蝕むように与えられる決して弱くはない快感は、今のゆかりにとって身に過ぎた苦痛でしかない。

例えば、捻り上げるほどに痛覚まで与えられる刺激ならまだ耐えられただろうが、アオイの責めは十分に快楽を与えてきたアカネのそれよりも巧みで苦痛らしい苦痛などない。それが却ってゆかりを苦しめる。どこまでも快楽しか与えられないことがこれほどに苦痛になるとは、ゆかりは思ってもいなかった。

 

「い、いや、きもちよすぎるの、いやぁあ!」

「えぇ、まだ足りないんですか?じゃあ、折角なのでこっちも試してみましょうか?」

「いっ!だ、そっち、ちがぁああ!?」

 

 アオイはほくそ笑むと、ゆかりの後孔に自らの粘性触手を差し込んだ。ぬるりとした柔らかい感触のそれを更に太過ぎないようにして挿入されたそれは、排泄孔という本来性行為に使われることのない場所でありながら、未知の快感を巧みに引き出す。

 

「な、なんれぇ!?ぉうしで、こんなぁああ!?」

「あれぇ、ゆかりさん知らないんですか?こっちの穴も気持ちよくなれるんですよぉ?」

「はぁ…。完っ全にやりすぎとるやん…」

 

 アカネが呆れているのも気にも留めず、アオイはゆかりの身体と思考を快楽で染め上げる。その快楽も最終章へと向かっていく。ゆかりの絶頂のラインぎりぎりで留めていた責めを、アオイは突然に強める。ただでさえ緩急の“急”の勢いで責められいると思っていたゆかりがその刺激に耐えられるはずもない。

 

「~~~~~~~~~~っ、あ、あぁぁぁああああああ!!!?」

 

 喉が裂けるのでは、と思うほどの悲鳴を上げてゆかりは背を反らし天井へと視線を向けて絶頂に身を震わせた。そのままがくん、とぜんまいの切れた玩具のように倒れ込んでゆかりは固い岩肌に身を預けた。

 

「はーい、アオイちゃん。反省会」

「い、いやぁ…。ちょっと、あんまりに性が美味しすぎちゃって…」

「美味いのは分かるけど限度ってもんがあるやろ。そんなに背ぇ伸ばしやがってからに」

 

 先程の行為で性をゆかりから大量に搾り取ったアオイの姿は、幾分か大人びたアカネよりも更に成長したものになっている。しかし、性の吸収率が高いうえに成長にそのままつながるスライム娘という種族からしても、この成長は驚異的なものであった。

 

「まぁ、反省会は後でええわ。それよりも、ゆかり言ったっけ?この娘」

「うん、お姉ちゃん。この娘、すごいよね…」

「せやな。暫くは飼っておくか」

「うん、そうしよ?」

 

 かつて服だったぼろ布を腕と足に纏わりつかせた冒険者の少女を見下ろしながら呟くと二人はゆかりを担ぎ上げるようにして洞窟の奥に姿を消した。

 

 

 

***

 

 

 

「あ、ぁあ、っ、も、もっとぉ…」

「ふふ、もうすっかり慣れちゃったね。まだまだ気持ちよくしてあげるからね?」

「ほら、また奥に注いでやるからたっぷり善がりぃ?」

 

 それから数日の間、アカネとアオイの二人にひたすらに快楽を与えられたゆかりの心は完全に折れ、二人によってもたらされる快楽の奴隷となっていた。胸を揉みしだかれては身を震わせ、口づけを躱されれば自ら舌を絡め、蜜壺や後孔に触手を挿入されればもっと穿ってくれと言わんばかりに締め付ける。心も自ら快楽を求めるように開発され、最早ゆかりと二人の関係に障害となりえるものはないように思われた。

 

「っ、あ…」

「っと、ゆかりさん、大丈夫?」

「…そろそろ、休憩にしよか」

 

 しかし、ゆかりの身体がそれを許さない。がくん、と快楽とは別の要因で身体を崩した少女の身体を支えると、アカネとアオイは彼女を傷つけないように岩肌に寝かせる。

魔物娘から与えられる魔力で多少は補えてこそいたものの、ゆかりの身体は人間のそれに過ぎない。洞窟という食料を十分に得られないその場所で、彼女は衰弱していく一方だった。

そして、アカネとアオイは今まで飼っていた人間と同じようにゆかりを捨てることがどうしてかできなかった。日に日に衰弱していく彼女の身体を労ることも、身体の負担を気にも留めずに快楽を望む姿に心を痛めるのも初めての経験で。

 

「…なぁ、アオイ」

「うん、お姉ちゃん…」

 

 二人は顔を見合わせて頷いた。ゆかりを殺したくない、しかし同時にゆかりを手放したくもない。その一見相反する願いを達成する手段が一つだけあった。

 

「なぁ、ゆかり?」

「んぅ…、アカネ、さん?」

「なぁ、ちょっと聞いてほしいことがあるんや」

「きょうは、どんなこと、するんですか?」

「…はぁ。その前に、聞いてほしいねん」

「しないんですか…?」

「ゆかり…。分かっとるやろ?このままじゃあ、自分が死んでまうこと」

「いいです、そんなのいいですから…、もっときもちよく…」

「よくあらへん!」

 

 その叫びに、びくりとゆかりは身体を跳ねさせる。怒りと僅かな後悔を言葉に滲ませながらアカネはゆかりを睨みつける。その様子に困惑と恐怖を隠せないゆかりを落ち着けさせるようにアオイが後ろからゆかりを抱きしめる。

 

「ごめんなさい、ゆかりさん。でも、大事な話だからちゃんと聞いてほしいかな…」

「アオイさん…」

「…ふぅ。ゆかり、一つ聞きたいんや」

「…はい」

「ゆかりは、人間のまま死ぬのと、うちらみたいにスライムになって生きるのとどっちがええ?」

「えっ…?」

「このまま人間のままでいると死んでまう。でも、うちらはゆかりを手放したくないんや」

「だから、ゆかりさんも私達と同じスライムになって、一緒に過ごしてほしいの。勿論、ゆかりさんが人間のまま死にたいっていうのなら、それを否定できないんだけれど…」

「なぁ、ゆかり…。ゆかりは、どっちがええ?」

 

 そう、ゆかりが今まで見たことのない不安そうな表情でアカネは尋ねてくる。後ろにいるアオイも同様に不安に駆られているのは見ないでも分かった。だからこそ、ゆかりは、

 

「…ぃたいです」

「ん?」

「ふたりと、いっしょにいたいです…。すらいむに、なりたいです…」

 

 その返事に、二人は目を見開いて涙を流しそうになった。

 

 

 

 

 

「ほんなら、ええ…?」

「はい…」

 

 正面からはアカネが、後ろからはアオイがゆかりの身体を抱きしめる。そのまま少しづつ身体を溶かして、完全に身体を包み込むようにする。そうして準備は整った。

 

「それじゃあ、ゆかり。キスするからな。ちゃんと飲み込み?」

「はい」

 

 ゆかりとアカネの唇が合わさる。そうして、アカネの口腔からずるん、と大きな飴玉が滑り落ちるようにしてゆかりの口内に入っていく。アカネの口内からゆかりのそれへと送られたそれは、アカネ、すなわちスライム娘の魔力が凝縮されたもの。その魔力がゆかりへと送られたことで、スライム娘へと変貌するための核がゆかりへと送られたこととなる。

 こくん。ゆかりの喉元からその音が聞こえたのをアカネとアオイは視線を合わせることで確認した。そうして二人はゆかりを包み込む身体に魔力を纏わせる。これがスライムの同種の増やし方、すなわち“同化”である。魔力の核を変貌させたい相手へと埋め込み、身体を包んで溶かすようにして形状、そして魔力の在り様を魔物、すなわちスライムへと変化させるのである。魔物娘化の中でも溶解という行為を伴っての変化である。激痛を伴うことも少なくない。しかし、

 

「ぅむ、ふっ…、ちゅ、じぅ…っ、んぅ…」

「ちぅ、れぅ、んるぅ、んちゅ…」

「ゆかりさん、大丈夫?痛くない…?」

 

せめて、少しでも痛みを和らげようと溶かしつつも二人は愛撫を加えてゆかりを溶かしていく。少しづつ、少しづつ、肌が解けていくのがゆかりには分かる。勿論痛みもある。しかし、同時に与えられる快楽も感じる。何より、二人と同じ姿になれるのが嬉しかった。二人が自分を労ってくれるのが嬉しかった。そこに至るまでの過程を辿って、ゆかりはただ幸せを感じていた。そうして、思考も身体も少しづつ暖かに柔らかにどろどろと溶けていく。

 

 

 

***

 

 

 

 ほの暗い洞窟で、冒険者は叫ぶ。

 

「やめ、やめてくれっ、もうでな、ぁああっ…!」

 

 ぷし、ぴゅ、ぴゅっ。

 断末魔めいた悲鳴と共に精液を搾り取られ、下半身を無様に晒した男は気絶した。それを搾り取った魔物娘———紫色をしたスライム娘は酷く冷めた視線をその男に向ける。

 

「ふぁ~あ、ユカリ?今度の冒険者はどうやった?」

「あ、アカネさん。量も質もてんで駄目でしたね。あ、性いります?」

「いらんいらん、そんな評価受けたやつの性なんか」

「まぁ、そうですよね」

 

 そう言って、魔物娘となったユカリは指先に付いた白濁汁を美味しく無さそうに舐め取った。溜息を付きながら、アカネは気絶した冒険者を見下ろす。

 

「…まぁ、こいつを助けに来る冒険者に期待しよか」

「そうですね」

「んで、ウチの今日のご飯がなくなってしもた訳やけど」

「…それ、食べればいいじゃないですか」

「ウチはー、グルメなんですー」

 

 そう言うアカネにはぁ、と溜息を付いて、じゃあどうするんですか、とユカリが問う。その問いににやり、と笑ってアカネは彼女の後ろから抱き着いた。

 

「やから、久しぶりに美味しい性が欲しいなぁ、ユカリちゃん?」

「…久しぶり、でもないでしょう?」

「えぇ~、まんざらでもない癖に…」

 

 そう言って慎ましやかな胸元をつつく様に撫でられ、ユカリはぴくんと身体を揺らす。仕方ないですね、そう受け入れようとして、

 

「あー、お姉ちゃんズルい!」

「げ、めんどいのが来たな…」

 

 岩陰から絶妙に魔の悪いタイミングで顔を出したアオイが抗議の声を上げる。ぬるん、と走るよりもずっと速くこちらに距離を詰めアカネの肩を掴んだ。

 

「またユカリさんに手ぇ出そうとしたでしょ!ずるいよ、お姉ちゃんばっかり!」

「いやぁ、だって最近まともに美味い性食べれてないし…」

「それはお姉ちゃんの選り好みの問題でしょ!好き嫌いしないで食べなさい!」

「えぇい、煩いぞ!ユカリの性の方がずっと美味いのが悪い!そうは思わんか!?」

「えぇ、逆切れ!?」

 

 この二人がこんな風に口喧嘩をする。とても考えられなかった、そもそもそこにまず興味など抱かなかった、そんな光景につい頬が緩む。今はただ、この二人とこんな時間を共有できることが嬉しくて仕方ない。そう思いながらユカリは二人の間に割って入る。

 

「まぁまぁ。それじゃあ、今日は久しぶりに三人でいいことしましょう?」

「…なんや、ユカリもそういうこと言うようになったんやなぁ」

「だねぇ。全く、いやらしくなっちゃって…」

「ふふっ、えっちな私はお嫌いですか?」

 

 そう、蠱惑的な笑みを浮かべたユカリに対して二人は、

 

「「全然?」」

 

 同じくらいに淫蕩な笑みを浮かべてユカリの艶やかな身体を抱きしめた。




【アカネ・アオイ】
スライム娘の双子姉妹。魔物娘自体そこまで数が多い種族ではない上にその双子となると結構希少だったりする。旧鉱山の洞窟を根城に作業員や鉱石狙いの冒険者を狩って生活していた。
個体としての能力は(ゆかりにやられるまでは)アカネの方が上であったが、能力に劣るアオイの方が戦略的に考えられるので喧嘩なりしたら案外実力は拮抗している。
溶性と粘性を有し触手としても用いることの出来る身体を持ち、物理攻撃に大概強いので脅威となっていたが、魔法に長けたゆかりには負ける寸前まで追い込まれた。てか、作中でアオイが言っている通り単体ではゆかりに勝てなかったりする。
元ネタは琴葉茜と琴葉葵。セヤナーとダヨネーからスライム娘しかないと考えてました。
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