入学してから初めての日曜日。僕は学内の商業施設、「ケヤキモール」にて一人寂しく、ハンバーガーを食べていた。店内はもちろん、ここに来るまでの間、多くの学生が友人たちと交友を深めていたのを見て、心に大いなるダメージを負ったが、ジャンクフードは僕の心の欠落を大量の糖分と脂質で埋めてくれる。
僕も努力しなかったわけではない。入学式の翌日から、交友を深めようと、まずは隣の二人に話しかけたものの、その結果は期待外れも甚だしいものだった。
左隣のツンデレ、もとい、ツンドラ女こと、堀北鈴音は綾小路からの助け舟がなければ、名前すら教えてくれない始末であった。まぁ、初日の印象からして、厳しい戦いになることは予想できてはいたが、予想の遥か斜め上を行く会話難易度であった。メガテンの悪魔会話でも、大半の悪魔の方が彼女よりも会話しやすいだろう。実際、僕は数度言葉を交わした後、彼女との交流を諦めた。
一方、右隣の佐倉愛里はよく言えば物静か、……いや、正確に言うのであれば、いわゆるコミュ障であった。堀北と比べればかなりマシではあったものの、友好は全く深まっていない。正直名前以外のことはほぼ何も知らない。
綾小路とは教室では話すし、一度一緒に学食にも行ったが、特別仲良くなれたかというと、……違う気もする。
あとは、大天使櫛田エルと連絡先は交換したものの、彼女はどうやら学年のみんなと仲良くなることを公言していたらしく、心躍る初めての女子との連絡先の交換は、企業の新人研修の名刺交換と何ら変わらないことを知り、その晩、僕は枕を濡らし、また一つ大人になった。
これがここ数日の僕の交流の成果である。……笑ってくれても構わない。実際、何の成果も得られなかったわけだから。
……催眠アプリはどうしたのかって?
結論から言おう。催眠アプリはまだ使っていない。
あの時の説明を全てそのまま信じられるほど、僕は馬鹿にはなれなかった。しかし、その一方で、どこか本物のような気もして、気軽に使うことも出来ないでいる。
それにだ、一度催眠アプリを使うことを考え、辺りを見回した時、僕はある事実に気づいてしまった。それは校内の監視カメラの多さだ。教室、廊下、玄関、至る所に監視カメラが設置されており、それに気づいた時はかなり衝撃を受けた。……イジメ対策の一環なんだろうけど、いざ自分がその環境に置かれると、……まぁ、あまりいい気はしない。
実際、催眠アプリが説明の通りに使えるのであれば、よっぽどボロを出さない限り、監視カメラが原因でバレることはないんだろうけど……。うーん、どうしたものか。
店を後にした僕はポイント残高を確認するべく、スマホを取り出した。ハンバーガーのセットで700pt、残高は95,000ptだった。僕の感覚では結構、豪遊しているつもりだったが、教室で小耳に挟んだ会話からすると、節約している方なのだろう。
そんなことを考えていると、不意に誰かとぶつかってしまった。歩きスマホ、ダメ絶対。
「すみませんっ!」
「わ、わたしの方こそ、すみませんっ」
どこかで聞いたような声だ。ぶつかってしまった相手を見て、私服だったせいで一瞬誰だかわからなかったが、彼女はおそらく僕の隣の席の娘であった。
「……大丈夫?えーっと、佐倉さんだよね?」
「だ、大丈夫です。……えっ、く、黒乃君?」
佐倉は目をまん丸にして驚いている。ぱっと見怪我はなさそうだ。右手には、近くの家電量販店の紙袋が大事そうに握られていた。
「怪我してない? ……あと、その中のもの大丈夫そう?」
「え、えっと、大丈夫…です。中のものも、その、多分、大丈夫」
彼女は袋を覗き、少し不安そうに答える。
「ここだと人通りが多いし、そこのベンチで確認しない? もし、何かあったら弁償しないとだし」
「えーっと、……はい」
人の往来が多かったからか、あるいは、僕と彼女の間にわずかばかりの関係値があったからなのか、彼女は少しばかり周囲を見回し、僕の提案を受け入れてくれた。
「大丈夫そうです」
彼女が紙袋から取り出したのは、カメラだった。とはいえ、きちんと箱に仕舞われており、箱に凹みなどは見当たらない。
「それなら良かった。あぁ、でも精密機械だし、使って故障してるのがわかったら、教えてね。きちんと対応するから」
「……その、ありがとうございます」
「いや、そもそも、僕がぶつかったのが悪いからね。」
彼女はカメラが無事だったからか、少し安心した表情を浮かべ、こちらをチラチラと見ている。
「折角良い物を買ったのに、水を差しちゃってごめんね」
「私の方こそ、ごめんね。そのカメラに夢中であんまり前見てなかったから」
「そうだったんだ。いやでも、僕はスマホ見て歩いてたから、流石に僕が悪いかな。そう言えば、佐倉さんって、写真撮るのが趣味なの?」
支給されたスマホにはそこそこ性能の良いカメラがついている。余程のこだわりがない限り、スマホで十分なことから、彼女はきっと写真を撮るのが好きなんだろう。
「うん。……趣味かな」
「良い趣味だね。良い写真が撮れたら、ぜひ見せて欲しいな」
僕がそう言うと、彼女は少し返答に困った様子で、モゴモゴしていた。……もしかすると、マニアックな写真を撮るのが趣味なのかもしれないな。マンホールとか、電柱とか。
「えーっと、あんまり気にしないでね、良かったらで良いから」
「……はい」
「ところで、今日はカメラを買いに来たの?」
「…うん」
「そうなんだ。じゃあ、他に用事がなかったら、一緒に寮に帰らない? その、えーっと、なんていうか、クラスで話せる人を増やしたくって」
なんて情けない誘い文句だろう、言ったそばから、もうちょっと良い言葉があったんじゃないかと、即座に反省したが、佐倉の返答は意外にも明るい物だった。
「……えーっと、良いよ」
9回裏でのサヨナラ勝ち、勝利の女神が微笑んでくれた。
とは言え、佐倉との帰り道に劇的な変化はなかった。……いや、以前よりもマシにはなっているのか? 気持ち多めに話してくれているような気はするけど、いかんせん僕が空回っているような気もする。気がつけばあっという間に寮についてしまっていた。
日曜日の昼過ぎ、多くの生徒が出かけているためか、寮のロビーには珍しく、人が居なかった。
「……あの、もし良かったら連絡先交換しない?」
僕はありったけの勇気を振り出し、さりげなくそう切り出した。
「……うん、良いよ」
僕は心の中で全力でガッツポーズをし、スマホを操作する。しかし、興奮のあまり、僕はメッセージアプリを開いたつもりが、別のアプリを開いてしまっていた。
スマホの白い画面を見て、僕はあのアプリを誤って開いてしまったことに気づく。そして、画面から目を逸らし、佐倉さんの方を見ると、そこには虚な目をした彼女がいた。
「……佐倉さん?聞こえてる?」
残念ながら、彼女からの返答はなく、僕の耳には彼女の呼吸音、そして、激しく波打つ自身の心臓の音だけが響いていた。
彼女は多分、待機状態になっているのだろう。……つまり、このアプリはホンモノだったのだ。僕の予想は、思わぬ形で証明されることになった。
どうしよう。どうすればいい。……おそらくだが、このままアプリを終了すれば、何事もなかったかのように、事態は収束するだろう。そうすれば、戻ってきた彼女と連絡先を交換し、僕はわずかばかりの達成感を得ながら、部屋に帰るだろう。……それでいいのか?
……そうするべきなのは、わかっている。だがしかし、どうしても催眠アプリを使ってみたい。使いたい気持ちが抑えられない。特別な
改めて、佐倉のことを見る。今日、一緒に過ごして、佐倉が非常に魅力的であることに気づいてしまった。愛らしく少し幼い顔、それとは不釣り合いに成熟している肉体。芸術はバランスだ。本来であれば、それらはある種の歪さを齎しかねないものであったが、佐倉のそれは絶妙な均衡を保っており、非常に情欲を掻き立てるものであった。
そんな娘を好きにできるのだ。僕は自身の心から湧き出た、欲望に素直になった。
『……エッチなことがしたいです』
僕は佐倉の耳元にシンプルにそう願いを告げ、アプリを閉じる。具体的にした方が効きそうな気はするが、あえて抽象的なものにした。正直これがどうなるのかは、わからない。アプリは相手の認識で、願いを処理すると言っていた。これが、どう言った形で叶えられるのか、そもそも叶えられるのか、疑問はこの後の彼女の行動が教えてくれるだろう。
彼女の目が元に戻り、不意に目が合う。……これは、成功したのだろうか?
「えっと、はい」
差し出された画面を読み取り、連絡先を交換する。
……どういった状況なのだろう。
成功したのか……?
正直、違いが全くわからない。
いや、でも催眠前後の記憶はなさそうだ。
戸惑う僕を見て、彼女の目が泳ぐ。
「……あの、もし良かったら、もうちょっと話しませんか?」
「……え?……うん、いいよ! どこで話す?」
「……私の部屋でもいい?」
「えーっと、佐倉さんの部屋? 全然いいよ」
心臓は高鳴り、手汗は止まらない。大きな期待を胸に、僕はエレベーターに乗り込んだ。
部屋の間取りは変わらない、小物以外はほぼ同じなはずなのに、初めて入る女子の部屋はとても新鮮で、自分の部屋とは全く違うもののように感じる。それに、心なしかいい匂いもするような。
彼女の手引きに従い、椅子に座り、彼女はベットに腰を下ろした。
「えーっと、いきなり部屋で話そうなんて、おかしいよね。……外だとその、ちょっと緊張しちゃって」
「自分の部屋の方が落ち着くもんね。全然いいよ」
「その黒乃君に話しかけてもらってたけど、あんまり、上手く話せなくって。だから、その私の部屋だったら、落ち着いて話せるから。だから、来てくれて、ありがとう」
「いや、全然大丈夫だよ」
自分のホームグラウンドだからか、普段の彼女よりもかなり社交性が上がっているように感じる。彼女が浮かべる自然な微笑みは、麗らかな桜の花の暖かさを帯びており、一緒にいるだけでどこか心が癒される。
「……でも、このままじゃダメだとは思ってるの。私、こういう自分を変えたくて、この学校にきたんだけど、その、話そうとすると怖くなって、まだ、全然上手くいかなくて。」
「変わろうと思ってる時点で、十分だと思うよ。まぁ、僕もまだ友達はいないから、偉そうなことを言える立場じゃないんだけどね」
「ふふっ。そうなんだ、それなら、もし良かったらなんだけど……」
少し言い淀んだ後彼女は意を決して、震える声で言葉を紡いだ。
「わ、私と友達になってくれませんか?」
「よろしくね、佐倉さん。」
そう告げると彼女は今までで一番の笑みを浮かべた。こんな純朴な子に催眠を掛けた、外道がいるらしい。うーん、『
「あっ、そう言えば、さっきちょっと気になったんだけど、佐倉さんって、どんな写真を撮るの?」
カメラが入った紙袋が視界に入り、話題を広げるために、先ほど思い浮かんだちょっとした疑問を投げかけた。
「えっと、その、笑わないでね? 一番多いのは自分の写真かな」
「へー、ちょっと意外かも」
「ブログに載せる用に、撮ろうと思って。」
「どんなブログやってるの?」
そうすると彼女は少し悩むそぶりを見せたが、スマホを操作し、こちらに手渡してきた。
渡されたスマホを見ると、そこには今、目の前にいる佐倉とは違い、眼鏡を外し、自信に満ちた溢れた表情をしている佐倉がいた。正直、同一人物であるのか、疑わしいほどの別人っぷりだ。
「……変かな?」
上目遣いでこちらを見上げる彼女に、ドキッとする。
「……すごく可愛いね。写真撮る時は、眼鏡してないんだ。だいぶ印象違うね」
「……うん。メガネをしてるのはその、……黒乃君、雫って知ってる?」
「雫? ……あぁ、えっと、確かグラビアの人? だっけ?」
この前、教室で男子の会話に出てた気がする。名前は知っているが、姿は思い浮かばない。
「……私が雫なんだ。だから、その、バレないように……伊達眼鏡してるの」
「へー、佐倉さんが雫なんだ、……佐倉さんが雫、……佐倉さんが雫っ!?」
突然のカミングアウトに、脳が追いつかない。
「……あの、内緒にしてね」
「う、うん。約束するよ。……佐倉さんが雫なんだ」
「今は活動休止しているけど、うん、その一応。今はブログの更新しかしてないけど」
「……あんま触れない方がいい感じ?」
「……ううん。大丈夫だよ。……その、撮影が嫌になって、休止しただけだから。」
これは、もしかして芸能界の闇ってやつなのか。……上流階級ってやつは、業が深い。女子アナウンサーの性接待、アイドルの枕営業、重大な事件の揉み消し、優秀な子供を育てるために異常な訓練が行われる教育施設、果てには様々な手段で子供を用意して食べる島まであるらしい。どこまで本当かはわからないが、ネットではそのような噂を目にする。
そんな僕の邪推を察したのか、彼女は慌てて訂正した。
「……えーっと、本当に大丈夫なんだよ。……その、ちょっと、当時は私が辛かっただけで」
「それなら良かった。いや、良くはないのか。なんかごめん」
「ふふっ。心配してくれて、……ありがとう。……その、ちょっと試していい?」
「試すって何を?」
そして、彼女はこちらに手を伸ばし、僕の手を優しく握ってきた。
「佐倉さんっ!?」
僕が驚いて声を上げたせいか、彼女は慌てて手を離した。
「……ごめんなさい、その、……嫌だった?」
「いや、全然。嫌じゃない。…ごめん、びっくりしただけ」
「……良かった。……その、触ってもいい?」
「いいよ」
そうすると、彼女は再び、僕の手を握る。
「……その最後の方は、男の人がいるのも駄目だったんだけど。……黒乃君なら、大丈夫な気がして」
「……そうだったんだ」
「あの、……黒乃君、……もし、もし良かったら、……その、わわわ、私を撮ってくれませんか? その、な、何かが変えられる気がして……」
「……えーっと、僕でよければ、喜んで」
箱を開け、セッティングを終えた、カメラを手渡される。
「ここを、押してくれれば、撮れます」
渡されたカメラを持ち、机をレンズに収める。
「こんな感じで大丈夫?」
「……うん。……じゃあ、お願いします」
そうして、彼女は眼鏡を外し、僕の前に移動する。
僕は彼女に習った通りに、カメラを構え、彼女の上半身を捉えた。レンズを通じてみる、彼女は雫になっていた。
そうして、何枚かシャッターを鳴らし、彼女にその出来を見せる。
「……ありがとう、初めてなのに上手だね。……そのどうかな?」
「その、とても、可愛いと思います」
「ふふ、……ありがとう、ございます。……もうちょっと撮ってくれますか?」
そうして、スタジオと化した佐倉の部屋で、雫の撮影会は続く。
数枚とって、確認してもらい。その繰り返し。
写真を撮っている最中は、プロフェッショナルからなのか、丁寧ながらもこちらに要望を伝えてくる。おそらく、彼女の中でなんらかのスイッチが入ったのだろう。
そうして、一段落がついた後に、彼女は再び、こちらを上目遣いで見つめてきた。
「……あの、今ならできるような気がして、……その、グラビアの撮影の練習もお願いできますか?」
「……えっ、うん」
「……ありがとうございます。その、ちょっと、後ろ、見てもらえますか?」
そうして、僕は後ろを向く。僕の後ろからは、衣擦れの音が聞こえ、それが止んで、しばらくした後に、彼女から声がかかる。
「……もう、大丈夫です。」
そこには、顔を真っ赤にし、溢れんばかりの胸を両手で隠す、下着姿の雫がいた。
先ほどまでは、完全に切り替えていたのであろうが、ここにきて羞恥心が上回ってしまったのだろう。
しかしその恥じらいが、雫、いや佐倉をより魅力的な存在に昇華させたように感じ、僕はその姿を写真に収めた。
「え、今、撮ったの?」
「ごめん、そのすごい綺麗で、つい」
「……そう、なんだ」
「えーっと、どうやって撮ればいいかな?」
誤魔化すために、話題を変える。
「……この部屋、だったら……、ちょっとこっちにきて」
彼女は僕をベットの方に案内し、ベットの上にペタンと座った。
「……こ、こ、こんな感じ、かな」
彼女の中の羞恥が限界に達したのか、雫の仮面が徐々に外れてしまっているのか、先ほどまでの余裕は彼女には既に失われていた。
「…あ、あ、あとはその、こうやって、上から撮るやつとか」
そういうと彼女はベットに寝転がった。上から撮る? 上から撮るってことは、つまり。
そうして僕は彼女の指定したポジションに就くべく、彼女の腰を挟んで膝立ちになり、彼女をレンズに収めたが、僕の影がガッツリと映り込んでしまった。
「えーっと、佐倉さん、その影が入っちゃうんだけど……」
「ーーーーーーーーーー」
「……佐倉さん?」
そうして佐倉さんに目を向けると、佐倉さんの視線はある一点に集中していた。
僕自身、カメラを撮ることに集中しすぎていて、気づいていなかった。
どうしたものか、思考が完全に止まってしまう。
「あのっ、……それって、私でそうなった、ってことなん、ですよね?」
「ーーちがっ、いや、その、えーっと、……そういうことになります……」
「……あっ、あ、あの、私、ててて、手伝います」
「…………え?」
「ひ、必要ないですか?」
「お願いしますっっっっ!!!」
そうして、佐倉は起き上がり、ベットに腰掛け、僕はその前に立っていた。
佐倉の前には、事態の元凶が佐倉に触れそうな勢いで、勃起している。
僕がベルトを外し、ズボンとパンツを下ろすと、それは、今までに見たことのないくらい、元気に姿を現した。
「…す、すごく大っきい……」
佐倉は現れた肉棒を、まじまじと見つめている。また、佐倉が発した、息を感じ、それに連動するように、肉棒は跳ね続けていた。
「これ、大丈夫なの?」
「うん、えーっと大丈夫」
「そうなんだね、……あの、どうしたらいいかな?」
「その、握って欲しいかな」
「……こう?」
佐倉の柔らかな手に、竿の真ん中が優しく掴まれた。初めて、女性の手に触れられたが、普段と全く異なる質感に、それが本当に手であるのか疑いたくなるほどだ。
「わっ……その、男の人のってこんな感じ、なんだね。凄い硬くて、なんだか、ビクビクしてる。」
佐倉は顔を赤らめ、上目遣いでこちらを見上げる。触感を確かめているのか、手に力が入ったり、抜けたりして、油断をすればそれだけで逝ってしまいそうだった。
「佐倉さん、手を上下に動かしてくれる?」
「えーっと、こんな感じですか?」
「うん」
そうして、佐倉は下着姿で、僕の肉棒を手で上下させる。明らかに手慣れてないそれであったが、それが却って、僕を興奮させた。
「……あの、先っぽから、何か垂れてきてる」
視覚的な快楽からなのか、肉体的な快楽からなのか。あまりの暴力的な快楽に、大好物を目の前にした子供の涎のように、絶えず先走りが溢れだし、佐倉の握る手の間に染みてゆく。
「……その、気持ち、よくて」
「……そうなんだ、良かった」
佐倉はどこか安心した様子をみせ、手を動かし続ける。
滑りが良くなったことにより、先ほどとは最早、別の行為とも思えるような刺激が襲い掛かり、僕は我慢の限界に達した。
「佐倉さん、もう、射精そう!!」
「……えっ、はっ、はい!」
「あっっっ!!!!」
「ーーきゃっっっっ!!!」
堰き止められていた精液は佐倉の顎下に届き、それは胸にかかるまで垂れ続ける。全て吐き出し終えた後、佐倉の胸部は精液に塗れており、谷間にはゼリーのような精液が溜まっていた。
我ながら驚く量だ。……出した張本人であるはずなのに、ちょっと引くレベルである。
「……あ、あっつい。……すごい、量なんだね」
「……いや、こんなの初めて」
「……そうなんだ」
佐倉の手に握られた、それは未だに硬度を落とす様子はない。
「……まだ、おっきいままだね」
「ごめん、その、もう一回いい?」
「……いいよ」
彼女は微笑みを浮かべ、僕の願いを受け入れてくれた。