様々なNTRの刺客がいるこの世界で、俺は彼女たちの絶対的な王になる 作:柊咲
まだまだ勃起は収まらないが、マリディナはそれを見ないふりをしてはだけた衣服を直す。
「これ以上は、ダメです……」
小さな声でそう言ったマリディナは、こほん、と咳払いする。
「今後、少しでも溜まっていると私が判断した場合、マキシム様には先程ここでしたことを受けていただきます」
右手の手袋を脱ぎ、左手の白濁液が吐き出された手袋を脱ぐ。
床や壁を汚していないか確認したマリディナは、何事もなかったかのようにいつも通りのメイドとしての彼女に戻った。
「俺に拒否権は?」
「残念ながらありません。何度も申し上げている通り、マキシム様のことは信じていますが、これは男性として避けられない本能の問題なのです。実際に限界が訪れなければどうなるかわからない以上、そうならないよう未然に防ぐ。これが最善かと」
大袈裟だなと思うが、彼女たち女性だけで生きてきた者にとって男である俺は、どうなるかわからない生き物ということなのだろう。
「私はリーデカルラ領のメイドとして、主であるララフレア様と領民の安全を守る義務があります。それに」
「それに?」
言おうとして口を開け、少し間が空き、ため息をついてから言葉を続ける。
「せっかく多くの女性から信頼を受けられるようになったというのに、歩けば避けられ、目を合わせれば嫌悪感から睨まれ、助けたのに脅えられる……そんなの、もう味わいたくないではないですか……。私も、マキシム様にそんな思いを受けていただきたくありませんから」
処女宮の結界の外に出てオーガと戦い、あの四人を救ったのが俺だということを、ララフレアは先に帰したメイドたちに領民へ伝えるよう指示したらしい。
それが理由で俺の見る目が変わったかはわからないが、少なくとも露骨に避けられることはもうないとララフレアは言った。
だからこそ、せっかく集めた信頼を失ってほしくない。
この言葉はマリディナの優しさなのだろう。メイドとしてではなく、彼女の。
「意外と優しいんだな」
「意外とは失礼ですね、メイドとは優しいものです。でなければ、我が儘ですぐ自己完結するララフレア様を支えるメイド長になんてなれません」
「確かにそうだな」
「ええ」
マリディナの要件は済んだらしく、彼女はドアノブに手を伸ばす。
「マキシム様」
振り返った彼女は、視線を横へ逃がしながら言う。
「……この件は誰にも言ってはいけませんので」
「どうしてだ?」
「どうしてもです。もし誰かに言ったら、私はあなたのことを一生恨みますので。では」
捨て台詞のように置いて行った言葉に俺はため息をつく。
「なんだったんだ、ほんと」