お隣の天使様の黒タイツ脚から目が離せないフェチ人間にされていた件 作:まるきMk.III
「はぁ………… はぁ………… くふっ…………」
(こんなことしては駄目なのに……気持ち良くって止めらない……)
「あぁぁ………… あ……周くん…………」
このところ昼休みになるとトイレでオナニーをするのが習慣になっている。
声が出てしまっているが、口をパクパク動かしわずかに息が漏れる程度でこの個室の外では聞こえていないはずだ。
“天使様“
クラスメイトどころか学校のほとんどの生徒からそう呼ばれるのは椎名真昼にとって正直あまりいい気分ではないが、誰とも距離を置く壁を作って接するには都合が良い。
けれど時々は”天使様”を壊したくなり、本物の”天使様”が絶対にしないであろう事を授業の合間に愉しむ。
そんな性的な快楽に浸りはじめていた。
しかし半年程前から目的が変わりつつあり、今では愛おしい彼を思い浮かべするようになっている。
「周くんの……ペニス……」
ポーチから小さなディルドを取り出しぺろりと舌先で舐め、そして自らの秘部へ刺し挿れる。
「あっ!くふっ!………… はぁ…………あああぁぁぁ…………」
いくら何でも彼の性器がこんなに小さいってことは無いだろうとは分かってはいるが、隠し持つには丁度いい。
ネットショップで初めてこんなアダルトグッズを買ったときはドキドキしたけれど、今ではもう少し大きな物まで家にある。
最初は痛くて出血もしたけれど自暴自棄になっていた時期もあり、自分で自分を痛めつけるのがむしろ快感だった。
しかし今ではそうして自らを傷つけてしまったことを後悔してる。
(周くんとの初めての時、私に処女膜が無い事を知ったらどう思うかな? それとも痛がる演技をしたほうがいいのかな)
「あっ…………ああぁぁぁ…………あ……まね……くん…………いいわ…………あまねくんの……ペニス…………おちんぽ…………私の……おまんこに…………ずっぽり入って…………すごく気持ちいいの…………」
なにせ”天使様”を壊してしまいたい衝動から始めた自慰行為だけに真昼は隠語を口にするのが気に入っていた。
普段自分を抑えている反動から解き放たれた下品な自分に酔っているようだ。
「い……く…………いくっ!…………周くんも一緒に…………中に……出して…………私の……子宮に…………いっぱい…周くんの精子…………いっぱい出して……………………ああっ!…………あああんんんっっ!!…………いくっ!……いくっ!…………おまんこいくっ!……おまんこいっちゃうっ!……いくっ!いくっ!いくううぅぅぅぁぁぁああああああ……………………」
そろそろ教室に戻らなければと、小さなディルドの抽挿だけではなく指でクリトリスの刺激も加えそのまま一気に上り詰めていった。
「はぁ…………はぁ…………はぁ…………」
(こんな日は本当にくるのだろうか?)
手を洗い鏡を見ているとそんなことを考えてしまうとつい彼に対するほんのささやかな怒りが沸き起こる。
「周くんのバカ」
「椎名さん、いつも黒いタイツを履いてるけどあれ、いいよな」
「ああ、オレもそう思っていたよ」
「触ってみたいよな」
「どんな感触なんだろ」
「て、どんないやらしい声を出すんだろうな」
「それな!」
周がトイレの個室で用を足し終え出ようとしたところふたりの男子生徒の声が聞こえ始めた。
聞き覚えの無い声だから他のクラスか……
とは言っても極端に人付き合いが悪い周にとってはクラスメイトの声がどれだけわかるかは疑問ではあるが。
「この写真見てみろよ」
きっとスマホを取り出して廊下かどこかで隠し撮った写真を呼び出したのだろう。
「これ、見え……いや、見えてないかー」
「でも十分ヌケるわ。 俺にもシェアしてくれよ」
(こいつらなんて事を言ってるだ!)
まあ、しかし学園の天使様と言う事はそんな風に見られているいる事は理解できる。
今ここで俺が出て行ったらふたりはどんな顔をするんだろうな、と考えると周は少し面白くなってきてもう少し聞いてみることにした。
「はあーーーーー」
ふたりユニゾンか?と思わせるくらいに合わさった溜め息と共に軽やかだった口先が次第に怨嗟の音色を含み始めた。
「それにしても藤宮なー」
「そ゛れ゛な゛」
自分が突然噂話の登場人物にされてしまい、不快ではある。
しかし、このふたりの限らずあちこちで色々言われているのだろう。
なんと言っても周は回りが言うところの"天使様"椎名真昼と付きあっているのだから。
「実際、あいつらどこまでやってんだろうな?」
「おい! 藤宮はともかく天使様だぞ! 天使様がんな事するわけが……」
「じゃあお前が藤宮の立場だったら手を出さない自信があるのか?」
「そりゃ!…………む……無理だな……」
「だろうな」
さすがにいたたまれなくなり水洗のボタンを押し音をたてる。
「やべっ! 誰かいたのか」
(お前らそれも確認せずに噂ばなしをしていたのかよ)
「藤宮のやつ」
「いいよなーーー」
そんなふたりの言葉が遠ざかって行く。
(あいつらもまさかオレと真昼が同棲に近い生活を送っているだなんて知らないだろうな)
その上でいまだ手を出していないなんて知ったらどんな顔をするのだろう……と周は想像をしたが、そもそも声の主の顔がわからないのだから想像のしようが無い事に気づく。
トイレから出たところで周は小さく溜息をついた。
昼休みのざわめきが廊下に広がっている。
歩き出した時、隣の女子トイレの扉が開く。
「……あ」
ふたり同時に声が出る。
出てきたのは真昼だった。
亜麻色の長い髪がふわりと揺れ、周を見て少しだけ驚いた顔をする。
ほんのわずかな沈黙。
その瞬間にも周は真昼の表情がすねたような色を見せたことに気が付いた。
「ん? 真昼、なんか怒ってないか?」
「……いえ、別に」
「ほら怒ってるじゃないか。 俺なにかしたか?」
少し前までならふたり並んで歩くだけで周りの生徒がざわついたものだった。
──なんであの地味な藤宮が
──天使様とつきあってるなんて認められない
そんな声が背後から聞こえ、なかにはもっと攻撃的な罵詈雑言すら投げつけられるのもいつもの事だった。
しかし最初の騒ぎも少しは落ち着いたのだろう。
あるいはふたりが一緒にいるのが当たり前になったのかもしれない。
それでも周は時々「天使様」とさえ呼ばれている真昼がこうして自分の隣にいることが不思議な気持ちになる。
ふと見ると真昼は小さく笑っていた。
「どうしたんですか?」
その表情に不機嫌さは無くなっていた。
「いや、なんでもない」
周は慌てて視線を前に戻す。
──気のせいだったか?
「周戻って来た。 長かったじゃーん。 もしかしてうんこ?」
「ば……お前、なんて事を口に出してんだ」
クラスの連中も千歳のあけすけな言動に慣れたのかそんな言葉を聞いても特に気にする事も無くスルーされているようだ。
「ああそうだよ。 悪いか」
声の主を見ると、当の千歳は真昼の机に肘を付きながら樹に顔を寄せ、樹は困ったように笑っていた。
「人の席で何してんだよ」
「周の席じゃないのにエラそー」
千歳は悪びれもせず肩をすくめ文句を返してきた。
そんな千歳も周よりも先に教室を出ていた真昼には何も言わないくらいのデリカシーはあるらしい。
「ちーってばお下品な…… でもそんなちーも好きだよっ!」
わざとらしく身をくねらせ口元に手を当てながらそう言う樹は正直気持ち悪いと周は思う。
「いっくーん♡」
(お前らせめて自分の席でいちゃつけ)
「真昼、さすがに千歳の頭をはたくくらいはしていいよな」
「ひどい! だいたいなんで周がそんな許可出すのさ」
「いえ、暴力は反対です。 それに仲が良いおふたりを見てるのも好きですよ」
真昼は樹と千歳に向かい大きく手を広げ親愛のジェスチャーを見せている。
そういった仕草はやはりこのふたりからの影響もあるのだろう。
しかしこれまで自分を抑えて来た真昼にそれはとても好ましいと周は感じていた。
「まひるーん、あたしも好きー♡」
すべてが唐突な千歳はまるで舞台役者かのような大きな動きで真昼に抱き着く。
「えっ⁉ ちょ……千歳さん……」
「あっ!」
真昼の声に周と樹の声が重なる。
突然の出来事に真昼の身体がぐらりと揺れた。
予想外の衝撃にバランスを崩す。
「わっ──」
反射的に千歳を抱きしめる形となったが華奢な真昼では完全には支えきれない。
そのまま重心が後ろへ流れる。
次の瞬間──
ガタン!
激しい音が教室に響いた。
真昼は千歳を抱きかかえたまま倒れこんでいた。
完全に転んだわけではないが、床に尻もちをつく形になっている。
「なに? 今の音」
「椎名さんが転んだ?」
ざわざわと教室が騒ぎ出す。
「大丈夫か!?」
周が慌てて真昼に駆け寄る。
頭を打っていないことを確認すると後ろからそっと抱き起こし膝の上に真昼の頭を乗せる。
「はい…… 大丈夫です」
真昼は苦笑しながらそう答えた。
一方の千歳は真昼の腕の中に収まったままぽかんとしていたが、やがて状況が理解できたらしく慌てて身を起こす。
「ごめんね! まひるん大丈夫? お尻痛くない?
「ちょっとだけ…… でも大丈夫」
「いやー 勢い付きすぎた」
「付き過ぎたじゃないだろ」
樹は呆れながらもいつものおちゃらけた表情ではなく千歳を窘める。
静寂の中、わずかに男子生徒たちのつぶやきや喉を鳴らす音さえ聞こえてきた。
周が周囲から真昼に視線を戻すと尻もちをついた真昼のスカートが捲れ上がり、脚が大きく開かれていたのだ。
黒いタイツを纏った細すぎず適度に肉付けの良い脚がすらりと伸び、教室に差し込む昼過ぎの陽の光をナイロン繊維に反射させ艶やかなグラデーションを乗せていた。
80デニールのタイツは薄くは無いが、淡い水色のショーツを透けさせていた。
それに気付いた周はとっさに自分が着ているブレザーをボタンを引き散る勢いで脱ぎ男子の視線を集めてるところに掛け隠す。