人外に好かれる程度の能力 作:ふらんちゃんうふふ
「お客様、お客様」
右腕にサラサラの髪を感じながら寝ていた男は、身体を揺り動かすしなやかな指と、気品の感じる声で目を覚ました。
まず最初に視界へ映ったのは、男の腕を枕にして寝ているフランの姿。
次に自身の起こしてくれた人物の方へ振り返ると、銀髪ボブカットに三つ編み。そしてメイド服を着ているクールな人物が立っていた。
「……おはようございます、咲夜さん」
「はい、おはようございます。お食事のご用意ができておりますが、いかがなさいますか?」
「……お願いします」
咲夜は「畏まりました」と言って丁寧に礼をしてから、その場から消え去った。
一切目を離していないのにもかかわらず、目の前から一瞬で消える現象。
最初の頃は驚いたが、今やもはや慣れたものである。
咲夜が消えたのを確認した男は、腕を枕にして寝ているフランの身体に手を伸ばした。
「んっ」
フランの丸いお尻に手を伸ばして掴んだり撫でたりしながら、羽根の付け根を指で撫でる。
すると、フランは小さく声を出してから瞼を開いていった。
「おはよう」
「おはよぉ」
笑顔で挨拶をした男へ、ふにゃっとした笑顔で返事をしてきたフランは、目を閉じてキスをしてきた。
男はフランの臀部と羽根の付け根を撫でながら、フランと舌を絡めて水音を鳴らす。
さらにフランは手で男の肉棒を掴んで扱いてきており、細くて冷たい指でカリの溝を弄られてとても気持ちがいい。
しばらくの間、フランの唇と手を味わっていると、
「お客様、妹様」
男の背後から咲夜の声が聞こえてきた。
キスをやめて振り返ると、無表情でこちらを見ている咲夜の姿があった。
ただ、これは怒っているわけではないというのを知っている男は、フランのお尻を持って腰に股がらせながら起き上がる。
すると、美味しそうな香りが漂ってきた。
匂いのした方向を見てみると、そこには美味しそうな料理の数々がテーブルの上に並べられていた。
「ありがとう、咲夜さん」
「お気になさらず」
お礼を言うと、咲夜は表情一つ変えずにお辞儀をしてからその場から消え去った。
フランの家に来てから数日が経ったが、今の所殺される気配は全くもってない。
むしろ、咲夜という美しいメイドに甲斐甲斐しく世話をされながら、極上の美少女であるフランの肢体を味わえるため、これ以上ないほど幸福と言えよう。
最近の男の日常は、フランとセックスをしつつ腹が減れば料理を食べて寝る生活だ。
毎日フランの肚へ精を吐き出しているのに、男の肉棒が萎えることは一切ない。
正直かなり不思議だが、フランいわくそういう能力でも持っているのではないかということだ。
そもそも、今までそういうことに興味がなかったフランが、一目見ただけでセックスしたくなるのもおかしいので、そういう力があっても不思議ではないそうだ。
……いつも顔を合わせている咲夜には何も影響はないなので、本当かどうかは定かではないが。
そんなことを考えながら料理を食べていると、我慢できなくなったのか、フランが男に抱き着きながら肉棒を秘所へと挿入した。
腰を動かして気持ちよさそうに喘ぐフランに、男は口に含んだ料理をキスで受け渡す。
料理を全て食べ終えれば、あとは目の前の肢体を味わうだけだ。
フランの身体を机に乗せて正常位で犯して精を注ぎ込み、椅子に手を置かせて後背位で犯して精を注ぎ込む。
もはや男は、飯と寝る時以外は常にフランとセックスしていた。
どれだけ行為を重ねても、膣内のきつさは変わらず、フランの甘い嬌声も変わらない。
昔の一人で自慰をして仕事に行くだけだった男では、想像もできなかったような最高の生活だ。
そうして今日も、フランの肚へ思う存分精を吐き出していると、
「妹様ー、パチュリー様がうるさいって怒ってま……す……」
扉を開きながら、甘い声の持ち主が中へと入ってきた。
入ってきたのは長い赤髪の女性で、頭と背中に蝙蝠のような羽根が生えている。
どう見ても人外だが、顔立ちは美しく、胸部は服の上からでも分かるほど豊満だ。
そして、男がフランを後背位で犯している光景を見た赤髪の女性は、目を見開いて口元に手を翳した。
「あら、あらあらあら」
男はバレてしまったという恐怖で腰の動きを止めて完全に硬直する。
だが、
「ふぅ、ふぅ、んっふぅ」
フランは入ってきた赤髪の女性をまったく気にしていないようだ。
腰の動きを止めた男の代わりに、フラン自身が腰を動かしてきた。
「ぐっ、ま、まってっ、誰か来てるって!」
男の制止の声も虚しく。フランは腰を動かして男の肉棒へ奉仕をする。
やばいやばいと内心で焦る男だが、
「いいんですよぉ、そのまま続けてもらって」
「え?」
驚いて入口の付近にいる赤髪の女性を見てみると、何故かニヤニヤと笑っている。
そして、
「では、お楽しみに~」
「まっ!」
手を軽く振りながら赤髪の女性は扉から出て行ってしまった。
もしかして言いふらしに行くのかと思って制止の声を掛けたが、扉の閉まる前にこちらを見ていた女性は、妖艶に唇を舌で舐めていた。
ああ終わったと思う男だが、フランの腰は止まることなく刺激を与えてくる。
もはやこうなれば、死ぬ前にこの可憐な吸血鬼を犯しつくし、その肚へ自身の子供を孕ませようと決意し、勝手に動く腰を両手で掴んで、
「お”っ!?」
肉棒を子宮の奥へと突き入れた。
フランは濁音交じりの嬌声を漏らし、絶頂したのか身体を痙攣させる。
男は身体を震わせるフランを無視して、
「フランっ! フラン……っ! 俺の子供を孕んでくれ……っ!」
可憐な吸血鬼のこれからの人生に自分を刻みつけるように、子宮の入り口へ肉棒を押し付けて精を吐き出し、全身で呼吸をするフランの肩をベッドへ押し付けて、臀部を高く差し出させながら激しく犯し、さらに精を子宮へと注ぎ込む。
そうして何度も何度も、フランを道具のように犯し続け、腰を動かすたびに収まりきらなかった精液が結合部から漏れ出るようになったころ。
未だに誰も自身を殺しに来ないことに疑問を抱き、
「……なあ、フラン?」
「なぁに?」
膣内からドロドロの白濁液をベッドへ流しながら、全身で荒い呼吸をしているフランの名前を呼んだ。
フランは妖艶に答えながら身体を震わて四つん這いになり、男の肉棒へ舌を這わせ始める。
「さっき、赤髪の人がきて見られたんだけど」
「赤髪? ……小悪魔かな。
じゃあパチュリーにもバレちゃったね」
フランは肉棒に舌を這わせながら、なんてこと無いように言ってきた。
「バレちゃったねって。……俺、殺されるよね?」
「大丈夫よ。
その気なら見た時点で殺してる。
まだあなたが生きてるってことは、小悪魔もあなたのことを気に入ったんじゃないかな?」
そんなわけないと言いたいが、この家に住んでいるフランが言うのならばそうなのかもしれない。
あの小悪魔という赤髪の女性と過ごしているならば詳しいだろうし。
ただ、
「気に入ったって。……それはさすがにないんじゃないかな?」
自分を気に入るというのは少し考えにくかった。
いや、フランが自身を森へ誘き出してまで行為を求めてくるのもありえないのだが、フランの好みがたまたま自分だったという理由で納得できる。
今も肉棒を愛おしそうに舐める金髪の可憐な吸血鬼が、自身に一目惚れするのは納得できないので、あくまで身体の好みだったのかもしれないが。
男がそう考えていると、フランが顔より大きい肉棒に頬ずりをしながら、
「あるよ。
だって、私はあなたを一目見ただけで惚れちゃったもの」
「……え?」
あり得ない言葉を口にしてきた。
フランが、自分に惚れている?
もしかして頭で考えたせいで自分の耳がおかしくなり、全く違う言葉が自分の願望に変換されたのだろうかと考えていると、
「まさか私が、たまたま見かけたニンゲンを好きになっちゃうなんて思いもしなかったわ。
ニンゲンの子供を孕んでもいいと思えるなんてね」
フランが告白まがいの言葉を目を閉じて思い出すように語り始めた。
その顔は無理やり言っているようには見えず、見た目は幼い少女なのに恋する乙女の顔をしていた。
「俺の事を、好きなの?」
「そう言ってるじゃない。
というか、好きでもない奴とセックスなんてしないわよ。
あなたのことが好きだから、あなたとの子供を孕みたいから、あなたとセックスしているのよ」
そう言い終わったフランはどういう原理か浮き始め、男の肩に細くて白い手を置きながら、自ら肉棒を秘所へと挿入し始めた。
「ちょっ、このままだと殺されるんだけど俺」
フランが自分の事を好きだと思ってくれているのには嬉しかったが、このままでは自分はフランの身内に殺されることになってしまう。
だが、
「だから大丈夫だってば。
どうせもう少しで小悪魔もあなたとセックスするために来るわよ。
もしかしたらパチュリーも一緒かもしれないわね」
フランは本当に大丈夫だと思っているようで、全く気にせず腰を動かし始めた。
今にも殺されるかもしれないというのに、男の下半身は正直だ。フランの膣内で絡みついてくるヒダと、近くで聞こえてくる鈴の音のなるような嬌声で硬さを増していく。
「そもそもニンゲンを好きになると思ってなかった私が一目惚れしたのよ?
だからあなたは妖怪を引き付ける能力か何かを持っているのよ。
だから気にせず、お腹にあなたの子種をたくさん注いで?
私と赤ちゃん、作っちゃお?」
ここまで言われれば、男も本当に自分に命の危険はないのではないのだろうと考え始めた。
そもそもフランが自分に惚れるのですら変なのだ。ならばそこに先ほどの小悪魔という美女が加わるのも不思議ではない。
「……そうだよな。
そもそもフランが俺に惚れるってのもありえなかったんだから、これは能力なんだろう」
「んっ、……そうよ。
だから気にせず私を犯して?
小悪魔が来る前にたぁくさん。
……ね?」
可愛らしくウィンクをするフランの言葉に、男は完全に吹っ切れた。
「……ああ」
「ぉ゛っ!」
吹っ切れた男は、自分の腰に足を回しているフランの臀部を鷲掴みにし、フランを持ち上げ、落ちるタイミングに合わせて腰を突きあげる。
男の肉棒は大きく、幼い身体付きのフランでは苦しいはずなのに、近くに見える顔は悦楽に浸っていた。
これほどまでに可憐で美しく幼い少女が、自分に惚れていて子供を孕みたいとまで言ってくれた。
ならば男のすることは、自分に惚れてくれた少女に終わらない快楽を与え、少女のお望み通りに赤子を孕まらせることだけだ。
そう決心した男はもはや止まらない。
例えフランが快楽によって身体中から体液を漏らしても、度重なる絶頂によって意識を失おうとも。ただひたすらにフランを犯し続ける。
そんな男に犯されているフランは、とても幸せそうにしていたのだった。
~~~~
「あ゛あ゛ぁぁぁぁああ!!! ン゛ぐぅっ!? お゛ぉ゛ぉ゛っ゛!!?」
分厚いはずの扉を貫通して聞こえてくる、普段の凛々くお嬢様らしい声とは違う、与えられる快楽によって強制的に出される濁音交じりの嬌声。
そんな声を、扉の前にいる二人の美女が聞いていた。
「わあ、すごいですね」
一人は赤髪の小悪魔という女性。
先ほどニンゲンの男と、屋敷の主の妹様が激しくセックスしているのを見た、スタイルのいい美女だ。
「これね、原因は」
一方横にいるのは、紫色の髪をして露出の少ない紫色が基調の服装をしている美少女"パチュリー・ノーレッジ。
この屋敷に存在する大図書館の司書であり、魔法使いでもある女性だ。
パチュリーは扉の奥から聞こえてくる友人の妹のあられもない声に、少し引いた顔をしながらその場で耳に入れ続ける。
「なんかニンゲンの男とめっちゃセックスしてましたよ」
小悪魔は自身の主であるパチュリーへと、先ほど自分が見た光景をそのまま説明する。
そんな自分の下僕である小悪魔の説明を聞いたパチュリーは。
「ニンゲン?
ああ、玩具として壊すんじゃなくて、ついに性玩具にまでし始めたのね」
呆れたように首を横に振った。
今までに何度か玩具として犠牲になるニンゲンは見たが、まさか自分で連れてきて性玩具にするとは思わなかったと、パチュリーは内心で思った。
「いやいや違うんですって。
玩具じゃなくて、多分惚れてますよあれ」
「惚れてる?
吸血鬼がニンゲンに惚れるわけないでしょ」
小悪魔の言葉をパチュリーは一蹴する。
パチュリーの考えこそが普通の事であり、妖怪がニンゲンに惚れるなんてあり得ないのだ。
……だが、
「パチュリー様も見れば分かりますよ。あの男の子を」
小悪魔はとても楽しそうに自身の主へと進言した。
パチュリーは小悪魔を胡散臭そうに見て、
「……まさか、あなたも惚れたんじゃないでしょうね?」
あり得ないと思いながらも質問した。
質問された小悪魔は、
「えっ、いやぁ、どうでしょうね」
とても下手くそなごまかしをしたが、当然パチュリーには見抜かれていた。
(小悪魔が妹様の男を見たのは一回だけなはず。
それなのにこの反応。間違いなく惚れている)
パチュリーは、自身の僕である小悪魔が、男の事を語る時だけ少し声が上擦っていたのも気が付いていた。
だが、小悪魔が男を見たのはつい先ほど。それもたった一回だけのはずだ。
それなのに、まるでしばらく会えなかった恋人に会える寸前のような空気を出している。
(一回見ただけで? どんなやつなのよ)
パチュリーがそう考えていると、
「フランっ! フランっっ! 好きだ! 愛してるっ!」
扉の奥から男の声が聞こえてきた。
それはフランへと愛を囁く言葉であり、それを聞いたパチュリーは思わず顔を赤らめた。
(これが妹様の連れてきた男の声、か。
……いったいどんな顔をしているのか……っ!?)
パチュリーは自分が男を見てみたいと思い始めていることに気が付き、驚きと共に思考の沼へと沈んでいく。
だが、男を見たいという欲求は徐々に強まっていく。
(ダメよ。声だけでこれだもの。会うことで真価を発揮する魔法だったら面倒だわ。
……でも、人の精神に影響を及ぼす魔法なら、本として図書館に入れるのも悪くないわね)
最初はダメだと考えても、後になって最初に考えた意見を無視できるような理由が浮かんでくる。
パチュリーは一つ一つ会わない方がいい理由を脳内で挙げては消していたが、ついに合わない方がいい理由がなくなった。
そうなればあとはどうやって会うかのみ。
ここで扉を開けて一目見るのが早いのは分かっている。だが、何故か一人で会いたいと思い始めていた。
(明らかにおかしいわ。いつもの私ならさっさと見て本を読みに帰るはずなのに。
……でも、一人で会いたいわね)
再び今すぐ見ればいい理由を挙げては消してを繰り返したパチュリーは、
「こあ、帰るわよ」
「え? 見ないんですか?」
踵を返して階段を昇り始めた。
当然、見ると思っていた小悪魔は驚くが、
「後で見るわ。今入って妹様に殴られたら嫌だもの」
パチュリーのいつもとは違う答えににんまりとした笑みを浮かべる。
魔法使いであるパチュリーならば、魔法なりなんなりでさっさと見ればいいだけなのに、なぜか理由をつけて直接見ようとしている。
そんなパチュリーの照れ隠しのようなものを面白がりながら、小悪魔は階段を昇っていくパチュリーに小走りで近づいていったのだった。
「パチュリー様。最初は私でいいですか?」
「ダメよ。あなたはもう見たんだから、まずは私。命令よ」
「えぇ~、そんなぁ」