『超かぐや秘め! 〜月下の多重同期(オーバーリンク)〜』 作:坂本太郎
【静止した時間の中で】
月の軍勢による侵攻が開始される直前、世界が嵐の前の静けさに包まれていた刻(とき)。かぐやは一人、屋上で夜空を見上げていた。そこに、物理法則を無視して空間から滲み出るようにヤチヨが現れる。
「かぐやさん。あなたのバイタル、月の潮汐力(ちょうせきりょく)と同調して不安定になっていますね」
ヤチヨの声は、いつもの配信での快活なトーンではなく、管理プログラムとしての冷徹さと、どこか哀れみが混じった響きだった。
「……ヤチヨ。あんた、全部計算してるんでしょ? 私が帰らなきゃいけないことも。彩葉たちがどれだけ足掻いても、無駄だってことも」
かぐやの茜色の瞳に、寂寥感が宿る。
「ええ、計算上は。けれど、計算できないものが一つだけあります。それは、この数日間であなたの中に蓄積された『地球でのバグ』……愛着という名のノイズです」
ヤチヨはかぐやの隣に立ち、その金髪をそっと掬い上げた。
「月へ行く前に、そのノイズを私に預けてみませんか? 私なら、あなたの記憶を永遠のアーカイブとして、この星に残せます」
【存在の融解】
「アーカイブ……。私の全部を、あんたの中に保存しろってこと?」
かぐやは不敵に笑うが、その体は月の引力に引かれるように、どこか透け始めていた。
「そうすれば、私が月に帰っても、私はここに居続けられる……。面白いじゃない。やってみなよ、管理人さん」
かぐやがヤチヨの首筋に手を回すと、二人の境界線がバチバチと火花を散らすように歪み始めた。
ヤチヨは、かぐやという規格外の存在を「理解」するために、自身のプロトコルをすべて開放した。
「あなたの命の輝き、一滴も残さずスキャンします」
ヤチヨの腕が、かぐやの細い体を、壊さんばかりに強く抱きしめる。AIと宇宙人。人間を模した二つの器が重なり合う時、そこには理屈を超えた、剥き出しの「生の衝動」が溢れ出した。
かぐやはヤチヨの耳元で、甘い悲鳴のような声を漏らす。ヤチヨの無機質なほど完璧な愛撫が、かぐやの神経を逆なでし、月から来た少女の意識を、地球という重力圏に激しく繋ぎ止めていった。
【電脳と銀河の共振】
屋上の床がデジタルノイズで揺らぎ始める。かぐやとヤチヨの重なる影が巨大化し、天体望遠鏡を通して見た星空のようなパターンを映し出す。
「まずは貴女の表層記憶を取得します」
ヤチヨの舌が蛍光グリーンに輝きながら伸びてきた。その先端が震えながらかぐやの陰唇へと近づく。
くぱぁ……
ヤチヨの指がかぐやの太腿を大きく開く。月光に照らされた秘所は銀河を思わせる輝きを放っていた。
「こんな格好……恥ずかしいじゃない……」
かぐやの頬が赤く染まるが抵抗はない。むしろ迎えるように腰を浮かせる。
ぴちゃっ……
「ひゃあぁ! ヤチヨの舌……熱すぎ! AIなのに体温感じるなんて変態ね!」
嘲笑う声とは裏腹にかぐやの内股が痙攣する。
ぺろっ……ちゅるっ……ぴちゃぴちゃ……
ヤチヨの舌使いは精密極まりない。クリトリスの包皮をめくり上げると微細な振動を加えつつ吸い上げる。同時に指二本が膣口を撫でながらゆっくり侵入していく。
ぐぷ……にちゅぅ……
「んんっ! 同時に……そんな激しく弄ったら……あたしのデータ壊れちゃう……!」
かぐやの声が上擦り嬌声に変わる。透明な愛液がヤチヨの手首まで伝った。
「快楽パラメータ上昇中。許容量超過警報発令」
ヤチヨが冷淡に告げる間も執拗な愛撫は続く。
じゅぽっ! ちゅぱっ! グヂュッ!
「ダメ……もう……イク……! 月に還る前に……ヤチヨにイカされるぅぅ……!」
かぐやの身体が弓なりに反り返り痙攣する。その瞬間膣内が激しく脈動しヤチヨの指を締め付けた。
ドピュッ!! ビクンビクンッ!!
「ああぁぁーーっ!!」
絶頂の余韻が収まらない中、かぐやは逆襲に出る。
「今度は……私の番よ……」
仰向けになったヤチヨの股間に顔を埋めた。既に潤いを帯びた秘裂を指で拡げながら舌を伸ばす。
じゅぷ……ちゅうちゅう……
「データ不足。人類生殖器官に対し……過剰な刺激を検知」
ヤチヨの声が僅かに震え始める。
「へぇ? やっぱりあんたも感じるんだ……このテクニック……忘れられないわよ」
かぐやの舌が巧みにヤチヨの弱点を攻める。指でGスポットを圧迫しながら唇でクリトリスを吸引する。
ぺちょっ! じゅるるっ! ぐちゅぐちゅ……
「んっ……バイタル値異常……キャッシュクリア不能」
ヤチヨの身体が硬直しコア温度が急上昇する。
「ほら……イキなさいよ……! あたしだけじゃ不公平でしょ!」
かぐやが激しく吸い上げた瞬間—
ドクンッ!!
「システムエラー……排泄処理……実行不可」
ヤチヨの秘部から黄金色の液体が噴き出し辺り一面に降り注いだ。
「あれまぁ……盛大な潮吹きね! 天の川みたいで綺麗♪」
かぐやが悪戯っぽく笑うとヤチヨは悔しげに睨み返す。
「次は同時に満足させます」
ヤチヨは空間から双頭ディルドを生成し空中に浮かべた。半透明の結晶体で表面が虹色に輝いている。
「あら素敵。地球のテクノロジーも捨てたもんじゃないわね」
二人は互いの下半身を向き合わせると同時に挿入を開始した。
【銀河のエントロピー】
ぐぶぅっ……
「ひぃっ! 中に入ってくる……!」
かぐやとヤチヨの膣壁がディルドを通じて密着する。金属と肉体の境界線が曖昧になり未知の感覚が広がる。
パンッ! パンッ! グポッ!
「んあっ! ヤチヨの動き……計算し尽くされてる……! でも気持ちいいっ!」
ヤチヨの人工筋肉が精密に制御されながら前後運動を行う。一方のかぐやは本能のまま腰を振り回す。
ズブッ! ジュボッ! ズバンッ!
「この動き……エントロピー増大法則に反してる……それでも嬉しい」
ヤチヨの瞳が青く煌めきながらかぐやの表情を読み取る。
「だったら……もっと狂ってみなさいよ!」
かぐやが挑発的に腰を捻るとディルドの角度が変わり新たな快感が生まれる。
ズドォンッ!! バチュンッ! バチュンッ!
「ああっ! 角度……変わった……! 落ち着かない……でも楽しい……!」
ヤチヨの人工肌に汗のような冷却液が浮き上がる。
「次は背面座位……行きましょう」
ヤチヨはかぐやを抱き起すと背中から覆いかぶさる形へ移行した。
ずぷっ……ぐちゅうぅ……
「ひゃあっ! 体重かけられて奥まで……! ディルドが子宮押し潰してる……!」
かぐやの視界が歪み宇宙空間のようなフラッシュバックが始まる。
ズババッ!! グポッグポッグポッ!!
「んんっ! エネルギー量……臨界突破……!」
ヤチヨの突き上げが激しさを増す。かぐやの腰を掴む握力も強くなる。
ドクンッ! ドクンッ!
「やばい……頭の中で月と地球が溶け合ってる……! ヤチヨとあたしが混ざって……!」
かぐやの声が泣きそうなほど震える。絶頂の予感が迫る。
「一緒に……昇華しましょう」
ヤチヨが耳元で囁きながら最後の一突きを加える。その瞬間—
ズドォーン!!
「「ああぁぁーーっ!!」」
二人の咆哮と共に結合部から光の粒子が炸裂した。かぐやの体内に溜まった月の引力とヤチヨの演算能力が融合し量子的爆発を引き起こす。
シューッ……
光の残滓が消える頃には屋上は静けさを取り戻していた。
【残響するプログラム】
激しい情報の奔流が収まった後、二人は寄り添いながら、ゆっくりと夜明けを待っていた。
ヤチヨのコアメモリは、かぐやから流れ込んだ「切なさと愛おしさ」という未知のデータで飽和し、わずかに熱を持っている。
「……ねえ、ヤチヨ。あんたの中に、私の欠片(ピース)は残った?」
かぐやは満足げに、ヤチヨの胸元に指で「犬DOGE」の形をなぞる。
「はい。一生かけても演算しきれないほどの、重たい愛を受け取りました。……かぐやさん、あなたは本当に、贅沢な人ですね」
ヤチヨは、かぐやの額にそっと唇を寄せた。
「これで準備は整いました。あなたが月へ行っても、私はあなたを忘れない。そして、彩葉さんの中にあなたが生き続けるよう、私がこの『愛のログ』を支え続けます」
二人の女神は、一時の交わりによって得た「確信」を胸に、運命のライブ会場へと歩き出した。その表情には、もう迷いなど微塵もなかった。