【湿り気を帯びた空気と、巫女の予感】
記録的な長雨が続く東京。ビルに囲まれた狭い裏路地で、夏美と陽菜はスーパーカブの傍らで雨宿りをしていた。帆高と凪は、次の取材先へのアポイントを取るために少し離れた場所にいる。
「……陽菜ちゃん、最近、自分のことどう思ってる?」
夏美が不意に、いたずらっぽく、けれどどこか探るような視線を投げかけた。夏美の視線の先には、パーカーの袖から覗く陽菜の腕がある。そこには、光の加減でほんの一瞬、向こう側が透けて見えるような不思議な透明感があった。
「どうって……毎日、晴れにして喜んでもらえて、私、すごく嬉しいです」
陽菜は微笑むが、その指先はわずかに震えていた。能力を使うたびに、身体が自分のものではなくなっていくような、浮遊感と恐怖。それを誰にも言えずにいた。
「ふーん……。でも、帆高くんには内緒にしてるよね。あの子、君のこと見る時、もう余裕なさそうだし」
夏美が距離を詰めると、チューブトップから覗く彼女の豊かな胸元から、甘い香水と煙草の混じった、大人の女性の香りが陽菜の鼻腔をくすぐった。陽菜はドクン、と胸が高鳴るのを感じる。
「私、夏美さんみたいに強くなれたらいいのに……」
「私なんて全然強くないよ。就活は全敗だしね。……ねえ、陽菜ちゃん。今、すごく心細いでしょ」
夏美の指先が、陽菜の頬を優しくなぞる。雨音にかき消されそうなほど小さな吐息が重なり、陽菜は逃げ場を失う。
「……夏美さん、だめ、です……」
拒絶の言葉とは裏腹に、陽菜の瞳は潤み、夏美の首筋に手を回していた。雨の冷たさと、夏美の身体の熱さ。そのコントラストが、巫女としての孤独を抱える陽菜の理性を、静かに、けれど確実に溶かしていった。
【雨の路地裏で、共犯者の蜜契】
雨音がコンクリートの壁を叩きつけ、ビル風が生温かい湿気を運ぶ裏路地。その一角で、夏美は陽菜をそっと引き寄せた。濡れたパーカー越しでもわかるほど、陽菜の身体は緊張で小刻みに震えている。夏美はその震えごと包み込むように抱きしめると、耳元で囁いた。
「……陽菜ちゃん。今だけは全部忘れてみよっか。この雨も、あの子も」
言い終わる前に、夏美の唇が陽菜のそれに重なる。驚きで硬直した陽菜の唇を優しく食むと、舌先が伺いを立てるように触れた。陽菜は戸惑いながらも、薄く口を開いて受け入れる。
「ん……っふ……」
息を継ぐ間も惜しいほど、二人の舌は絡み合った。夏美の手が陽菜の背中から腰へと滑り降り、ショートパンツのホックを外す。
「……夏美さん……だめです……こんなところで……」
抵抗する声は弱々しく、力もない。
「誰も見てないよ。見てるとしても……この雨だけ」
夏美は陽菜のパーカーをするりと肩から落とした。白いタンクトップ一枚になった陽菜の肌は、路地裏の仄暗い光の中で陶器のように滑らかに見えた。そして何より、その肌はやはり、時折光を通しているかのように僅かに透けて見えるのだ。
「やっぱり……綺麗だよ、陽菜ちゃん」
夏美の指先がタンクトップの裾から忍び込み、陽菜の素肌を探った。
「ひゃっ……!」
冷たい指先に驚いて小さく跳ねる身体を抱き留め、夏美は陽菜を壁際に追い詰める。タンクトップが捲り上げられ、シンプルな白いブラジャーが露わになった。
「その透き通った肌……全部私のものにしたいなぁ」
夏美はそう言うと、陽菜の膝裏に腕を回し、軽々と抱え上げた。陽菜の背中が濡れた壁に当たってヒヤリとする。
「や……恥ずかしいです……!」
「大丈夫。ほら……もっとよく見せて」
夏美は陽菜のショートパンツを下ろし、床に落とした。レースの飾り気もない、清楚な白いショーツ。そこに夏美は迷うことなく顔を寄せた。
「いやっ……! 夏美さん、汚いです……!」
「汚くなんかないよ。だってほら……」
ぴちゃり……
夏美の舌が秘裂を舐め上げた瞬間、陽菜の身体が大きく仰け反った。
「ひぅっ!?」
「こんなに濡れてるんだから……ちゃんと美味しいよ」
「そんなこと……言わないでくださ……いっ!」
抗議の声は途切れ途切れになり、夏美の舌が陰核を探り当てると、陽菜の腰がビクビクと跳ねる。
「ここ、感じるでしょ? ほら……もっと声出して」
ぬるりと秘裂を往復する舌の動きに合わせて、陽菜の口から抑えきれなくなった嬌声が漏れ出す。
「あっ! んっ……! だめぇ……!」
夏美は満足そうに微笑むと、今度は右手の人差し指をゆっくりと膣口に沈めた。温かくぬかるんだ蜜穴が、夏美の指を歓迎するように吸いつく。
「やだ……指…入ってきてます……!」
「陽菜ちゃんの中……熱くて、狭くて……指が溶けそう」
クチュ……クチュ……!
指の抽送が始まり、陽菜は耐えきれずに夏美の頭を掴んだ。
「あぁっ! は……っ、ああんっ!」
秘所から奏でられる淫靡な水音が、激しい雨音の中に混じり合い、異様な興奮を煽る。
「夏美さん……! イッちゃう……! もう……!」
「いいよ、イッて。全部私に見せて」
「きゃぅっ!!」
陽菜の身体が硬直し、絶頂を迎えた。しかし夏美の責めは止まらない。指の動きは変わらず、陽菜の秘部からは断続的に愛液が滴り落ちた。
「ちょっと休憩させてあげる」
夏美は立ち上がり、壁際に座り込んでいる陽菜の顔に自身の下半身を近づけた。ミニスカートから伸びる長い足の付け根で、同じく白いショーツが微かに湿り気を帯びているのがわかる。
「次は……陽菜ちゃんの番。できる?」
有無を言わせぬ夏美の笑顔に、陽菜は羞恥と好奇心がないまぜになった表情で頷くと、震える手で夏美のショーツに手をかけた。
ずるり……
露わになった夏美の秘所は、陽菜とは違う成熟した女性のそれだった。それでも濡れ方は陽菜と変わらないくらい濃厚で、甘酸っぱい匂いが陽菜の鼻腔をくすぐる。
「夏美さんのも……綺麗です」
そう呟くと、陽菜は恐る恐る舌を伸ばした。
ぺろ……
「ん……っ! 陽菜ちゃん……っ!」
初めて味わう女の秘部の味に戸惑いながらも、陽菜は懸命に舌を動かす。夏美の感じている声が耳元で響き渡り、それがまた陽菜を大胆にさせる。
「そ……っ、そこ……いい……!」
クンニリングスを続ける陽菜の前に、夏美はバッグから黒い物体を取り出した。先端が丸く膨らんだ双頭のディルドだ。それを陽菜の目の前に差し出す。
「これで……一緒に気持ちよくなろう? この方が……繋がってるって感じがするでしょ?」
陽菜は一瞬怯んだが、夏美の切なげな眼差しに押され、こくりと頷いた。夏美は陽菜を一旦床に座らせると、ディルドの一方を自らの蜜壺に宛がい、ゆっくりと沈めていく。
「んんっ……! 久しぶりだと……やっぱり大きい……!」
その光景を見つめていた陽菜の喉がゴクリと鳴る。夏美は苦悶と快感の入り混じった表情を浮かべながら、ディルドのもう一方の先端を陽菜の濡れた秘部にあてがった。
「行くよ、陽菜ちゃん」
「あっ……あああぁっ!?」
ズブズブッ……!
巨大な侵入物が二人の体内に同時に入り込み、結合した。圧迫感に息を詰まらせる陽菜の頬を、夏美が優しく撫でる。
「大丈夫? 痛くない?」
「痛くは……ないですけど……すごい……おなかいっぱいです……」
「うん……私も……陽菜ちゃんと繋がってるのを感じる」
夏美はそう言うと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「あっ……ああんっ!」
「んっ……! いい……! 陽菜ちゃんの奥……擦れる……!」
グチュッ! パチュッ!
雨音を掻き消すほど大きな水音と二人の喘ぎ声が路地裏に響く。
「夏美さん……っ! なんか……すごいっ! いつもより……奥まで来てる感じが……っ!」
「だめ……っ! 私も……っ! ディルドの先が……子宮に当たって……!」
次第に二人の動きが大きくなり、絶頂が近づいてくるのがわかった。
「もう……イク……イッちゃう……!!」
「私も……一緒に……! 陽菜ちゃん……っ!」
ビクンッ!!
ほぼ同時に二人の身体が硬直し、盛大に絶頂を迎えた。膣内の収縮運動でディルドが激しく蠢き、その刺激でさらに深い波が二人を襲う。
「あ……あぁぁ……!」
陽菜は夏美の腰に手を回し、脱力した身体を預けた。夏美もまた、汗ばんだ陽菜の髪を優しく梳きながら、荒い息を整える。
「……すごかったね……。こんなの……初めてだよ」
「私も……です。なんだか……世界が止まったみたいでした」
二人はゆっくりとディルドを引き抜くと、互いに濡れた肌を寄せ合った。雨はまだ止まず、二人の身体を冷やしていくが、その内側には燃えるような熱が残されていた。
「ねぇ、陽菜ちゃん」
「……はい?」
「このこと……私たちだけの秘密にしよう。誰にも言わない。いい?」
陽菜は少しだけ寂しそうに笑うと、夏美の胸に顔を埋めた。
「はい。私と夏美さんだけの……大事な秘密です」
【雨の音と、溶け合う体温】
狭い雨宿りの空間。重なり合った二人の鼓動が、ようやく落ち着きを取り戻していく。
陽菜は夏美の胸に顔を埋めたまま、深い安らぎの中にいた。夏美の肌はしっとりと汗ばみ、その熱が、消えかかっていた陽菜の存在をこの世界に繋ぎ止めてくれているようだった。
「……あは、陽菜ちゃん、意外と大胆。あの子が知ったら泣いちゃうかもね」
夏美が冗談めかして陽菜の背中を優しく叩く。陽菜は顔を真っ赤にしながらも、先ほどまで感じていた「消えてしまう恐怖」が、今は心地よい倦怠感に塗り替えられていることに気づく。
「……意地悪です、夏美さん。でも……不思議。少しだけ、身体が重くなった気がします」
「それは良かった。あんまりひらひら飛んでいっちゃいそうだから、私が重石になってあげたんだよ」
夏美は陽菜をもう一度強く抱きしめ、その額に優しく唇を落とした。
満足感に満ちた陽菜の表情には、一時の迷いを越えた「共犯者」としての艶が宿っていた。外では依然として激しい雨が地面を叩きつけているが、二人の間には、誰にも邪魔されない、温かくて重い秘密の時間が流れていた。