梅の祠 作:筆者わちき
さて、まずは状況説明からはじめよっか。
ここは祠空間。
例の地下牢の外だ。
現実世界の村を再現した、ヒメちゃん製リミナルスペースってとこかな。
別にオバケとかはいないよ。
たまにバイオごっこのエネミーとしてゾンビもどきを徘徊させてたりはするけど、今はいない。
本当に、無人なだけの村だよ。
今日はそこを散歩しようと思うんだ。
「んむぅ、んむぅ……!」
ただし、ミコトくんは拘束付きでね。
服はいつも着ている紺色ブレザーと膝丈スカートのまま。
よだれを無様に垂らすボールギャグもね。
けど拘束具は変更だ。
前回と同じじゃ味気ないからねぇ。
選定には苦労したけど、ミコトくんは「学生」だから、それっぽいアイテムを用意したよ。
「ん……っ!」
名付けて手錠付きランドセル~。
ミコトくんは今、こっぱずかしい赤いランドセルを背負ってます。
そのランドセルに手錠を固定して、両手に嵌めております。
つまり後ろ手に縛られていて、まぁ窮屈ってわけだよ。
まともにバランス取れないからか、歩くだけでブレザーとかスカートとかが激しく揺れ動いているのがえっちだねぇ。
どんなに手錠をガチャガチャ鳴らしても、外れたりしないよ。
……なんでそれでちょっと嬉しそうなんだよ。顔真っ赤にしてんじゃねぇ。
「んぅ~!」
まぁいいや。
とにかく、ミコトくんはそのままの状態でこの「ネザチミ村」の各所を歩いてもらいます。
道中で景色を巡りながら、村と祠の歴史を簡単に解説していくのでよく聞くように。
自分が一体何を軽んじていたのかを、思い知ってもらうよ。
もちろんこれは強制だから、ミコトくんの細い首には首輪を装着しております。
このリードからは絶対に逃げられないから、諦めてついてくるといい。
「ん……っ……」
だからなんで嬉しそうなんだよ君。
◆
さて。
祠のある山から下りて南下すると、現代的な村の景色が見えてくるようになる。
ネザチミ村だ。
ネザチミ村は、御覧の通り日本の山奥にある片田舎の農村。
西側はアスファルトの道が続き、電柱がどこまでも続く現代的な商店街が続いているね。
そのまま南西に駅とかあって、近くのデパートで食べ歩きとかができるちょっとした観光スポットらしいよ。
実はそこの喫茶店でバイトして、ゲームを買う金を稼いでいるのは内緒だ。
勿論、現実世界での話だよ?
他の目立つロケーションとしては、あそこの小学校ぐらいかな?
ミコトくんの母校なんだってね。
梅の精霊としての力で知ったんだけど、当時のミコトくんって殆ど男の子みたいな恰好してたらしいね。
基本的にスカートの類は一切履かず、ズボンを着ていた、と。
だからか、中学校に進学した時はだいぶ苦労していたようだね~。
だってネザチミ村の中学校、制服あるもん。
当然女子はスカート限定。遅れてるよね~。
でも、結局君は渋々制服スカートを履いた。
中学校入学から約六年経って十八歳になった今でも、スカートのすーすーする感覚に慣れてない。
だから休日の時は、絶対制服を着ずにズボン履いている。
「んむぅ、んむぅ……!」
……だってのに、この間の拷問から制服スカートを履くようになったらしいね?
そんなに気持ちよかったんだ。
むっつりすけべ。
「ん……っ……!」
◆
ネザチミ村の西部に行くと「ネザチミ城」がある。
戦国時代の風情がよくわかる、和風のお城だ。
……といっても、今はちょっとした面影があるだけ。
観光スポットとして復元されている部分とかはあるけど、まぁ当時とは色々異なるよね。
「んぅ……?」
昔このお城を建てたお武家さんは、当時この村の「禁足地」を開発しようとしていた。
あそこに色々資源があるから、自分の財産にしようとしてたらしいね。
一時的に、禁足地を護るお寺を潰しすらしたよ。
でも、その計画はご破算になった。
ミコトくんもこの村の住民だから、多分学校とか何やらで習っている筈。
ネザチミの呪いって奴だ。
当時のお武家さんが工事を始めようとしたとき、その担当の臣下が雷に打たれたり、もしくは突然大雨が降ったりして工事そのものがストップしたり。
まぁ相応の被害が出たもんだよ。
そのお武家さん、当時としては割と信心深くない奴だったけど、流石にこう何度もオカルト現象が続くと気が滅入るようで。
数年後、心を入れ替えたわけだ。
改心したお武家さんは、禁足地を保護しながらネザチミ村を治めた。
その頃から、荒れに荒れていたネザチミ村の天候も落ち着いて、次第に恵みの雨を降らすようになったってわけよ。
ネザチミ村が、二十一世紀にしては信心深い村である理由だよ。
「……んぅ、んぅ!」
ん?
喉乾いたの?
まぁずっと歩きっぱなしで、ちょっと汗かいてるもんね。
わかった。
そのブレザーを脱がしたりボタンを外したりはさせないけど、水分補給はしよっか。
ちょうどそこに自販機あるし、ヒメちゃんはブラックコーヒーのもー。
あ、勿論ミコトくんはこのお水だよ?
喉乾いた時にコーヒー飲ませても仕方ないってよく聞くしね。
「……っ……?」
わかっているとは思うけど、水分補給だからって手錠は外さない。
だから事前に持ってきた犬用の皿に、水を注いでいるんだ。
一時的にボールギャグだけ外してやんよ。
後は自分で飲みな。
四つん這いになって、な?
……両手縛られてるから厳密には違うとか、そういう細かいのはいいからね。
「……っ……!」
いやぁ黙って犬用の皿へがっつくの、よくわかっているねぇ。
犬みたいにはぁはぁ言って、舌だけで水をすくいあげて飲もうとしているその惨めな姿……ヒメちゃんそそられるなぁ。
「っ……っ!」
◆
ミコトくんにボールギャグを嵌め直してから商店街に戻り、さらに東側へ行くと田園地帯が広がってます。
ネザチミ村自慢の、米作りの田んぼさ。
今は深夜だからか、明るい星空が見えるのが神秘的だねぇ。
あっちの方の水田にも星空が浮かんでて、本当に目の保養になる景色だ。
虫やカエルの鳴き声もよく聞こえてきて、いい癒しになる。
そんな田んぼ地帯をさらに東に進めば、お寺がある。
かつて「ネザチミ様」を鎮めたという、旅の僧侶からのものだ。
大昔のネザチミ村では、人身御供の文化があった。
簡単に言えば、生贄だね。
よく村娘を化粧して、北の禁足地に送り込んでいたようだ。
これは、そもそも「ネザチミ様」という神様を恐れていたが故の風習だったらしいよ。
村の伝承に曰く「ネザチミ様」ってのは"恵みの雨"と"災いの雷"を司る、嵐の神であるそうだ。
普段は田んぼの栄養になる雨を降らして、村に恵みを与える神として敬われていた。
だがいざ「ネザチミ様」の怒りを買ってしまった時、かの神は雷を降らして罰をくわえたという。
その怒りを鎮めるため、いつしか村は生贄を捧げるようになった……という理屈らしいね。
けど、はっきりいって村人の数を減らすその文化は合理的なものじゃない。
ただ生きるだけでも精一杯な大昔なら、なおさら畑を管理したり、そんな男達を手伝うための人手が必要だ。
だから、ある時ネザチミ村に旅の僧侶が訪れた。
教えにより人身御供文化と敵対していたその僧侶は、たちまち「ネザチミ様」を鎮めて、村から悪しき風習を取り除いたというわけなのさ。
……といっても、僧侶は「ネザチミ様」を討伐したわけでも撃退したわけでもない。
北の禁足地へ"封印"する形で、「ネザチミ様」を表舞台から退場させただけだった。
だから、村の禁足地は絶対的な神域なのさ。
まぁでも当時の村としては、それで十分だったよ。
いつの間にか寺が作られて、伝統的な祭りの舞台になるようになった。
その祭りが今でも続いていっているのは、ミコトくんも知っての通り。
途中で、お武家さんによってあの寺が潰されはした。
でもそのお武家さん改心したから、寺はすぐ戻り祭りも再開された。
ヒメちゃん、毎年夏の祭りが楽しみなんだ。
あの露店が建ち並んで、いっぱいの人でにぎわっているあの景色が好きなの。
あそこで売ってるカステラを食いながら花火を見るのが、ヒメちゃん毎年の流れだ。
「……ん、むぅ」
ん、どしたの?
あ、わかった。
おしっこしたいんだね?
ならそのまま出していいよ。
ここは現実のお寺じゃないから、おしっこで汚れても問題ない。
流石にトイレの時は手錠を外す……なんてことしたら、お仕置きの意味が薄れちゃうからね。
諦めてスカートから垂れ流せ~。
「ん、ぅ……!」
うっわ、いざ実際に出されるとえっちだなオイ。
じょろじょろと生々しい音と湯気出てるのがやばい。
文字通りスカートがお漏らししたみたいに汚れて、靴下がぐっしょりになってやがる……。
手錠のせいでしばらくはこのまんまなんだよね、ミコトくん……ひらめきそうで怖いや。
「んぅ、んぅぅ……!」
◆
最後に、北の禁足地だ。
お察しの通り、ヒメちゃんの祠がある場所さ。
……ここまで巡ってきたから、だいたいヒメちゃんの言いたいことはわかるよね。
かつてネザチミ村に災いの雷を齎し、しかして恵みの雨で恩恵を分け与えた嵐の神。
その性質故に村の名にもなった「ネザチミ様」。
それが、ヒメちゃんの正体って奴だ。
本来その嵐の権能は、日本史にも出てくるある怨霊にして神とも称された者の力だ。
そのカリスマたるや、彼に育てられた梅すら飛びたってしまうほどのものだ。
その飛梅の枝の一つがこの地に飛来したことで「ネザチミ様」という邪神が成立したのさ。
よーするに、君がぶっ壊した祠はそーいう凄いもんなんだぜー……って話なんだけども。
「んぅ、んむぅ……」
ま、反省するわけないよね。
むしろボールギャグのよだれと、さっきおもらししたおしっこのせいで逆に興奮してやがる。
制服スカートが汚れれば汚れるほど、ミコトくんの被虐嗜好が刺激されているとかわけわかんないや。
……じゃ、そろそろ地下牢にもどろっか。
これから晒し台で半日放置の刑だ。
「んむぅぅ、んぅぅ……!」
……これで嬉しそうにするんだから、マジ無敵だよなこいつ。
マジで可愛すぎる。
確かこういう感じの拘束具ネタ、どっかで見た気がします……どこだっけ?
鳴花ヒメ
ネザチミ村に根差す、雨と雷を司る嵐の神。平安時代に飛びたった飛梅の枝から派生した存在。
本質的には善でも悪でもないが、人々が曲がりなりにも信仰してくれる限りは人の為に在る。
そういうわけで毎年夏の寺の祭りが大好き。本来は神道側の存在だってのに。なお今年はミコトと一緒に、二人でカステラと花火を楽しむつもり。
流石にそん時は普通に自由にしてる。つか当人の希望で拷問してる時以外は普通に二人でゲームしたりバイトしてたりしてる。
クソどうでもいい余談だが、ヒメにはラスボスモードとして、威厳ある十二単っぽい服装と雷の太刀を装備する形態を持つ。
まるでSEKIR○の弦ちゃんや一心のように、太刀を通じて相手へ雷を食らわせる。
この形態でガチでやったのは大昔のお武家さんとのタイマンと、数年前の夏祭りを脅かしてくれた謎の怪人「ナロコ」戦が代表的。本作本編にはまったく関係ないが。
ミコト
もうすでに半ば梅の精霊化している女子高生。結局懲りてないマゾヒストのため、今回は無人のネザチミ村っぽいリミナルスペースで散歩させられた。
この後、媚薬仕込まれた状態で半日地下牢で放置される。その間ずっと拘束されているためすごく苦しいが、その後のご褒美が楽しみでずっと制服スカートを汚している。
ヒメに執着され始めているため、そろそろ人に戻れなくなる。
本来「ネザチミ様」こと鳴花ヒメは、人に執着しない。人身御供として送られてきた娘達も、個人的に交友のあった隣町のお寺に預ける形でそれっぽく人の世へ放流してた。
あんまりにも鬱陶しかったので、お寺と打ち合わせして"旅の僧侶"にわからされるふりして専用祠に引きこもったのが、寺の件の真相。
ミコトとは、そんなヒメに執着されているというとても稀有な存在。その実、妖怪や悪魔に目をつけられるよりも、神の類に目をつけられる方が色々やばい。
まぁそもそもこの悪ガキ系美少女が祠ぶっ壊したのが発端なので自業自得である。
ネザチミ村
本作の舞台。二十一世紀の日本のどこかにある、山奥の片田舎。
西側に現代的な商店街や住宅街が広がり、観光名所の「ネザチミ城」やミコトが通っていた小学校などもある。
東側は日本の原風景たる田んぼがずっと続いており、昼はどこまでも続く青空が、夜はとても明るい星空が映える癒しの場所。
そんな東側の山に、かつて「ネザチミ様」への人身御供文化を咎めたお寺がある。
現在でも寺主催で夏祭りが開催されており、ヒメにとっては毎年の楽しみとなっている。
そんな村の北に、禁足地こと鳴花ヒメの祠があるのである。
鳴花ヒメは、この村のことが好きである。
春は桜の花びらが住宅街と小学校を彩り、夏は寺の祭りが夜を照らし、秋の高く澄み切った青空で癒され、冬は山の雪景色を堪能する。
日本の古き良き姿が残るこのネザチミ村こそが、鳴花ヒメの護りたい日本の姿なのである。だから早くスイッチ2入荷してくれ……! とはヒメの言。