君の身(からだ)は。〜入れ替わる体温と、忘れない快楽〜 作:坂本太郎
【女子の距離感】
放課後の糸守高校、放送室。夕闇が迫る教室で、三葉(中身は瀧)と早耶香の二人は、文化祭の打ち合わせという名目で居残っていた。
「ねえ、三葉。さっきから上の空だけど、どうかした?」
隣に座る早耶香が、顔を覗き込んでくる。その距離があまりに近く、瀧(中身)は思わず椅子を引いて後ずさった。
「い、いや、なんでもねーよ。ちょっと疲れてるだけだって」
三葉の声でぶっきらぼうに答えるが、早耶香は「また変な三葉だ」とクスクス笑いながら、今度は三葉の肩に頭を預けてきた。
(おいおい、女子ってこんなに距離近いのかよ……!?)
瀧の心臓は、三葉の小さな胸の中で激しく警鐘を鳴らしていた。早耶香から漂う石鹸の香りと、柔らかな髪が頬に触れる感覚。男の自分なら到底許されないような親密さが、今の三葉の身体には「当たり前」として許されている。
早耶香の指が、三葉の組紐にいたずらっぽく触れる。
「三葉って、最近ちょっと雰囲気変わったよね。なんだか、男の子みたいな目で見つめてくるっていうか……。私、ドキドキしちゃうじゃん」
冗談めかした早耶香の言葉に、瀧(中身)は言葉を失う。彼女の潤んだ瞳が、真っ直ぐに三葉(自分)を射抜いていた。
三葉の身体は、親友であるはずの早耶香の甘い声に、微かな熱を持ち始めている。女子同士なら、少しぐらい羽目を外しても「ふざけ合い」で済まされるのではないか。そんな卑怯な理屈が、瀧の頭をよぎる。
三葉を裏切るわけにはいかない。でも、目の前の早耶香の、無防備に開いた唇と、ブラウス越しに分かる華奢な肩のラインが、男としての本能を激しく揺さぶった。
「……サヤちん、お前、そんなこと他のやつにも言ってんのか?」
瀧は三葉の手を伸ばし、早耶香の顎をそっと持ち上げた。友情の境界線が、パチンと音を立てて弾けた瞬間だった。
【密室の甘い罠】
早耶香の顎をそっと持ち上げた三葉(中身:瀧)の唇が、躊躇なく親友の唇を塞いだ。
「んっ……!? みつ……葉…?」
突然の行為に早耶香は目を見開いたが、抵抗する間もなく三葉の舌が侵入してきた。瀧の意志で動く三葉の舌は執拗で、早耶香の歯列をなぞり、舌を絡め取っていく。
「ぷはっ……ちょっ……待ってよ三葉……あんた、本当に……」
息継ぎのために唇を離すと、早耶香は真っ赤になって抗議しようとする。しかし三葉は早耶香のブラウスのボタンを手早く外し、レースのブラジャーを露わにした。
「サヤちん、可愛いよ」
三葉(中身:瀧)は早耶香の耳元で囁きながら、ブラのホックを外す。早耶香は小さく震えたが、「変な三葉に逆らったら損」とばかりに受け入れた。
「ふふ……やっぱり三葉の手つき、いつもより大胆」
早耶香がからかうように言うが、三葉(中身:瀧)は真剣な眼差しで乳房を包み込み、乳首を指で軽く摘む。
「あっ……ん…そんな風にされたら……私…」
早耶香の声が徐々に甘くなる。三葉は早耶香を床に押し倒し、スカートを捲り上げた。
「サヤちん……パンツ濡れてるよ」
「やだ……言わないでよ……」
早耶香は顔を覆うが、三葉の指がショーツ越しに秘部をなぞると腰を跳ねさせる。
「でも、すごく感じてるじゃん」
三葉(中身:瀧)は容赦なく指を滑り込ませた。熱く湿った粘膜に指が触れると、早耶香の嬌声が放送室に響く。
「ひゃあん! 三葉……そこ……ダメぇ……」
「なんでダメなの? サヤちんのここ、俺のこと待ってるよ」
瀧が知らず知らずのうちに男口調になりかけるが、すぐに「三葉らしい喋り方」に戻す。
「俺じゃなくて……あんたは三葉だってば……」
早耶香はそう言いながらも、三葉の手によって与えられる快感に溺れていく。
準備室から持参していた双頭ディルドを取り出した三葉(中身:瀧)を見て、早耶香は一瞬固まる
「それ……使うつもり……?」
「うん。だってサヤちんとちゃんと一つになりたいもん」
三葉は片方の先端を口に含み、唾液で濡らしながら言った。その表情は普段の三葉には無い挑発的な艶を帯びていた。
「……三葉ってば……ほんとに変わったよね」
早耶香はそう呟きながらも四つん這いになり、尻を突き出す形になった。
「じゃあ……入れるよ」
三葉はまず自分に入れるための先端をあてがう。女の子の身体とはいえ初めての異物挿入に三葉(中身:瀧)は緊張したが、男の性的知識を総動員してゆっくりと腰を落とした。
「くぅっ……」
小さく呻く三葉を見て、早耶香が振り返る。
「大丈夫? 痛いなら無理しなくていいよ」
「ううん……平気……それよりサヤちんの方を先に入れないと」
三葉(中身:瀧)は一旦腰を浮かし、反対側の先端を早耶香の秘所に当てがった。
「あ……そこ……待って……あぁぁん!」
ディルドが早耶香の膣内に侵入する。早耶香の内部の締め付けを感じながら、三葉は再び自分の穴にディルドを沈めていった。
「あ……あっ……サヤちん……一つになれたよ」
「うん……三葉のお腹の中で……私たち繋がってるね……」
二人はゆっくりと腰を動かし始めた。早耶香が前後に揺れると三葉の内壁を刺激し、三葉が深く押し込むと早耶香の奥を突く。連動する動きが新たな快感を生み出す。
「サヤちん……この体勢だとよく見えるよ……私たち繋がってるところ」
三葉(中身:瀧)が言う通り、背面騎乗位のような姿勢では結合部分が丸見えになっている。
「やだ……恥ずかしい……」
早耶香は顔を伏せるが、三葉が下から突き上げるたびに喘ぎ声を漏らす。
「あぁっ! そこ……当たる……!」
「サヤちん……もうイキそう?」
「うん……三葉も一緒に……」
早耶香の腰の動きが早まり、ディルドを通じて三葉(中身:瀧)の敏感なポイントを刺激し続ける。
「あ……ダメ……私も……イクぅっ!」
三葉が限界を迎えようとした瞬間、早耶香が突然立ち上がり向きを変えた。ディルドを抜かずに体位を変えようと試みる。
「待ってサヤちん……そんな無理に動いたら……」
「大丈夫……こうすればもっと気持ちいいはずだから……」
早耶香は正面から三葉に抱きつき、対面座位のような形で腰を落とした。ディルドが別の角度で三葉を貫き、同時に早耶香自身も深い位置で締め付けられる。
「ひゃあぁん! 奥まで届いてる……!」
二人の嬌声が放送室に響き渡る。早耶香が腰を上下するたびに三葉の秘部は擦られ、直接的な刺激に三葉(中身:瀧)はもう理性を保てなくなる。
「サヤちん……好き……愛してる……」
「私も……三葉……あぁっ! もう……無理ぃっ!」
二人が同時に絶頂を迎えた時、ディルドは二人の愛液に塗れて鈍く光っていた。
【沈黙の放送室】
カーテンの閉め切られた放送室。機材の小さなランプだけが、二人の乱れた影を壁に映し出していた。
三葉(中身)は、自分の膝の上で力なく横たわる早耶香の背中を、ゆっくりとなぞった。
「三葉……、あんた、本当にどうしちゃったの……」
早耶香の声は震えていたが、そこには拒絶ではなく、陶酔しきった甘い響きがあった。彼女の頬はまだ上気し、三葉の指が触れるたびに、びくりと身体を震わせる。
瀧(中身)は、三葉の唇で早耶香の額にそっと触れた。
「……悪かった。でも、嫌じゃなかったろ?」
自分でも驚くほど落ち着いた、けれど三葉の優しさを孕んだ声が出た。
早耶香は顔を真っ赤にして、三葉の胸元に顔を埋めた。
「……バカ三葉。あんなの、嫌だって言えるわけないじゃない」
瀧は、早耶香の満足げな、けれどどこか切なそうな吐息を間近で聞きながら、三葉の身体を通して得た「女の子を幸せにした」という不思議な充満感に浸っていた。
男の時とは違う、もっと繊細で、もっと深い魂の触れ合い。
同時に、三葉が戻ってきた時のことを考え、背筋に冷たいものが走る。
(三葉、ごめん。お前の親友、俺がめちゃくちゃにしちまった……)
けれど、腕の中で甘える早耶香の熱量はあまりに心地よく、瀧は三葉の身体を使って、もう一度だけその細い身体を強く抱きしめた。
窓の外では、糸守の夜が静かに更けていく。この放課後の密事は、二人だけの、そして三葉すら知らない「共犯」の記録として、放送室の静寂の中に溶けていった。