※この作品はR-18です。

よう実の世界に転生してしまったから   作:糸屯ちおり

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チュートリアル開始まで

 税金の無駄遣いここにあり。

 入学したら金をドブに捨てる学校だった。

 高度育成高等学校。高育の略称で親しまれているらしい我が校は、なんとなんと入学初日、10万円相当のポイントをプレゼントしてくれました。対象は全新入生。これから毎月1日にポイントの定期支給があるんだってさ。

 ポイントの使用方法は簡単。

 学内にはSシステムっていう独自のプラットフォームが展開されていて、学生カードを専用の機械にかざすとポイントが使える。我らがAクラスの先生いわく『ポイントで買えないものはない』。学校の敷地はめっちゃ広くてまるでひとつの街みたいだ。ショッピングモールはじめ遊ぶ場所は豊富で、スーパーやコンビニなんかも揃ってる。楽園か?

 

「400万×12ヶ月×4クラス=いちおくきゅうせんにひゃくまん。なあ坂柳(さかやなぎ)。来月の支給額っていくらだろうな?」

「一気に1万ポイントまで減額したとして、160万ですか。妥当性の欠片もありませんね」

「つまり?」

「少なくとも現状維持はありえないかと。私なら厳密なクラス評価によって大幅減額としますが、まだ判断材料が乏しいので何とも言えませんね。情報を教えてくれる親切な上級生でも欲しいところです」

 

 俺は疑り深いので単なる楽園とか信じないから、坂柳有栖とこんな話をしている。涙が出そうなくらい嬉しいんだが有栖ちゃんと同じクラスだった。身長低くて顔が良い女子ってそれだけで目の保養になるわ。プライドがアホみたいに高くて陰険でもオッケー。

 見てるだけならな。

 

『坂柳有栖の思考

 有象無象の方々よりはマシだと判断。

 適当に下心を刺激しつつ、どの程度なら操れるか、しばらく様子を見るつもり。使えそうなら傍に置くことも考える。犬は何匹いてもいい』

 

 不規則なタイミングでドス黒い心の内をライブラしちゃうから、会話しててオッケーじゃなくなりそうになること多々。初日なのに既にクソ女にしか見えなくなってるんだが、坂柳有栖を性格的に好きになれる日は来るんだろうか。

 

「みなさん遊びに行くようですが、どうするんですか?」

「なんか気乗りしないし、人探しでもしてくるかな」

「誰かお探しなんですか?」

「さっきお前が言ってた、『情報を教えてくれる親切な上級生』。ポイント関係の質問を担任にしてもなーんかはぐらかされるし、それなら在校生から情報を抜けばいいかなって」

 

 知らないことはマイナスでしかない。ゼロじゃなくてマイナスな。どんな嫌な話だったとしても知らないよりは知っといた方がいい。情報ってのはどこでどう使えるかわからないものでもあるし。

 って、これエロゲなんだよな。このオモシロ高校が面白すぎて忘れそうになるけど、あのイカ臭い天使によると世界線エロゲなんだよな。ライブラしっかり機能してるし、黒人顔負けの下半身に進化してるし。トイレ行った時に歓声あげそうになったよ。全男の夢じゃね。

 

「なるほど。ふふ、おみそれしました。あなたは常識的な考え方ができる人のようですね。年齢相応の方々とは異なるようです」

『この男、使えるかもしれませんね。私の容姿に好意を持っているようですし、優越感をくすぐってあげましょう』

 

 うるさいライブラ。ここが個室だったらうっかり腕を捻りあげてるとこだ。その後? 暴力振るっちゃったら後戻り出来ないし最後まで。どうせクソみたいな二回目の人生だ。イカ女のおふざけが入ったふざけた世界でもあるし、破滅上等。いざとなったら夜空に向かってフライアウェイだ。

 

「一番頭良い人に言われると嬉しいね。顔色伺って見え透いた嘘つかれると不愉快になるけど、頭良い女子から褒められるのは普通に嬉しいわ」

「ふふ、それは何よりですが、私は大した人間ではありませんよ」

「ま、謙遜してもすぐわかるさ。高校生活は競争する場面が沢山あるんだから」

 

 ライブラがなけりゃ普通に天使だ。イカ臭い天使よりよっぽど天使なんだが、中身がコレだからな。

 

『坂柳有栖

 分類 Aカップのツルツル

 タイプ いんけんメスガキ

 必要とあらば 虐めの主犯となることも躊躇しない 強い心の持ち主』

 

 既視感があるようなないようなプロフィールやめろ。ライブラOFFにできる機能とかないのかな。つーかチュートリアルは。ゲームする時は全部すっ飛ばして適当に進めるタイプだけど、今回はスッゴク説明書が欲しいです。

 

 

 

 

 ──チュートリアル開始。坂柳いじめ。

 

 

 

 入学式の日は何事もなく終わった。

 優しい上級生は見つけたよ。金ないって言ってた女子に1万あげる代わりに情報もらった。

 ポイントは毎月支給⇒正

 毎月確定で10万⇒誤

 お小遣いポイントの他にクラスポイントなる別の数値があって、全クラスの初期値は1000。これに100をかけた数値が毎月の支給額。

 クラスポイントは変動性。クラス全体の生活態度などなど悪いと減点。逆に凄く評価される出来事があったり、定期的に行われる特別試験なるテストで好成績を残すと加点。何をどれだけやらかせばどれくらい減点されるのかは不明。あんま気にしてないからぶっちゃけよくわからないとのこと。何となく生活してるって言ってたから仕方ないな。自堕落な女子は結構好きだから許す。

 以上、本日入手できた情報。

 俺は満足して眠りについたのだが、そこでなんかチュートリアルが始まった。

 

 

 ──チュートリアル開始。坂柳いじめ。

 

 

 なんだ、このそそられる文言。

 寝てるのは確かだから明晰夢みたいな感じか。なんか特殊能力に夢関連のあったはずだから、坂柳を拉致して好き勝手できる感じ?

 だとしたら三日くらい学校休んじゃうけど大丈夫か?

 

 

『坂柳有栖

 学籍番号 S01T004737

 所属   1年Aクラス

 誕生日  3月12日

 身長   150cm

 特技   チェス

 

 弱点  

 先天性の疾患により運動不可。杖を所持しているのはそのためだが、日常生活に支障はない。

 

 スリーサイズ

 B70(A)/W54/H77

 

 天才を自負しており、それに相応しい頭脳を持つ。

 幼少期から精神的な成長が早く、それゆえに周囲の幼稚さに辟易して生きてきた。美しさと可愛さを併せ持った美貌は男子受けがすこぶる良く、色白の肌に背徳的な色気を感じていた男は多かった。

 つまり中学時代からモテていたが、自分に釣り合う男は一人もいなかったと思っている。自分がモテることはもちろん理解していて、こんな顔に産んでくれた両親にはとてもとても感謝している。

 綺麗事を言っていても世の中は結局顔で、大多数の有象無象は顔がいいというだけで無条件で好感を持つ。浅はかな人間が多いおかげで、これまでの人生はとても生きやすかった。退屈ではあったが不自由だと思ったことはない。他人を使えば大抵のことは思い通りになったからだ』

 

 

 なんか目の前に浮かび上がりました。

 坂柳のプロフィール写真と長い紹介文です。

 ふーん。杖持ってるのは体が弱いせいか。てっきり武器かと思ってたけど違った。それじゃボコボコにしたりしたら死ぬんじゃないか? リョナ好きじゃないからしないけども、将来付き合う男は大変だな。動物みたいなセックスとかできないんじゃね?

 そして紹介文はまあクソだな。人をいじめるのに抵抗ないことといい、人間性に問題があると言わざるを得ないだろう。エロいことを抜きにした場合、俺より酷いかもしれない。

 で、何をどうチュートリアルしろって?

 

『ステージ 

 ⇒満員電車

 

 坂柳有栖の服装

 ⇒制服(白ニーソ)

 

 状態

 ⇒角に追い詰めて密着(背後)

 

 いじめ内容

 ⇒過去の無数の心情(劣情)注入

 

 クリア条件

 ⇒逃走を阻止して一定値まで正気値を削る。

 

 中断

 ⇒可能           以上』

 

 

 前言撤回。

 説明書とかいいから早くやらせろってなった。

 内容はわかったようなわからないような。とりあえずめっちゃ興味は湧いたのでスタート。

 スタートの文字が浮かんできたから、ぶったたいてスタート!

 正気値を削るってことは、あの余裕そうな顔が真っ青になるってことだろうか。かなり需要があると思うのは俺だけか? ありがとうイカ天使。この世界、かなり良いかもしれない。 

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