※この作品はR-18です。

【完結】露蜜のカンバス~メスなボクでも幸せになりたい   作:渦螺しお

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17 シティホテル

 少し曇った梅雨入りの午後。とあるシティホテルで、神代(かみしろ)はチェックインの手続きを始めた。フロントのソファでは、川辺が一人、逃げることもできず、項垂(うなだ)れている。リオは少し可哀そうに思いながら神代に小声で話しかけた。

 

「先生、彼をどうされるんですか」

「ん? どうもしない。少し話がしたいだけだよ」

「お客様、こちらがルームキーでございます。ご説明を──」

「いや、いい。ありがとう。じゃあリ(・)オ(・)、済まないがここで待って。30分後に部屋へ来てくれ。いいね」

 

 さりげなく、二人きりの時のスイッチを入れる神代。リオは少しおろおろしながら答えた。

 

「はい……あ、あの……和樹さん。本当に、ひどいことをしないであげて」

 

 あれほど小物で邪な相手にも情を示す。リオがそうするほどに、神代の加虐心に火が点いていた。

 

「心配いらない。とにかく半刻かっきりだ。いいね? ──さて、カワベ君。待たせたな。行こうか」

 

 リオをフロントに残し、神代は川辺を見えない鎖で引きながら、エレベーターへと乗り込んだ──

 

 

「──ぁあ……ぁんっ、あぅん、和樹、さん……」

 

 ぼんやりとした意識の中で、川辺は甘く喘ぐ声を聞き取った。

 確か、神代に高校時代のリオのことを話しながら、勧められるままにコーヒーを飲んで……それからどうなったのか、よく思い出せない。

 覚えのある声色を耳に、やたらと重い己のまぶたを必死で持ち上げる。その隙間から入ってくる、ぼやけた中に何かが蠢(うごめ)く景色。川辺はそこへ焦点が合った瞬間、かっと目を見開いた。

 

「ん゛~!?」

 

 真っ白な裸体が、正面から余すところなく、こちらへ晒されている。白昼、すりガラスの明かりに浮き彫りになる美しいボディライン。目隠しをされたリオが、ベッドの上で、背後からまさぐる手の動きに合わせ、艶めかしく身をよじっていた。

 

「んごっ、んぐん!!?」

 

 手足を固く縛られ、絨毯に這いつくばっている。口にはタオルのようなものが噛まされ、ただ呻くだけの情けない存在に。川辺は陸に上がった魚のようにびくびくとしながらも、眼前の妖艶な光景から片時も目を離せずにいた。

 

「……おや? 目が覚めたようだな」

 

 リオの背後から鋭い眼光が覗く。神代が川辺の目を捉えながら、リオの首筋をべろりと舐める。

 

「ふぁ……ぁむ……」

 

 指先が口へねじ込まれるなり、舌を絡ませるリオ。神代は己の舌をリオの頬へ這わせながら、語り始めた。

 

「さっきの話の続きだが……まあ、私も君と同じでね。男か女かは関係ない。リオだからいいんだ。そう、この子は特別さ。神の愛し子であり、悪戯でもある」

 

 一方の手がリオの下腹部へ降り……ぴくぴくと跳ねる花芯(ペニス)をつかむと、そっと剥いて鮮やかなピンクの粘膜を晒した。

 

「んぁんっ」

「ほら……綺麗だろう。陰毛ひとつなく、無垢なままで精通したペニス。さらにこの奥は、もっとすごい」

「──! いやっ……」

 

 両足を担ぎ上げ、窪み(アヌス)を晒す。ひくひくとしたピンク色の割れ目から滴(したたり)り落ちる蜜。

 

「ふっ、昔の友人がじっと見ているぞ。腰を突き出して、もっとよく見せてあげるんだ」

 

 リオは見えない視線を感じ取り、全身が一気に紅潮した。

 

「いやぁ……見ないで。は、恥ずかしい。和樹さん、許して……」

「これも治療の一環だよ、リオ。暴露療法(エクスポージャー)と言ってね、羞恥や辱めをより高い次元に昇華する、とてもいいやり方だ」

 

 神代の中指と薬指が、窪みの中をぐちゅぐちゅと掻きまわす。そして……指先でくんっと、前立腺を押した。

 

「ぁはあああんっ!」

 

 軽く達したリオ。窪みからどくっと流れ出る蜜。そして口端から涎(よだれ)が糸を引き……きらきらとそのそばへ落ちた。

 

「ん゛ぐぅ──! んぐ、ぐぐぅ……」

 

 一部始終を目の当たりにし、涙目になる川辺。こんなに屈辱的な状況でも勃(た)ってしまう情けなさ。ただひたすらに無力な己に覆い尽くされ、持ち上げていた頭を落とした。

 

「ふん、もう折れたのか。つまらんな」

 

 神代はリオに巻き付けた目隠しを取り去る。目の周りにこもった熱が解き放たれるのを感じ、リオはゆっくりと目を開ける。床に転がった川辺を見るなり、ただ素直に心境を言葉に紡いだ。

 

「ごめんね……川辺君。ボクはもう、この人のものなの。和樹さんだけの、特別だから……」

「その通り、よく言ったね。私も嬉しいよ」

「ぁん、む……」

 

 背後からのやさしいキスを貪(むさぼ)りながら……リオの花芯はまたぴくぴくと跳ね始めた。

 

「ぐぐ、んぐっ、んぐぅぅ~……」

 

 情けなさ極まり、男泣きする川辺を一瞥し、神代は余興を終えることにした。

 

「さあ、フィナーレと行くか。二度と見られん景色を、その地を這う底辺からありがたく拝むといい!」

 

 神代はリオの両太腿を持ち上げ、そそり立った男根(いちもつ)をずぶり、濡れきった窪みの中へと突き刺した。

 

「ぁあああああ──っ!!!」

 

 深々とはいってきたそれに、リオは全身を震わせ、嬌声をあげる。突かれるたび、貫かれるたび、満たされる悦びに笑みが浮かぶ。琥珀色の瞳は川辺など微塵も眼中に入れず、ただ虚空の向こうを見つめている。

 

「あ、あ、あっ……ダメ、イク、いく、イッちゃう」

「ああ、私も出すぞ。お前のも一緒に出してやる!」

「ぁああぁあああああ────んっ!!!」

 

 三つの絶頂の共鳴(レゾナンス)、再び。握られた花芯からきらり、リオの露が空を舞う。ぴちゃりと川辺の顔に落ちると、その無様な涙と混ざり、床へと流れた。

 

「ぁあ……さよなら、川辺君」

 

 真っ白に……漂白される脳の中で、リオは忌まわしい過去の〝ひとつ〟と、はっきり決別した。





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