【完結】露蜜のカンバス~メスなボクでも幸せになりたい 作:渦螺しお
代菅山から二駅。煌びやかな喧騒から離れた、落ち着きのある街。シックなテナントビルの一階、『
「リオちゃん、こんにちは。きっとまた会えると思ってた」
受付の呼び出しでにこやかに現れた
「あの、今日はよろしくお願いします」
「ふふ、そんなに緊張しなくていいの。それをやわらかくするのが私の仕事だけどね」
スタッフを帰し、二人きりだという特別感。予約も取れない、芸能人やモデル
エスニックな明るいエントランスから奥、リゾート感のある施術の
「お店のページを見たんですけど、フィトテラピーって?」
「簡単に言えば、植物の力で、人が本来持っている自浄能力──癒しを引き出すことかな。ただ、撮影は明日だから、ちょっと即効性のある施術にするつもり。もちろん、気持ちよくね」
(施術……)
その言葉に、身体の芯が即座に反応した。笹川を経て、神代へ。今なお続く調整と調律に、新たなものが加わる。敏感な自分が
「えっと、須田……先生?」
「『加蓮』でいいわ、親しい人はみんなそう呼ぶから。何かしら」
「加蓮さん、ボクが男だっていうのを知って、引き受けてくれたんですよね」
「もちろん。私にはそんなの関係ない。美しさが全てなの。レセプションでリオちゃんを一目見た時から、ずっと気になっていて。類を見ない美貌と、その内に秘められたものを、ね」
ふと加蓮が見せる、アルカイック・スマイル。笑う口元とは違い、鋭く見定め、見抜くような目。リオはぞくりとした。
「それじゃあ、ここに来るまでの自分をリセットするところから。シャワーを浴びて、用意した服に着替えてね」
促されてシャワールームへ。ひんやりとしたミストシャワーが、汗ばんだ肌の上に玉の露を滑らせていく。自分を抱きしめながら、リオは一心に念じた。
(どうか、変な気持ちになりませんように──)
「ベッドに腰掛けて、少し待っていて」
準備にかかりながら
『
(これ……和樹さんの本だ)
アートセラピー学科の教材にして、リオの
「
施術道具を入れたバスケットを持って、加蓮が戻って来た。
「大ファンだったの。当時は東美じゃなくて、別の大学だったけど……何度も聴講に行ったぐらい。十年以上前になるかな」
「そうだったんですね。それでこの間、先生の名前を」
「リオちゃんがSAをしてるって聞いて、余計に気になったの。
〝彼〟──またちりちりと、小さな火がくすぶる感覚。自分が知らない神代を知っている。それもレセプションで聞いた「少し」どころではない気配。
加蓮はリオの手からそっと本を抜き取り、背中に手を添えた。
「さ、始めましょうか。いっぱい綺麗にしてあげる──」
リネンを脱ぎ、ベッドへ仰向けになり、アイマスクをかける。加蓮は興奮作用の高いセントジョーンズワートオイルを手に擦り合わせ、デコルテから肩へ、十の指をなめらかに這わせ始めた。
(やさしい、触れ具合……なんだか和樹さんの、最初のセラピーを思い出す……んっ)
胸の上部を撫でながら、時折ペーパーブラの中に指先が入って来る。ギリギリ当たらないところを撫でては去っていくその巧みな動きに、リオの「変な気持ち」はあっさりとスイッチが入り、
「あっ、いや……んんんっ」
不意を打つようにくりくりと乳首を転がす指先。すぐに応えて起き上がる花芯を隠そうと、リオは慌てて膝を立てた。
「あっ、あのっ! ──んむっ?」
加蓮のやわらかな指先がリオの唇をそっと抑える。
「大丈夫。全て、私にまかせて。一番早くて気持ちいい施術って言ったでしょ? さ、足を延ばして」
「でもこれ、美容とは関係が無いんじゃ」
「そう? でもリオちゃん、本当は知っているんじゃない? 美は淫らから生まれることを」
リオは、はっとした。施術と聞いて反応した身体への不安。その正当性を突きつけられたことに。
張り始めた花芯を気にしながらも、ゆっくりと足を戻す。相手が女性だからだろうか。警戒心と、快楽への抵抗が薄まる。徐々に弛緩していくリオの身体を見て、加蓮は足元へ行き、足の裏をくすぐった。
「はうっ……ん」
足指先をひとつずつ撫でられるたび、足の甲がぴんと反り返る。その手はふくらはぎを伝い、内太腿へ滑り込んだ。
「膝を立てて……そう、足を開いて」
言われるがままに、ゆっくりと。開脚は、リオが弱い体勢のひとつ。加蓮の指先はショーツの中、双胞の周りを上に撫で上げ、その親指は
「んあんっ!」
「ふふ、本当に〝男の娘〟なんだ。こんなに女の子な体つきなのに、ここは控えめだけど雄々しくて。素敵ね」
ショーツの腰ひもをほどき、するりと抜き取る。露わになった無垢な秘所を目の当たりにし、その下……加蓮もまた、リオならではの特徴に気が付いた。
「アヌスが縦に……それにこれ、私のオイルじゃない。ひょっとして、濡れてるの?」
「あっ、あっ……」
加蓮は前立腺に
男と女、どちらも経験がある加蓮にとって、この構造と反応は何もかも新しく、刺激的過ぎた。
(こんな……こんなの、反則以外の何でもない。〝あの人〟のことだ、きっとこの
激しく湧き起こる興味と嫉妬。加蓮の顔は、笑いながらもゆがんだ。
「ひゃっ……い、いやっ、ああんっ」
花芯を口に含み、双胞を撫で、窪みの入り口だけを執拗に掻きまわす。焦らされるほどにビクビクと痙攣させ、露と蜜を垂れ流す。加蓮は頃合いを見て、全ての愛撫をピタリとやめた。
「ぁ……あぅ……ん……」
指をくわえながら、さらに快感を求めるように身体を震わせるリオ。加蓮はそれを邪な目で見下ろしながら、サロンウェアと下着を脱ぎ捨て、端正な裸体を晒す。そして……バスケットの下に入れて置いたペニスパンツを履くと、その白い
ぎい……と、ベッドのきしむ音が響く。
「ふあっ!?」
突然、全身に圧し掛かる体重と、重なる肌。アイマスクを取り去られたその目の前に、妖艶な表情を浮かべる加蓮の顔があった。
「えっ、加蓮さ……んんむっ」
キス。初めての、女性からの接吻。それはとてもやわらかく、甘く。舌先は細くとがり、リオの舌を刺すように
「……(ぷちゅ)……んっ、はあ……リオちゃんの口づけ、とっても美味しい」
「加蓮さん……どうして、こんなこと……」
加蓮はリオの髪に
「あなたが、どうしても欲しくなったの」
「欲しいって……何を……んっ」
加蓮は張形の先をリオの窪みに当てた。
「そうね。まずはこの、女の子のほうから。今から
「──!?!? ふあああああっ!?」
入って来た〝これ〟に、リオは加蓮の予告通り驚く。初めてなのに、身体が知っていたことに。
(そんなっ……これ、か、和樹さんのっ──んあぁっ!?)
加蓮もまた、手に伝わる肉の震えに、狙い通りの快悦を覚えた。
(十年来〝これ〟の
加蓮はかつて身体に刻まれた〝あの人〟の腰の動きもトレースし、確実に前立腺を狙っていく。
「ぁっ、あっ、ああっ、ダメ、だめダメいっちゃう、イッちゃう──」
「イキなさい、思いっきり。女の子でイクのよ。さあ!」
亀頭で前立腺を引っ掛けつつ、両乳首をつねり上げる。リオはたまらず、目を大きく見開いた。
「んぁああああ────っ!!!」
大きくのけぞり、腰をビクビクとさせ……目は虚ろに、がっくりと頭を落す。
リオが果てる、その一部始終を目に収めながら……加蓮はかつてない至高の性体験を得る。同時に、十年間の苦しみを、〝あの人〟──神代和樹にどうやって返してやるか。その黒い情念に心を躍らせた。
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※本作は下書き完結済 です!