※この作品はR-18です。

【完結】露蜜のカンバス~メスなボクでも幸せになりたい   作:渦螺しお

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31 サロン②

 撮影の翌日。リオは再び『L'Ombre(ロンブル)』を訪れていた。加蓮から施術の続きを受けるために。

 

「ふぁ……」

 

 フランキンセンスの神秘的な、落ち着く香りの中……リオは目を閉じて、唇に意識を集中する。上唇、下唇と、横へすうっと引かれる加蓮の薬指にくすぐったさを覚え、背筋がぴくりとする。

 

「……いいわ、目を開けて」

 

 目の前の大きな三面鏡。そこには、唇を紅く染めた「新しい自分」の姿があった。

 

「これが……ボク……」

 

 紅花を使った保湿油(バーム)が、蜜を帯びたように艶を与える。憧れの口紅に彩られた三面の自分と目を合わせ……リオは曖昧な己の輪郭が、さらにはっきりとするのを感じた。

 

「思った通り、強い赤がよく似合う。とても綺麗よ」

 

 肩越し、リオの横に顔を並べる加蓮。〝本物の女性〟の美しさの隣に、女に仕上げられた自分がいる。

 

「ボク……女の子みたい」

「みたい、じゃないの。それ以上よ。リオちゃんは自分の美しさを、もっと誇っていい。撮影でみんな虜になっていたでしょ? 見なくてもわかる。それが美しい者だけに許された『特別』」

「特別……」

 

 自分の存在意義を認めてくれた、神代の言葉。それが加蓮の甘い囁きに乗って、リオの心を揺らす。顔を隣り合わせ、じっと鏡越しに自分を見る、憧れの〝女という性──加蓮の目に魅入られながら、リオはすっかり舞い上がり、上気した。

 

「嬉しい。加蓮さん。ありがとう……ぁん」

 

 蜜たっぷりの唇を食べるように、加蓮の唇がやさしく重なる。次いで細い舌先がゆっくりとこじあけ、リオの舌を絡めとった。

 

「(くちゅ)……んぁ……ふああ……──んあっ」

 

 加蓮とおそろいで着せられた、透けたシルクのキャミソール。そこへ、磨き上げられた爪先が滑り込み、リオの乳首をやさしく捉えた。

 

「ぁっ、ぁあ、んっ」

「喘ぎ声も素敵。ずっと聞いていられる」

「そんな……ひあっ」

 

 蛇のごとき舌使いが耳穴に。キャミソールの肩紐を落しながら、うなじを這い、デコルテを伝い……ぷっくりと熟れた乳首を舐めた。

 

「──! んぁああんっ」

 

 両の乳首を舌と指先に絶え間なく転がされながら、右手は花芯(ペニス)へ。あふれ出た蜜で粘膜を撫で回すと、茎を握り、上下に激しく擦った。

 

「あ、あ、あっ、イク、イッちゃ……あっ……」

 

 不意に加蓮の手が止まった。

 

「まだダメよ。今日はちゃんと『男の子』でイッてもらうから。さ、ベッドに来て」

 

 リオを仰向けに寝かせながら、自分のキャミソールをはらりと脱ぐ。加蓮はたわわな乳房の硬くなった先を、リオの乳首にそっと押し当てた。

 

「やっ……んあんっ」

「ほら、わかる? あなたの乳首は、私と一緒なのよ」

「ほんとだ……ぁっ」

「大きさもやわらかさも、全部女の子のもの。ん……敏感なところも、ね」

「あっ、いやっ、ああっ……んむ」

 

 乳首が重なり合う、不思議な共有感覚。キスで口をふさがれながら、ぷにぷにと、ちくちくと。初めての刺激に呼応して、花芯が震えている。加蓮は下がり、それをぺろりと舐め上げながら、バスケットから再び『神代の張形』を取り出した。

 

「うふふ、今日もまずは、女の子から……ね」

「んぁあああんっ!」

 

 履かずに手で持って、リオの蜜だらけの窪み(アヌス)へ押し込む。面白い様に飲み込むのを見て、加蓮は狂喜の笑みを浮かべた。

 忙しなく、ぴくぴくと跳ね続ける花芯。加蓮は舌なめずりしながらリオの上に跨(またが)ると、花芯を手に取って自分の花園(ヴァギナ)へ導いた。

 

「お待ちかね。リオちゃんの、男の子の初めて、もらうからね……んんっ」

「──あああっ!?」

 

 加蓮がぐっと腰を落としたと同時──ぬるりとして、ざらり。二つの舌で挟まれるような感触が、リオの花芯を一気に覆った。

 粘膜にねっとりとまとわりつき、うねる膣。手でも口でもない溶かされるような感覚に、リオは早くも果てそうになる。

 

「「ふあああ……気持ち、いぃ……」」

「ダメよ、すぐにイッちゃ。私にもっ……んん、ゆっくり……味わわせて……──!?」

 

 不意に加蓮を襲う快感。未成熟な大きさで、そう期待はしていなかった。なのになぜか、届かないところへ届いてくる。加蓮は驚いた。

 

(いやだこの子の(・)、ちゃんと感じるじゃない……〝こっち〟もアリだっていうの?)

 

 かつて神代に性感を極められた反動。それ以来、身体に刻み込まれた不感症が……愛らしいペニスによって十年来の快感を得ようとしている。しかし……それがリオを介した「神代の残滓(ざんし)」と思うと……加蓮の情念に、さらに黒く火が点いた。

 

(──忌々しいっ。女と男、両方で徹底的に堕としてやる)

 

 加蓮は激しくリオの花芯を出し入れしながら、右手で張り型を掻きまわす。神代に侵されながら加蓮に抱かれる。現実と非現実の狭間で、リオはもう判別がつかなくなっていた。

 

「ああ……ダメっ、ボク、もう、おかしくなるっ!」 

「そうよ、もっともっと、おかしくなるのっ! 『壊して』って言うのよっ……私もっ、イク、からっ」

 

 加蓮の激し過ぎる二つの責めに、リオは己の持つ「ふたつの本能」を果てさせた。

 

「ぃっ……ぁああああ──んっ!!!」

「くぅぅくんっ!」

 

 同時に達し、盛大に潮を吹く加蓮。リオの花芯からほとばしる蜜が、加蓮の花園の中で精となる。倒錯の末の、男女の共鳴(レゾナンス)。白濁が愛液と混ざり、シーツを濡らしていく。加蓮はリオの花芯を飲み込んだまま、何度もキスを貪った。復讐と己の肉欲、いずれの達成感に満悦しながら。





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