【完結】露蜜のカンバス~メスなボクでも幸せになりたい 作:渦螺しお
開脚診察台の複雑で、何をされるか想像に難くない奇怪な姿に、リオはさあと血の気が引く思いがした。
「はは、怖がらなくてもいいよ。さあて、まずは現状の感受性を正確に測定しよう。リオ君、服を全部脱いで、その検査着に着替えて。それから、この台で横になってもらうから」
促されるまま、リオは少し震える手でパーカーにショートパンツと脱ぎ始める。全裸に一枚の検査着を羽織り、不思議な形の診察台に横たわると、合成皮革の冷たい感触が、背中に刺さった。
「足はここに置いて……そうそう」
「──!? せ、先生?」
「だ~いじょうぶ。心配いらないから」
M字型の突き出たホルダーに両足を預けるなり、ばりばりと剥がされたマジックテープで、両足首と両手首を拘束される。
怖れで全身の震えが止まらないリオ。診察台はただウィィン……と無情な機械音を発し、両足はゆっくりと持ち上ていく。やがてリオの股間は包み隠さず全開させられた。
(い……いやっ、恥ずかし過ぎる)
何も着けていない下半身に風を覚える。リオは羞恥で顔が真っ赤になった。笹川は手を止めることはなく、検査着をめくりあげる。まぶしいほどのライトをリオの秘部に当て、まじまじと観察し始めた。
「むむ、これはっ……既に変異の兆候がここにも。ということは……これからの刺激次第でどう変化するのか。いや興味深い」
リオの頭の横、オシロスコープのモニターに光の線が走る。笹川はその下あたりから、二本のコードを引っ張り出した。
「少しピリッとするけど、我慢してね」
笹川はリオの検査服をそっとはだけると、あらわれたグミのように愛らしい両の乳首に、コードの先端にある小さな銀色のクリップを挟んだ。
「ひぁっ、せ、先生、これは?」
「調整器具のひとつ、ガルバニック刺激の端子だ。これが君の神経上で、女性としての信号をどれだけ受け入れられるかを計る」
カチリ、と電圧ダイヤルの回る音を聞いた瞬間──
「──ぁああっ!」
リオの胸から脳内へ、文字通り電気が走った。先ほど指でつねられた時と同じ……それ以上の、得も言われぬ刺激。微弱なパルスが的確に送られるたび、リオはその未知の体験をどう処理していいか分からず、ただ熱い吐息が漏れ出る。
「はあ、はあ……んぐ」
「う~む、スコープに素晴らしい振れ幅が出ているな……そうそう、リオ君。刺激を我慢して、身体を硬直させないように。上手に息を吐いて、身体を弛緩するんだ」
「はぁ、はぁ、でも、どうやって」
「そうだねぇ……こんな感じがいいかな」
笹川はスマホを手に取ると、何やら動画を検索して再生した。
<<──ぁん、あん、ぁあんっ──>>
アダルトビデオの、女性の嬌声。リオはそれが何かはわからないものの、なぜかそれが、本能的に今の気持ちに合っていると、おぼろげに感じた。
「さあ、同じように言ってみて。パルスにリズムをつけるからね」
ビッ、ビリッ、ビリッ──断続的に繰り返されるパルスを受け、リオは自分でも驚くほど高い声が漏れた。
「んぁん、ぁん、ぁんっ!」
下半身、未成熟なリオの
「うんうん。センスがいい。才能がどんどん開花しているねえ。それじゃあこのまま、この特異な〝
笹川はゴムの医療用手袋をぱちんとはめる。たっぷりと透明なジェルを指先に取ると、リオの、女性器のように縦割れになったピンク色の
「ふぁああんっ!?」
「えーっと……この辺かなぁ~……っと、あったあった。これこれ」
笹川は直腸の奥、うっすらと膨れた部分──前立腺を探り当て、その小さな
「──!?!?!? ぃぃやああああああ──っ!」
きぃんと耳鳴り響き──リオはたちまち頭の中が真っ白に染まった。
「あはは、大当たりだ。これが君を美しい大人にする〝核〟だからね。さあ、イッてイッて!」
「ぁ、ぁあ、あ……」
もう既に、声がよく聞こえない。一瞬のこと。腰をガクガクとさせながら、ピンと張った足指先の力が抜けていく。
口端から
「ええ~……ひょっとしてもうドライオーガスムに達したのかな。早すぎないか。まあ検証段階を詰められるのは、喜ぶべきか」
例えるなら、我慢し続けたおしっこを漏らしたような感覚。実際はその数万倍も鋭くも甘い痺れ。
「ペニスの反応も上々だけど、今はまだ精通させないほうが……──おおっ!? 何これ、何これ!?」
指先でネバネバとこねくり回し、匂いを嗅ぎ……驚きのあまり、大きく目を見開く。
「強く甘酸っぱい……まるでジャスミンのような香気。まさかこれ、愛液なのか? 信じられん。は、早く採取しないとっ」
試験管にいそいそと採取し終えると、目の前に掲げ、満足そうに眺めた。
「いやあ~大収穫。直腸カメラで内壁の構造を見たいけど……今日はもう限界かな。お~い、聞こえるかい、リオ君」
「……ふぁい……」
笹川の呼ぶ声に、正気が戻り始めるリオ。
「どうだい、初めてのオーガスムは。とても気持ちよさそうに、盛大にイッてたねえ」
「…………」
まだ脳がはっきりしない中で、今の状態が「イッた」「気持ちいい」ということを、何とか聞き取った。
笹川はねぎらうように、リオの頭をやさしく撫でた。
「ふふふ、かわいいなあ。僕が
期待……美しくなることか、新たな性の覚醒か。それとも、この快感に溺れることなのか。
(もう、どうでも、いいや……)
リオはそこで、ふうっと意識が途切れた。
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