※この作品はR-18です。

【完結】露蜜のカンバス~メスなボクでも幸せになりたい   作:渦螺しお

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07 クリニック②

 開脚診察台の複雑で、何をされるか想像に難くない奇怪な姿に、リオはさあと血の気が引く思いがした。

 

「はは、怖がらなくてもいいよ。さあて、まずは現状の感受性を正確に測定しよう。リオ君、服を全部脱いで、その検査着に着替えて。それから、この台で横になってもらうから」

 

 促されるまま、リオは少し震える手でパーカーにショートパンツと脱ぎ始める。全裸に一枚の検査着を羽織り、不思議な形の診察台に横たわると、合成皮革の冷たい感触が、背中に刺さった。

 

「足はここに置いて……そうそう」

「──!? せ、先生?」 

「だ~いじょうぶ。心配いらないから」

 

 M字型の突き出たホルダーに両足を預けるなり、ばりばりと剥がされたマジックテープで、両足首と両手首を拘束される。

 怖れで全身の震えが止まらないリオ。診察台はただウィィン……と無情な機械音を発し、両足はゆっくりと持ち上ていく。やがてリオの股間は包み隠さず全開させられた。

 

(い……いやっ、恥ずかし過ぎる)

 

 何も着けていない下半身に風を覚える。リオは羞恥で顔が真っ赤になった。笹川は手を止めることはなく、検査着をめくりあげる。まぶしいほどのライトをリオの秘部に当て、まじまじと観察し始めた。

 

「むむ、これはっ……既に変異の兆候がここにも。ということは……これからの刺激次第でどう変化するのか。いや興味深い」

 

 リオの頭の横、オシロスコープのモニターに光の線が走る。笹川はその下あたりから、二本のコードを引っ張り出した。

 

「少しピリッとするけど、我慢してね」

 

 笹川はリオの検査服をそっとはだけると、あらわれたグミのように愛らしい両の乳首に、コードの先端にある小さな銀色のクリップを挟んだ。

 

「ひぁっ、せ、先生、これは?」 

「調整器具のひとつ、ガルバニック刺激の端子だ。これが君の神経上で、女性としての信号をどれだけ受け入れられるかを計る」

 

 カチリ、と電圧ダイヤルの回る音を聞いた瞬間──

 

「──ぁああっ!」

 

 リオの胸から脳内へ、文字通り電気が走った。先ほど指でつねられた時と同じ……それ以上の、得も言われぬ刺激。微弱なパルスが的確に送られるたび、リオはその未知の体験をどう処理していいか分からず、ただ熱い吐息が漏れ出る。

 

「はあ、はあ……んぐ」

「う~む、スコープに素晴らしい振れ幅が出ているな……そうそう、リオ君。刺激を我慢して、身体を硬直させないように。上手に息を吐いて、身体を弛緩するんだ」

「はぁ、はぁ、でも、どうやって」

「そうだねぇ……こんな感じがいいかな」

 

 笹川はスマホを手に取ると、何やら動画を検索して再生した。

 

<<──ぁん、あん、ぁあんっ──>>

 

 アダルトビデオの、女性の嬌声。リオはそれが何かはわからないものの、なぜかそれが、本能的に今の気持ちに合っていると、おぼろげに感じた。

 

「さあ、同じように言ってみて。パルスにリズムをつけるからね」

 

 ビッ、ビリッ、ビリッ──断続的に繰り返されるパルスを受け、リオは自分でも驚くほど高い声が漏れた。

 

「んぁん、ぁん、ぁんっ!」

 

 下半身、未成熟なリオの花芯(ペニス)も見事に屹立(きつりつ)し、その声に呼応するかのように、ぴくんぴくんと、上下に跳ね踊っている。

 

「うんうん。センスがいい。才能がどんどん開花しているねえ。それじゃあこのまま、この特異な〝中(アヌス)〟を刺激していこうかな」

 

 笹川はゴムの医療用手袋をぱちんとはめる。たっぷりと透明なジェルを指先に取ると、リオの、女性器のように縦割れになったピンク色の窪み(アヌス)へ、ずぶりと差し込んだ。

 

「ふぁああんっ!?」

「えーっと……この辺かなぁ~……っと、あったあった。これこれ」

 

 笹川は直腸の奥、うっすらと膨れた部分──前立腺を探り当て、その小さなし(・)こ(・)り(・)を指先でぐんっと押した。

 

「──!?!?!? ぃぃやああああああ──っ!」

 

 きぃんと耳鳴り響き──リオはたちまち頭の中が真っ白に染まった。

 

「あはは、大当たりだ。これが君を美しい大人にする〝核〟だからね。さあ、イッてイッて!」

「ぁ、ぁあ、あ……」

 

 もう既に、声がよく聞こえない。一瞬のこと。腰をガクガクとさせながら、ピンと張った足指先の力が抜けていく。

 口端から涎(よだれ)を垂らし、虚空を見つめるリオの様子を見て……笹川は不服そうに口を尖らせ、電極のスイッチを切った。

 

「ええ~……ひょっとしてもうドライオーガスムに達したのかな。早すぎないか。まあ検証段階を詰められるのは、喜ぶべきか」

 

 例えるなら、我慢し続けたおしっこを漏らしたような感覚。実際はその数万倍も鋭くも甘い痺れ。花芯(ペニス)は天井を仰ぎ、ぷるぷると震え、露を垂れ流している。

 

「ペニスの反応も上々だけど、今はまだ精通させないほうが……──おおっ!? 何これ、何これ!?」

 

 窪み(アヌス)が痙攣(けいれん)しながら開き、真っ赤な粘膜をのぞかせて、とろとろと液体を垂れ流している。笹川はその未知の光景に目を奪われつつ、液体を指ですくい上げた。

 指先でネバネバとこねくり回し、匂いを嗅ぎ……驚きのあまり、大きく目を見開く。

 

「強く甘酸っぱい……まるでジャスミンのような香気。まさかこれ、愛液なのか? 信じられん。は、早く採取しないとっ」

 

 試験管にいそいそと採取し終えると、目の前に掲げ、満足そうに眺めた。

 

「いやあ~大収穫。直腸カメラで内壁の構造を見たいけど……今日はもう限界かな。お~い、聞こえるかい、リオ君」

「……ふぁい……」

 

 笹川の呼ぶ声に、正気が戻り始めるリオ。

 

「どうだい、初めてのオーガスムは。とても気持ちよさそうに、盛大にイッてたねえ」

「…………」

 

 まだ脳がはっきりしない中で、今の状態が「イッた」「気持ちいい」ということを、何とか聞き取った。

 笹川はねぎらうように、リオの頭をやさしく撫でた。

 

「ふふふ、かわいいなあ。僕が不能(インポテンツ)でよかったよね~。ま、その分これから、最高の調整をしていくからね。大いに期待していいよ」

 

 期待……美しくなることか、新たな性の覚醒か。それとも、この快感に溺れることなのか。

 

(もう、どうでも、いいや……)

 

 リオはそこで、ふうっと意識が途切れた。





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