※この作品はR-18です。

コトネイロ 再起エンド   作:むー

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見せつけックスされたすぐ後くらいがスタートです


IF 弓月の為に

 

 

 

 目の前で起きたアレが現実であると信じたくないが

 猛にだけは報復をしなければ気が済まない

 ただそれをするとコト姉は猛について出ていくなんて言い出した

 本当にそこまで猛のことしか頭にないのか……

 希望もないが弓月の為にコト姉という母親がいない状況なんて不幸を味合わせたくない

 ただふと少しだけ冷静になった頭に気づきたくもない可能性がよぎる

 ──そもそも弓月は俺の子供なのか? 

 瞬間吐き気が止まらなくなり胃の中のものを全てぶちまけてしまう

「そんなわけない、弓月は俺の……大、切な……」

 一度気になってしまった疑念はそう簡単には消えない

 忘れたいと思ってただ弓月を世話している時もふとアイツの面影を感じてしまう

 そうして数日が過ぎた頃、俺はネットでDNA検査キットを取り寄せる事にした

 高校生にはキツい出費だが安心したくて藁にも縋る思いで弓月の唾液と髪の毛、俺の唾液と髪の毛を鑑定所に送る

 結果が来るまで地獄の様な日々のなか現実からめを背ける為弓月のお世話だけに集中した

(どうかこの子だけは……)

 と思い1週間がすぎたころ結果が届く

 震える手で焦りながら紙が破けないよう慎重に取り出す

 結果は

 ──99.99%の確率でAとBの間に親子関係は認められません──

「……う、うううううううううう!!!!」

 薄々そうだろうと思っていたとはいえ残酷な現実に涙が止まらなくなる

 そんな俺をみて弓月は

「あーう」

 俺の頬に手を伸ばしペチペチとしてくる

「……弓月?」

「あーあー」

 加減を知らない赤ちゃんだから少し痛いが俺を慰めてくれているのだろうか

「……ありがとうな」

 本当の事はわからないが今くらい自分に甘い解釈をしたってバチは当たらないだろう

「あーあー」

 すると今度は抱っこをせがんでくる弓月

「……ああ」

 涙と鼻を服の袖で拭い弓月を抱き上げる

「きゃっきゃ!」

 こんな簡単な事でも笑顔になってくれる弓月にまた涙が溢れる

 たとえこの子が俺と血の繋がりがない子であってもこの温もりだけは今度こそ守り抜きたい

 でも今だけは弓月と2人でゆっくりと過ごしたい

 

 

 

 そして俺は覚悟を決める

「猛ぃ!! てめぇいい加減にしやがれ!!」

 と今まさに盛っていた2人に殴り込みにいった

 当然ながら力であのメスゴリラに勝てるわけが無い

 返り討ちにされた俺はボロボロになりながらも

「出て行けクソ野郎!!」

 と叩き出そうとする

「おやおや、そんな事いっていいんですか? 暁兄」

「猛を追い出すなら私もついていく」

 あの時と同じように俺を敵としか思っていない目で見られると心が折れそうになる

「コト姉はこう言ってますが」

 ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべる猛

「上(・)等(・)だ(・)バ(・)カ(・)ど(・)も(・)!(・)2(・)人(・)ま(・)と(・)め(・)て(・)こ(・)の(・)家(・)か(・)ら(・)消(・)え(・)ろ(・)!!!」

 だけど今回は引くわけにはいかない

「「は?」」

 俺がこんな事を言うなんて想像していなかったのか阿保面を晒す2人

「もうたくさんだ! お前らの顔なんか見たくも無い!!」

「弓月の為と我慢したけど、お前らがいる方が弓月にとって害悪だ」

 呆然とする2人の不意をつき家から叩き出す

「2度とそのツラ見せるんじゃねぇ!!」

 家の鍵閉めてドアに背をつけ崩れて落ちる

 するとようやく気がついたのかドアを叩く音が響き俺に衝撃を伝えてくる

 それを無視し弓月の元へ向かう

 アレだけ大きな音出してしまったが弓月は静かに泣くのを我慢していた

「ごめんな、怖かったな。もう大丈夫だぞ」

 声をかけながら抱き上げる

「あー! あー!!」

 弓月は俺の胸に顔つけ大きな声で泣く

「よしよし、まあ大丈夫。俺が側にいるからな」

 背を優しくトントンと叩き身体を揺する

 次第に安心したのか泣き声が止み

「すーすー」

 と寝息を立ててくれる

 そんな時玄関からドーンと馬鹿みたいな大きな音がする

「アイツドア蹴破りやがったな……」

 予想はしてたが本当に人間か疑わしい

「暁人ぉ? こんな事してただで済むと思ってるかしら?」

 コト姉の眼光が俺を射抜くが

「うるさい、弓月がようやく落ち着いたとこだから喚くな」

 知った事ではない、腕の中の温もりの方が大切だ

「──へぇ」

 もう一段ドスの聞いた声に切り替わる

 次の瞬間目の前に拳が来るも

「やめろ!! 馬鹿娘!!!」

 すんでのところで馴染みのある男性の声が聞こえ横からコトね──琴音を殴り飛ばす

(あ〜ちょっとスッキリした)

 場違いな感想を抱きつつ弓月が起きない様に

「おじさん、ありがとうございます。後はお任せします」

 と言い残し俺の部屋に退散する

「う、うそ……お父さん?」

 ちらっと見えた琴音の顔は真っ青になっていた

 

 

 

 ネタバラシをすると俺1人で琴音に対抗する手段がなかったから親に頼る事にした

 どれだけ堕ちても俺にとっては初恋の人で世界で一番好きだった人だし小さい頃からのトラウマで琴音に拳を振るえない

 でも弓月の健全な成長の為にもアイツらには消えて貰わなければならない

 だから鑑定の結果を持っておじさんたちに突撃して協力を確約してもらった

(あの時土下座までされたのは堪えたなぁ……)

 おじさんたちは何も悪くないのに大の大人に号泣されながら謝られるといたたまれない気持ちなる

 ついでに父さんと母さんにも話した

 こっちも阿鼻叫喚の嵐で参った

 父さんからは殴ったことを床に頭を擦り付けながら謝られて正直ちょっとスカッとした

 でも親にそんな事をさせてしまった俺の不甲斐なさにまたちょっと泣いてしまった

 それを察した母さんにはさらに泣かれてしまったがそれは置いておく

 俺としては弓月を第一に考えていきたい旨を伝えるとおじさん達にも父さん達にも正気を疑われた

 確かに俺と弓月は他人だ

 でもあの時感じた温もりは本物だし何より弓(・)月(・)に(・)は(・)な(・)ん(・)の(・)罪(・)も(・)な(・)い(・)の(・)だ(・)か(・)ら(・)

 そう言うとまた全員に泣かれてしまった

 もうみんな揃って涙腺がガバガバになってしまった

 琴音の穴でもあるまいし(笑えないけど)

 そんなこんなで鑑定書だけでなく現場も押さえるために急遽関係者を集めたのが先程の顛末だ

 猛は親父にボコボコにされ着の身着のまま叩き出され海外にいる両親の元に送られたらしい

 その時おば……琴音のお母様が勢い余ってアイツの自慢のものを蹴り潰したらしい

 想像しただけで恐ろしいがザマァみろ

 琴音に関してもおじさん達から折檻を受け家に閉じ込められているようで、お母様いわくうわごとのように俺の名前をよんで謝ったり泣いたりしているらしい

 思うところがない訳ではないが今はそれどころではない

 アレから数ヶ月、色々あったが弓月は琴音がいなくともスクスクと育ってくれている

 最初は少し夜泣きも出たが俺と母さんでお世話をしていたらすぐに収まってくれた

 強い子だ

「あーう」

 怒涛の日々を振り返りながら弓月を抱っこしていると顔に手を伸ばしてくるのでそっと手を握る

 すると安心した様な可愛い笑顔をみせてくれる

「ぱ、あー、ぱーぱ」

 かわ……

「え?」

 思考が止まる

「ぱーぱ」

 俺を見て今度ははっきりと言われた言葉に

「──」

 また泣いてしまった

「弓月、愛してるよ」

 

 

 

 時は戻り運命の日

(まさか暁人があそこまでやるなんて)

 ご主人様との事がバレて以来何もしてこず見ないふりをしてたヘタレが今になってこんなことをしてくるとは思わなかった

「でも、ふざけたマネしてくれたんだからお仕置きしないとね」

 後ろでニヤニヤと笑っているご主人様に満足してもらう為にドアを蹴破る

「暁人ぉ?」

 2度とご主人様に危害を加えようなんて思えないくらいにお仕置きしないと

 奥へ進み弓月を寝かしている部屋に行くと暁人は弓月をあやしていた

「暁人、こんな事してただで済むと思ってるのかしら?」

 ドスを効かせた声を出す

 暁人ならこれで1発で言う事を聞くはず──

「うるさい、ようやく弓月が落ち着いた所なんだから喚くな」

 だったのに今まで聞いたことのない冷たい声

 そして私の方に一切見向きもせず弓月のことだけを見つめる暁人

「──へぇ」

 その事に猛烈な不快感を覚え本気で殴りに行く

「やめろ!! 馬鹿娘!!!」

 暁人を殴る寸前で横から逆に殴り飛ばされた

 何が起きたか分からず呆けてしまう

「おじさん、ありがとうございます。後はお任せします」

 暁人は最後まで私を見ずに弓月を連れて部屋を出ていく

 目の前にいる人を見つめ顔から血の気が引く

「う、うそ、お父さん」

 

「お前、お前は、なんて事を!! 暁人君に対してなんて事をしたんだ!!!」

 稽古以外でお父さんからここまで殴られるなんて初めてだった

 目の端には涙をためいつのまにかシワシワになっていた手を真っ赤にしながらも私を叩く

「……っ」

「なんとか言ったらどうなの?」

 お母さんは呆れを通り越して無感情になった目で私を見る

「だ、だって暁人じゃ」

 満足させられなかったアイツが悪い

「ふざけるな!!!!」

 言いそうになった瞬間お母さんが目にも止まらぬ速さで私のお腹を本気で殴ってきた

「ぐぶッ!」

 余りの衝撃に胃から色々と出てくる

 そこに混ざる白濁したものを見て2人は能面の様な顔になる

「……情けない。どこで育て方を間違えてしまったのか……」

「暁人君を捕まえた時はよくやったと思ったけれど……」

 いまだに嘔吐が治らない私を汚物の様なものを見る目で見る両親

「勘当だ、お前はもうウチの娘ではない」

「でも外にも出さないわ、万が一暁人君と弓月ちゃんに迷惑をかけたら困るから」

「部屋で自分が何をやってしまったのかもう一度よく考えて後悔しなさい」

 そう言うとお父さんとお母さんは私を引きずり部屋に閉じ込める

 

 殴られた痛みがようやく落ち着いた頃

 私はずっと残っているものを思い出す

 弓月を抱く暁人が見せたあの表情

 弓月と自分の時間を邪魔するただただ不快なもの見ているかの様な顔と声のトーン

 暁人が私にあんな顔をするなんて思わなかった考えてもいなかった

 殴られた私を心配せずに淡々と部屋にいった暁人

 私はそれが意味する事をようやく理解し始める

「嘘……」

 だって暁人はずっと一緒にいてくれるって

「嘘よ」

 プロポーズしてくたし

「う、そ」

 でも一度冷静になった私は少しづつ自分が何をしていたかを思い出す

 猛に薬を飲まされ弱みを握られ身体を許してしまったこと

「あ」

(何であの時助けてって言えなかったのだろう)

 その事を暁人に話さずにズルズルと関係を続けて暁人ではなく猛の逸物を選んだこと

「ああ」

(何でこうして欲しいって言わなかったんだろう)

 それでも暁人の優しさに漬け込んで弓月を産んだこと

 その後色々とバレても開き直って暁人をボコボコにしたこと

 あの時の私は猛との快楽に溺れることが幸せだと思っていた

「ああああ」

(何であんなこと)

 そして暁人を馬鹿にしつつそれでも私から離れないだろうとたかをくくっていたこと

 その結果としてさっき暁人が私をどんな目で見ていたかを理解してしまい

「嫌あああああああああああああああああああああああああああああ」

 頭を掻きむしり絶叫する

「あき、暁人ぉ、暁人ぉ、ごめ、ごめんなさい、ごめんなさい」

 涙が溢れ止まらない

 今更後悔したところでもう遅いのに

「いや、暁人、行かないで」

 もう2度と戻れるわけがないのに

 

 

「色々落ち着いたら」

「う?」

「弓月のお母さんに会いに行こうか」

「まー?」

「そう、ママ。いやぁ愛憎入り混じるって言うのはこう言う事なんだなぁってね」

「うー?」

「あの時は弓月の為って頑張れたから何とも思わなかったけど落ち着くとね」

「反省したんなら昔みたいには行かなくても新しい関係作れるかもしれないって希望が捨てられないんだ」

「あーい!」

「はは、一緒に来てくれるか?」

「パーパ」

「うん、ありがとう。愛してるよ弓月」

 







暁人が父性に目覚めたらルート
前半と後半で暁人のノリが違うけど許してください
猛には何しても構わないと思っているけど
琴音をこんなに虐めたい訳ではないがコトネイロルートを思い出すたびに不快なので許してくれお前が悪い
でもラスト都合のいい夢を入れといたから
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