あの後呆然とした私はまず父から続いて母から1発ずつ殴られた
初めての経験だったがそんな事気にならないくらいに大きな喪失感に襲われた
父は涙を流しながら私の胸ぐらを掴み大きな声で
「お前!! なんてコトをしたんだ!! 暁人くんみたいな良い子を
「来なさい! あちらのご両親になんとお詫びをしたら良いか」
母が私の髪を掴み引き摺るようにするがその痛みすら感じられず
「暁人は? 暁人はどこ……?」
うわごとのように繰り返す私に呆れて泣く母と顔を真っ赤にして怒鳴る父
「大体なんだ
その言葉に意識が戻る
ふと自分の格好を見る
暁人が褒めてくれて好きだと言ってくれた髪はご主人様の好みに合わせて染めてしまった
ご主──猛の好む下品な下着で昨日も夜中まで猛の上で媚びた言葉を囁きながら腰を振って快楽を貪っていた事とその光景を苦しそうな顔で何度もその光景を見ていた暁人
それを見下し時には奴隷のように暴力で言う事を聞かせ弓月の面倒を見させていた事を
何より自分のお腹の中の子は大好きなはずだった暁人の子ではなく猛の子である事実を
ようやく冷静になった自分が
「わ、私、な、い、いやああああああああああああああああああああああああああ!!!??!?!?!!?」
絶叫してそのまま意識を失うのだった
それからは早かった
抵抗はしたが離婚届にサインを書かされそのまますぐに役所に受理され私と暁人は法的にも他人に戻った
猛も今までの悪行と暁人に対する非道な行いに激怒した私の両親と暁人の両親からボコボコにされ2度と日の目を見れない身体にされたらしい
あれだけ執着していた癖に興味も湧かない
そして弓月は私の両親に引き取られ私は勘当された
お腹の子はどうしようかと思ったが余りにもショックな出来事にお腹の中で亡くなってしまっていた
そこまでは両親が面倒を見てくれたがここからは本当に私1人となってしまった
当たり前だが暁人の両親からは蛇蝎の如く嫌われて弓月の嫡出子否認の申請を行う為にDNA鑑定を行っているらしい
「私は、今まで何やってたんだろう…… 」
病室のベッドで丸まり布団を頭まで被り涙を押し殺す
「暁人、暁人ぉ」
失ってしまった最愛の名前をうわごとののように呟く
それから私は精神科にかかる事になり薬を飲んでカウンセリングを受けることとなった
セックス依存症となってしまっていた私の身体は私の思考に関係なく疼くようになってしまっていた
その衝動を抑える為に薬を飲みより冷静になった頭で自分の姿を見ると
「〜〜〜」
鏡を叩き割りそうになる
猛の趣味に合わせ髪を染め猛に媚びる為に色々な場所にピアスを付けていた私を見つめ直す度に髪の毛を毟り取ってしまう
時に皮膚ごと毟り取ってしまい血がでるがそんなのお構いなしに、暁人が好きだと言って大事にしてくれた髪を汚してしまった罪悪感と自分への苛立ちで自分に罰を与えていることに仄暗い喜びを覚えてしまう
「暁人ぉ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
常に暁人へ謝り続ける毎日
そして
ダメなのに分かっているのに
「暁人、ん、暁人♡気持ちいいよ」
スマホに残る暁人と綺麗だったころの自分の写真で自分をなぐさめるのだった
「って感じで堕ちるとこまで堕ちちまったらしい」
「……」
あんまりにもな現状に仄暗い喜びを覚えつつも心のどこかでコト姉の心配をしてしまう自分がいる
「後あちらさんのご両親も今回の件で流石に商売を続けられないと判断したらしく店を畳んでその資金を元手に孫は施設に預けられたらしい」
「え? おじさん達が?」
「ああ、まぁ客商売しかも喫茶店ってなったらそりゃ人物の評判は1番大事だろうよ。苦渋の決断だったとは思うが変に粘らなくて正解だったと思うぞ」
おじさん達に迷惑をかけたかったわけではなかった
ただ自分の不甲斐なさ至らなさをお詫びしただけだったがまさかそこまで責任を感じさせてしまうとは……
「クズの方だが噂によると性機能を奪われた上で2度と出られないカニ部屋で一生子供の養育費を稼ぐ事になったらしい」
「そうですか」
流石にそれは嬉しい、ザマァみろクズめ
「最後になお前の両親がお前の居どころを興信所を使って探しているらしい」
「……」
思うところが無いわけではない両親がアイツを居候させなきゃそもそもこんな事にはならなかったしアイツがどんな性格かぐらい把握しておいて欲しかった
「わかりました。後で電話借りても良いですか?」
ただ育ててくれた恩もある
──弓月の時親父にしこたま殴られたのは一生忘れないが──
「もちろんだ」
快く了承してくれる勇次さん
「それで、だ」
「ここからが本題だ。暁人お前これからどうしたい?」
「え?」
「クソビッチなってもずっと幼馴染を見捨てなかったお前の事だ、ソイツのこと気になってるんだろ?」
「……」
図星だった。最近でこそ落ち着いて来たけどコト姉に対しては愛憎入り混じりまくる形容し難い感情がいまだに燻る
「俺としては愛と一緒になってくれた方が嬉しいんだが……」
「……」
もちろんそうしたい気持ちが強い
愛のおかげで今俺はここにいられている
愛と勇次さん達と出会わなければ本当にのたれ死んでいたに違いないから
何より愛の事が好きになっている
だから→愛と一緒に新しい家族と歩んでいく再起ルート
それでも→コト姉の事が見捨てられずまた一から関係を紡いでいくリスタートルート
どちらを選ぼうか……
ここが描きたかっただけなはずなのに遠回りしてしまったよ
ライブ感で思いつくまま書いてるので整合性は見なかった事にしてね