ToLOVEる 生まれ変わった意味を探して 作:雪だるま2世
今まで1番長いです。ごめんなさい。
評価、お気に入り、誤字報告、本当にありがとうございます。
「…暑い…………っ!?」
「ん…優…斗く…ん…」
何かの温もりを感じつつ目を開けると、目の前には生まれたままの姿をした御門先生に抱きしめられていた。
なんだ?なんで俺は全裸の御門先生に抱きしめられて寝ていた!?
抱きしめていた御門先生から、起こさないように抜け出してから周りを確認する。
(ベッド端について手枷と足枷にベッドに落ちているローター?とアナルビーズ?だったか?)
ベッドに落ちているピンクのローターに紫色のアナルビーズを見て俺は全てを思い出した。
───楽しみましょう、優斗くん?
───大丈夫よ、アナルビーズでもサイズは小さい方だから…ほら力を抜きなさい、優斗くん
───今なら私のおっぱいで挟んで口の中で絶頂させてあげる
たっぷり4時間、御門先生に虐められた事を…そして味わった未知の快楽を…
「あぁ…そうだった」
俺は御門先生に調教されたんだったな、4時間分のすべてを出し切って気絶してた後、何処まで行ったか分からないけど、とりあえず服を…
服を着よう思ったが、4時間たっぷり調教された俺の身体は色んな液体でベタベタしていて…服を着れるような状況じゃない。
「…まずは、シャワー浴びよう」
寝ている御門先生を起こさないようにしてから、シャワー室に向かう。
中に入るとよく分からない椅子とマットがあってローションと書かれた液体も置いてあった。
「…俺が気絶してなかったら、大変な事になってたな」
俺は絶対ロクなことに使われないマットをどかして、よく分からない椅子に座ってシャワーを浴びて、シャンプーを使おうとした時、鏡を見て気づいてしまった。
「…キスマーク」
首筋の見える位置と胸板につけられた複数のキスマーク…今着ている服じゃどう足掻いても隠す事ができない。
「美柑達に見られたら、なんて言われる…か……」
美柑と言った瞬間、何かに引っかかった、俺は何かを忘れている気がする…
───…はぁ…私がメールしたら、すぐにメール返して
───…え?なんで?
───安全確認
───…わかった
───もしホテルとか連れ込まれて、朝帰りになったら、わかってるよね?
───…いや、さすがにそんなことには──────
───徹底的に犯すからね?
…やばい、美柑に言われてた事を完全に忘れてた。
「すぅ……」
美柑から言われた事を思い出した俺は一度、現実逃避をする為に深呼吸をする。
…シャワー中に思い出すんじゃなかった。
「…終わったなぁ」
しかも今日の午後、皆で黒咲さんの家におじゃまするんじゃなかったか?…今、何時だ?
頭と体を洗い終わった俺は落ちていた服───何故か下着がなかった───に着替える。
「黒咲さんの家には間に合いそうだけど…」
ズボンのポケットに入っていた携帯電話で時間を確認すると朝の7時。
「…不在着信とメールの数がえぐい事になってる…これは絶対怒ってる」
不在着信とメールが数え切れないほど届いていた、美柑だけかと思ったら、ナナからも届いている。
…どうするのが正解か?今からメールを送り返すか…それとも電話するか…いや、今頃何をしてもどっちも火に油を注ぐだけか。
「…とりあえず、御門先生を起こして下着を返してもらうか」
御門先生を起こしてチェックアウトしないと帰れない、それに俺の下着がない理由は、おそらく御門先生が盗んだからだろう。
「御…っ!涼子さん、起きてください」
御門先生を呼ぼうとした瞬間、夜に御門先生と呼んでおしおきをされた事を思い出して、反射的に涼子さんと名前で呼び直す。
…もう、あんなおしおきをされるのはごめんだ。
「…んっ…優斗くん…もう朝なの?」
「はい、とりあえず、シャワー浴びてきてください、あと俺の下着も返して───」
「嫌よ、優斗くんのパンツはホテル代として私が貰うわ」
「…俺にノーパンで帰れって言いたいんですか?」
「あら、ホテルの時間延長してあげるから帰らなくてもいいのよ?」
「…帰りますよ」
帰らなかったら今度は何をされるか分からない。
「…んっ!うぅんっ!仕方ないわね」
「シャワー室はあっちです」
「あら、一緒に入らないの?」
「…もう入りました」
″そう、残念″と言いながら起き上がった御門先生はシャワー室の中へ入っていく。
しばらくしてシャワー室から出てきた御門先生は何故か俺の目の前で服を着始めた。
…わざわざ、俺の目の前で服を着るんだ。
「貴方に私の全てを見てほしいからよ?」
「…心読まないでください」
時々、皆は俺の心を読んで来るがなんなんだ?エスパーかなんかなの?…いや今はそんな事よりももう一つ聞かなきゃ行けない事がある。
「…それで、何処までヤったんですか?」
「最後までヤったわよ、ゴム無しで…」
「…なっ!」
「赤ちゃんの名前、どうしましょうか?」
「……っ」
御門先生は自分のお腹を撫でながら言う。
俺が気絶した後、本当に最後までヤったのか?しかもゴム無しで?…もしそうなら、いくら犯されたとはいえ、責任は取らないといけない…
「フフフ…冗談よ、最後までヤってないわ、初めては貴方が起きてる時にシタいもの」
そんな事を考えていると御門先生は獲物を見るような目で俺を見つめながら言う。
その冗談マジで笑えない……それに危なかった、御門先生を起こす前に風呂に入ってて良かった、じゃないと″モーニングの時間ね″とか言われて、今度こそ風呂場で卒業してたぞ。
「じゃあ、チェックアウトしましょうか」
「…はい」
「次は″モーニング″も食べさせてね、優斗くん」
「…っ」
御門先生の言葉を聞いて身体がビクッと震える、それを見て満足そうに見て笑う御門先生。
1階まで戻り、御門先生がチェックアウトをすると受付の店員さんに″最上階でのプレイは楽しかったでしょうか?″と聞かれた…ぶん殴ってやろうか、この店員。
「えぇ、大満足だったわ、次もまた来るわね」
「はっ!?」
「なら、会員証を作ってみませんか?次来た時、安くなるのと、もっとすごい玩具を使った、ドロドロ快楽オプションが利用できます!」
「あら、いいわね、作るわ」
「ありがとうございます!」
「………」
御門先生とのデートはこうして終わった…確かにとても楽しかったが、夜は…忘れよう。思い出しただけでも身体が…
「差し支えなければ、どちらがMだったか、教えて───」
「帰りましょう、涼子さん」
店員の言葉を遮った俺は御門先生の手を引っ張り、ホテルを後にする、…俺はMじゃない、ただえっちぃ事はどうすればいいか分からないだけだ。
◇
御門先生と一緒にホテルを後にした俺は、途中で御門先生と別れて急いで家の前まで帰ってきた。
扉を開けて家の中に入るだけなのに今の俺は、そんな簡単な事ができない。
「………」
とりあえず、覚悟を決めて中に入ろう、もしかしたら、美柑も怒っていないかもしれない。
覚悟を決めた俺は扉を開けて中へ入っていく。
「おかえりなさい、優兄」
「………」
靴を脱いでリビングに入ると笑顔の美柑が仁王立ちで待っていた、美柑は俺を見た瞬間、笑顔を崩さず殺気の様なオーラを放つ。
…なんだこの殺気…冬華教官の何倍も怖い…
顔は笑顔なのに目は笑っていない、そして逃げようとすれば確実に殺されると思うほどの殺気。
「ただいま、美柑……その…帰るのが遅くなりました…ごめんなさい」
リビングの中に入った俺は美柑に向かって頭を下げて謝罪する。
こんな状況今まで任務で無かったから、これが正しい行動かはさっぱりわからない。
「綺麗なネックレスだね、それ、どうしたの?」
「…御門先生にプレゼントされました」
「ふーん、そのキスマークも?」
「………」
首筋についたキスマークを見て笑顔を浮かべる美柑。
御門先生によって首筋と胸板につけられたキスマークはどう足掻いても消す事も隠す事も出来なかった…どうする、なんて説明すればいい。
「…服脱いで」
「っ!?」
「他にもキスマークがつけられてないか確認するから…」
「…はい」
俺は美柑の目の前で上の服だけを脱ぐ、服を脱ぐと胸板についたキスマークがよく見える。
昨日、散々虐められた乳首もいつも以上に赤くなっていて何かをされた事は一目瞭然だった。
「正座」
「……はい」
「…随分楽しい夜を過ごしたみたいだね?」
「………っ」
美柑は上裸になって正座した俺に近づいて、赤く染った乳首とキスマークをつけられた首筋と胸板を指でなぞる。
乳首を指でなぞられただけなのに御門先生に快楽を刻まれた身体がビクッっと跳ねた。
少し触られただけでゾワッとして意識しないと声が漏れそうだ…まだ身体が敏感になってるのか?
「御門先生にされた事、指でなぞっただけで思い出しちゃうんだ…しっかり身体に刻み込まれちゃったんだね」
「………」
「何処までヤったの?」
上裸で正座をしている俺を見下ろしながら、美柑に問いただされる。
正直な話をすれば、きっと御門先生と同じ事をされる、そうなったら、またあの地獄の4時間を味わうことに…頭がおかしくなるほどの快楽、次こそ、耐えられる気がしない。
「最後まではヤってない」
「…どんな事したの?」
「………」
「…答えないんだ…まあ、聞いてもヤる事は変わらないしいいか」
どんな事をしたか答えない俺を見た美柑の目つきが変わる、まるで獲物を見つけた肉食獣の様な目に…
…まさか、リビングで俺を!?
このままじゃまずいと咄嗟に色々と策を考えるが、何も思いつかない、必死に考えているとズボンのポケットに入っている携帯電話から震えて一通のメールが届く。
「…誰かからメール来たみたいだよ、見なよ」
「……」
「誰からだった?」
「…なっ!」
メールの相手は御門先生で、メールと一緒に1枚の写真が送られてきた。
優斗くん、デート楽しかったわ。
また楽しいディナーをしましょう。
今度こそメインディッシュを食べさせてね?
貴方の婚約者の御門涼子より
メッセージの下には、自撮りしながら、力尽きて眠っている俺にキスする御門先生の写真が貼ってあった、お互い全裸の為、事後の写真のようになっている。
「………」
「…っ!美柑!」
美柑は無言で俺の携帯電話を奪って内容を見る、写真まで見たであろう美柑は先程以上の殺気を放つ。
「…私が今まで甘かったね、優兄」
「っ!?」
「…これからはもう容赦しないから」
美柑はそういうと携帯を机に置いてから、正座している俺を床へ押し倒す。
「まずはキスマークを上書きしようか」
「…美柑っ」
「チュッ…」
美柑は俺の上に馬乗りになって首筋のついた御門先生のキスマークへキスをする。
「美柑…ここリビングだから!ナナとモモに見られたら!」
「っ───ちゅっ…ちゅぱ…チュッ…」
「…っ」
美柑は俺の言葉を無視して、リビングだろうが関係ないと言わんばかりにキスマークを上書きしていく。
抵抗しても夜に同じことをされるだけなら、受け入れた方が早い、そう思ってしまった俺は抵抗するのを辞める。
少しの間、リビングに鳴り響くリップ音。
首筋が終わった後、今度は胸板につけられたキスマークに向かってキスをする。
「チュッ………ハムッ…」
「なっ!?美柑!!」
「っ──────」
「んぁっ…吸わないで……美柑…っ」
キスマークの上書きが終わった瞬間、美柑は俺の乳首を口に咥えて吸い始める。
同時にもう片方の乳首も、指で弄られてコリコリと弄られた俺は声を抑える事が出来ず、リビングに俺の喘ぎ声が響く。
美柑の指で乳首を弄られ、口の中で舐められながら、吸われていく感覚に俺の頭が真っ白になっていく。
…ダメだ…急いで止めないと…頭が…
「…美柑っ…ダメ…」
「…カリッ」
「あぁぁあぁぁ───っ!!?」
抵抗しようと手を伸ばした瞬間、美柑は口で咥えていた乳首を甘噛みして、指で弄っていた乳首をつねって思いっきり引っ張られた。
…なんで甘噛みされて、引っ張られただけでこんなに感じるんだ…
「…次、抵抗したら、これじゃすまないから…」
美柑はそう言うと再び、乳首を優しく口で咥えて舐めたり、吸ったりしながら、同時にもう片方の乳首も指でカリカリしたりと弄ったり、乳首の周りを円を描くようになぞっていく。
「…んっ…ぁっ…──────っ」
「…我慢なんてしないで、声出しなよ…気持ちいいんでしょ?」
「んぁッ───ぁ…ぁ…あぁ…」
「可愛い声だよ、優兄」
手で口を抑えても声が漏れ出てしまう…それを見て気分を良くした美柑は、俺のズボンの中に手を入れて大切な所を触り始める。
「…優兄、パンツはどうしたの?」
「っ…それ…は…」
美柑は俺がノーパンという事に気づいて、どうしたのかと問いかける。
…御門先生にホテル代で取られたなんて言えるわけない…
「…あの変態先生に取られたんだ」
「……っ」
「…やっぱりそうなんだ……ムカつく、優兄は私のモノなのに…」
「…美柑!?」
怒った美柑は、俺のズボンを脱がせていく。
ズボンを脱がされて俺のパンパンに膨らんで勃起しているアソコが外の空気に触れる。
「相変わらず大きいね、優兄のおちんちん…」
「待って、美柑!咥えるのはダメだ!」
「前に一回やってるんだから、別にいいでしょ…はむっ」
「うぁ…ぁっ…あぁ…」
美柑を止めようと手を伸ばすも間に合わず、美柑は俺のアソコを咥えてしまう。
…ダメだ…美柑の身体にそれはまだ……
「…おおひいよ…ゆうにい…」(大きいよ…優兄…)
「ンァッ……」
勃起したアソコを咥えた美柑は俺を見つめながら言う。
その表情と口に咥えられた快楽だけで…いやダメだ…出すのだけはダメだ!
「んむっ……ちゅぱっ…じゅる…ちゅぶ…」
「あぁっ…美柑……ダメ…離して…」
「…んぢゅ…じゅ……じゅる…」
咥えたアソコをまるでアイスを舐めるようにしゃぶり続ける美柑。
少しずつ早くなっていき、美柑からは″我慢しないで早く出しなよ″ってというような目で見られる。
昨日、御門先生にされたパイズリフェラよりも舌の使い方が上手く我慢せずに諦めろと頭の中で何かが訴えかけてくる。
…早く…美柑を…引き剥がさないと……やばい…
「っ!本当に…やばいから……美柑…っ」
「くちゅ…んちゅ…ちゅば……じゅる……っ!!」
「あぁあぁぁ───…」
「んっ…じゅ…じゅるぅぅ…」
俺は我慢できずに美柑の口の中で絶頂してしまう、口の中に出してしまった精子を美柑はゴクリと飲み込み、そのまま搾り取るようにアソコを吸い始める。
「ぷは──…ご馳走様、優兄」
「っ」
「…これから予定があるんでしょ?だから、今日はこれで許してあげる」
「…はぁ…今日は?」
「明日からもっとたくさん優兄を襲うから、次はもっと楽しもうね、優兄」
「……っ!」
「それと御門先生との記憶は徹底的に上書きするから…覚悟してね」
美柑は口についた精子を舐めとってリビングを後にする。
明日からたくさん襲う?それにもっと楽しもう?…ダメだ…このままだと…本当に犯される。
「大変な事になりましたね、優斗さん」
「…モモ」
震えた身体で頑張ってズボンを履いていると物陰から俺と美柑の様子を見ていたモモが、リビングに入ってくる。
「今日は美柑さんにフェラをされて、昨日は御門先生にたっぷり″4時間″虐められて…気持ちよかったですか?」
「…なんで、知って!?」
「お尻をアナルビーズで開発されて、色んな場所を同時に責められて快楽に負けてましたね♡」
「…まさか…見てたの…?」
「最初から最後まで全部見てましたよ…優斗さんが調教されている所♡」
昨日、俺が御門先生に調教されている所をモモは見ていたようだ。
あの場所で俺が調教されているのを見ていたから、美柑やナナと違って、モモは俺に連絡をしてこなかったのか。
「なんで…止めなかったの…」
「決まってるじゃないですか、ハーレム計画の為ですよ」
「っ!」
モモが計画したハーレム計画はおそらくかなり順調に進み続けている気がする。
正直、この状況はかなりまずい…俺が皆に犯されたら、責任を取る為にそのまま…いや既にもう遅いんじゃ…
「でも、美柑さん達が羨ましいです、私も優斗さんを襲いたくなってきました」
「…嘘だろ!?」
美柑に搾り取られたばかりなのにこれ以上はされたら…
「本当は襲いたいですがもう時間がありませんから、するのは次の機会ですね」
「…時間?」
「美柑さんにエッチな事をされて、午後は皆さんで黒咲さんの家に行く約束を忘れてしまいましたか?優斗さん」
「…そうだったね」
時間は11時になる頃、そろそろ行く準備をしないといけない…
「ナナは部屋でメアさんの家に行く準備をしていて、そろそろ降りてくる頃ですよ、優斗さんもお早めに準備を終わらせてくださいね?」
「…わかった」
俺は出かける準備をする為に、震える足で自分の部屋に向かった。
◇
色々あったが、襟で首筋が見えないような服に着替えて何とか準備を終えた俺は、皆と一緒に黒咲さんの住んでいる家に向かった。
「お───!!ここがメアのマンションかー」
集まったメンバーは俺とヤミとナナとモモの4人。
黒咲さんの家に遊びに行くという事もあってか、いつもと髪型が違うナナは下から見上げるほど大きなマンションに驚いていた。
「ゴメンなさいね、メアさん。休日に押しかけちゃって、ナナがどうしてもメアさんの家に行ってみたいというものだから」
「ちぇっ…いいコぶって…モモだってメアの家、見てみたいって言ってただろ!」
黒咲さんに謝罪するモモに対して、ナナは頭の後ろで腕を組みながら怒る。
「別にいいよー休日はヒマだし、でもわたしの家、何もないよ?」
「急に遊びに来たのは俺達だからね、別に何も無くても大丈夫だよ」
俺の部屋も一応花を育ててはいるが、ベッドや机といった必要最低限の物しかない。
…いや、最近、美柑が自分の部屋から持ってきた私物が色々と置かれ始めてたような…それをみたナナもモモも最近俺の部屋に色々と飾ってたりするような気がする。
そんな事を考えながら黒咲さん達について行くと扉の前で立ち止まり鍵を開ける。
「わたしの家にようこそぉ────!!」
部屋に入ると黒咲さんは手を広げて俺達を歓迎してくれたが、周りには本当に何も無かった、あるのはノートパソコンとお菓子と座布団のみ。
「ホ…ホントに何もないんだな…」
「ね!だから言ったでしょ───」
…これが…黒咲さんの部屋…
「…黒咲さんはここで一人で住んでるの?」
「そうですよ──」
黒咲さんは笑顔で言う。
こんな広い部屋で…何もない場所で…彼女は孤独に一人で生活している。
俺も輝と同室になる前やナナやモモと一緒にする前は───ベッドはあったが───こんな感じだった。
…でも輝やナナとモモと一緒に暮らすようになって気づいた、あの生活がどれほど寂しく、悲しい生活だったのか。
「これ差し入れです、黒咲芽亜」
「わ!ありがとう───」
たい焼きの袋を持ったヤミが黒咲さんに飴を渡す。
「それじゃ、ジュースでも入れよっかな、紙コップだけどいい?」
「あ…私もお手伝いしますよ」
嬉しいそうに飴を受け取った黒咲さんはそう言ってモモと一緒にジュースを次にキッチンへと向かっていった。
「優斗、気になっていたのですが、なぜ首を隠しているのですか?」
「…別に隠してないよ、ヤミ」
「……」
ヤミの言葉に隠してないと返すと、ヤミは怪しんだ目でこちらを睨む。
キスマークをヤミに見られたら、絶対やばいでしょ。
「皆さん、ジュース持ってきましたよ」
「どれがいい───!
黒咲さんがジュースを持ってきたタイミングで俺の携帯電話が鳴り響いた。
「っ…ごめん、ちょっと出てくる」
「え?せんぱい?」
着信相手の名前を見た俺は黒咲さんの部屋から出て電話に出る。
「もしもし」
[グーデンモルゲン、南雲よォ!]
電話をかけて来たのは南雲だった。
南雲という事は探し物が見つかったか、この前、俺達が轢き殺そうとした犯人がわかったか…おそらく後者だろう。
[この前の貴方達を轢き殺そうとした車が見つかったわァ!]
「…見つかりましたか」
[えぇ、車はね]
「………」
南雲の含みのある言い方に俺は疑問を感じる。
…車はって事は、犯人は分からなかったのか?
[車の方は盗難車だったわ]
「盗難車?」
[警察に被害届が出ている車だったみたいね、少し前にもトラックの盗難があったらしくて、そっちもこの前乗り捨てられてるのが発見されたわ]
乗り捨てられているのが発見されたトラックは、おそらく河川敷で俺達を轢きかけたトラックと同じものだ。
…犯人は同一人物である事がほぼ決まった。
「…犯人は?」
[…誰かまではまだわかってないの、理由は乗り捨てられていた車やトラックの付近にあった監視カメラが、ほぼ全て別の映像に切り替えられていたからよ」
「…何?」
監視カメラの映像が切り替えられるだと?そんな事できるのはハッカーやハッキング部門にいる軍人や警察官くらいしか…
[ただ、1箇所だけ顔が写ってるのが映像が残ってた…洋服屋さんの窓ガラスに映し出されている犯人の顔がね、さすがにガラスで反射したのまでは気づかなかった見たい]
「…送ってくれ」
[今、写真にして送るわね、誰かわかったら連絡してあげる]
「ありがとうございます」
俺はそう言って電話を切る、一枚の写真が送られてくる。
写真に写っていたのは、ナナと黒咲さんを轢こうとした、トラックの女性運転手。
(やっぱりコイツだったか)
何者か分からないが、間違いなく俺はこの女性と何処かで出会ったことがある。
(…お前は誰だ?)
携帯に送られてきた写真を見ながら、思い出そうとしても、中々思い出す事ができなかった。
◇
「そう…メアさんの家に行ったの」
「はい」
黒咲さんの家に行った日の翌日、中庭で俺、ヤミ、モモ、御門先生、村雨さんの5人で話し合っていた。
「あわよくば、彼女の″マスター″に関する情報が入手できないか、ちょっと期待してたんですけど…ダメでした」
「ま…そう簡単に尻尾をつかませるような相手だったら、とっくに姿を現してるでしょうね」
御門先生の言う通りだな、猿山達を操ったり、黒咲さん隠れ蓑のように使っているくらいの奴が、そう簡単に尻尾を掴ませるとは思えない。
「優斗くんはマスターが誰か心当たりある?」
「月城ではない事は確かです。あの男なら、もっと姑息に人を使います」
それに月城なら最初から黒咲さんを隠れ蓑にして動いていたはず…それをしなかったという事は、月城は黒咲さんのマスターでは無いはずだ。
「…御門先生に思い当たる点は」
「私もないわ、ただ関係ないとは思うのだけど、昨日、優斗くんとのデートから帰ってきた時に気づいたの、お静ちゃんの予備の人工体…バイオロイドが無くなっていたのよ」
「…え?」
「…デート」
バイオロイド、確か村雨さんが憑依しているしている身体の事か。
…あとヤミ、今はデートのことは気にしないで欲しい。
「いくつ無くなったんですか?」
「2つよ、お静ちゃんに何かあった時に予備として作っておいたものがね」
「…最後に確認したのは?」
「優斗くんと″お泊まりデート″をした前の日よ」
「…お泊まりデート」
つまり、俺とのデート中にバイオロイドが無くなったのか?
…あと御門先生…ヤミに向かってわざと言ってるだろ…ヤミが静かに俺を睨んでるんですけど?
「優斗さんも御門先生とエッチなホテルに泊まった以外で何か隠してますよね」
「…えっちぃホテル」
「あら、モモちゃん知ってたの、私と優斗くんがラブホテルに泊まった事」
「えぇ、優斗さんがしっかり調教されてるのも見てましたよ」
「…調教っ!」
「…そこまで見ていたのね」
ヤミの髪が怒りに震えて逆立っている。
…頼むから、学校でラブホテルとか調教とか言うのやめてくれ…ヤミの方はもう諦めたが他の誰かに聞かれてたら俺は退学だぞ。
「話を戻しますが、優斗さんは何か隠してますよね?」
「………」
「最近よく、南雲さんと連絡を取り合ってるみたいですし…」
バレてたか、本当はもう少しわかってから話すつもりだったが、仕方がない。
「この前、黒咲さんとナナがトラックに轢かれかけた事を覚えてる?」
「えぇ、あの時はお姉様とヤミさんがいなければ、大惨事になってました…」
「………」
「ちょうど先週、俺とリトが学校から帰ってる時に別の車に轢かれかけた」
「確か、優斗さんが腕を怪我して帰ってきた日ですよね?それが何か?」
「…運転手が同じ人間だった」
「「「っ!?」」」
俺の言葉を聞いた4人は驚く。
「優斗くん、なんで同じって思ってわかったの?」
「リトと一緒に車を避けた時、フードを被っていましたが一瞬、運転手の顔が見えたんです」
「…それで南雲瑠偉に依頼したと…」
「…あぁ、南雲に調べてもらったら黒咲さんとナナを轢こうとしたトラックも、俺とリトを轢こうとした車も盗難車で同じ人物が写ってた」
皆に携帯電話に送られた写真を見せる。盗難車を置いて逃げているフードの女性の姿が写っていた。
「…顔が見えないわね」
「洋服屋の窓ガラス、そこに顔が写ってます」
「っ!?ナナとメアさんを轢こうとした運転手!」
「…えぇ、似てますね」
モモと未だに少し怒っているヤミが携帯を覗き込む。
「ただ、この件に関しては黒咲さんは関係ないと思っています」
「メアさんのマスターは?」
「マスターとやらが黒咲さん轢き殺そうとする理由がありませんから、おそらく違います」
「あの…」
御門先生と話していると村雨さんが静かに手を挙げる。
「メアさんと皆さんはもうすっかり仲良しになってるように見えますけど、メアさんにちゃんと尋ねれば、そのマスターって人の事や優斗さん達を轢こうとした犯人か教えてくれるんじゃないですか?」
村雨さんが首を傾げながら不思議そうに言う。
確かに村雨さんが言った事は正しいかもしれない。もし親しい友達なら全てとは言わなくても、少しは話してくれるかもしれない。
でも今の黒咲さんはきっと教えてくれない、だって黒咲さんに取ってマスターという存在は…
「無理ですね、黒咲芽亜にとってマスターの存在は絶対のようですから、少しくらいの付き合いで揺らぐ程度のものとは思えません」
「…まあ、そうだろうね」
黒咲さんにとってマスターは絶対的存在、マスターが不利になるような事は絶対しないだろう。
「そうなんですか?…私には皆さんすっかりうち解けているように見えるんですが…」
「いえ…正直、私はまだメアさんの人物像を測りきれずにいます、表面上では仲良くしていても、メアさんの心の底にはまだ私達への大きな壁がある」
…確かに黒咲さんと俺達の間にはまだ壁がある、それはきっとナナも感じているかもしれない。
「その壁を取り去った時、私達は初めて本当のメアさんとわかり合えるかもしれない…でもこの胸騒ぎは何なのかしら…」
「胸騒ぎね」
「はい、メアさんと親しくなって近づく程感じる不安感……まるで何か潜んでいるかわからない暗闇をのぞきこんでいるような…」
「女の勘かしら?」
「わかりません…私もこんな感覚初めてで」
黒咲さん自身の闇…もしくは…全く別の何か…
「メアも私も…戦うために生み出された″兵器″メアの心に暗闇を感じるなら私もきっと同じ、兵器と人間の心は根本的な部分で違うのかもしれませんね」
「ヤミさん!私、そんなつもりじゃ」
「それは違うよ、ヤミ」
俺はヤミに近づき話しかける。
「ヤミは俺に言ったでしょ、黒咲さんに変わるきっかけを与えたいって…兵器だったらそんな事考えない。初めて見つかった妹を助けたいって…きっかけを与えたいって思うって事はヤミは兵器じゃない…人間だって証拠だよ」
「優斗、なぜあなたはそんな恥ずかしいことを平然と…っ!?」
───許さない、あなただけは絶対に…
───駿を殺したあなたを私は絶対に許さない!殺す!殺してやる!!
俺と桐生夏海とは違う、まだヤミと黒咲さんは姉妹になる事ができる。
「優斗、どうしてそんな悲しい顔を…」
「…なんでもないよ」
「ッ!?なぜ頭を撫でるですか!」
ヤミの頭を撫でるとかを真っ赤にしたヤミが恥ずかしそうに怒るが、振り払う事もなく俯いて受け入れる。
…ヤミと黒咲さんには俺と桐生夏海の様になって欲しくない。
「…あら、ヤミちゃんばっかりずるくないかしら」
「ッ!?御門先生!どこ触って!?」
不満気な顔をした御門先生は後ろから俺のズボンと下着の中へ手を入れてくる。
「ちゃんとペンダントもつけてきて偉いじゃない、でも見えるようにしないと、私とペアルックっていうのが分からないわよ、優斗くん」
「…御門先生…そこは…」
「大丈夫、力を抜いて、お尻も私が調教してあげたじゃない」
「んっ…ぅっ…ァア…」
御門先生の中指と薬指が穴の中に入っていく、中でなぞるよう指を動かされて頭が真っ白になっていく。
「こっちはどうかしら?」
「っ!御門…ここ!…学校っ…ぅ…ぁ」
指を入れていない方の手で勃起してしまったアソコを触る御門先生。
昨日まで御門先生に調教されるまで、気持ちいいなんて思わなかった、それに中に入れられただけで勃起してしまった…俺の身体は完全におかしくなってきてる。
「お尻の穴に指を入れられただけで勃起しちゃったの?」
「…お尻の…穴ッ!?何をしているのですか!ドクターミカド!!」
そんな光景を見たヤミは、一瞬固まっていたがすぐに俺の手を引っ張って、引き寄せる。
「…優斗が嫌がっているのが分からないのですか?」
「あら、優斗くんは嫌がってないわよ、だってこの前のデートで私にイかせて欲しいってお願いしてきたのよ」
「なっ!?」
力なく身体を預ける俺を抱きしめたヤミは、御門先生の言葉を聞いて驚いた表情で俺を見る。
「首筋のキスマークも消えちゃったわね、乳首の近くにつけたキスマークも消えちゃったかしら?」
「はぁ…はぁ…」
「…キスマーク……優斗、あなたには話があります」
「…え?…ヤ…ヤミ?なにを…」
怒ったヤミは翼を広げて、抱きしめた俺ごと空へ飛びたった。
◇
~御門side~
「…あら、行っちゃったわね」
「御門先生!少し大人気ないですよ!!」
「いいのよ、お静ちゃん、あれくらいしないと優斗くんが誰のものかか分からないでしょ?」
ヤミちゃんと抱きしめられて飛び立った優斗くんを見ながら、私はお静ちゃんに言う。
「御門先生、その事でお話があるんです」
「何かしら?」
「皆で優斗さんに愛されませんか?」
「…それはどういう」
「私は優斗さんのハーレムを作るつもりです」
「えっ!ハーレムですか!?」
モモちゃんの言葉を聞いたお静ちゃんは驚きの声をあげる。
私を見るモモちゃんの目は真剣で本当にハーレムを作ろうとしている事が見ただけでわかる。
…だから、私が優斗くんをホテルに連れ込んでエッチなことをしていても邪魔をしなかったのね。
「…本気なのね」
「はい」
優斗くんのハーレムを作るって事は…まさか、モモちゃんは彼をデビルーク王にするつもりなの?
…前世で優斗は権力によって全てを奪われて、生まれ変わった今でも権力によって最悪な結末を辿るところだった…やっと全てから開放された彼をまた地獄に引き込むの?
「…モモちゃん、優斗くんをデビルーク王にするつもり?やっと開放された彼をまた権力というしがらみに巻き込むの?」
「いえ、優斗さんはデビルーク王にするつもりはありません」
「え?」
デビルーク王にしない?それじゃあどうやってハーレムを作るつもりなの?日本で多重婚は無理なはず…
「御門先生、最近の宇宙では王家じゃなくても多重婚が認められているのはご存知ですよね?」
「…そういうことね」
「はい、数年以内にはデビルーク星でもそれが可能になります、そうすれば優斗さんをデビルーク王にせずにハーレムを作ることができますよ」
確かにそれならデビルーク王にならずとも、優斗くんのハーレムを作る事ができる。
優斗くんが誰か一人を選ぶことなく…みんなが彼に愛してもらうことができる。
「このまま行けば、優斗さんは誰か一人だけを選んでしまう…もしくは選ぶ前に死んでしまうかもしれません」
「…ッ!?」
「誰かを助ける為なら、優斗さんは自分の命すら差し出す人です。優斗さんを死なせないように繋ぎ止める為にもハーレムは必要不可欠」
優斗くんは自分の人生を壊そうとした時雨春馬さんや天野穂風さんすら庇って助けてしまった。
確かに前を向くと決めて彼は少しずつ変わっているが、目を離せばどこかへ消えてしまいそうな雰囲気は未だに消えていない。
「それに優斗さんが誰か一人を選んでも、御門先生は優斗さんを諦めるつもりはないんですよね、ならとても魅力的な提案だと思いますよ?」
「…えぇ、諦めるつもりはないわ」
…モモちゃんの提案は私にとって魅力的な提案だった、断る理由はどこにもない。
「………」
「…御門先生」
目を閉じて悩む私を見たお静ちゃんが静かに私を呼ぶ。
「その…私も優斗さんのハーレムを作る事で幸せになれるなら…それでもいいんじゃないでしょうか」
「…お静ちゃん」
「それに優斗さんなら皆さんを平等に愛してくれると思います!」
優斗くんを独り占めできないけど…でも、失うより…振り向いてくれないより…
「…3つ条件があるわ」
「3つ条件ですか?」
「1つは優斗くんがハーレムを認める事、もう2つは、優斗くんが皆を平等に愛して…一人ずつに時間を作ってくれる事…まあ、これは問題ないと思うけどね?」
「3つ目はなんですか?」
「どんなことがあっても優斗くんがデビルーク王にはならない事よ、それができるなら、私はハーレムでも構わないわ」
地獄に…戦いの世界にこれ以上優斗くんを堕とすなら、私はこの計画には賛同できない。
…だって、優斗くんには…今世こそ、最後まで笑っていて欲しいから…
「言われなくてもそのつもりですよ、御門先生」
モモちゃんは私の言葉を聞いてニコッと笑う。
「この話は他の子にもしてるの?」
「ヤミさんと古手川さんの二人に話していますよ」
「二人はなんて?」
「ヤミさんには、優斗さんが賛同していないならできるわけないと言われてしまいました」
「…古手川さんは?」
「ハーレムなんてハレンチよ!とは言っていました…でも二人とも心の中で優斗さんに愛されるならと気持ちが揺らいでいます」
…道のりは長そうね、でも…優斗くんが折れれば全て覆る。
「優斗さんがハーレムに賛同すれば、お2人はすぐにハーレムに加わると思いますよ」
「そうでしょうね、失うくらいなら、皆で分け合った方が幸せになれるもの…でもどうするつもり?彼はきっと中々折れないわよ?」
「そこら辺はご心配なく、優斗さんがハーレムを作る以外の道が残されていないようにする為に動いてますから」
優斗くんにハーレムを作る以外に道はないようにするって…モモちゃん、意外と腹黒いわね?
モモちゃんと話をしていると、次の授業の予鈴が学校に鳴り響いた。
「あ!モモさん!チャイムがなってしまいましたよ!そろそろ終わりにしないと…」
「そうですね、とりあえず、期待していてください、優斗さんのハーレムを必ず作り上げますから」
そう言ってモモちゃんはお静ちゃんと一緒に教室へ戻って行った。
「貴方も大変ね、優斗くん…でも、ハーレム…貴方に愛されるなら、私はそれでもいい…」
私は優斗くんがヤミちゃんに連れ去られた空を見て、お揃いのペンダントを握りしめながら呟いた。
「…私を見て…私に恋をして…優斗くん」
◇
~優斗side~
翌日の放課後、俺とナナと紗弥香の三人で黒咲さんの家に来ている。
「わ────っこれがわたしの部屋!?」
「いい感じだろ!!ユウトとサヤカに家具を選んでもらって、あたしが飾りつけたんだぞっ!!」
「素敵!!」
昨日、ヤミから色々と事情聴取された後、ナナから黒咲さんの家の家具を選びたいから手伝って欲しいと頼まれた。
「喜んで貰えてよかったね、優斗」
「そうだね」
紗弥香はそういうと目をキラキラさせながら、クッションを抱きしめる黒咲さんを見て笑う。
今どきの女子の家具等、俺にはわからない事が多かった為、紗弥香にも頼んで家具選びを手伝ってもらった。
「今度のデート楽しみにしてるからね?」
「もちろん、行きたい所を考えといて」
今回、急に手伝って貰ったこともあって、なにかお礼をさせて欲しいと言った所″なら今度、二人で出かけしよ!″と言われた。
そんな事、お礼で頼まなくても、ラブホテル以外なら何時でもでも行くのに…
「でも…たくさんお金かかったんじゃない?コレ…」
「え?」
俺と紗弥香が話していると心配そうにな顔をした黒咲がナナに聞いていた。
「ヘーキ!ヘーキ!あたしも一応プリンセスだし、それにユウトも半分出してくれたからさ」
「そうだね、だからお金の事は気にしなくて大丈夫だよ」
「……」
これだけの家具を揃えるとなるとかなり金額はかかる。
最初はナナが全部払うって言っていたが、金額を見た時、震えていたから俺も強引に半分払った。
「ありがとう、ナナちゃん、優斗せんぱい、サヤカせんぱい♡」
嬉しそうに笑顔になりながらお礼を言う黒咲さんを見て、ナナは″えへへ″と笑っていた。
…そろそろいい時間だし、作るとするか。
「じゃあとりあえず、夕飯を作ろうか」
「え?わたしの家に調理道具ないよ?」
「買ったから大丈夫」
俺はエプロンをつけて、キッチンに置いた調理器具を黒咲さんに見せる。
「わたしは料理とかしないよ、せんぱい」
「週に何回かご飯を作りに来るよ」
「…え?」
「お菓子ばっかの生活だと、身体に良くないからね」
キッチンに食材を並べながら言うと、黒咲さんは不思議そうな顔をして
「どうしてそこまでしてくれるの?せんぱい」
「友達だから」
「それだけ?」
「それだけであれば、十分でしょ」
俺は包丁で食材を切って鍋に入れていく。
「…優しすぎるよ、優斗せんぱい…ありがとう…」
「何か言った?」
「なんでもないですよぉー」
黒咲さんがなんて言ったか聞こえなかったけど、絶対なんか言っただろ。
そんな事を思いながら料理を作り、俺が作った料理を4人で楽しく食べて夕食を楽しんだ。
次回からえっちぃ事が加速していくかもしれませんね。