「いまお前の嫁さん家に居るんだろ?」
ケツ穴から垂れ切った種の溜まった床を見下ろしてたら訊かれ、
「ハイ」
隣の部屋でいつも通りの時間を過ごしているはずの嫁さんを思い出し、ソワつきながら頷く。
「旦那が有給とって、出社するフリしてマンション中を生ハメちんぽラリーしてるって知ったらどんな顔するだろうな?」
からかいというよりも、どこか愉しげに脅すような口調で言われ、
「そんな! ……絶対言わないで、ください」
そんなことしないですよね!? って思いながらも必死になってしまうのは、お嫁ちゃんが大事だから。
「お前の嫁さん、旦那がちんぽ狂いなの知らねーもんな」
笑われて、ちんぽ狂いとか言われて、
「知られたら困ります」
それを否定できない。
「嫁さんとヤッてないの?」
大して興味もないのだろう問いに、
「することもあります」
問われるまま答えたら、
「まんこ入れんのも気持ちイイ?」
嫁との性生活を問われるのに、お嫁ちゃんまで辱められた気がするのに、
「正直言うと……ホモセックスの方が興奮するし気持ちイイです、まんこにされると狂っちゃうくらいなので……」
それでも嘘をつけないのは、こんなこと他の誰にも言えないからだろう。
「お前のすっかりペニクリだからな~、嫁さん不満そうじゃない? ちゃんとイカせてやってる?」
彼の女性関係は知らないが、訊かなくてもその自信に満ちた態度を見れば雄としての機能の有能さは知れる。
「自信ないです」
そして俺は元々性的なことへの関心が薄いタイプだったから、いまこうなってるのが不思議なくらいに平凡なセックスしかしてこなかった。
それでいいと思っていた。
お嫁ちゃんと仲良くて、身体だけじゃなく心で満たされて、そうして穏やかにやっていければいいと思っていた。
なのに――、
「俺が嫁さんも抱いてやろうか?」
こんなことを言う男の手で堕とされてしまった。
「だっ、ダメです!! お嫁ちゃんには手を出さないでください!!」
そうして俺が慌てると、愉しそうに目を細めるこんな男のせいで。
「お前は、俺のちんぽを独り占めしたいんだもんなぁ」
自信満々にそんなことを言う自意識過剰なこんな男に、
「そんな訳じゃ……」
認めることができなくて否定しようとしたって、
「違うのかよ?」
強く訊かれれば、
「独り占めできるなら、嬉しいです」
そんなふうに媚びるよう答えてしまう。
「ヤだよバーカ、なんでテメーみたいなオナホの専用ちんぽにならなきゃいけねーんだよ」
媚びた手を叩き落とすよう言われても、
「分かってます、ごめんなさい」
オナホと呼ばれる響きに興奮の滲む俺がいる。
自分から「ごめんなさい」とか哀れっぽく言って、
「ならいいけど」
どうでも良さそうに言われ、ほっとする。
「お隣の旦那さんも……奥さんとその……」
専用ちんぽじゃないの分かってたけど、彼の家庭でも当たり前の性生活はあるのだろうか? と思わず訊きたくなっていた。
「ん? うちのとはヤッてるよ? 昨日もヤッた、アクメ声すげーんだよアイツ、ハメ撮り見る?」
しかし湿っぽい俺の思考とは対照的に、彼は何でもないことのようにそんなことを言う。
ハメ撮りとか……やっぱ夫婦でもするんだ? 俺たち夫婦は、そんなことしたことないよ。
「いえ……いいです」
彼のことは知っていても、彼の奥さんのことは余り良く知らない。
うちの嫁さんとは仲良くしてもらっているけど、そんな微妙な関係にある女性のセックス動画なんて見せられても、居たたまれなくなってしまう。
「アイツ気にしないから見てもいいんだけどな、つーかアイツもお前のハメ撮り見てるし」
って――は?
いま、何言ったの?
何言われたの? 俺。
「えっ!?」
当惑する俺に、
「言ってなかったっけ? アイツ、お前のハメ撮りのファンだぜ? 一度生でセックスしてんの見てみたいって言ってたから、今度ヤろーな」
あっけらかんとして言う彼は、
「生で……って」
愕然とする俺に、
「見られながらヤるの興奮するだろ、お前」
またしても肯定以外答える余地のない問いを投げて、
「うぅっ……」
俺の言葉を奪った。
「どーする? 〆にもう一発ハメとく?」
下半身丸出しのまま跪き、床に零れた陵辱の残滓をキッチンペーパーで拭いた俺へ、彼はついでのように訊く。
彼には生ハメちんぽラリー前に一度抱かれたけれど、俺の腹の中はまだ切ないままだった。
「ハイ、旦那さんのちんぽ欲しいです」
だから素直に答えて、
「12発もマワされといて?」
呆れられるのにも頷く。
「やっぱり、お隣の旦那さんのちんぽが一番気持ち良くて……」
それは本当のことで、一番狂うのは彼のちんぽ。
「マジで?」
半笑いで尋ねる彼に、
「奥のまんこをズポズポして欲しいです」
俺は欲望を隠さずおねだりする。
「あー、なるほどね、結腸姦クセになってるからね、んじゃケツ出して」
彼は簡単に納得してしまうよう頷いて見せると、ムードも何もなく率直にケツを出すよう言った。
俺に教え込んだ、ちょうだいのポーズをしろということだ。
「ここで、ですか? あの、Skypeは……」
忘れた訳ではなかった通話中の回線は、
「ああ、アイツらもお前のファンだから、生配信してやれば喜ぶよ」
俺のファン……なんて言葉、さっきの奥さんの話を聞いていれば分かる。
俺の痴態を映した画像や動画をシェアしていた下卑た仲間なのだろう。
「お仕事の関係じゃないんですか?」
すっかりと仕事関係の通話をしていたものだと思い込んでいたから訊くと、
「お仕事といえばお仕事関係だけど、いま休憩中だから。お前がマンション中でマワされに行ってるって話してたとこ」
「そ、そんな!!」
仕事関係の人とプライベートなセックスのシェアしてるの!? と驚愕する、あり得ないって思ってる俺に、
「まあ、あんま堂々と顔出しするのもアレだろうから、マスクでもしとけば?」
やはり何でもないことのように彼が言うから、
「……ハイ」
俺は戸惑いながらも、これから雄セックスを生配信されることへの興奮には抗いきれなかった。
「おまたせ~! 隣の旦那くんことオナホくんでーす。今のいままで『マンション一周種壺生ハメラリー』参加者の変態住民たちにマワされて帰ってきました~! いまケツに13発分の種が入ってまーす! いまから14発目を俺が中に出して〆です! この変態に結腸まで犯して欲しいとおねだりされたので仕方なくでーす」
お隣の旦那さんのゆるい紹介に、
「よろしくお願いします」
俺は緊張して言う。
借り物の黒マスクをして顔は半分隠れているけど、きっと彼らにとっては俺の顔なんてどうだって良いんだろう。
全裸にちんこだけ隠れるようなエッチな下着を穿かされて、ケツの部分は完全に開放されてた。
だけどちんこもガン勃ちしてたから、パンツが食い込む締め付けが何だかたまらない。
PCカメラと通信の映像では分からないかも知れないが、俺のちんこの先っぽ濡れてるのも、シミが浮くせいで丸わかりだった。
『うわ、隣の旦那くんだ、本物』
知らない声が、俺を知っているというよう聞こえる。
『いつもハメ撮り見てるよ~』
手を振る男は、『いつも』見てるって言ってる。
『こんど僕ともパコろうね~』
そして気軽な調子でセックスを求める声。
「ハイ、えっと……ありがとうございます」
俺は何て答えたらいいか分からず曖昧なお礼を言うと、助けを求める目線をお隣の旦那さんへと向ける。
『オナホくんってエリートリーマンなんでしょ? それなのに種壺にされてんの?』
しかし彼から助け舟が出る前に質問が届き、
「は、ハイ」
俺は慌てて応える。
『なんで? 隣のやつに弱みでも握られた?』
隣のやつが「いやいや」と笑う声を聞きながら、
「いえ、あの……ちんぽが好きなので……すみません」
俺は正直に答えてしまっていた。
俺のファンって言った。
誰も知らない筈だった俺のホモセックスが、たくさんの人にシェアされ見られていた。
俺のこと性的な目で見て、ただ消費した男たち。
この人たちには、俺がオナホだって知られてる。
『えー、サイコーじゃん、可愛い』
ちんぽ好きなの褒められて、嬉しくてドキドキした。
ジュッ♡ とちんこの先がまた涎を垂らす。
あぁ……俺、この人たちに見られたい♡