「信じられない……」
涙目で震える俺に、
「ハァ? さっきまでちんぽちんぽ大騒ぎしてた奴が何言ってんだよ? 嫁さんのまんこより俺のちんぽが好きって言ったのテメーだろーが」
「それは……だって……」
「それがお前の本性なんだよ、もっとちんぽ欲しがれよ、メスになれ、堕ちろ」
俺に何も言わせないまま、彼はメスになれ堕ちろと、もっとちんぽを欲しがれと命令した。
最初っから、彼がこの家に入って来た時から、俺に決定権などないのだと分からせるように。
「メスに……堕ち……、っん♡」
俺の声に甘い喘ぎが混じったのは、無意識のうちに勃っていたちんこの先を、彼の指先が撫でたから。
「またペニクリ腫らして能書き垂れてんじゃねーぞ?」
ラフな物言いは俺をドキドキさせて、次の言いつけを期待させる。
「ペニクリ?」
しかし、聞きなれないその言葉に首を傾げた俺に、
「テメーみたいな淫乱なメスの用済みちんこはクリトリスで充分なんだよ、ガチガチに勃起するエッロいクリトリスだけどなぁ? ケツ掘られながらせいぜいペニクリ本気汁無駄打ちしとけ」
「そ、そんな……」
身も蓋もないザコちんぽ扱いされて、
「嬉しそうな顔しやがって、バーカ」
逆らえないこの部屋の俺に、発言権も決定権も無いのだ。
「とりあえず次はベランダでヤるか」
楽しい提案のよう言う彼に、
「ベ、ベランダはご近所の方に……」
俺は躊躇する言葉を返すけど、
「お前が声我慢してれば良いだろ?」
俺は彼には逆らえないから。
「でもまだ昼ですよ!? しかも午前中!!」
まともらしいことを言うけれど、 休日の真昼間にベランダでちんぽハメされたらどれだけ興奮するだろう? メスイキさせられたらどんなに嬉しいだろう? と考えている。
「だから?」
彼の問いはもっともなのだ。
だって俺は、それに興奮している。
「だから……その……」
俺はもう言葉を失くして。
彼に逆らうような言葉を全部放り出して。
「だから余計に興奮するんだろ? ベランダのすぐ下は公園だしな」
公園で遊ぶ子どもたちやその親を見下ろすところを想像して、「ヒッ!」と息を飲んだ。
「お願い……せめて夜にしてください」
だからわずか取り戻した理性で訴えかける言葉は、
「ヤだ、ほら上だけシャツ着ろよ」
たちまちのうちに却下される。
「あのっ……――――ハイ」
それをどこか嬉しがる俺が、居る。
「俺のオナホは聞き分けよくなったな、でもベランダでちんぽちんぽ叫ぶなよ、旦那さん」
オナホと言われ悦ぶ俺が、居る。
「ちんぽ……ハメたら、我慢できなくなります」
早くハメて欲しいって思いながら、また腹のなか甘くイッちゃう俺が、居る。
「お前って本当に……どうしようもない変態のメスだな」
そんな風に呆れられ、
「……ごめんなさい」
ゾクゾク♡ が止まらなくなる俺が、居る。
「しょーがねーな、んじゃベランダは夜まで我慢してるよ」
しかし俺のなけなしの葛藤を、彼は最初から用意していたのではないか? というような軽い口調で取り除いた。
ベランダではしないの?
あ、夜なら……夜になったらベランダでおちんぽ出来るの?
夜なら……夜なら全裸でも……あ、でも、部屋の電気点けっぱなしにされたら、どこかからハメられてる俺を見られちゃう?
「その代わり、今から窓開け放してヤるからな、それで許してやる」
戸惑いながら薄暗いベランダに想いを馳せていた俺は、
「えっ!? 窓……」
全裸のままベッドから降り、カーテンも窓も開け放した彼が戻ってくるまで呆然と見ていた。
晴れた休日の淡い日差しが、寝室の中まで入り込んで来る。
眩し気に目を細めた彼の、男らしく引き締まった腹の窪みに鈍色に光る金属が挿し込まれているのが見える。
シャフトと呼ばれるタイプのボディピアスだと教えてくれたのは、物珍しく目が離せなかった俺をあの時も笑いながらだった。
左外耳上の軟骨部分にも3つのピアス、右にもひとつだけある。
元来、彼みたいな不良じみたタイプの男は、俺の周りはいない筈だった。
一見すると穏やかな隣人のふりをして、しかしよくよく目を凝らせば、いつだって雄としての主張を漂わせている。
その目つきに、その仕草に、その匂いに、そしてその言葉に。
彼の左薬指の結婚指輪ですら、俺の華奢なプラチナと比べると骨太なゴツさえ感じるデザインだが、滑らかな曲線と肌馴染みの良いピンクゴールドのそれは、意外にも優しい色を帯びている。
それがまた――俺を責めながら、同時に開かれていく欲望を許容する彼の性質が思い起こされるようで、酷くタチが悪いのだ。
厄介なのに捕まった――そう諦められれば簡単だが、およそ捕まえたつもりもないのだろう。
元々俺の感情になど無頓着な彼の態度に、俺はやっぱりただの手慰みの道具になる。オナニーホールに。
「テメーの情けねぇメス声がご近所さんまで聞こえないように、せいぜい嫁さんの枕でも噛んで殺しとけよ、コラ」
そうして俺の胸に押し付けられたのは、今でもまだ嫁さんのシャンプーの香りが残る彼女の枕。
ゾクゾク♡ ゾクゾク♡ ゾクゾクゾクっっ♡♡♡
「ン“ン"ン"お"っっ♡♡♡」
腹の奥まで走った快感に、俺は今はまだ不在の彼の余韻を感じながらメスイキした。
びくっ♡ びくっ♡ びくっ♡ びくっ♡ びくっ♡
「あッ♡ あぁ"ッ♡ あぁ"ッ♡ あぁ"ッ♡ あぁ"ッ♡」
震えが止まらなかったのは、気づかれない筈もない。
違うから、これは、さっきのセックスでイキっぱなしだった名残りが、ちんぽ入ってないのにまだお腹の中にあるみたいなの、切ないの止まんな……あ――またイク♡ イク♡ イッちゃいそうぉ~~ッッ♡♡♡
「っはw まだイッてんの? オナホのくせに勝手にイクなよなぁ」
「――~~ッ!! ……ハイ♡」
おかしくてたまらないと言うように、笑いながら押し倒してくるお隣の旦那さん。
今度は前からハメられたいって、ベロチューの合間に彼にねだりながら――俺は嫁さんの枕を抱きしめた。