搾精都市神浜~魔法少女たちのエッチな短編集~ 作:黒蓮/クロハス
ホテルフェントホープ。最上階の一室。
窓の外には神浜の夜景が広がっているはずだったが、分厚いカーテンはぴったりと引かれて、部屋の中には外の光も音も届かない。代わりに、アンティーク調の壁掛けランプが、琥珀色の灯りを薄く落としている。深い色のカーペット、猫脚のテーブル、それを囲むように向かい合った革張りのソファ。テーブルの上には銀のティーポットと、繊細な金彩の入ったカップがふたつ。
紅茶の湯気が、ゆらゆらと琥珀色の灯りの中を漂っていた。
ソファの片方に、里見灯花が座っている。
体格に不釣り合いなほど装飾過剰な衣装。背もたれにまったく届かない背中。ソファの座面に沈み込んだ腰。それでも姿勢は真っ直ぐで、左手でティーカップを摘まみ、右手の人差し指でテーブルの上に置いたタブレット端末をすいすいと撫でている。
向かいに座るのは、柊ねむ。
こちらも魔法少女服のまま。手元のティーカップには口をつけた形跡がほとんどない。
「——ねむ、見て見て。データ出たよ」
灯花がタブレット端末を指でくるりと回して、ねむのほうへ差し出した。画面には棒グラフと数値の羅列が並んでいる。
「搾精実験の直近三十回分のデータにゃ。精液の魔力含有量、グラフの右が最新」
「……ふぅん」
ねむは細い指先で画面をスクロールしながら、淡々と呟いた。
「一貫して、強制搾取のほうが数値が低いね。こうまではっきり傾向が出ると、もう誤差とは言えない」
「でしょー?」
灯花はにぃっと笑った。小さな顔に、年齢不相応の——いや、この少女にとっては至極当然の、知性と悪意が同居した笑み。
「男が自分から出したがって出した精液のほうが、魔力の含有率が段違いにいいの。無理やり搾り取ったやつはね、量は出るけど質が悪いんだよね。まるでね、精液そのものに持ち主の意志が反映されてるみたい」
「……それで?」
ねむの声は平坦だった。灯花の演説がまだ序盤であることを、長い付き合いで知っている。
「それでね、わたくしは考えたわけ」
ティーカップを置いて、灯花は両手をぱん、と合わせた。
「性欲の塊みたいな童貞のおサルさんを一匹捕まえてきて、好きなだけ交尾させてあげたら——どうなると思う?」
「……相変わらず、悪趣味だね」
「褒め言葉として受け取るにゃ♡」
ねむは小さくため息をついた。切れ長の瞳が、灯花を冷ややかに見据える。
「つまり、被験者に自発的な性的興奮を最大化させた状態で射精させ続ければ、従来の搾精より高品質な魔力が採取できるかもしれない——という仮説の実証実験?」
「さすがねむ、話が早い!」
灯花は両足をソファの上でぱたぱたと揺らした。靴先が座面のレザーを叩いて、ぱふ、ぱふ、と間抜けな音を立てる。
「でもね、ただ女を抱かせるだけじゃダメなの。女のほうから積極的にリードしちゃったり、搾精マシンみたいにガンガン絞ったりすると、男のほうが萎縮して『させられてる』感覚になっちゃう。そうなると強制搾取と変わらないんだにゃ」
「……なるほど。だから、受け身の女がいる」
「ぴんぽーん♡」
灯花の笑みが深くなった。
「わたくしが用意したのは——万年桜のウワサ」
ねむの指が、ティーカップの縁で止まった。
「……桜子を、使うの?」
「うん。桜子のサーバーに、ありとあらゆるエロの知識を詰め込んだよ。古今東西の性技、男の弱点、どこをどう触ればどう反応するか、全部ね。それからねむにお願いがあるんだけど——」
「性器の改造でしょう」
「話が早いにゃ♡♡」
灯花は嬉しそうに身を乗り出した。テーブルの上のティーカップが、小さくかちゃりと揺れる。
「ねむの魔法で、桜子の生殖器を名器に作り変えてほしいの。人間には不可能なレベルの——バイブレーション、回転刺激、内部の蠕動運動。チンポを入れたら最後、精液を根こそぎ絞り取れるような、最高のおまんこにしてほしいにゃ」
「……」
ねむは沈黙した。紅茶の湯気が、二人の間でゆらゆらと揺れている。
数秒。
「——灯花」
「にゃ?」
「桜子は実験の意味を理解するの?」
「しないよ。命令に従うだけ。少年の言うことはなんでも聞くように設定する。桜子には感情がない——というか、あの子の感情はまだ育っていないから。人形みたいに綺麗な顔で、何をされても無反応。それがいいの」
灯花は人差し指を立てて、くるくると宙に円を描いた。
「童貞の少年にとって、それがどういう意味か分かる? 抵抗されない。拒否されない。好きなだけ触れて、好きなだけ挿れて、好きなだけ出していい。少年の性欲が完全に解放される環境——それが、わたくしの実験」
「……相変わらず、悪魔のようなことを考えるね」
「えへへ♡」
「褒めていない」
ねむはようやくティーカップに口をつけた。ひとくち啜って、カップを静かにソーサーに戻す。
「——分かった。協力するよ。桜子の性器私が最高のものに仕上げる」
「やったー! さっすがねむ♡♡」
「ただし」
ねむの瞳が、フードの影の中でひと際鋭く光った。
「実験が終わったら、桜子のサーバーからエロデータは消去すること。あの子に余計な知識を残すのは、教育上よくない」
「はいはい、分かってるにゃー」
灯花はひらひらと手を振った。その軽さが、約束を守る気があるのかないのか、まるで判別できない。ねむも、それ以上は追及しなかった。長い付き合いだった。追及しても無駄だと知っている。
琥珀色の灯りの下で、銀のティーポットが冷めていく。
二人の天才少女は、まるで放課後の宿題を片付けるみたいに、ひとりの少年の運命と、ひとつのウワサの身体を弄ぶ段取りを、紅茶と一緒に飲み下していた。
◇ ◇ ◇
目を開けたとき、最初に感じたのは肌寒さだった。
服が、ない。
それに気づくまでに数秒かかった。頭がぼんやりとしている。記憶が断片的で、帰り道を歩いていたはずの自分が、なぜか知らない部屋の床に転がされていた。裸で。下着すら剥ぎ取られた、生まれたままの姿で。
少年は慌てて上体を起こした。
薄暗い。壁には深い色の木目のパネルが張られて、天井の隅にひとつだけ、古めかしいランプが橙色の光をぼんやりと落としている。アンティーク調の家具が並んでいた。猫脚のデスク、革張りの椅子、分厚いカーテンが引かれた窓。部屋の奥にはベッドがひとつ。ホテルの客室——それも、かなり上等な。
けれど少年の目には、調度品の品の良さなど映っていなかった。
——なんだ、ここ。
心臓がどくどくと跳ねている。恐怖ではない。いや、恐怖もある。けれどそれ以上に、状況がまるで理解できない混乱のほうが大きかった。学校の帰り道、路地を曲がったところで、黒いフードを被った人影に囲まれて——そこから先の記憶がない。
立ち上がろうとして、膝が震えた。カーペットの毛足が素足の裏にくすぐったい。自分の身体を見下ろすと、小柄な少年の身体が橙色の光の中に晒されている。薄い胸板、細い腕、まだ子供のそれに近い腹。そして——股間に視線が落ちて、少年は慌てて両手で前を隠した。
誰もいないのに。
誰もいないはずなのに、反射的に隠してしまう。それが自分でも情けなくて、けれど手をどけることもできなかった。
扉が、音もなく開いた。
少年は息を呑んだ。
部屋の入り口に立っている。白い髪。長く、腰のあたりまで流れ落ちる銀白の髪の中に、深い青色が差し込んでいる。頭の上には、小動物の耳のような飾り——いや、あれは本当の耳なのだろうか。ピンク色の瞳が、橙色の灯りを受けて、硝子玉のように光っていた。
白い衣装。白と青の布地がひらりと広がった、この世のものとは思えない装い。露出した肩から鎖骨にかけてのラインが、ランプの光を受けて仄かに輝いている。スカートの裾から伸びる脚は白く、細く、けれど確かに血の通った肌の色をしていた。
——柊、桜子。
少年の喉が、ひゅっと鳴った。
同じ学校の、同じクラスの。廊下ですれ違うたびに目で追って、教室で隣の席の友人と話しているのを横目で盗み見て、毎晩毎晩、布団の中で彼女の姿を思い浮かべながら自分を慰めていた、あの——柊桜子。
桜子は少年を見た。ピンク色の瞳に、感情の色はない。驚きも、嫌悪も、同情もない。ただ、そこに少年がいるという事実を認識しただけの、透明な視線だった。
部屋の中に入ってくる。足音はほとんどしない。カーペットの上を滑るように歩いて、少年の前に立った。
近い。
少年が見上げる格好になる。桜子のほうが背が高い。見下ろす形のピンク色の瞳と、見上げる少年の怯えた目が交差した。
|灯花に命令された|
桜子の唇が、小さく動いた。声は澄んでいる。抑揚がほとんどない。朗読のように平坦で、けれど美しい声だった。
|アナタの言うことは、なんでも聞くようにと。交尾でも、なんでも|
「——は?」
少年の声が裏返った。
交尾。
いま、桜子さんが、交尾と言った。
脳が情報を処理しきれない。全裸で知らない部屋に閉じ込められている自分。目の前に立つ、クラスメートの美少女。なんでも聞く。交尾でも。
心臓の音が、もはや耳の奥で鳴っていた。恐怖が急速に別の何かに置き換わっていく。股間を隠していた両手の指の隙間から、自分の意志とは無関係に、熱を帯び始めたものが膨張していくのが分かった。
「あ、あの……桜子さん? それって……」
|言った通り。アナタが望むことを、する。命令されている|
桜子は、それだけ言って口を閉じた。追加の説明はない。少年の質問に答えるのではなく、必要な情報を伝達し終えたから喋るのをやめた——そういう沈黙だった。
少年は、両手で股間を隠したまま、桜子の顔を見上げていた。
綺麗だ。
近くで見ると、なおさら綺麗だ。肌は白く、透き通るように滑らかで、頬にはうっすらと桜色が差している。睫毛が長い。唇は薄く、淡い桃色をしている。無表情なのに——いや、無表情だからこそ、その造形の精緻さが際立っていた。人間離れしている。
けれど肌は温かそうに見える。鎖骨のくぼみに落ちた影が、呼吸に合わせて微かに揺れていた。
——好きなだけ触れていい。好きなだけ挿れていい。好きなだけ出していい。
灯花が二十分前にねむに語った言葉を、少年は知らない。知らないが、桜子の言葉から、その意味だけは正確に受け取っていた。
股間を隠す手を、少年は、ゆっくりと外した。
もう隠す意味がなかった。完全に勃起したチンポが、橙色の灯りの下にびくんと跳ね上がる。少年の体格に見合った、まだ成長途中の、けれど血管が浮き出るほど硬く張り詰めた肉棒。先端からは、すでに透明な液が糸を引いていた。
桜子のピンク色の瞳が、少年の股間に落ちた。
表情は、変わらない。
その無反応が——少年の中の何かを、決定的に外した。
「さ、桜子さん……触って、いい……?」
|どうぞ|
少年の手が、震えながら伸びた。
指先が、桜子の衣装の裾に触れる。白い布地の下の、腰のあたり。そこから手を上へ滑らせて——衣装をたくし上げていく。布の下から、白い肌が現れた。腹。肋骨のライン。そして——
ぷるん、と柔らかい膨らみが、布地の拘束から解放された。
「っ——」
少年の呼吸が止まった。
桜子の胸が、目の前にあった。たくし上げた衣装の下から溢れ出た、白い、やわらかい、ふたつの膨らみ。頂点には薄い桜色の乳首が、橙色の灯りの中で恥じらうように色づいている。形は整っていて、重力に従って僅かにたわむ曲線が、作り物ではない生身の肉の存在を主張していた。
桜子は、たくし上げられた衣装をそのまま——自分で胸の上まで持ち上げた。脱ぐのではなく、少年が触りやすいように、布を上へ寄せただけ。顔は相変わらず無表情で、少年の視線がどこに注がれているかを理解した上で、ただ効率的にアクセスを提供している。
少年の指が、ためらいながら桜子の胸に触れた。
——やわらかい。
指の腹が、乳房の表面にそっと沈む。押すと凹んで、離すと戻る。体温がじんわりと指先に伝わってきた。想像の中では何百回と触れた感触だった。けれど現実のそれは、想像のどの引き出しにも入っていない。重さがある。温度がある。そして——指を離したときに、ぷるんと形が戻る、あの弾力。
「桜子さんの、おっぱい……」
呟きは、ほとんど独り言だった。桜子は答えない。少年の手が乳房を包み込むように揉み始めても、ピンク色の瞳はまっすぐ前を向いたまま、表情のひとつも崩れなかった。
少年は夢中だった。
両手で左右の乳房を包んで、下から持ち上げるように揉む。指の間から柔肉がむにゅっとはみ出して、離すとたぷんと元に戻る。乳首のあたりを親指の腹でくるくると撫でると、小さな突起がわずかに硬くなる気配がした。身体は反応している。けれど桜子の顔は、まるで窓の外の天気を眺めているように、ここにいない。
その無反応が、少年をいっそう昂ぶらせた。
——何をしても、怒られない。
——何をしても、嫌がられない。
拒否されないということは、許されるということだ。少年の中で、その等式が完成していた。
顔を桜子の胸に埋めた。鼻先が乳房の谷間に触れて、肌の匂いが鼻腔を満たす。石鹸とも花ともつかない、仄かで清潔な香り。口を開けて、舌先を乳首に這わせた。
ちろ、と舌が桜色の突起を舐める。
桜子の身体が——微かに、ほんの僅かに、ぴくりと震えた。
反射だったのかもしれない。感覚回路に組み込まれた、物理的な反応に過ぎなかったのかもしれない。けれど少年の頭は、そんな分析をする余裕をとっくに失っていた。
吸った。
乳首を唇で挟んで、ちゅう、と吸い込んだ。舌先でころころと転がしながら、空いたほうの手で反対側の乳房を鷲掴みにして、揉みしだく。
桜子は動かない。腕を下ろしたまま、少年に胸を吸われている。まるで庭先に止まった蝶を、じっと眺めている人のように。
たまらなかった。
この綺麗な顔が歪まないことが。この澄んだ瞳が曇らないことが。この完璧な造形の身体が、自分の好き勝手にされるままであることが——少年の股間を、際限なく硬くさせていく。
乳房に顔を押し付けたまま、少年は荒い呼吸を繰り返していた。勃起したチンポが桜子の太腿に押し当たって、先走りの液がぬるりと白い肌を汚す。
それでも桜子は、何も言わなかった。
◇ ◇ ◇
「桜子さん……机に、座って」
声が震えていた。自分でも分かるほど、みっともなく震えていた。
桜子はピンク色の瞳で少年を見下ろしたまま、数秒の間を置いて——こくり、と小さく頷いた。
部屋の隅にある猫脚のデスクへ、足音もなく歩いていく。デスクの前で身体を反転させると、両手を後ろについて、すとんと天板の上に腰を下ろした。スカートの裾がふわりと広がって、白い太腿が橙色の灯りに晒される。
「あ、足……開いて……」
|わかった|
桜子の膝が、静かに左右へ開いていく。
少年の視界に、それが飛び込んできた。
太腿の内側の白い肌が、付け根に向かうにつれてわずかに赤みを帯びている。その奥——スカートの影の中に、薄い縦筋が走っていた。毛はない。つるりとした丘の中央に、まだ閉じたままのやわらかな割れ目が、橙色のランプの光を受けて仄かに濡れて見えた。
——おまんこだ。
少年は、息を忘れた。
オナニーのたびに想像した。教室で桜子の足を見るたびに、その先を妄想した。ネットの画像で何百回と見た。けれど現実のそれは——画面の中のどの画像とも違っていた。
生きている。
割れ目の端が、桜子の呼吸に合わせて微かに動いている。ほんの僅かに開いて、閉じる。まるで呼吸をしているみたいに。内側から、てらてらと光る薄い膜がちらりと覗いて、すぐにまた襞の奥に隠れた。
少年はふらふらとデスクの前に膝をついた。桜子の開いた太腿の間に顔を近づけて、食い入るように見つめる。至近距離で見るおまんこは、もっと生々しかった。割れ目の上のほうに、小さなピンク色の粒が顔を覗かせている。その下に、左右の襞がやわらかく重なり合った入り口。もっと下には、きゅっと閉じた別の穴。
匂いがした。石鹸とは違う、甘いような、温かいような。人間の身体の匂い——いや、ウワサの身体の匂い。どちらでもよかった。少年の鼻腔を、その香りが静かに満たしていく。
「すごい……桜子さんのおまんこ……すごい……」
語彙が消えていた。すごい、しか出てこない。指先が震えている。手を伸ばして、割れ目に触れようとした。人差し指の腹が、外側の襞にそっと触れた瞬間——
ぬるり。
指先が滑った。濡れている。桜子のおまんこは、もう濡れていた。ねむの魔法で改造された生殖器が、チンポの挿入に備えて自律的に潤滑液を分泌しているのか、それとも別の理由なのか——少年には分からない。分からないが、指先にまとわりつくぬるぬるとした感触が、もう、我慢の限界を告げていた。
立ち上がった。
桜子の開いた両脚の間に、自分の身体を滑り込ませる。デスクの天板に座った桜子の股間と、立った少年の股間が、ちょうど同じ高さに並んだ。
チンポが、限界まで勃起していた。亀頭は赤黒く膨張して、先端からだらだらと透明な液が垂れている。脈打っている。心臓の鼓動が、そのまま肉棒に伝わって、びくん、びくん、と上下に揺れていた。
そのチンポの先端を、桜子のおまんこの入り口に——押し当てた。
「っ——」
熱い。
触れただけで、熱い。亀頭の先端が、ぬるりとした粘液に包まれて、割れ目の表面を滑った。入り口を探して、上下にこすりつける。亀頭のカリの段差が、やわらかい襞を押し開くたびに、ぐちゅ、と小さな水音が立つ。
桜子は微動だにしない。デスクの天板に両手をついたまま、少年を見下ろしている。ピンク色の瞳が、少年の顔を——いや、少年のチンポが自分のおまんこに押し当てられている光景を、ただ観察している。
「入れる、よ……桜子さん。入れるよ……!」
声が掠れていた。許可を求めているのか、自分に言い聞かせているのか、少年自身にも分からなかった。
|どうぞ|
桜子の声は、最初と変わらない。平坦で、透明で、何の感情もない。
少年は腰を前に押し出した。
亀頭が、入り口の襞を割り開いて——沈んでいく。
ずぷ、と。
世界が、変わった。
——なんだこれ。
頭の中が真っ白になった。亀頭を包み込んだ粘膜の感触が、少年の神経を根こそぎ焼き切ろうとしている。熱い。ぬるい。ぎゅうっと締まる。締まってから、ねっとりと緩んで、奥へ引きずり込もうとする。手のひらとも口の中とも違う、生き物の内臓がちんぽを飲み込んでいく感覚。
まだ先端しか入っていない。
亀頭のカリの段差が、入り口の縁に引っかかっているのが分かる。その縁の粘膜が、きゅう、と締めつけてきた。まるで入り口そのものがちんぽを咀嚼しているみたいに、ぐにぐにと蠕動する。
ねむの魔法だった。人間には不可能な、精密な筋肉制御。入り口の括約がチンポの形状を読み取って、最も快感を与える角度で締め上げている。
少年に、そんなことは分からない。分かるのは——
「き、きもちい……っ」
——気持ちいい、ということだけだった。
腰を、もう一段、前へ。
ずず、と肉棒が桜子の中へ沈んでいく。膣壁が亀頭の全周を包んで、ぬちゅぬちゅと音を立てながら奥へ導いていく。途中でひとつ、きゅっと狭くなる場所があった。亀頭がそこを押し開くと、ぬるんっ、と一気に奥の空間へ滑り込んだ。
「あっ——」
声が出た。自分の声だと認識するのに一瞬かかった。
奥に入った瞬間、膣壁の質感が変わった。浅いところの締めつけとは別種の、吸い付くような——いや、飲み込むような感触。粘膜が亀頭の表面を舐め回すように蠢いて、カリの裏側を特に執拗にこすり上げてくる。
全部入った。
少年の下腹が、桜子の股間にぴたりと密着している。陰毛もまばらな少年の恥丘が、桜子のつるりとした丘に押し当てられて、結合部からはみ出した粘液が、ぬるりと二人の肌を繋いでいた。
中が、蠢いている。
少年が動かなくても、桜子のおまんこが勝手にちんぽを扱いている。膣壁のひだが波打つように蠕動して、根元から先端まで、ねっとりと圧力をかけてくる。亀頭の先端には、最奥の子宮口のあたりから伝わるとろりとした熱が押し寄せていた。
桜子は、変わらずデスクの天板に手をついたまま、少年を見ている。
少年が自分の中に入ってきたことへの感想は、その顔のどこにもなかった。ピンク色の瞳は澄んだままで、唇は閉じている。まるで授業中に窓の外を見ているときと同じ——あの横顔と、何も変わらない。
少年の目尻に、涙が滲んだ。
悲しいのではなかった。気持ちよすぎるのだった。おまんこの中の感触が、少年がこれまでの人生で経験したあらゆる快感を束にして踏み潰すほどの衝撃で、もう立っているのがやっとだった。膝が笑っている。腰が震えている。
腰を引こうとした。一回でいい、腰を動かしたい。ちんぽを引いて、もう一度奥まで叩き込みたい。その本能だけが、震える身体を突き動かした。
ず、と亀頭が膣壁を擦りながら引かれる。
入り口の縁が亀頭のカリに引っかかって、きゅうっ、と締まった。抜かせまいとするように。その締めつけの中を、無理やり亀頭が掻き分けて——
戻す。
ずぷんっ、と一気に最奥まで。
「ひっ——」
一突き。
たった一突きだった。
引いて、戻した。それだけ。ほんの一往復。腰を振ったとすら言えない、ただ入れ直しただけの動作。
それで——少年の全身が、痙攣した。
下腹の奥から、精液がせり上がってくる。
「あ、だ、ダメっ——出るっ、出ちゃ——っ」
止められなかった。止めようとする意志すら、おまんこの粘膜に溶かされて消えた。亀頭を包む膣壁が、射精の予兆を感知したかのようにぎゅうっと全体を締め上げてくる。まるでチンポから直接精液を搾り出そうとするように。
どびゅっ。
肉棒が、桜子の最奥でびくんと跳ねた。
「ぁあっ——っ!!」
少年の喉から、叫びが裂けた。声を抑えるとか、恥ずかしいとか、そんな理性はとっくに吹き飛んでいた。人生で初めての、おまんこの中での射精。精液が亀頭の先端から勢いよく噴き出して、桜子の子宮口にぶつかる感触が、脊髄を貫いて脳天まで突き抜けていく。
びゅくっ、びゅくびゅくっ——。
二発、三発と脈動が続く。射精のたびにチンポが跳ねて、その振動を膣壁がきゅうきゅうと受け止めて搾り上げてくる。精液を一滴残らず吸い出そうとするような、容赦のない蠕動。
少年は桜子の肩にしがみついていた。自分の足では立っていられなかった。桜子の衣装を鷲掴みにして、がくがくと膝を震わせながら、最奥に精液を注ぎ込み続けている。
十秒。二十秒。射精が、止まらない。長い。溜め込んでいた分が、際限なく出てくる。毎晩毎晩桜子でオナニーしていたときの何百倍もの量が、桜子の中に直接流し込まれていく。
やがて——脈動の間隔が、ゆるやかに広がっていった。最後のひと搾りを亀頭の先から絞り出すように、肉棒がびくん、と小さく震えて——止まった。
「はっ……はぁ……はぁ……っ」
息が、荒い。全身から汗が噴き出していた。橙色の灯りの下で、少年の薄い胸板が大きく上下している。
桜子の肩にしがみついたまま、少年はぼんやりと桜子の顔を見上げた。
ピンク色の瞳は、澄んでいた。変わらない。少年がおまんこの中で射精しても、童貞を卒業しても、精液を子宮に注ぎ込んでも——桜子の表情には、何の変化もなかった。
|出したの?|
桜子が、小さく呟いた。
少年はまだ桜子の中にチンポを入れたままだった。射精の余韻で半分ふやけた肉棒が、膣壁にぬるりと包まれている。引き抜く気力がまだ戻っていない。
——けれど。
けれど、少年のチンポは萎えなかった。
射精が終わっても、亀頭は赤黒いままで、肉棒の硬さは半分も落ちていない。桜子のおまんこの中が気持ちよすぎるのだ。膣壁が射精後の敏感なちんぽを、ゆるゆると締めたり緩めたりして愛撫している。刺激は穏やかなのに、快感だけが絶え間なく流し込まれてくる。
少年の目が、ぎらりと光った。
——もっと。
——もっと、桜子さんと交尾したい。
一回で終わるわけがなかった。
ずるり、と肉棒を引き抜いた。
抜いた瞬間、結合部からとろりと白濁が溢れた。たったいま注ぎ込んだばかりの精液が、桜子のおまんこの入り口から糸を引いて垂れ落ちていく。デスクの天板に白い水溜まりができた。桜子はそれを見下ろしもしない。
「桜子さん——後ろ、向いて」
|わかった|
桜子はデスクから滑り降りると、くるりと背を向けた。白い髪が肩の上で揺れて、背中のラインが橙色の灯りに浮かび上がる。
「手、ついて……そのまま」
桜子は言われた通り、デスクの天板に両手をついた。少し前傾姿勢になって、スカートに覆われた腰が少年のほうへ突き出される形になる。少年は震える手でスカートの裾をめくり上げた。
桜子の尻が、目の前にあった。
白い。滑らかで、丸みを帯びた双丘が、ランプの光を受けてほんのりと影を落としている。その割れ目の奥に、さっきまで少年のチンポを飲み込んでいたおまんこが、まだ精液に濡れてとろとろと光っていた。
「桜子さんのお尻にパンパンできる……」
独り言が漏れた。声が裏返っていた。
少年は桜子の背後に立って、チンポを握った。射精したばかりだというのに、完全に勃起したままの肉棒。亀頭の表面にはさっきの精液と桜子の粘液が混ざり合った白い膜がまとわりついている。それを拭いもせず、そのまま桜子のおまんこの入り口に押し当てた。
ぬるっ、と亀頭が割れ目に沈む。
「っ——あぁっ……!」
射精直後の、過敏になった亀頭を包む膣壁の感触。さっきよりも敏感に、さっきよりも鮮明に、粘膜のひだのひとつひとつが亀頭の表面を撫でていく。快感が刃物のように鋭い。痛いほどに気持ちいい。
入れただけで、もう射精しそうだった。
——ダメだ、一回くらい腰振りたい。
歯を食いしばった。下腹に力を込めて、せり上がってくる射精感を無理やり押さえ込む。額から汗が垂れた。
腰を引く。
ぬちゅ、と粘膜が亀頭に絡みついて引き止めようとする。亀頭のカリが入り口の縁に引っかかる寸前で止めて——押し戻す。
ずぷっ。
「ぁ——っ!」
一往復。
また、たったの一往復で、限界が来た。
膣壁がちんぽを包む感触が、あまりにも濃密すぎた。さっきの正面から入れた感触とはまた違う。角度が変わったことで、亀頭の裏筋を膣壁の襞がごりっと擦り上げてくる。その刺激が、射精後でびりびりに敏感になった神経を直撃して——
「出る、もう出る、出ちゃうっ——桜子さんっ!!」
どびゅっ、びゅくっ。
二回目の射精が、桜子の最奥を白く塗りつぶした。
少年は桜子の腰にしがみついていた。自分より背の高い女の子の腰に、小さな身体でぶら下がるように。チンポを奥に押し付けたまま、がくがくと腰を痙攣させて、精液を搾り出し続ける。
びゅく、びゅくっ——。
一発目よりは量が少ない。けれど射精の快感そのものは、むしろ強くなっていた。おまんこの中が精液でぬるぬるになっている分、膣壁の蠕動がチンポにダイレクトに伝わってくる。搾り取る動きが、精液の潤滑で滑らかになって、亀頭を舐め回すような刺激に変わっていた。
「はぁ……っ、はぁっ……っ、きもちぃ……っ」
少年は桜子の背中に頬を押し付けて、ぜえぜえと荒い呼吸を繰り返していた。衣装越しに伝わる桜子の体温。さらりとした布の感触。その向こうの、温かい肌。
桜子は——やはり、何も言わなかった。デスクに手をついたまま、少年が背中にしがみつくのを、ただ受け入れている。ピンク色の瞳は前を向いたまま、壁に掛けられた古い風景画を、ぼんやりと眺めているようだった。
少年がどれだけ叫ぼうと、どれだけ精液を注ぎ込もうと、桜子の世界には波ひとつ立たない。
けれど少年には、もうそんなことはどうでもよかった。
こうして桜子さんと交尾できるだけで。桜子さんのお尻にチンポを突き立てていられるだけで。桜子さんの中に精液を出せるだけで——それだけで、もう、この世のすべてが報われた気がしていた。
チンポを抜いた。
ずるり、と結合部から精液が流れ落ちる。二発分の白濁が桜子の太腿を伝って、カーペットにぽたぽたと染みを作った。桜子は身じろぎもしない。
少年は荒い呼吸のまま、ふと気づいた。
——フェラ、してもらってない。
二回も中に出しておいて、今更のように思い出す。桜子の口。桜子の舌。桜子の唇で、チンポを舐めてもらうということ。ネットの動画で何十回と見た光景が、目の前の桜子に重なった。
「桜子さん……しゃぶって……チンポ、口で……」
|わかった|
桜子が少年の前に膝をついた。白い髪がさらりと肩から流れて、カーペットの上に広がる。ピンク色の瞳が、少年の股間を見上げる格好になる。
精液と愛液にまみれたチンポが、桜子の顔の前で揺れていた。
桜子の唇が開く。舌先が伸びて——亀頭の先端に、ちろり、と触れた。
「っ——!」
電撃が走った。射精を二回繰り返した直後の、限界まで敏感になった亀頭を、桜子の舌が舐めている。ぬるりとした舌の表面が亀頭の裏筋を撫で上げて、カリの段差を丁寧になぞっていく。
サーバーに詰め込まれた知識が、桜子の舌を動かしている。裏筋の根元から先端へ、蛇の舌のように素早く往復。亀頭を唇で包んで、ちゅぷ、と吸い込む。舌先が尿道口の窪みをくるくると弄って、先走りの残りを掬い取った。
ずぷ、と一気に口腔の奥へ飲み込まれた。
「ぅあっ——さ、桜子さんっ、すご——っ」
喉の奥まで咥え込まれていた。桜子の舌が口腔の中で肉棒に巻きつき、喉の粘膜が亀頭の先端を締めつけてくる。それだけではなかった。喉の奥で、ごくり、と嚥下の動きが起きて、その収縮がちんぽを根元まで吸い込もうとする。
人間には不可能な精度だった。舌の動き、喉の締め、吸引の強さ——すべてが、チンポから精液を搾り出すことだけに最適化されている。
少年の膝が崩れかけた。立っていられない。桜子の頭に手を置いて——白く柔らかい髪の感触が掌に広がって——しがみつくように体重を預けた。
ずぽ、じゅるるっ、ちゅぷ。
桜子の口腔がちんぽを出し入れする音が、静かな部屋に響く。規則正しい。感情のないリズム。まるで呼吸をするように、淡々と、正確に、肉棒を口で扱いている。
「むり、もうむりっ——出る、口に出るっ——!」
三発目の射精は、桜子の喉の奥で起きた。
びゅくっ、びゅくびゅくっ——。
亀頭が喉の粘膜に押し付けられたまま、精液を吐き出す。桜子は咳き込みもしなかった。噴き出す白濁を、ごく、ごく、と嚥下の動きで飲み下していく。一滴もこぼさない。少年が口から出てくる精液を桜子がすべて飲み込んでいるのだと気づいたとき、また新しい波がせり上がってきて——喉の奥に、最後の一搾りをどびゅっと注ぎ込んだ。
ぷはっ、と桜子が口を離した。唇の端から精液の糸がひと筋垂れて、顎先から滴り落ちる。ピンク色の瞳は、変わらず無表情のまま少年を見上げていた。
少年は膝をついて、桜子の顔を見下ろした。頬を紅潮させ、汗だくで、息も絶え絶えの少年と——唇に精液を一筋光らせただけで、呼吸ひとつ乱れていない桜子。
その対比が、少年の脳を灼いた。
——まだだ。まだ足りない。
パイズリがしたかった。桜子のおっぱいでチンポを挟んで、こすりつけたかった。
「桜子さん……仰向けに、寝て」
桜子は頷いて、カーペットの上にすとんと仰向けになった。たくし上げたままの衣装から、胸が左右にやわらかく流れる。少年は桜子の胸を跨ぐように膝をつき、勃起したチンポを乳房の谷間にずぷっと沈めた。
両手で胸を寄せる。左右のやわらかい肉が、チンポを包み込んだ。
「あぁ……っ、桜子さんのおっぱい……気持ちよすぎ……っ」
腰を前後に動かした。乳肉の谷間を、ぬるぬるとチンポが滑っていく。先走りと桜子の唾液が潤滑になって、ずちゅ、ずちゅ、と湿った音が立った。口の中の締めつけとは違う、ふわふわと包み込む快感。それはそれで、また別の種類のたまらなさがある。
亀頭の先が、ストロークのたびに谷間の上端から顔を出す。桜子の顎先に、にゅっとチンポの頭がぶつかった。
「さ、桜子さん……先っぽ、吸って……」
|わかった|
桜子が少し顎を引いて、谷間から飛び出した亀頭に口を寄せた。パイズリで押し出されるたびに、ちゅぷ、と先端を吸い込む。乳圧で包まれながら、同時に亀頭だけを口腔に咥えられる——二重の快感が、少年の腰を跳ね上げた。
「っ——出る、出ちゃう、口に出るっ——!」
四発目。
びゅるっ、と精液が桜子の口の中に飛んだ。舌の上に白濁が広がるのを、桜子はまた淡々と飲み下す。少年は乳房を握り締めたまま、がくがくと腰を痙攣させて、亀頭を桜子の唇に押し付け続けていた。
——止まらない。
射精が終わっても、チンポが萎えない。桜子のおまんこの余韻が、おっぱいの感触が、口の中の温度が、全部まだ身体に残っている。少年の睾丸は、四発出してなお、まだ重く熱を持っていた。
次は対面座位だった。
ベッドに移動して、桜子を自分の上に座らせた。桜子の腰をぎゅっと掴んで、チンポの上にゆっくりと降ろしていく。ぬちゅ、と二発分の精液でぐちゃぐちゃになったおまんこが、また少年を飲み込んだ。
「あっ、あぁっ——桜子さんのなか、やっぱりすごい……っ!」
目の前に桜子の顔がある。ピンク色の瞳。白い肌。無表情の、完璧な——美しい顔。その顔を見ながら交尾できる。おっぱいに吸いつきながら腰を突き上げられる。少年は桜子の胸に顔を埋めて、乳首をちゅうちゅうと吸いながら、下から小刻みに腰を動かした。
膣壁が蠕動する。少年のぎこちない動きを補うように、桜子のおまんこが内側からチンポを揉み上げてくる。
五発目は、桜子の乳首を口に含んだまま果てた。
びゅくっ、と最奥に精液を叩きつけながら、乳首を吸う力が無意識に強まる。桜子の身体が微かに——本当に微かに震えたが、少年はそれに気づかなかった。自分の快感だけで手一杯だった。
◇ ◇ ◇
そこからは、もう歯止めが効かなかった。
六発目。桜子を横に寝かせて、背中側からチンポを挿し込んだ。桜子の白い髪に顔を埋めながら、腰を打ちつけ続けて射精。花のような匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、子宮に精液をぶちまけた。
七発目。桜子を四つん這いにさせて、後ろから挿入した。何度入れてもまったく慣れないおまんこの刺激に、またもあっという間にイかされる。射精し終わると、亀頭を子宮口に押し付けたまま、精液を最奥に塗り込めるように腰を小刻みに揺すった。
「桜子さんと交尾できるとか……桜子さんのお尻にパンパンできるとか……最高すぎる……っ! きもちよすぎるぅ……っ!」
叫んでいた。独り言を。桜子に向かって、けれど桜子には届かない言葉を。
桜子は四つん這いのまま、壁を見つめている。何度中出しされても、その表情は変わらない。瞳はピンク色のまま、透明なまま、少年の興奮とはまったく別の次元に存在していた。
八発目は対面の正常位で。桜子の両脚を持ち上げて、自分の腰を打ちつけた。汗だくの少年の身体が、桜子の白い肌の上を滑る。
九発目。桜子の脚を自分の肩に担ぎ上げて、上から叩き込むように腰を振った。結合部からぶちゅっ、ぐちゅっと精液混じりの水音が飛び散る。
十発目。もう体力も限界に近かったが、チンポだけはまだ硬い。桜子の上に覆いかぶさって、ゆっくりと腰を動かしながら——じわじわと快感を溜めて、長い射精をした。溜め込む力が弱くなっている分、一発の量は減っていたが、その代わり射精の余韻が長く尾を引いて、びくん、びくん、と肉棒が桜子の中で何度も痙攣した。
十一発目。十二発目。もはや体位を変える気力もなく、桜子に上から跨ってもらい——桜子のおまんこの中でぼんやりと揺すられながら、二回続けて射精した。精液というより透明な液体に近いものが、ちょろちょろと亀頭から滲み出ていく。
そして——十三発目。
少年は最後の力を振り絞った。
「桜子さん……仰向けに、なって……脚、上げて……」
桜子は言われるままに仰向けになり、両膝を胸のあたりまで引き上げた。おまんこが天井に向かって完全に無防備に開かれる。割れ目の周囲は、十二回分の精液でどろどろに汚れていた。内側からとろりと白濁が溢れて、桜子の尻の谷間を伝い、シーツに染みを広げている。
少年は桜子の上に覆いかぶさった。両手で桜子の太腿の裏を押さえて、身体を折り畳むように密着する。種付けプレス。ネットで覚えた体位の名前が、ぼんやりと頭を過った。
ずぷっ、と最奥まで一気に沈めた。
「ぁあっ——」
十二回分の精液で溢れかえった膣の中は、もはや粘膜の感触すら曖昧になっている。ぬるぬるの、どろどろの、ぐちゃぐちゃの——それでもなお、桜子のおまんこは少年のチンポを離さなかった。蠕動が、蠢きが、ねむの魔法で組み込まれた搾精機能が、射精のたびに鈍っていく少年の精巣から、最後の一滴まで精液を搾り取ろうとしている。
少年は泣いていた。
泣きながら腰を振っていた。気持ちよすぎて涙が出る。身体はもう限界を超えている。腕が震えて、腰が痙攣して、視界がちかちかと明滅している。それでもチンポだけは動くのだ。桜子のおまんこが動かしてくれるから。
「桜子さん……好き……桜子さん、好き……っ」
少年の唇から、とうとうその言葉が溢れた。
桜子のピンク色の瞳が、少年の涙に濡れた顔を見上げている。やはり無表情だった。やはり何も感じていないように見えた。けれど少年は構わなかった。好きだと言いたかった。この気持ちよさの中で、この交尾の中で、好きだと言わなければ壊れてしまうと思った。
「出る……最後……っ、全部出すっ……桜子さんの中にっ……!」
最奥に亀頭を押し当てて、体重を預けた。桜子の身体を折り畳むように覆いかぶさって、もう動けない。腰を振る力は残っていない。ただ、奥に、奥に、押し付けるだけ。
どく、と。
脈動。精液というには薄い、けれど確かに睾丸の奥から搾り出された最後の一滴が、亀頭の先端からじわりと染み出した。
びくっ——びくっ——
身体全体が痙攣する。射精というより、身体がチンポを通じて桜子に自分の全部を渡そうとしているみたいだった。もう出るものは残っていない。それでも肉棒は脈打ち続けて、桜子の最奥で、小さく、小さく震えていた。
「……はぁ……っ……」
力が、抜けた。
少年は桜子の上に崩れ落ちた。十三発。全身の精液を、残らず桜子の中に注ぎ込んだ。
桜子は、仰向けのまま天井を見上げている。少年の重みを受け止めて、微動だにしない。白い髪がシーツの上に広がって、橙色の灯りの中で、まるで桜の花弁が散ったように見えた。
どのくらいそうしていたのか分からない。
少年の意識が、とろとろと溶けかけていた。桜子の上に倒れ込んだまま、汗で濡れた頬が桜子の鎖骨に張り付いている。耳元では桜子の呼吸だけが、静かに規則正しく響いていた。
チンポは桜子の中に入ったままだった。もう萎えている。精液を出し尽くした肉棒が、ぐちゃぐちゃに溢れた白濁の中でぬるりと浮いている。
そろそろ抜かなければ——と、ぼんやりと思った、そのとき。
ぱちん、と。
軽い拍手の音が、部屋の空気を裂いた。
「はーい、おつかれさまー♡」
少年は、びくりと身体を跳ね上げた。
ベッドの脇。いつの間にそこにいたのか——小さな影が、腕を組んで立っていた。
赤茶色の長い巻き髪。毛先がくるんと巻き上がって、ランプの光を受けて艶やかに揺れている。黒とチェック柄を組み合わせたフリルだらけのゴシックドレス。髪の横には大きな黒いリボン。その下の顔は、小さくて丸くて——けれど瞳だけが、年齢に見合わない鋭さを湛えていた。
里見灯花。
「はじめてのこーび、気持ち良かったかにゃあ?♡」
見下ろしてくる瞳が、にぃっと弧を描いた。実験動物を覗き込む研究者の目だった。
「だ、誰……っ」
「自己紹介は省くにゃ。キミのことはどうでもいいから」
灯花は小さな手をひらりと振ると、ベッドの上の——少年と桜子が絡み合ったまま横たわっている惨状を、興味深そうに覗き込んだ。
「ふぅん……十三発。予想より多いにゃ。さすが性欲の塊」
タブレット端末を取り出して、何かを入力している。少年が桜子の上から慌てて転がり落ちると、桜子のおまんこから——ずるり、と萎えたチンポが抜けた。
途端に、結合部から白濁が溢れ出した。
十三回分の精液が、桜子のおまんこの入り口からとろとろと流れ出て、太腿を伝い、シーツに大きな染みを広げていく。膣の奥から押し出されるように、どろりどろりと止めどなく。白い肌を精液の筋が幾本も走って、ベッドの上に白い水溜まりを作った。
「おー、すっごい量。いいねいいね」
灯花は嬉しそうに目を細めた。小さな手を桜子のほうへ翳すと、指先に淡い紫色の光が灯る。
魔法だった。
桜子のおまんこから溢れ出た精液が——ふわりと浮き上がった。白濁の液体が重力に逆らって空中にぷるぷると漂い、灯花の手のひらの上に集まっていく。太腿を伝っていた分も、シーツに染みた分までも、一滴残らず吸い上げられるように灯花の掌に収束していった。
精液の塊が、灯花の魔法で淡い光に包まれる。
「うんうん、魔力含有量もバッチリ。やっぱり自発的に出した精液は質がいいね♡ ねむに報告しなきゃ」
灯花は精液の塊をぽん、と小さなフラスコに移し替えると、くるりとベッドに背を向けた。
そして——桜子のほうを、ちらりと振り返る。
「桜子」
|……なに|
桜子が、仰向けのまま灯花を見た。ピンク色の瞳は、まだ透明だった。
「あとは好きにしていいよ」
その一言だけを残して、灯花は部屋を出ていった。黒いリボンの巻き髪が、扉の隙間からふわりと消える。
かちゃり、と鍵のかかる音。
部屋に、少年と桜子だけが残された。
少年はベッドの端で、ぜえぜえと荒い呼吸を繰り返していた。何が起きたのか、半分も理解できていない。けれど灯花が去って、また二人きりに戻ったことだけは分かった。
桜子は仰向けに寝たまま——天井を見つめている。
数秒。
ピンク色の瞳に、何かが灯った。
感情ではない。桜子に備わった感情回路は、まだそこまで発達していない。けれど——灯花の命令が上書きされた瞬間、サーバーに詰め込まれていたデータ群が、いっせいに起動した。
少年の言うことを聞く——その命令はもう無い。
代わりに残ったのは、「好きにしていい」という灯花の最後の言葉と、古今東西のあらゆる性技の知識と、ねむの魔法で搾精用に最適化された生殖器。
桜子が、起き上がった。
ゆっくりと。音もなく。白い髪が背中を流れて、ベッドの上にさらりと広がる。ピンク色の瞳が、少年を見下ろした。
さっきまでと同じ無表情。けれど何かが、決定的に違っていた。
少年は本能的に後ずさった。ベッドの端まで下がって、背中が壁にぶつかる。
「さ、桜子さん……?」
|アナタの残りの精子。全部、ちょうだい|
声は変わらない。澄んでいて、平坦で、感情のない声。けれど言葉の内容が——さっきまでの受動的な桜子とは、根本から違っていた。
桜子の手が、少年の股間に伸びた。
萎えたチンポを、白い指が無造作に掴む。
「ひっ——」
少年が身を竦めた。射精を十三回繰り返した直後の、過敏を通り越して痛みすら感じる状態の肉棒を、桜子の指が握っている。
桜子の唇が、チンポの先端に降りてきた。
ちゅぷ、と吸い込まれる。
「あぁっ——!? ま、待っ——」
舌が亀頭を包んだ瞬間、電流が走った。さっきのフェラとは——次元が違う。舌先が亀頭の裏筋を高速で往復しながら、同時に唇の輪で根元をきゅっと締め上げてくる。喉の奥がごくりと蠕動して、亀頭を引きずり込む。サーバーに詰め込まれた全知識が、ひとつの目的——精液の搾取——のために、桜子の口腔を最強の搾精装置に変えていた。
萎えていたチンポが、桜子の口の中で——無理やりに、暴力的に、硬くなっていく。
「やっ、やめっ——もう出ない、出ないってっ——!」
|亀頭部分にバイブレーション刺激を与えると、男性は射精を堪えることができない|
桜子が口からチンポを離して、淡々と呟いた。サーバーから引き出した知識を、そのまま朗読するような口調で。そして——言い終わる前に、また亀頭を咥え直して、その言葉通りのことをした。
舌先が、亀頭の先端で振動した。人間の舌では不可能な、微細で正確なバイブレーション。ねむの魔法で改造された桜子の身体だからこそ可能な、機械じみた精密さ。
「ひぅっ——!!」
少年の腰が跳ね上がった。
もう空っぽだと思っていた睾丸の奥から、何かが——搾り上げられてくる。
びゅくっ。
薄い液体が、亀頭の先端からちゅるりと噴き出した。精液というよりほとんど透明に近い、前立腺液混じりの残りカス。それを桜子はひと飲みにして、ごくり、と嚥下する。
口を離した。糸を引いた唾液が、桜子の唇と亀頭の間に架かって——ぷつ、と切れた。
チンポは、完全に勃起していた。意志に反して。身体が悲鳴を上げているのに、桜子の口腔が無理やり立たせたのだった。
|次は、挿入する|
桜子が少年の上に跨った。
少年は抵抗できなかった。抵抗する力が、もう残っていなかった。ベッドに仰向けのまま、桜子が自分の上に馬乗りになるのを、呆然と見上げることしかできない。
桜子のおまんこが——少年のチンポの真上に位置した。
しゃがみ騎乗位。桜子の白い太腿が少年の腰の両側に降りて、スカートの裾が少年の腹の上にふわりと広がる。ピンク色の瞳が、真上から少年を見下ろしている。
ずぷん、と。
一気に、根元まで飲み込まれた。
「ぁあああっ——!!」
少年の叫びが、部屋の壁に反射した。
桜子のおまんこが、チンポを呑み込んだまま——動き始めた。
少年の拙い腰振りとは、比較にならなかった。腰の上下動は正確で、速く、容赦がない。膣壁がチンポ全体を包み込んだまま、ぐるりと回転するような蠕動をかけてくる。亀頭のカリを膣壁の襞がごりごりと擦り上げて、根元を入り口の括約がきゅうきゅうと締め上げる。
搾精機だった。
桜子のおまんこは、もはやおまんこではなかった。精液を搾り取るためだけに設計された、生体兵器。ねむの魔法とサーバーの知識が完全に噛み合って、少年のチンポから一滴の精液も逃さない最適解の動きを、桜子の身体が自動的に実行している。
「むりっ、むりむりっ——出る、もう出ちゃう、出ちゃうっ——!」
十五発目の射精が——ほんの数十秒で、絞り出された。
びゅく、びゅくっ——もはや精液と呼べるものはほとんど残っていない。透明な液がちょろちょろと亀頭から染み出すだけ。けれど射精感だけは、脊髄を焼く勢いで全身を駆け抜けていく。
桜子は止まらなかった。
射精の痙攣が終わる前に——そのまま体勢を切り替えた。少年のチンポを抜かずに、くるりと身体を回転させて、ちんぐり騎乗位へ。少年の顔に背を向ける格好で、白い髪が少年の胸の上にさらりと流れ落ちた。
そして——また腰を動かし始める。
「まっ、待って——桜子さ——あぁっ——!!」
ちんぐり騎乗位の角度は、しゃがみ騎乗位とはまた違う場所にチンポを押し当てる。亀頭の裏側——少年が最も敏感な場所を、膣壁の襞が執拗にこすり上げてくる。ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、と精液が潤滑になって、結合部から淫靡な水音が止めどなく溢れた。
|精巣が空になっても、前立腺への刺激で射精反応は持続する。搾精効率を上げるには、射精直後の不応期に膣圧を維持したまま亀頭への刺激を継続するのが最適解|
桜子が、また淡々と呟いた。腰を動かしながら。サーバーの知識を、天気予報でも読み上げるみたいに。
「やめっ——やめてっ——もう出ないっ——出ないのにっ——!」
少年は泣いていた。本当に泣いていた。気持ちよすぎて、痛くて、怖くて——全部がごちゃまぜになって、涙が止まらなかった。
けれど桜子の腰は止まらない。
十六発目。もはや何も出ない。出ないのに射精感だけがある。チンポの奥が、ぎゅうっと絞られるような快感と痛みの中間の衝撃が走って、少年の身体が弓なりに跳ねた。
十七発目。桜子の膣壁がバイブレーションを開始した。細かく、正確に、亀頭だけを狙って震動する。人間の身体では絶対に不可能な刺激に、少年の意識が明滅する。
「ひぅっ——ひぁ——っ——」
もう言葉にならなかった。少年の口からは喉が勝手に押し出す音だけが漏れている。目は涙で何も見えない。身体の制御権はとっくに失われていて、桜子の動きに合わせて、がくがくと痙攣するだけの肉塊になっていた。
桜子は止まらない。
|まだ、残っている|
ピンク色の瞳が、背中越しに少年を見下ろした。
透明な瞳。感情のない声。けれどその口は、射精を一滴でも多く引き出すための言葉だけを、正確に選んで吐き出している。
|アナタの睾丸には、まだ精子を生成する能力がある。搾り尽くすまで、止まらない|
少年の悲鳴が、フェントホープの廊下に漏れ出していた。
分厚い扉の向こう、防音された壁を突き抜けて——少年の甲高い叫びが、ホテルの薄暗い廊下にくぐもって響く。
廊下を通りかかった黒羽根のひとりが、怪訝そうに足を止めた。部屋の前で耳を澄ませて——中から聞こえる断末魔のような声と、ぐちゅぐちゅと粘ついた水音の反復を聞いて、何も聞かなかったことにして足早に去っていった。
部屋の中では、桜子がひたすら腰を動かし続けている。
少年がどれだけ泣いても、どれだけ許しを請うても。桜子の瞳には何も映らない。灯花に「好きにしていい」と言われた搾精マシンは、命令を遂行することしか知らなかった。精液を搾り取ること。それだけが、いまの桜子に与えられた、ただひとつの行動原理。
橙色のランプが、ベッドの上の二つの影を壁に映している。
小さな少年の身体の上で、白い髪の少女が無表情のまま腰を振り続ける影。少年の影だけが、がくがくと不規則に震えていた。
ホテルフェントホープ、最上階の一室。
その夜、少年の悲鳴が止むことは——最後まで、なかった。