搾精都市神浜~魔法少女たちのエッチな短編集~ 作:黒蓮/クロハス
放課後の帰り道は、いつも少しだけ足が速くなる。
五十鈴れんは鞄を胸の前に抱えて、商店街の裏通りを早足で歩いていた。制服のスカートが太腿に貼りついて、歩くたびに布越しに肌が擦れる。それだけのことが——今のれんには、よくない。
今朝、一発抜いてから登校した。
いつもの日課だ。目覚ましが鳴る前に股間が熱くなって、布団の中でオナホールに突っ込んで、三分もかからず射精する。歯を磨くのと同じくらいの日常動作。情けないとは思う。思うけれど、抜かずに家を出ると午前中の授業がまるで頭に入らない。チンポが熱を持って、ノートの上に伏せた手が震えて、先生の声が遠くなって——そうなる前に、出しておく。
問題は、一発では足りないということだ。
昼休みに保健室のトイレで一回。五限のあとにもう一回。それでも足りないときは六限の途中で手を挙げてトイレに駆け込む。一日に七回。多い日は十回を超える。
——異常だと思う。自分でも。
けれど魔法少女になってからずっとこうなのだ。チンポが生えてきたあの日から、れんの下半身は永遠に飢えている。
今日は学校で一回も抜けなかった。
昼休みは委員会の集まりがあって、五限のあとは掃除当番で、六限は小テストだった。朝の一発から八時間以上が経過している。溜まりに溜まった精子が下腹をぱんぱんに膨らませている——ような気がする。実際にそんなことはないと頭では分かっているけれど、チンポはそう思っていない。制服の下で、もう半勃ちだった。
早く帰らなきゃ。
家に帰って、部屋に鍵をかけて、オナホールを引っ張り出して——
そのことだけを考えて歩いていたから、路地の角を曲がったとき、目の前に立っていた黒いローブの集団に気づくのが遅れた。
「——え?」
三人。
黒いフードを被った、見覚えのない少女たち。フードの下から覗く目が、じっとれんを見ている。
黒羽根。
その名前が脳裏に浮かんだ瞬間、背後からも足音が聞こえた。振り返る。さらに二人。退路を塞ぐように、路地の入り口に立っている。
「あ、あの……」
れんの声が震えた。対人緊張症。知らない人間に囲まれるだけで喉が詰まる。ましてや相手は——
「五十鈴れんさんですね」
正面の黒羽根の一人が、事務的な声で言った。
「マギウスの翼からのお迎えです。ご同行をお願いします」
「え、いや、あの、私、そういうのは——」
「お断りいただいても構いません。ただ、その場合は——」
黒羽根の手に、ソウルジェムの光が灯った。
れんは咄嗟にポケットのソウルジェムを握りしめた。変身の光が弾けて、制服が一瞬で魔法少女の衣装に変わる。白い和装風の戦闘服。腰には大太刀。
だが——五対一。
れんは強い魔法少女ではない。戦闘向きの魔法もない。普段は梨花と組んで、梨花が前衛、れんが後衛。一人で五人を相手にできるような力量は、最初から持ち合わせていなかった。
それでも、逃げるわけにはいかない。
大太刀を抜いた。柄を握る手が汗で滑る。
「せ、精一杯——」
踏み込んだ。
振り下ろした刃は、最初の一人の結界に弾かれた。衝撃が腕を痺れさせる。続けて横薙ぎ——これも防がれた。背後から何かが飛んできて、肩に衝撃が走る。膝が折れる。
まだ。まだ戦える。
立ち上がろうとしたれんの首筋に、冷たい指が触れた。
——ぞくり。
意識が薄れていく。抵抗する間もなかった。視界が暗転して、最後に見えたのは、薄暗い路地裏の空と、フードの隙間から覗いた黒羽根の無表情な目だった。
◇ ◇ ◇
冷たい。
それが、意識が戻ったときの最初の感覚だった。
背中に硬い感触。金属——椅子のようなものに座らされている。手首と足首が動かない。拘束されている。腕は肘掛けに固定されて、脚は——大きく開かされていた。
目を開けた。
薄暗い部屋——いや、研究室と呼ぶべきか。壁面は白いパネルで覆われ、天井には細いスリット状の照明がぼんやりと青白い光を帯びている。床もコンクリートの打ちっぱなしではなく、継ぎ目のない灰色の樹脂素材。空気は冷たく乾燥していて、空調の低い唸りだけが響いていた。奥の壁にはモニターが何枚も嵌め込まれ、波形やグラフを映し出している。地下の実験室。科学者の巣。
れんの身体はまだ魔法少女の衣装のままだった。白い和装の上衣、青いリボン、黒いニーソックス——ただし、スカートの下が。
風が当たっている。
股間に。直接。
パンツを脱がされていた。
大股開きに固定された脚の間から、れんのチンポが——むき出しになっている。冷たい地下室の空気に晒されて、それでもなお半勃ちのまま、ぴくりぴくりと脈打っていた。
「ひっ——」
声にならない悲鳴が喉から漏れた。顔が一気に紅潮する。見られている。誰かに。この、恥ずかしい部分を。
そして——股間の周りに、見たこともない機械が取り付けられていた。
白い未来的な椅子。SF映画に出てきそうな流線型のフォルム。左右のアームレストには手首を固定するクランプがあり、脚はU字型のステップに拘束されて、まるで産婦人科の診察台のように大きく開かれている。背もたれの横にはモニターが二つ。緑色の数字がちらちらと明滅して、れんの心拍数か何かを表示しているらしかった。
そして股間。
チンポのすぐ近くに、透明なガラスの容器のようなものが浮いている。中にはぶよぶよとした薄いピンク色の何かが詰まっていて、そこからチューブが伸びて、椅子の下にある小さなタンクに繋がっている。
おまんこの方にも——椅子の座面の下から、何かの先端が覗いていた。銀色の金属アームの先に、肌色のディルドのようなものが取り付けられている。
なんだこれ。
なんなんだこれは。
パニックが胸を掻きむしる。手首のクランプをがちゃがちゃと鳴らして暴れたが、びくともしない。腰を捻っても、脚を閉じようとしても、拘束が一ミリも緩まない。
「だ、誰か……誰かいませんか……!」
声が地下室の壁に反響して、寂しく消えた。
しばらくの沈黙。
やがて——奥の方で、金属の扉が開く音がした。
こつ、こつ、こつ。
小さな靴音。子どもの歩幅。それが、ゆっくりとれんの椅子に近づいてくる。
照明の青白い光の中に、小さな影が現れた。
——少女だった。
身長はれんの胸ほどしかない。ピンクがかった茶髪を両側で三つ編みにして、頭の上にはタッセルのついた角帽がちょこんと乗っている。黒いマントが肩から背中を覆い、その下はベージュと金の刺繍が入った中華風のチュニック。紫がかったレギンスと白いブーツ——どう見ても普通の服ではない。魔法少女の衣装だった。小さな身体に大仰な衣装が、子どもが大人の格好をしているような、ちぐはぐな可愛らしさを醸し出している。
顔は——天使のように整っていた。大きな紫の瞳、長い睫毛、小さな唇。けれどその瞳の奥に宿る光は、天使のそれではない。好奇心と、傲慢と、底知れない何かが、きらきらと渦を巻いている。
「起きたみたいだね」
声も高くて、甘い。けれど語尾には、年上をおちょくるような棘が混じっている。
「はじめまして、五十鈴れん。わたくしは里見灯花。マギウスの翼——って名前は聞いたことあるでしょ? その天才科学者にして創設メンバーの一人だよ」
灯花はれんの正面に立って、腕を組んだ。小さな身体なのに、偉そうだった。研究室で教授が学生を見下ろすような、そういう姿勢。
「あ、あの……ここは、何を——」
「ここはホテルフェントホープの地下。わたくしの研究室みたいなものだね。あなたにはこれからわたくしの実験に協力してもらうよ」
「じ、実験……?」
「そう、実験。嫌って言っても強制的に協力してもらうけど、一応説明はしてあげるね。天才は礼儀正しいから」
灯花はにこりと笑った。
その笑顔のまま——視線が、れんの股間に落ちた。
「——あら」
灯花の目が、きらりと光った。
「くふふっ。噂には聞いていたけど、ほんとに生えてるんだ」
「みっ、見ないでくださいっ……!」
れんは脚を閉じようともがいたが、拘束がそれを許さない。大股開きのまま、チンポが灯花の視線に晒される。半勃ちの肉棒が、見られている羞恥に反応して——ぴくん、と跳ねた。
「恥ずかしがる必要ないよ。ふたなりのことはとっくに調査済みだから。五十鈴れんが魔法少女になった影響でペニスが生えたこと、金玉がないタイプの竿だけふたなりだってこと、ぜーんぶ知ってるにゃ」
「そ、そんな……」
「まぁまぁ。それより——」
灯花は懐からタブレット端末を取り出して、画面を指で弾いた。何かのデータが表示されている。
「実験の前にいくつか質問させてもらうね。被験者の基礎データは大事だから」
「ひ、被験者……」
「まず聞くけど——五十鈴れん。あなた、一日にペニスでマス・ターベーションする回数は?」
れんの顔が、耳の先まで真っ赤に燃え上がった。
「オ、オナ……そ、そんなの、しません……はい……」
「ふぅん?」
灯花はタブレットに視線を落としたまま、くすりと笑った。
「この装置はね、五十鈴れんの脳波もリアルタイムでモニタリングしてるんだよ。嘘をつくと波形に出るの。嘘をついたらどうなるか——まぁ、想像にお任せするけど」
モニターの緑色の数字が、不穏にちかちかと明滅した。
れんは唇を噛んだ。嘘をつき通せる状況ではない。
「……な、七回くらい、です……」
「七回。それは週にかにゃ? 月にかにゃ?」
「……一日に、です……はい……」
消え入りそうな声だった。
「へぇーw」
灯花の口元が三日月型に歪んだ。
「一日に七回もシコシコしちゃうおサルさんなんだ。くふふっ、中学生の男の子だって平均一日一回くらいだよ? その七倍? えーっと、じゃあ一週間で四十九回? 一ヶ月で二百十回? 年間で二千五百回以上マスターベーションしてるのかにゃあ。研究者としては非常に興味深い数値だね」
「や、やめてください、そんな計算しないでください……」
「おサルさんがサルなのが悪いんだよ。じゃあ次の質問。オナニーの方法は? 手だけ? それとも何か使うの?」
「お、オナホールとか……」
「えーw」
灯花が大袈裟に目を丸くした。芝居がかった驚き方。完全におちょくっている。
「未成年がオナホなんてどこで手に入れたの」
「つ、通販で……」
「通販で買ったオナホールで病みつきになって、一日七回もシコシコするようになったんだ。くふっ、いいデータだにゃ。記録しとこ」
灯花はタブレットに何かを打ち込んでいる。れんは恥ずかしさで死にそうだった。穴があったら入りたい。いや、今は穴という単語すら考えたくない。
「次。セックスの経験は? そのおちんちんを本物のおまんこに入れて、こーびしたことある?」
「……あります」
「おっ。経験あるんだ。相手は——」
灯花の瞳がきらりと光った。いたずらっ子のような、けれどどこか残酷な輝き。
「——綾野梨花とかにゃ?♡」
れんの心臓が凍った。
「ど、どうしてそれを——」
「わたくしにはぜーんぶお見通しなんだよ。天才だもん。綾野梨花とは週に何回こーびするの?」
「に、日曜日に……デ、デートした後とかに……」
「へー、日曜デートのあとにセックスするんだ。かわいいね。健全な交際だにゃ。で、そのとき射精する回数は?」
「……十回くらい、です……」
「じゅっかいw」
灯花が吹き出した。小さな身体を折り曲げて、けらけらと笑う。
「日曜日のデートで十発も種付けしちゃうのかにゃあ。綾野梨花もよく付き合ってくれるねえ。おちんちんの方はとんでもない絶倫おサルさんだけど、こーびの相手は綾野梨花だけ?」
「……はい」
「ふぅん。一途なおサルさんなんだね。梨花ちゃん一筋——」
灯花は喋りながら、ちらりとれんの股間を見た。
「——あれれ?w」
にたぁ、と笑った。
「おちんちん大きくなってきちゃったw 綾野梨花のおまんこの感触を思い出しちゃったのかにゃ?」
「ちっ、違——」
違わなかった。
梨花の名前を口にした瞬間から、チンポは裏切り者のように膨張を始めていた。梨花のあの柔らかいおまんこ。中に入れたときの、きゅうっと締め付けてくる温かさ。「れんちゃん♡」と甘い声で名前を呼ばれながら射精する、あの幸せな瞬間——
思い出すだけでチンポがびんびんに勃ち上がる。
今朝の一発以降、八時間以上も射精していない。学校でも一回も抜けなかった。下腹に溜まった精子が、今か今かと出口を求めて蠢いている。
こんな状況で。拘束されて、知らない少女に股間を凝視されて、恥ずかしい質問に答えさせられて——それでもチンポは律儀に、全力で勃起していた。
自分の肉棒の不甲斐なさに、れんは泣きたくなった。
「くふふっ。勃起させる手間が省けて助かるにゃ」
灯花はタブレットをぱたんと閉じて、れんの目を真っ直ぐに見た。
「安心して、五十鈴れん。人間のおまんこなんて目じゃない、す――――っごく気持ちいい目に合わせてあげるから。期待しててね♡」
その言葉に。
びくんっ。
チンポが大きく跳ねた。
期待してしまった。頭では嫌がっているのに、チンポだけが灯花の言葉に全力で反応している。亀頭から透明な先走りが一筋、つぅ——と垂れ落ちて、椅子の座面に染みを作った。
灯花はそれを見て、満足そうに微笑んだ。
「いいお返事だにゃ♡」
灯花はくるりと踵を返して、れんの椅子の横に設置されたコンソールパネルの前に移動した。角帽のタッセルが揺れる。黒いマントの裾が翻って、その下のベージュのチュニックがちらりと覗いた。
指先がパネルの上を滑る。ホログラムのようなディスプレイが浮かび上がって、青い光がれんの裸の太腿を照らした。
「さて、基礎データは取れたし、本題に入ろうかにゃ。この子を紹介するね」
灯花がコンソールを撫でると、れんの股間の周囲に配置された機械が——低く唸り始めた。
「リリス・ナイトメア。通称リリス。わたくし達はそう呼んでるよ」
「り、リリス……」
「五十鈴れんを天国に連れて行ってくれるセックスマシンだよ♡」
セックスマシン。
その単語が鼓膜を殴って、れんの背筋を寒気が駆け上がった。
「しゃ、射精大好きなおサルさんには、まずこっちの搾精ユニットからいくね」
灯花の細い指が、チンポのすぐ傍に浮いている透明なガラス容器を指し示した。
改めて近くで見ると、異様な代物だった。手のひらに乗るくらいの円筒形のガラス瓶。中にはぶよぶよとした薄いピンク色のシリコン状の物質が、まるで生き物のように脈動している。上部にはチューブが二本接続されていて、一本はタンクへ、もう一本はどこかの制御装置へと伸びている。ガラスの表面にはうっすらとローションのような液体が結露していて、照明を受けて妖しく光っていた。
「見た目はシンプルでしょ? でもこの中身はわたくしの最高傑作なんだから」
灯花がくるくると指を回しながら、嬉々として説明を始めた。
「内部は本物のおまんこを模して精密に作られてるの。膣粘膜に似た特殊シリコンでできていて、使用者のおちんちんの形に合わせて自在に変形するよ。市販のオナホールなんかとは比較にならない——っていうか次元が違うにゃ。レベル1のスライムとレベル99の魔王くらい違う」
「お、オナホール……」
「ふふ、通販で買ったやつでしょ? アレでもう病みつきなんだから、リリスに入れたらどうなっちゃうかにゃあ」
灯花は唇の端を吊り上げた。目が笑っている。研究成果を自慢したくてたまらない子どもの顔。
「締める、扱く、吸う、揉む、蠕動、振動、吸着、回転——ありとあらゆる、おちんちんに快感を与える動作がプログラムされてるよ。膣内のヒダの配置も、子宮口の吸い付きも、何百人もの男性のデータから最も効率よく射精させるパターンを算出して設計してあるの」
灯花はそこで一度言葉を切って、にぃっと笑った。
「いままでの試験運転で、何人もの男の人に試したんだけどね。一番長くもった人で——十秒」
「じゅ、十秒……」
「最短記録はどーてーの男の子に試したとき。十秒で三回しゃせーさせて、そのまま失神させちゃった。くふふっ、十秒で三発だよ? 人間の限界を軽く超えてるよね」
灯花は人差し指を立てて、れんの顔の前でぴっと振った。
「五十鈴れんは何秒で射精するのかにゃ? どーてーさんじゃないんだから、それよりはもつよね? ね?」
もつわけがない。
説明を聞いているだけで、れんのチンポは限界まで膨張していた。亀頭が赤黒く膨れ上がって、尿道口から先走りが途切れることなく垂れ続けている。カウパー腺液が竿を伝って根元まで濡らし、椅子の座面に小さな水溜まりを作っていた。
「くふっ。おちんちんさんもうビンビンになっちゃったねw 説明聞いてリリスのおまんこの中の感触を想像しちゃった? ふふん、想像の百倍は凄いから。期待しててね」
灯花の声がやけに遠くに聞こえる。心臓がうるさい。股間が熱い。脳みそがチンポに支配されかけている。
「じゃあ、搾精ユニットをセットするにゃ」
灯花がコンソールを操作すると、ガラス容器が金属アームに支えられて——ゆっくりと、れんのチンポに向かって移動し始めた。
ピンク色のシリコンの入り口から、とろりとローションが垂れた。一滴。それがれんの亀頭の先端にぽたりと落ちて——
「ひぅっ」
ぬるりとした温感が亀頭を舐めた。それだけで腰が跳ねる。ローションがねっとりと亀頭に絡みついて、先走りと混ざり合って、透明な糸を引いた。
「じゃあ、挿入していくよ」
搾精ユニットの入り口が、亀頭に触れた。
壮絶な快感の予感。
れんは咄嗟に顔を背けた。目を瞑って、歯を食いしばる。まるで注射を怖がる子どもだった。怖い。怖いのに——チンポだけは先端をぴくぴくと震わせて、ピンク色の入り口に自分から擦り寄ろうとしている。
にゅる。
亀頭が——呑み込まれた。
「っ——————!」
声にならなかった。
ピンク色のシリコンが亀頭を包み込んだ瞬間、れんの全身に鳥肌が走った。冷たくもなく熱くもない、人肌よりわずかに低い温度。締め付けは強くない。なのに——亀頭の表面に密着したシリコンの膣壁が、にゅるにゅると微細に蠕動しながら、カリの裏側を撫で上げていく。
梨花のおまんこと、似ている。似ているけれど、違う。
人間の膣壁にはない、完璧に計算された凹凸が亀頭のひだの一つ一つに吸い付いてくる。分け入っていく感触。背筋が震えるほどの気持ちよさ。
——出る。
出そうだった。まだ亀頭しか入っていないのに、射精感がせり上がってくる。
れんは唇を噛み締めた。
梨花ちゃんのために。こんな機械なんかで射精しない。絶対に我慢してみせる。
その一心で、下腹に力を込めた。肛門を締めて、射精の波を押し戻す。額に汗が浮かぶ。こめかみの血管が浮いている。
にゅるにゅるにゅる。
搾精ユニットがさらに沈んでいく。竿の中ほどまで。シリコンの膣壁がチンポの竿を全周から優しく絞りながら、奥へ奥へと飲み込んでいく。
そして——こつん。
亀頭の先端に、硬い感触。
「ぅっ——!」
子宮口。
再現されているのだ。ガラス瓶の底に、本物の子宮口のような突起が設けてあって、亀頭の先端がそこにぴたりと収まった。
精液を注ぎ込むために、最も深い場所に——チンポが辿り着いた。
どびゅっ。
先走りが噴き出した。射精ではない。先走りだ。だが、その量が尋常ではなかった。子宮口の感触に反応して、尿道がびくびくと痙攣して、精液の手前の透明な液がガラス瓶の中にぶちまけられる。
——危なかった。ギリギリ。本当にギリギリだった。
れんは白目を剥きかけた目を必死に戻して、荒い息をついた。全身から汗が噴き出している。
「くふふっ。奥まで入ったね。子宮口、気持ちよかったでしょ」
灯花がモニターを覗き込んでいる。
「んー、射精はしてないね。先走りだけか。思ったよりもつじゃん、えらいえらい。でも——」
灯花がコンソールに指を置いた。
「じゃあ準備するから、ちょっとリラックスしててね。まさかまだ作動してないのに出したりしないよね?w」
「……へ?」
——まだ、作動していない?
れんの思考が止まった。
いま自分を包んでいるこの信じられない快感は——ただ挿入されただけの状態?
「おちんちんとおまんこのキャリブレーションを取って、フィットさせるよ。漏らさないようにお尻の穴にぎゅーって力入れてね」
「キャリブ——?」
「ぴったりサイズに調整するってこと。おサルさんにも分かるように言ったんだけどにゃ」
灯花がコンソールのボタンに触れた。
プシュー。
空気が抜けるような音がした。搾精ユニットの内部から空気が排出されて、ピンク色の特殊シリコンが——れんのチンポに、べっちょりと密着した。
「ぁ——————っ!?」
れんの口から短い悲鳴が弾けた。
完全に、一分の隙もなく、性器の表面がシリコンの膣壁に密着している。亀頭のカリの溝にまで、裏筋の窪みにまで、チンポの形のすべてを記憶するように——ぴっちりと、真空パックされたみたいに貼りついた。
膣壁とチンポの境界がなくなった。
どこまでが自分の肉で、どこからがシリコンなのか分からない。チンポが溶けて、ピンク色の膣の一部になってしまったような——
じわぁぁ。
絶頂感を伴った快感が、チンポの芯まで染みてきた。
表面だけじゃない。肉棒の内側——海綿体の奥の奥まで、シリコンの密着による圧力がじんわりと浸透して、尿道の周りをぬるぬると撫で回されるような。
確信した。
この状態で一センチでも動いたら。シリコンの膣の中をほんの少しでも泳がされたら——絶対に射精する。
れんは腰を突き出すようにして椅子の背もたれに身体を押し付けた。チンポに刺激が伝わらないよう、一ミリも動かないよう、全身の筋肉を硬直させて耐える。顎が上がって、喉が反って、歯の隙間から「ひぃ——」という細い呼気が漏れた。
「あらら、凄いことになってるね。でもまだ出しちゃダメだよー。次は膣内の温度を上げていくにゃ」
ひんやりとしていたシリコンの感触が——じわり、と熱を帯び始めた。
ぬるい。
ぬるい、から——温かい、へ。
ローションと混ざり合って、しっとりとした温もりがチンポを包み込んでいく。射精感が急激に高まる。下腹の奥で、精液が持ち上がってくる気配がした。
「――〜〜〜ッ!?♡♡」
れんの喉から、もはや言語の体をなさない声が飛び出した。両手がアームレストのクランプの中でがちゃがちゃと暴れる。腰が小刻みに痙攣して、その振動がシリコンの膣壁をわずかに揺すって——それがまた快感を生んで——悪循環。
「本物のおまんこの温度より少し高く設定してあるんだよ。おちんちんがいちばん射精しやすい温度ってやつ。こうするとおちんちんが本物のおまんこの中にいるって勘違いしちゃうから、勝手にこーびの準備を整えちゃうの」
灯花は楽しそうだった。研究の成果を披露するのが嬉しくてたまらない、純粋な喜びの顔。それが余計にたちが悪い。
「機械のおまんこに種付けしても子孫なんて残せないのに、ヘンなのーw」
「で、で、出る——出る! もう出ます!」
れんは叫んだ。涙が滲んでいた。羞恥でも悲しみでもない。あまりの快感に、身体が勝手に泣いていた。
「くふっ。これじゃ作動させた瞬間にしゃせーしそうだにゃあ。まあ分かってたけど」
灯花はコンソールに肘をついて、小さな顎を掌に乗せた。
「——ねえ、五十鈴れん。いま感じてる気持ちよさ、どうかにゃ?」
「き、聞かないでくだ、さ——ッ」
「聞くよ。感想は大事なデータだもん。ちゃんと言葉にして。いまリリスのおまんこの中でおちんちんがどう感じてるか、教えて?」
「っ、むりっ、言葉に、できな——」
「じゃあこうしよ。綾野梨花のおまんことリリスのおまんこ、どっちが気持ちいい?」
その質問に、れんの身体がびくんと硬直した。
「……わ、私は、梨花ちゃんの方が——」
「嘘ついたら分かるって言ったよね?」
モニターの脳波がぴこぴこと異常な波形を描いている。灯花はそれを横目で見て、くすりと笑った。
「おちんちんは正直だにゃ。まだ動いてすらいないリリスのおまんこに、もう夢中じゃん」
「ちが……そんなこと……」
「いいよいいよ、どーせ作動させたら比較する余裕なんてなくなるから。——それじゃ」
灯花はコンソールの前に立ち直って、一つのスイッチに指を置いた。
赤いボタン。起動スイッチ。
「準備はいいかにゃ? 五十鈴れん」
れんは答えられなかった。もう限界だった。搾精ユニットがまだ動いてすらいないのに、挿入されてキャリブレーションされて温度を上げられただけで、射精の崖っぷちに立たされている。
——これで、まだ動いていない。
それが動いたら。
あの、締めて、扱いて、吸って、揉んで、蠕動して、振動して、吸着して、回転する搾精プログラムが起動したら——
想像するだけで、チンポの先端がひくひくと痙攣した。
「じゃあ、起動させるね」
灯花の声は、遠足のおやつを選ぶくらい軽い。
「天国まで送り届けてくれる超特急便だよーw♡ いってらっしゃーい」
赤いボタンが、押された。
ブゥーンッ。
搾精ユニットの内部で、低い振動音が生まれた。
それは最初、腹の底に響くような唸りだった。ガラス瓶の中のピンク色のシリコンが目に見えて波打って、れんのチンポを包み込んでいる膣壁の全面が——動き出した。
れんは、絶叫した。
「あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁっっっ!?♡♡♡」
声が割れた。喉が裏返った。悲鳴なのか嬌声なのか、自分でも分からない音が口から飛び出して地下室の壁に反響する。
射精した。
堪える猶予など一ミリもなかった。搾精マシンが起動した瞬間——文字通り、スイッチが入った瞬間に——精液が噴き出した。疑似子宮口を突き破る勢いで、溜まりに溜まった精子が射出される。尿道を精液が駆け抜ける感触。それが一発では終わらない。びゅるっ、びゅるるっ、びゅくっびゅくっびゅくっ——搾精ユニットに精液を絞り取られるままに、チンポが痙攣を繰り返す。
人工膣内がうねっていた。
締まり、扱き、振動し、回転する。説明で聞いた動作のすべてが同時に——いや、同時ではない。計算された順番で、波のように押し寄せてくる。亀頭を膣壁のヒダが締め上げた次の瞬間には竿の根元を吸い上げて、裏筋をシリコンの突起がぞりぞりと擦り上げたかと思えば、カリの裏側に密着した膣肉がぶるるっと高速で振動する。
ムードも焦らしも一切ない。
ただ最短最速でチンポを射精させるためだけに特化した、文字通り機械的な刺激。
だがそれがもたらす快楽は——あまりにも凄まじかった。
梨花のおまんこが天国なら、これは天国を飛び越えた宇宙だった。ロケットに括りつけられて打ち上げられたみたいに、チンポが空の彼方へ飛んでいく。快感の重力加速度がれんの意識を引き剥がしにかかる。
「科学的に計算された、おチンポをしゃせーさせることに特化した刺激を、性感帯の各所にピンポイントで与えてるよ」
灯花の解説が、どこか遠い世界から聞こえてくる。
「絶ーーーーっ対に我慢なんてできないでしょ? しゃせーのメカニズムを他人に完全に掌握されたご感想は?」
「イクイクイクイクッ♡♡♡ イッてりゅ! イッてりゅ! イクッ、イクッ!?♡♡♡」
感想どころではなかった。口から溢れるのは快感に壊された悲鳴だけ。舌が痺れて、唇が震えて、まともな日本語が形成できない。
「うん、盛大にしゃせーし続けてるね。見れば分かるにゃ」
灯花はモニターに表示されたデータを眺めながら、退屈そうにコンソールの椅子で足をぶらぶらさせている。角帽のタッセルが揺れる。この少女にとって、目の前で少女が絶叫しながら射精し続けている光景は、実験の順調な経過以上の意味を持たないらしい。
「と、とめ、止めて! 止めてーーっ!♡」
射精が——止まらない。
いつもならとっくに終わっている。梨花のおまんこの中で射精するとき、れんの射精時間はだいたい十秒くらいだ。長くても十五秒。びゅるびゅると精液を吐き出して、びくびくと余韻に震えて、ふぅと息をつく。それで一回が終わる。
リリスは、その「終わり」を許さなかった。
精液を吐き出し続ける尿道口に、カリの裏筋に密着したシリコンのバイブレーションが——射精を止めるきっかけを与えてくれない。絶頂の波が引こうとした瞬間に、次の波が押し寄せる。波と波の隙間がない。快感の水位が下がらないまま、次の射精感がせり上がってきて、まだ前の射精が終わっていないのに次の精液が尿道を駆け上がる。
まるで亀頭の栓が抜けたみたいだった。
れんは精液を垂れ流し続けた。
噴射ではない。垂れ流し。蛇口を全開にした水道のように、途切れることなく白い液体がガラス瓶の中に注がれ続ける。溢れた精液はすぐさまバキュームで吸引されて——ごぼっ、ごぼぼっ——掃除機みたいな音を立てて透明なチューブを駆け上がり、椅子の下に設置されたミルクタンクへと送られていく。
まだ起動して一分ほどだった。
それなのに、タンクにはすでに——牛乳パック一本分ほどの白濁液が溜まっている。少女の小さな身体から、一分足らずでその量。常軌を逸していた。
「とめ、とめてーーーーーッ!?♡♡♡ 死にゅ! 死んじゃう!」
「大袈裟だなぁ……これくらいで死んだりしないにゃ。そもそも魔法少女なんだから、肉体的には死ぬことはないよ。ソウルジェムが本体なんだから」
灯花はあくびをした。あくび。人が射精しながら絶叫しているのを目の前にして、あくび。
「死ぬーーーーーーーーっ♡♡♡」
死なない。死なないけれど、れんの頭の中では何かが確実に溶け始めていた。
搾精チューブが真っ白に染まっている。ごぼごぼと音を立てて、れんの精液がミルクタンクに供給され続ける。タンクの中でどろりとした白濁が渦を巻いて、液面がじわじわと上昇していく。
「イクイクイクイクッ♡♡♡」
れんは歯を食いしばった。だが食いしばった歯の隙間から涎が溢れて、顎を伝って魔法少女服の胸元を濡らす。目の焦点が合わない。白目を剥きかけて、戻して、また剥きかけて。全身の毛穴から精液が噴き出すような——そんな射精だった。身体の隅々まで、爪先まで髪の毛の先まで、ぜんぶが射精している。
もはや連続絶頂なのか、一回の絶頂がずっと続いているのかも分からなかった。
チンポが天に昇るような快感がただひたすら続いて、れんはこみ上げるままに精液を噴き上げ続けるしかない。身体の痙攣も止まらない。拘束された手首ががちゃがちゃと金属音を立てて、脚がU字ステップの中でびくんびくんと暴れて、腰が意思とは無関係にがくがくと痙攣する。
碌に息もできない。呼吸が追いつかない。吐息が全部喘ぎ声に変換されて、酸素が足りない。頭がぐらぐらする。視界の端がちかちかと明滅して——
五分。
体感では五時間だった。
れんの意識が一度ふっと途切れかけて、だがチンポに走る快感の衝撃が途切れさせてくれない。気絶しかけては快感で叩き起こされて、また気絶しかけて、また叩き起こされる。
搾精ユニットは容赦がなかった。れんの身体が限界に近づいていることなど、プログラムには関係がない。ただ淡々と、精液を絞り取り続ける。膣壁が蠕動し、ヒダが締め上げ、バイブレーションが尿道を痺れさせ、回転機構がカリの首を撫で回す。
八分。
タンクの精液は驚くべき量に達していた。れんの身体のどこにこれだけの液体が詰まっていたのか。ふたなりの魔法少女という特殊な身体だからこそ可能な、人間の限界をとうに超えた射精量。
灯花はミルクタンクの液面を確認して、タブレットに数値を書き込んだ。研究者の目だった。被験者への同情はない。あるのはデータへの興奮だけ。
「んー、そろそろ初回はこのくらいでいいかな」
十分。
れんの意識がふぅ——と薄くなった。目の前が白くなって、音が遠くなって、身体が綿みたいに軽くなっていく。
そこで、ようやく——
ぶぅん、と搾精マシンの駆動音が止まった。
「――ッ!?♡」
びくんっ、と全身が一度大きく跳ねて——止まった。
搾精ユニットの膣壁が動きを止めている。振動も、蠕動も、回転も。すべてが静止した。チンポを包んでいるのは、もう温かいだけのシリコンの塊だ。
静寂。
れんは——息も絶え絶えだった。
口が半開きのまま戻らない。顎からは涎が糸を引いて落ちている。目は半分白目を剥いたまま虚空を見つめていて、魔法少女服の胸元は涎と汗でぐっしょりと濡れていた。拘束された手の指先が、ひくっ、ひくっ、と痙攣を繰り返している。
ようやく、絶頂と痙攣の高みから降ろされた。
ミルクタンクに目をやれば——少女の小さな身体から絞り取られたとは思えない、信じられない量の精液がどろりと溜まっていた。白濁液の表面に細かい泡が浮いて、とぷん、と揺れている。
「はぁ……っ、はぁっ……はぁっ……」
れんの荒い呼吸だけが、地下の実験室に響いていた。
そのとき——奥の金属扉が開いた。
「灯花、来たよ。例の実験を見せてくれるって言うから——」
声は幼い。けれど灯花とは違う落ち着きがあった。言葉遣いが丁寧で、しかし子どもらしくなく堅い。
入ってきたのは、灯花と同じくらいの背丈の少女だった。ピンクがかった茶色の髪を三つ編みにまとめて、頭には角帽——灯花のものとよく似ているが、こちらは黒いマントの下にベージュの中華風チュニックではなく、サーモンピンクの長袖の上に金の装飾が入ったベージュのチュニックを着ている。紫のレギンスに白いブーツ。手には分厚い本を一冊抱えていた。丸い眼鏡の奥から、知的な紫の瞳が実験室を見渡す。
柊ねむ。マギウスの翼のもう一人の創設者にして、小説家。
「これが例の実験体? 五十鈴れんだっけ」
ねむは椅子に拘束されたれんを見て、表情ひとつ変えなかった。白目を剥きかけた少女が涎を垂らして痙攣している光景を前にして、感想は——
「凄まじい匂いだね」
それだけだった。地下室には精液の青臭い匂いが充満していた。
「そうだよー、いま丁度一回目の搾精を終えたところ」
灯花はコンソールの椅子をくるりと回して、ねむに向き直った。
「ほら見て見て、このデータ。初回十分間でこの射精量。ふたなりの魔法少女のポテンシャル、予想以上だよ」
ねむはモニターに歩み寄って、表示されたグラフや数値を眺めた。眼鏡のブリッジを指で押し上げて、ミルクタンクの精液にちらりと目をやる。
「凄まじい射精量だね。これがふたなりの魔法少女———人体の常識を超えている」
「でしょでしょ? でもまだ実験の第一段階だよ。ここからが本番なんだから」
「本番?」
灯花はにぃっと笑った。コンソールの上にホログラムのダイアグラムを表示させて、指先でくるくると回す。チンポとおまんこの模式図。矢印が循環を示している。
「いい? 聞いてねむ。ドッピュルシステムの原理は知ってるよね。男性の精液を体内に取り込むことで魔法少女のソウルジェムが浄化される。でも精液の供給元は外部の男性に依存してる。これが現行システムの限界」
「それは理解しているよ」
「じゃあ——もし、魔法少女自身が精液を生産できたら?」
灯花の目が輝いた。天才が天才の発想に酔っている顔。
「ふたなりの魔法少女。チンポとおまんこの両方を持つ五十鈴れんなら、自分のチンポから射精した精液を自分のおまんこに取り込める。おまんこが精液を吸収すると魔力が回復して、回復した魔力が精液の生産を加速させて、またチンポから射精して——」
「……永久機関」
ねむが呟いた。
「そう! 永久交尾機関!♡」
灯花は両手を広げて、まるでオーケストラの指揮者のように宣言した。
「搾精と吸精の無限ループ。外部からの精液供給に頼らない、自己完結型のドッピュルシステム。もしこれが完成すれば、魔法少女の救済は文字通り永遠のものになるんだよ!」
「相変わらず悪趣味な実験だね」
「褒め言葉と受け取っておくにゃ」
灯花はえへんと胸を張った。マントの裾がひらりと揺れる。
ねむはため息をついて——拘束されたままのれんに視線を移した。
れんはまだ朦朧としていた。灯花とねむの会話が、水の底から聞こえてくるみたいにぼんやりと耳に届いている。永久機関。自分の精液を自分のおまんこに。その意味を理解する余裕は、まだ戻っていなかった。
「で、これから第二段階に移行するわけだ」
「そういうこと。ちょうどねむが来てくれたタイミングだし、見ててよ」
灯花はコンソールに向き直って、れんに声をかけた。
「おーい、五十鈴れーん。聞こえてるー?」
「……ぅ……」
れんの焦点の合わない目が、ゆっくりと灯花の方を向いた。
「リリスとのおまんこセックスは気に入ってくれたかな? まぁこれだけ出せば、おサルさんもしばらくオナニーしなくていいくらいには満足できたんじゃない?」
灯花はミルクタンクの方を見て、にやりとした。タンクの中のどろどろの精液がとぷんと揺れている。
「か、帰して……もう、お家に帰してください……」
れんの声は掠れていた。涙で濡れた目が、灯花を懇願するように見上げている。
「帰す? まだまだこれからだよー」
灯花は人差し指を振った。
「今度はね、射精ザルさんが出したもの、全ーー部——」
にたぁ。
「——返してあげるね♡」
「……へ?」
がこん。
椅子の座面の下から——何かがせり出してきた。
銀色の金属アームの先端に取り付けられた、肌色のディルド。太い。そして長い。表面には精密な凹凸が刻まれていて、根元からチューブが一本、ミルクタンクに向かって伸びている。
れんはそれを見た瞬間——全身の血の気が引いた。
「や、やだ。やめてください」
「やだって言っても、もうセットアップ済みだから」
灯花がコンソールを操作すると、ディルドがゆっくりとれんの股間に近づいてきた。先端がれんのおまんこの入り口に——触れた。
「あれだけ射精すれば、おまんこの方ももうヌレヌレだよね? このまま挿入しちゃうよ」
実際、そうだった。搾精ユニットでチンポを搾られている間に、おまんこからも大量の愛液が溢れ出していた。太腿の内側が光っている。座面がびしょ濡れだった。
「ま、待って——」
待たなかった。
ディルドが、ゆっくりとれんのおまんこに沈んでいく。
「ぁ——ぅ、あっ——」
太い。
れんの小さな膣には明らかにオーバーサイズで、膣壁がぎちぎちに押し広げられていく。梨花の指とは比べ物にならない圧迫感。チンポとは違う——内側から膨らまされるような、じわりと広がっていく充填感。
ディルドの先端が、奥に到達した。
こつん。
子宮口に、硬い先端が押し当てられる。
「ぅぐっ——」
息が詰まった。子宮口に圧がかかって、下腹がきゅうっと収縮する。チンポの搾精ユニットとは全く別の快感——おまんこの奥の奥を押し開かれるような、鈍くて重くて甘い痺れが背骨を駆け上がった。
「こっちのディルドーも市販品なんか比較にならない高性能品だからね。期待していいよ」
灯花がコンソールを操作する。モニターに新しいグラフが表示されて、れんの膣内の温度や圧力がリアルタイムでマッピングされていく。
「じゃあ、起動させるね」
「ま、まって、くださ——」
ぶぅぅーん。
膣内のディルドが震えた。
「ひぁ——っっ!?♡♡」
こちらも搾精ユニットと同じだった。ムードも焦らしもない。ただ最短で女をアクメに導くためだけに計算し尽くされた動き。
膣壁の性感帯をピンポイントで突かれて、じわぁ——と溶けるような快感がおまんこ全体に染み渡る。チンポの快感とは質が違う。チンポは外に向かって弾け飛ぶ快楽だったが、おまんこは内側に沈み込んでいく。身体の芯がとろとろに溶かされて、骨盤の底が甘く痺れて、子宮がきゅうきゅうと自分の意思と関係なく収縮を繰り返す。
「イっ、イクっ、イッ――♡♡♡」
あっという間だった。ディルドが動き始めて数秒で、れんのおまんこが絶頂を迎えた。膣壁がぎゅうっとディルドを締め上げて、びくんっと腰が跳ねて、ぶしゃっと愛液が噴き出す。
「おチンポと同じでおまんこもそーろーさんだにゃあ。まぁおサルさんがどれだけ絶頂しようと関係ないけど」
灯花はあっさりとそう言って、タブレットに何かを記録した。そして——ミルクタンクに繋がったチューブに手を伸ばした。
「じゃあ、注入開始ー♡」
「注入——?」
ねむが眼鏡の奥の目を細めた。
「疑似ペニスから五十鈴れんの精液を射精させる、ということだね」
「大正解。ねむは頭がいいにゃ」
ディルドの内部のチューブが脈動した。ミルクタンクから精液が吸い上げられ、チューブを伝って、ディルドの先端——子宮口に押し当てられた部分から——
どびゅっ。
れんの子宮めがけて、れん自身の精液が注ぎ込まれた。
「ぁ——ぁあっ!?♡♡」
温かい。
どろりとした温もりが子宮の入り口から流れ込んでくる。自分の身体から出たもの。自分の精液。それが、自分のおまんこの一番奥に——
子宮口が反応した。
びくんっ、と一度大きく痙攣して——そのあと、飢えた鯉の口みたいにくぱくぱと開閉を始めた。精液を飲んでいる。自分のおまんこが、自分の精液をごくごくと飲み込んでいる。
下腹がかぁっと熱くなった。
枯れ果てたと思っていた精子が——みるみる補充されていく。魔力が精子に変換されている感覚が鮮明に分かった。自分の身体が全力で精液を製造していることが、チンポの根元のじんじんとした熱で伝わってくる。
まるで一週間オナ禁したみたいに、チンポがぱんぱんに勃起した。あれだけ射精したというのに——射精欲がむくむくと湧き上がってくる。下腹がざわざわして、尿道がうずいて、精液の圧力が内側から押し上げてくる。
「ペニスの再勃起を確認」
ねむがモニターを読み上げた。声は冷静だが、目は興味深そうにデータを追っている。
「ほらね。精液がおまんこで吸収されたら、魔力が精液に変換されておチンポに戻っていく。循環が始まったんだよ」
灯花が嬉々として解説する。
「搾精マシンの方も起動させるね」
「や、やめてください! アレだけは、アレだけはもう……!」
先ほどの搾精地獄の記憶が蘇る。あの十分間。あの、終わらない射精。チンポが千切れ飛ぶかと思った快楽の嵐。
灯花は聞く耳を持たなかった。
コンソールのボタンを押す。
ぶぅぅーんっ。
「ぐぅーーっあぁぁぁっ!?♡♡♡」
喉をのけぞらせて、れんが絶叫した。
またあの感触がチンポを襲う。搾精ユニットの膣壁が蠕動を始めて、カリを締め上げて、裏筋を振動が走って——たまらず込み上げるままに精液をぶちまけた。
びゅるるっ、びゅくっ、びゅくびゅくっ——
「射精を確認」
ねむが淡々と報告する。
「これで搾精と吸精の機関は開通したと言えるかな」
「でしょー♡ おまんこの方からも射精を全力でサポートする作りになってるんだよ。ちょうどGスポットのところが、男性でいう前立腺とクリトリスの根元が合わさったような————ふたなりさんの泣き所になってるの。ここに低周波で刺激を与えてあげるとぉ〜?w」
灯花の指がコンソールのスライダーを弾いた。
「イッ――ぁああぁっ!?♡♡♡ イクっ!?♡ イクイクっ♡ イクっ♡ イキますっ!?♡♡♡」
知らなかった。
自分の身体に、こんな場所があるなんて知らなかった。Gスポットを低周波でグリグリとマッサージされる感触は、射精神経そのものを直接揉みしだかれるようだった。
射精のトリガーを引かれている。
Gスポットをぐりっと刺激されるたびに、精子の弾丸がチンポから飛び出す。それがバイブレーションと重なって、マシンガンのトリガーを引きっぱなしにしたみたいに————搾精ユニットの中に精液を乱れ撃つ。
チンポとおまんこの複合的な快感。
上から下から、外から内から、射精の快楽とアクメの快楽が同時に襲いかかってくる。チンポが弾け飛ぶ快感と、おまんこが溶け落ちる快感が——れんの身体の真ん中でぶつかり合って、爆発する。
「にひひっ♡ 永久交尾機関、稼働開始だにゃ!」
灯花が両手を叩いた。
搾精ユニットがチンポから精液を絞り取る。絞り取った精液がミルクタンクに溜まる。溜まった精液がディルドを通じておまんこに注ぎ込まれる。おまんこが精液を吸収して魔力に変換する。魔力がチンポで精液に再変換される。再変換された精液が搾精ユニットに絞り取られる。
ぐるぐる。ぐるぐると。
れんの身体の中で、精液と魔力が循環し始めた。
「ねむ、見て。射精量のグラフ。右肩上がりで安定してる。循環が定常状態に入りつつあるよ」
「……本当に回ってるね。理論上は可能だと思っていたけど、実際に見るとぞっとするよ」
「ぞっとするのは五十鈴れんの方だと思うけどにゃ。くふふっ」
れんにはもう、二人の会話を聞き取る余裕はなかった。
チンポとおまんこ。搾精と吸精。射精とアクメ。
すべてが同時に回り続けて、快楽の歯車が噛み合って、止まらない。止められない。自分の射精した精液が自分のおまんこに戻ってきて、それがまた精液になって出ていく。自分で自分を犯している。永遠に。
——永久機関。
その言葉の意味を、れんの身体が理解し始めていた。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
れんはチンポとおまんこの二重快楽に翻弄されながら、射精とアクメを繰り返していた。もう何発目か数えてもいない。ただ、チンポから出たものがおまんこに戻って、おまんこが吸ったものがチンポに回って、また出る。ぐるぐる。永遠に。
だが——
「ねむ、射精量のグラフ、見てくれる」
「ん……少し勢いが落ちてきたかな。初回ほどのピークは出なくなっている」
「だよね。人間の感覚の特性として、どうしても同じ刺激には慣れてきちゃうんだよね。おチンポさんが『あ、この気持ちよさ知ってる』って学習しちゃう」
灯花はコンソールの椅子の上であぐらをかいて、頬杖をついた。退屈そうに——いや、退屈ではない。次のカードを切る前の、悪戯っ子の顔。
「そんなこともあろうかと、五十鈴れんにはとっておきのオモチャを用意してあるにゃ♡」
にやり。
灯花がコンソールを操作すると、リリスの椅子の頭部——背もたれの上の部分から、何かがスライドして降りてきた。
黒いバイザー。
目の周り全体を覆う、ヘッドマウントディスプレイ。ゴーグルの内側が青白く発光していて、両耳をカバーするヘッドフォン部分からはマイクのようなアームが伸びている。
「これは——」
ねむが眉を上げた。
「バーチャルセックスマシン。わたくしが開発したVR搾精デバイスだよ」
灯花はぴょんとコンソールの椅子から飛び降りて、ねむの隣に立った。ホログラムディスプレイにデバイスの概略図を表示させる。
「視覚と聴覚、それに触覚の一部をマシンにリンクさせて、バーチャル空間でセックスしてる疑似体験を与えるの。フルダイブはまだ技術的に無理だけど、性器に与える感触をリリスの搾精ユニットを通してリンクさせることで、かなり現実に近い体験を脳に送れるよ」
「なるほど。つまり搾精ユニットの動きを、別の女性との性行為として認識させるわけだ」
「さすがねむ、理解が早いにゃ。そしてここからが天才の真骨頂——」
灯花はくるりと振り向いて、拘束されたままのれんを見た。れんは両穴の快感でとろとろに溶けかけていて、目の焦点は合っていないし涎も止まっていない。だがまだ辛うじて意識はある。
「五十鈴れんにはこれから——神浜市のすべての魔法少女とセックスしてもらいまーす♡ 名付けて、神浜こーびツアー! 出発ー!」
「……は?」
れんの朦朧とした頭に、その言葉だけが刺さった。
「全員って……全員?」
「全員だよ。神浜にいる魔法少女全員。一人も残さず。おチンポさんに全員のおまんこを味わってもらうにゃ」
「これがはウワサを使って集めたデータの使い道だったというわけかい」
ねむが腕を組んでため息をついた。
「各魔法少女の身体データ——体型、体温、膣内の形状、締め付けの癖、感度マップ……全部ウワサの魔法でこっそり収集してたんだにゃ。それをリリスの搾精ユニットに入力すれば、本物のおまんことほぼ同じ感触を再現できる」
「まったく呆れてものも言えないよ」
「にひひっ」
灯花はれんの頭にHMDバイザーをセットした。黒いゴーグルがれんの視界を覆い、ヘッドフォンが両耳を塞ぐ。外界が遮断されて、れんの世界はバイザーの中の暗闇だけになった。
「起動するよ。最初のお相手は——特別に、五十鈴れんが一番大好きな人からにしてあげる♡」
バイザーの内側に光が灯った。
暗闇が溶けて、映像が浮かび上がる。
——部屋だった。
見覚えのある部屋。れんの部屋ではない。もっと明るくて、可愛い小物が飾ってあって、ベッドのシーツがピンク色で——
梨花ちゃんの部屋。
日曜日のデートの後にいつも訪れる、あの部屋。カーテンの隙間から夕陽が差し込んで、部屋全体がオレンジ色に染まっている。枕元にはぬいぐるみ。勉強机の上には開きっぱなしの教科書。
あまりにもリアルだった。VRだと分かっているのに、脳が本物の空間として処理してしまう。空気の温度。西日の眩しさ。梨花の部屋特有の甘い匂いまで——再現されている。
そして——ベッドの上に。
「れんちゃん♡」
梨花がいた。
ピンク色の髪。ゴスロリ風の魔法少女服を脱いだ、白いキャミソール姿。膝を揃えてベッドに座って、れんに向かって——両脚を、ゆっくりと開いた。
スカートの奥。白い太腿。そしてその奥に——
ピンク色の、梨花のおまんこが。ぱっくりと、濡れて、れんを待っていた。
「しよ?♡」
甘い声。何度も聞いた声。偽物だと——頭では分かっている。分かっているのに。
その声を聞いた瞬間、れんのチンポが——搾精ユニットの中で、びくんっと大きく跳ねた。
バイザーの中の梨花が、れんに向かって手を伸ばした。
映像と同時に、搾精ユニットの膣壁が——変わった。
形が変わった。質感が変わった。さっきまでの機械的で計算された動きではなく、もっと——不規則で、温かくて、柔らかい。膣壁のヒダの位置が微妙に変わって、締め付けのリズムが変わって、奥の子宮口の吸い付き方が——
知っている。
この感触を知っている。
「ぁあっ!?♡♡ あっ♡ あっ、あぁっ!?♡♡」
れんの口から、甘い悲鳴が弾けた。
梨花ちゃんのおまんこだ。
何百回と交わって、何百回と射精を繰り返した——梨花のおまんこの感触。あの独特の締め付け。奥でくにくにと亀頭を撫でる膣壁の癖。れんのチンポの形を完全に覚えている、あの——
頭が幸せでいっぱいになった。
バイザーの中では梨花が笑っている。「れんちゃん♡ れんちゃん♡」と名前を呼んでくれている。おまんこがれんのチンポを奥まで咥え込んで、きゅうっと締め付けてくる。
涙が溢れた。
嬉しくて。気持ちよくて。大好きな人のおまんこの中にチンポを入れている——その幸福感が、快楽と混ざり合って、れんの全身を震わせた。
「り、梨花ちゃ……梨花ちゃんっ♡♡ あっ、気持ちいい……気持ちいいです……♡♡」
バーチャルの梨花が腰を動かした。搾精ユニットが連動して、梨花の騎乗位の動きを再現する。ゆっくりと腰を落として、ぬるっと根元まで咥え込んで、くちゅっと音を立てて持ち上がって——また落ちる。
ずちゅっ、ぬちゅっ、ずちゅっ。
梨花のおまんこの水音。聞き慣れた音。ヘッドフォンからダイレクトに耳に注ぎ込まれて、脳の奥が蕩ける。
「れんちゃん♡ 今日もいっぱい出してね♡」
「出る……っ! 梨花ちゃっ、梨花ちゃんっ、出ますっ!♡♡」
びゅるるるっ——!
射精した。
梨花のおまんこの中に。奥の奥に。子宮口めがけて精液を叩きつけるように——膨大な量の精液を注ぎ込んだ。
バイザーの外。
実験室では、口を幸せそうにだらしなく開けて涎を垂らしたれんが、リリスの搾精ユニットに向かって盛大に射精する姿を——灯花とねむが見ていた。
「凄いね。今までで最大の射精量だ」
ねむがモニターのグラフを指差した。射精量を示す棒グラフが、初回搾精のピークを大きく超えている。
「ふふん、このマシンの凄いところは、魔法少女の本物のおまんこの感触をデータで完全に再現しているところだよ」
灯花はミルクタンクの精液がごぼごぼと増えていくのを眺めながら、得意げに語った。
「次々と入れ代わり立ち代わり別の女の子とセックスさせることで、おチンポを一つの感触に慣れさせないの。『沢山のメスに種付けできてる!』って脳に錯覚させることで、交尾欲求を最大限に刺激する。おチンポ冥利に尽きる展開だよね♡」
「よくもまぁ、そんな悪魔のようなことを考えつくね」
「天国に連れて行ってあげてるんだから、天使の所業と言って欲しいにゃ」
ため息をつくねむ。
バイザーの中では、れんと梨花の交わりが続いていた。
一回目の射精の余韻が引かないまま、梨花の腰がまた動き始める。搾精ユニットがそれに連動して——膣壁がれんのチンポを絞り上げる。
「れんちゃん♡ まだ出せるよね?♡」
「あっ、あっ、ま、まだ出ます……梨花ちゃんっ……♡♡」
二発目。三発目。四発目。
梨花のおまんこの中に、精液を注ぎ続けた。一発ごとに梨花の体位が変わる。騎乗位から正常位、正常位からバック。搾精ユニットの膣壁がそのたびに動きを変えて、角度と深さの違いを忠実に再現する。
れんは幸せだった。
拘束されて、搾精マシンに繋がれて、機械にチンポを搾られているという現実を——脳が完全に忘却していた。いまここにいるのは梨花ちゃんの部屋で、梨花ちゃんとセックスしていて、梨花ちゃんが笑ってくれている。それだけが、れんの世界のすべてだった。
四発目の射精の直後——梨花の姿が、ふっと消えた。
部屋ごと。夕陽ごと。甘い匂いごと。
すべてが暗転して——
「……え?」
新しい映像が浮かび上がった。
場所が変わっていた。学校の帰り道。見覚えのある公園。ベンチに座った女の子が、もじもじと指を絡めながられんを見上げている。
秋野かえで。
「れ、れんちゃん……えっと、その……」
おまんこを、おずおずと広げた。
搾精ユニットの膣壁が——また変わった。梨花のものとは違う。もっとふわふわで、柔らかくて、締め付けが緩い。かえで特有の、ふんわりとした抱擁感。
れんの目から、また涙がこぼれた。
——ああ。梨花ちゃん以外の女の子とエッチしちゃう。
——ごめんなさい、梨花ちゃん。
罪悪感が胸を刺す。でも——チンポはもう、かえでのおまんこの中で膨張を始めていた。梨花と違うおまんこ。梨花と違う感触。その「違い」が、チンポにとっては新しい刺激で、新しい興奮で——
「あっあっ!?♡♡ 梨花ちゃんと違うおまんこ♡♡ 気持ちいい♡ 気持ちいいです♡♡」
頭では申し訳なくて泣いているのに、チンポは正直に歓喜していた。別のおまんこ。別の女の子。知らない膣壁が、知らないリズムで、チンポを搾り取る。
びゅるるっ。
かえでのおまんこにも、精液を注ぎ込んだ。
バイザーの中のかえでが「わぁ……♡」と目を丸くしている。
罪悪感と快楽が、ぐちゃぐちゃに混ざっていた。でも——
でも、今は。
とにかくセックスがしたい。色々なおまんこを味わってみたい。そのことだけで頭がいっぱいだった。
かえでへの射精が終わると——また映像が切り替わった。
次の女の子が現れた。
◇ ◇ ◇
バーチャルセックスの旅が始まって、二時間ほどが経とうとしていた。
れんの身体はとうに限界を超えていた。HMDバイザーの隙間から、快感による悦びの涙が筋を作って流れている。射精の快感に歯を噛みしめた口からは涎が際限なく垂れ落ちて、魔法少女服の胸元をぐっしょりと濡らしていた。
仮想空間には次々と美少女が現れた。
かえでの後には——相野みと。青葉ちか。天音月夜と天音月咲。粟根こころ。和泉十七夜。名前を知っている子もいれば、顔すら見たことのない子もいた。マギアユニオンの仲間。マギウスの翼の構成員。西の魔法少女。東の魔法少女。所属も立場も関係なく、ただ五十音順に。
呆れたことに、その順番は単なる五十音順だった。
あ行から始まって、か行、さ行——マギアユニオンかマギウスの翼か、西か東か、れんとの面識があるかないか、一切考慮していない。ただ神浜市に登録されている魔法少女全員のデータを名簿順に並べただけの、灯花の無神経さ。
だが、そんなことはれんには分からない。
バイザーの中ではただ、女の子が入れ代わり立ち代わり現れて、おまんこを広げて、れんのチンポを迎え入れてくれる。それだけだった。一人一人のおまんこの形が違う。感触が違う。締め付けが違う。温度が違う。搾精ユニットが忠実にそれぞれの膣の特徴を再現するたびに、れんのチンポは新鮮な刺激に歓喜して精液を噴き上げる。
面識のない女の子だろうと。敵の組織の魔法少女だろうと。
ただチンポの欲望が暴走するままに交尾を続けるしかなかった。
罪悪感は——とうに溶けてなくなっていた。
梨花ちゃんに申し訳ないとか。他の女の子のおまんこに入れちゃいけないとか。そういう思考は、三十人目あたりで完全に蒸発した。残っているのは純粋な交尾欲。一つのおまんこで射精し終わると、次のおまんこが恋しくなる。次はどんな感触だろう。次はどんな締め付けだろう。チンポがわくわくしている。
——自分が、畜生に堕ちていく。
そんな自覚すら、もうどうでもよかった。
バイザーの外——実験室では。
灯花がコンソールの椅子の上であぐらをかいて、タブレットでなにかのアニメを見ていた。ねむは壁際のパイプ椅子に座って文庫本を読んでいる。二人とも、射精の嬌声を上げ続けるれんにはもはや関心がなかった。モニターのグラフだけが、れんの射精量を淡々と記録し続けている。
そのまま二時間ほど経過したとき——れんがひときわ大きな嬌声を上げた。
「ぁああぁぁぁっっ!?♡♡♡ なに、これ!? なんなんですか、これぇぇっ!?♡♡♡」
灯花がアニメから顔を上げた。ねむも文庫本を閉じた。
モニターの射精量グラフが——跳ね上がっていた。今までの最高記録を、大幅に更新している。
「凄いね。今までで最高記録の射精量だよ。いま五十鈴れんが相手にしてるのは——」
ねむがモニターの表示を読み上げた。
灯花がコンソールに駆け寄って、バーチャル空間のステータスを確認した。にやり、と笑う。
「いまおサルさんが遊んでもらっているのは——環いろは。流石はいろはお姉さまのおまんこだにゃ。あの名器が再現できるか不安だったけど、うまくいったみたいだね」
バイザーの中。
れんの目の前には——桃色の髪の少女がいた。環いろは。優しい笑顔。穏やかな声。「大丈夫だよ、気持ちよくなって?」と囁きながら、れんのチンポを自分のおまんこにゆっくりと沈めていく。
その瞬間——れんの脳が弾けた。
おまんこの中に、透明な手があった。
見えない手が亀頭をぎゅっと掴んで、くちゅくちゅと揉みしだく。膣壁の全面にびっしりと敷き詰められた肉ヒダが、亀頭を全方向から包み込んでマッサージするように擦り上げる。それだけじゃない。膣肉が渦を巻くように螺旋の動きを加えてきて、チンポの芯までじわぁっと絶頂感を伴った温もりが染み込んでくる。
今までのどの女の子とも——次元が違った。
「ぁあぁぁっ!?♡♡♡ ま、またイクっ、イクイクイクッ♡♡♡ イッちゃうっ♡ イッちゃいますっ♡♡♡」
チンポの中身がまるごとおまんこに吸い取られていくような快感。精液が、快楽ごと引き抜かれる。射精の一射目が引き延ばされて終わらないまま、脳みそがチカチカと明滅する。
れんの内心は——もうぐちゃぐちゃだった。
——ちが、違う。私は梨花ちゃんのことが一番——
——で、でも。これ。このおまんこぉぉぉっ♡♡
梨花への愛と、いろはのおまんこの快楽が、頭の中でぶつかり合って火花を散らす。チンポは正直だった。愛とは無関係に、最も気持ちいいおまんこに最も多くの精液を注ぎ込む。
びゅるるるっ、びゅくびゅくびゅくっ——!
環いろはのおまんこに——六発。
梨花の四発を軽々と超える射精回数。チンポが正直に出した答えだった。
「ふふん。綾野梨花が最高効率かと思っていたけど、おチンポさんは正直だにゃあ」
灯花がモニターのグラフを見ながら、くすくすと笑った。
「相手が誰だろうと、名器おまんこの前では関係ないんだね。くふっ、一途な恋人の綾野梨花よりも、環いろはのおまんこの方がおチンポに正直な点数を出すなんて——五十鈴れん、それでいいのかにゃ?」
聞こえていない。れんにはもう何も聞こえていない。
「この後は?」
ねむが訊いた。
「当然、ういの出番だよ」
灯花はにっこりと笑った。
「姉妹の名器対決。ういのおまんこはいろはお姉さまとはまた違うタイプの名器だからね。とにかく小さくて狭くて、全面カズノコの肉ヒダが亀頭に吸い付いて離さないの。一突きで射精が始まって、子宮口がストローみたいに精液をずるずる吸い上げる。いったいどれだけ射精してくれるのか、楽しみだねえ♡」
「し、死ぬ♡♡ こわいっ……♡ おねがい……一回止まって、止まって……♡♡」
バイザーの向こうから、れんの掠れた懇願が漏れ聞こえた。
灯花はにこにこしていた。止める気は一ミリもなかった。
れんと神浜魔法少女全員との交尾ツアーは、そのあとも延々と続いた。
それからさらに数時間後。
ピーッ、という電子音が実験室に鳴り響いて、リリスのモニターに完了通知が表示された。
灯花がコンソールに駆け寄る。ねむも本を閉じて立ち上がった。
「おっ、終わったみたいだね」
灯花がHMDバイザーの解除コマンドを入力すると、黒いゴーグルがシュッと上にスライドして、れんの顔が露わになった。
凄まじい顔だった。
白目を剥いて、汗と涙と涎で顔面がベトベト。口は半開きのままだらしなく緩んで、頬には涙の跡が何本も走っている。精液も恥も外聞も魂も、何もかもを出し尽くして搾りつくされた少女の顔がそこにあった。
「意識レベルはかなり低下してるみたいだけど——」
ねむがモニターのバイタルデータを読み取る。
「普通の人間では到達しえないレベルの興奮度と幸福度を記録しているね。脳内のドーパミンとエンドルフィンの推定値が完全に振り切れてる。一体彼女は何回射精したの?」
「交尾ログを出力してみるにゃ」
灯花がコンソールを操作すると、壁面の大型モニターにログデータが表示された。
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**被験者 五十鈴れん 対象別射精ログ**
綾野梨花 4発
秋野かえで 2発
相野みと 1発
アシュリー・テイラー 2発
梓みふゆ 2発
天音月夜 1発
天音月咲 1発
阿見莉愛 2発
藍家ひめな 1発
アリナ・グレイ 1発
粟根こころ 2発
和泉十七夜 1発
伊吹れいら 1発
入名クシュ 2発
空穂夏希 1発
江利あいみ 1発
加賀見まさら 2発
香春ゆうな 1発
木崎衣美里 2発
吉良てまり 1発
桐野紗枝 1発
桑水せいか 1発
胡桃まなか 1発
梢麻友 2発
里見灯花 3発
里見那由他 1発
更紗帆奈 1発
静海このは 1発
志伸あきら 2発
竜城明日香 1発
環いろは 6発
環うい 6発
千秋理子 3発
純美雨 1発
十咎ももこ 2発
常盤ななか 1発
夏目かこ 3発
七瀬ゆきか 1発
七海やちよ 3発
春名このみ 1発
柊ねむ 2発
枇々木めぐる 1発
二葉さな 2発
史乃沙優希 1発
保澄雫 1発
真井あかり 1発
眞尾ひみか 1発
牧野郁美 1発
毬子あやか 1発
万年桜のウワサ 2発
三栗あやめ 1発
水樹塁 2発
御園かりん 1発
深月フェリシア 1発
観鳥令 1発
美凪ささら 2発
水波レナ 3発
都ひなの 2発
宮尾時雨 1発
三輪みつね 1発
恵萌花 1発
八雲みかげ 3発
八雲みたま 4発
矢宵かのこ 1発
由比鶴乃 2発
由貴真里愛 1発
遊佐葉月 2発
柚希ほとり 1発
柚希りおん 1発
若菜つむぎ 1発
**合計70名に対して射精回数117発**
**実験開始からの総射精回数 156発**
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ログが表示された瞬間、実験室に数秒の沈黙が落ちた。
「…………凄まじいね」
ねむが呟いた。眼鏡の奥の目が、データを何度も往復している。
「ギネスに申請したら余裕で世界一位かもねw」
灯花はけらけらと笑った。
「僕や桜子まで対象に入っているのには説明を求めたいところだけど」
「まぁまぁ、バーチャルなことだし固いことは言いっこなしでしょw」
ねむはため息をついて返す言葉もなかった。
当のれんは——抜け殻のようになっていた。
七十人との連続セックスで、何もかもを出し尽くした。頭の周りではもうずっと前からピンク色の星が飛び回って、視界がチカチカと明滅している。目の下にはクマができて、腰から下は溶けてしまったみたいに感覚がない。手足がぴくぴくと痙攣して、身体はもう一ミリも動く気がしなかった。
それでも——リリスの搾精ユニットに包まれたチンポだけは、律儀に天を突いている。
だが疲れ切った脳が射精を拒んでいた。もう出すものがない。出す気力もない。ただ勃起だけが残っている。
七十人のメスに種付け交尾をしたという——圧倒的な満足感と多幸感だけが、ぼんやりとれんの頭を満たしていた。ぜんぶバーチャルで、実際は自分で自分に射精を繰り返しただけなのだが——チンポにとってはそんなことは関係ない。七十のおまんこを征服した。それだけが事実だった。
「じゃあ、神浜セックスツアー。二周目、イってみよー!♡」
灯花が明るく宣言した。
「良かったね五十鈴れん。また全員とこーびできるよw」
「…………え?」
れんの焦点の合わない目が、灯花の方を向いた。
「にしゅう……め……?」
「二周目だよ。もう一回。七十人全員と。今度は出現順もランダムにするから、次にどのおまんこが来るか予想できないよ。楽しみだねえ」
れんの顔から、残っていた色が全部抜けた。
「む、無理……そんなの、無理に決まって……」
精液どころか汗も涙も愛液もすべて出し尽くして、一滴だって出るわけがない。身体が動かない。頭が回らない。意識がすでに半分以上飛んでいる。
「だいじょーぶ♡ そんなこともあろうかと、交尾ザルさんに特別プレゼント」
灯花がコンソールを操作した。
ちくり。
れんの首筋に、針が刺さった。リリスのアームに内蔵された注射機構。何かの液体が、ひやりと血管に流れ込んでくる。
次の瞬間——れんの身体がびくんっと大きく跳ねた。
目が見開かれた。
ぼんやりとしていた頭が——澄み切ったみたいに、覚醒していく。霧が晴れるように思考がクリアになって、五感が一気に鮮明になる。感覚のなかった下半身が蘇って、搾精ユニットの膣ヒダの一枚一枚、ディルドの凹凸の一つ一つが分かるくらいに敏感に感じられる。
下腹がグツグツと煮えたぎった。
あれだけ射精したというのに——一発目のとき以上に、射精欲求がむくむくと湧き上がってくる。チンポが痛いくらいにギンギンに勃起して、亀頭が搾精ユニットの中でびくびくと痙攣を始めた。
「『元気になるオクスリ』を打ってあげたよ」
灯花はにこにこしている。
「頭がすっきりしてもう気絶することもなくなるから、ずーーーっと交尾を楽しめるにゃ♡ パパさまの病院から拝借してきた薬にわたくしがちょっと手を加えただけだから、完全合法、安心安全だよ」
「僕はキミの頭の方が心配になってきたよ、灯花」
「まぁまぁ。また交尾できて嬉しいよね? 五十鈴れん」
れんは答えなかった。
代わりに——ギンギンに勃起したチンポが、大きく射精した。
びゅるるるっ!
搾精ユニットの中に、勢いよく精液が噴き出す。オクスリの効果で復活した精巣が、狂ったように精液を製造している。
「うんうん、おチンポさんは正直でよろしい♡ じゃあ二周目スタート。オクスリで敏感になったおチンポで沢山楽しんできてね。じゃあねー♡」
「た、助けて……助けて……梨花ちゃん……」
HMDバイザーが再びセットされて、れんの視界が暗闘に覆われた。
れんの搾精地獄、二周目が始まった。
◇ ◇ ◇
地下室に、れんの嬌声とリリスの機械音と、ズルズルと精液を吸い上げる音がこだまする。
二周目の交尾ツアーは——一周目以上の苛烈さで進んでいた。
オクスリで覚醒したれんの身体は、膣ヒダの一枚一枚、子宮口の微細な吸い付きまで精細に感じ取れるようになっていた。搾精ユニットの中のチンポが凄まじいペースで精液を噴き上げ、そのたびにれんは絶叫を上げる。
おまんこもチンポに対抗するみたいに潮を吹きまくり、フロアの床にれんの愛液のプールを作っていた。
あまりの快楽に意識が飛びそうになると——脳波を読み取ったリリスがすかさず『元気になるオクスリ』を注射して、強制的に覚醒させる。気絶できない。逃げられない。終わらない。
れんは完全に機械の歯車になって、搾精と吸精の輪の中に閉じ込められていた。
「実験は順調なようだし、わたくしたちはランチにしようか、ねむ」
「僕も外の空気を吸いたい気分だよ」
「じゃあね五十鈴れん。数時間したら戻ってくるから、それまでたーっぷり楽しんでね。交尾ツアーはループ設定にしてあるから、何周でもしていいよ♡」
灯花とねむが地下の実験室を出ていった。
部屋には——快楽の嬌声を上げて射精し続ける少女と、搾精マシンだけが残された。
リリスの駆動音だけが、淡々と地下室に響いている。
れんの絶叫は、誰にも聞かれることなく、コンクリートの壁に吸い込まれて消えていった。
◇ ◇ ◇
数時間後。
灯花とねむが地下室に戻ってきたとき——状況は一変していた。
「うにゃー!? いったい何があったの!」
灯花が叫んだ。
リリスの椅子の頭部の赤いランプが点灯して、不吉に明滅を繰り返している。異常事態。緊急停止。モニターには警告メッセージが何行も表示されて、ビープ音が断続的に鳴っていた。
れんは椅子に拘束されたまま——完全に沈黙していた。
HMDバイザーは外れていた。自動解除されたのだろう。白目を剥いて、口から泡を吹いている。失神——いや、それより深い。魂が身体から半分抜けかけたような、生きているのか死んでいるのかも分からない状態。
おまんこに挿入されたディルドからは精液が大量に逆流して、座面を伝い、床一面が精液の海になっていた。白濁した液体が蛍光灯のように光る照明を反射して、実験室の床が異様な光沢を帯びている。
チンポだけが——搾精ユニットの中でびくっ、びくっ、と震えていた。まだ動こうとしている。もう何も出ないのに。空のマガジンでトリガーを引き続ける銃のように。
よほど暴れたのだろう。れんの魔法少女服はほとんど脱げ落ちていた。白い和装の上衣は肩からずり落ちて鎖骨と薄い胸が露わになり、スカートはとうに消え失せて、黒いニーソックスだけが辛うじて片脚に残っている。汗と涎と愛液と精液にまみれた少女の裸体が、壊れた人形のように椅子に横たわっていた。
ねむが冷静にモニターのバイタルデータを読み取った。
「意識レベルはゼロだけど、死んではいないみたいだね」
「実験ログを出して」
灯花の声から、さっきまでの楽しげなトーンが消えていた。コンソールに駆け寄って、ログを呼び出す。
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**被験者 五十鈴れん 二周目実験ログ**
**二周目 70名に対して総射精回数 221発**
**実験開始からの総射精回数 377発**
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「二周目自体は完走したようだね」
ねむがログを読み上げた。
「ただその後——子宮での精液吸収機能が停止したようだ。循環が途切れて、精液の供給が止まった」
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**精液の噴出を伴わない絶頂回数 38回**
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「精液が尽きた状態でペニスが『カラ撃ち』を繰り返す状態で、『元気になるオクスリ』を何度も注射されて——脳が完全にシャットダウンしたみたいだね」
ねむは淡々と分析した。
「オクスリが気絶を防ぐ。でも精液がない。出せないのに射精感だけが続く。搾精ユニットはプログラム通りに動き続ける。出口のない快感が脳を灼き続けて——最終的に、安全装置が落ちた」
れんのチンポがようやく萎え始めた。搾精ユニットからずるり、と力なく抜け落ちる。シリコンの膣壁と亀頭の間から、透明な液がとろりと垂れた。もう精液ですらない。
れんはぴくりとも動かなかった。
「普通の人間なら脳死レベルだけど、魔法少女だからね。ソウルジェムさえ無事なら、意識を取り戻すとは思うよ」
「むぅぅーーっ! こんなはずじゃなかったのにーーっ!」
灯花が癇癪を起こした。小さな足でコンソールの足元をどんどんと踏みつけて、角帽がずれる。
「循環が止まるなんて聞いてないーっ! 永久機関じゃないじゃんーっ! まだ三周目も四周目もやる予定だったのに!」
まるで実験中にフリーズしたPCに怒りをぶつける子どものような癇癪。灯花にとっては、目の前で半死半生になっている少女よりも、実験の失敗の方がよほど深刻な事態らしかった。
「黒羽根たちに床の掃除をさせて。五十鈴れんのソウルジェムに電気ショックを与えて肉体を再起動させて、実験を続行するよ」
「灯花」
ねむが静かに口を挟んだ。
「なに」
「今回のデータで十分じゃないかな。子宮の吸収機能に限界があることが分かったんだから、次はそこを改善すればいい。五十鈴れんを壊してしまったら、次の実験ができなくなるよ」
「…………むぅ」
灯花は膨れっ面をしたが、ねむの言葉には一理あった。実験動物は大事にしなければならない。
「じゃあ、リリスの改良が先だにゃ。子宮の吸収キャパシティを上げる方法を考えないと……」
灯花はぶつぶつと呟きながら、タブレットに何かを書き込み始めた。もう次の実験の設計に頭が向いている。
ねむは肩をすくめて、ため息をつくことしかできなかった。
椅子の上では——れんが微かに呼吸を繰り返している。白目を剥いたまま、口の端から涎を垂らしたまま。身体中が体液にまみれて、魔法少女服の残骸がかろうじて少女の輪郭を覆っている。
377回の射精。
その数字が、少女の身体に刻まれた実験の記録だった。
れんの永久搾精地獄は——まだまだ、続くのだった。
◇ ◇ ◇
数日後。
「おはようございます! 五十鈴れん! ただいま戻りましたー! アハハハ!」
声が、明るすぎた。
放課後の「お悩み相談所」のスペース。テーブルを囲んでいた面々が、入り口に現れた少女を見て——固まった。
五十鈴れんだった。
数日前から行方不明になっていた、五十鈴れんが。何事もなかったかのように、ひょっこりと姿を現した。
都ひなのがお茶を吹きそうになった。秋野かえでが椅子から立ち上がった。そして——
「れんちゃんっ!」
綾野梨花が、椅子を蹴倒す勢いで駆け寄った。
「どこ行ってたのっ!? 連絡つかないし、お家にもいないし、すっごい心配したんだよ!?」
「えへへ、ごめんなさーい。ちょっと色々あって! でも元気! すっごく元気です! アハハ!」
笑顔。明るい笑顔。いつものれんの百倍は明るい笑顔。
——おかしい。
梨花の直感が告げていた。れんちゃんは元々こんなテンションの子じゃない。人見知りで、引っ込み思案で、声だって普段は蚊が鳴くくらい小さいのに。今日のれんは目がきらきらしていて、頬がほんのり紅潮していて、声が大きくて——
肌が妙にテカテカしていた。
そして目が。目の奥が。なんというか——『キマっている』。
「戻ってきてくれたのは嬉しいけど、れんちゃんのテンション、なんかヤバくない……?」
「えー? そんなことないよー? 元気元気!」
「まあ、元気になってくれたようで、よかったではないか」
ひなのが腕を組んで頷いた。
「うーん……そうかなぁ」
梨花は首を傾げた。ここ数日間のことを聞いても、れんは「記憶にない」の一点張り。どこに行っていたのか。何をしていたのか。誰と一緒だったのか。何を聞いても「分かんないです! アハハ!」と笑って誤魔化す。
怪訝がられながらも、れんはお悩み相談所に戻った。日常が再開した。学校にも行った。魔女退治にも参加した。
何も変わっていない——ように見えた。
ただ一つのことを除いて。
翌日。学校の廊下。
昼休みの喧騒の中を、れんは一人で歩いていた。弁当を食べ終えて、次の授業の教室に向かう途中。何でもない日常の風景。
向こうから——ピンク色の髪の少女が歩いてきた。
環いろは。
同じ学校の生徒。すれ違うだけ。ただそれだけの——
ぴくんっ。
れんの股間が、跳ねた。
チンポが——一瞬で、硬くなった。
スカートの下で、制服の布地を押し上げるほどの勢いで勃起する。亀頭がぴくぴくと脈打って、先走りがじわりと滲んで、下着を濡らす。
——あの、おまんこ。
脳が勝手に再生する。バイザーの中で味わった、環いろはのおまんこの感触。透明な手が亀頭を掴んで揉みしだくあの快感。チンポの芯まで染み込んでくるあの絶頂感。六発。六発も射精した。梨花ちゃんより多く。
「あ、五十鈴さん。おはよ——」
いろはが笑顔で手を振った。それだけ。ただの挨拶。
れんは——股間を両手で押さえて、踵を返して、全力で走った。
「ど、どうしたの? 五十鈴さん?」
いろはの困惑した声を背中に聞きながら、れんは女子トイレに駆け込んだ。
個室のドアを蹴るように閉めて、鍵をかけて、便座に座る間もなくスカートを捲り上げた。パンツを下ろして、勃起したチンポを握って——
びゅるるるるっ!
一発。便器の中に、盛大に射精した。
握ったチンポの中を精液が駆け抜けていく。いろはの顔を思い出しただけで。おまんこの感触を思い出しただけで。堪えるとか我慢するとか、そういう次元の話ではなかった。見た瞬間に射精した。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
便座に座り込んで、荒い息をつく。チンポはまだ硬いまま。一発では足りない。もう一発。
びゅくっ、びゅくびゅくっ——
二発目。
あれ以来、こうだった。
神浜の魔法少女を見るたびに、チンポに精液がこみ上げてくる。教室で水波レナを見かけたとき。商店街でフェリシアとすれ違ったとき。調整屋でみたまさんの笑顔を見たとき。そのたびに股間を押さえてトイレに駆け込んで、震える手でチンポを握って、便器に精液をぶちまける。
一日のオナニー回数は——七回どころではなくなっていた。
本当に記憶を失ったのか。忘れようとしているだけなのか。
それは、れん本人にしか分からない。
ただ——チンポだけは、あのときの記憶を覚えていた。
七十人のおまんこの感触を。三百七十七回の射精の快楽を。永久交尾機関の歯車として回り続けた、あの数時間を。
れんのチンポは、忘れない。