搾精都市神浜~魔法少女たちのエッチな短編集~ 作:黒蓮/クロハス
また、夢を見た。
目が覚めると下着がぐしょぐしょだった。太ももの内側がぬるりと滑って、シーツに染みが広がっている。おまんこの奥がまだひくひくと脈動していて、ほむらは自分の身体に裏切られた気分で天井を睨んだ。
今朝の夢では、佐倉杏子だった。
あの赤毛が馬乗りになって腰を振っていた。チンポから精液を搾り上げるように、これでもかとグラインドして、歯を剥き出しにして笑っていた。「おら、もっと出せよ。まだ残ってんだろ」。目が覚めてもあの声が耳にこびりついている。おまんこが疼いて仕方がない。
その前の晩は、美樹さやか。
まどかのリボンを付けさせた美樹さやかのおまんこに、何度も何度も射精した。ピンクのリボンを頭に結んだ美樹さやかは、まどかには似ていなかった。似ていないのに、ほむらのチンポは狂ったように精液を吐き続けた。まどかの代わりを求めている自分が惨めで、それでも射精は止まらなかった。
さらにその前の晩は、巴マミ。
あの柔らかすぎる胸にチンポを挟まれて、なすすべもなくイかされた。乳肉の谷間に亀頭が沈むたびに全身の力が抜けて、巴マミは優しく微笑みながらチンポから精液が溢れるまでパイズリをやめなかった。
そのさらに前は、また別の子。その前も。その前も。
毎晩、違う少女がほむらの夢に現れる。毎晩、チンポが生えて、毎晩、射精させられて、毎朝、おまんこをびしょびしょに濡らして目が覚める。最初のまどかといろはの夢から、もう何日経っただろう。
(……こんなこと、いつまで続くの)
ほむらはシーツを引き剥がして洗面台に向かった。鏡に映った自分の顔は、隈が濃い。疲れている。精神が削られている。
チンポが生えるのは夢の中だけだ。起きると消えている。残るのは、おまんこの奥の疼きと、どうしようもない空虚感だけ。あの快楽を覚えてしまった身体は、毎朝、幻のチンポを探して下腹部をうずかせる。
これは、誰かの干渉だ。
この世界を創ったのは私。この宇宙のすべてを再構築した悪魔。私の許可なくこの世界に干渉できる存在など、いるはずがない。いるはずがないのに、夢は止まらない。
何者かが、私の魔力を削っている。
歯を磨きながら、ほむらは鏡の中の自分の紫色の瞳を見つめた。濁っている。疲労と、認めたくない快楽の残滓で。
---
放課後の見滝原中学。
校門を出たほむらの長い黒髪が、秋の夕風に攫われた。ベージュのリボンで留めたカチューシャの端がかすかに浮く。西日がアスファルトを橙色に染めて、ほむらの影が長く後ろに伸びていた。
「ごきげんよう、暁美ほむら」
背後から、声。
足が止まった。
穏やかな声だった。どこか芝居がかった、舞台役者のような響き。丁寧で、優雅で、そのくせ耳に残る。
振り返る。
自分がいた。
そう錯覚するほど似た少女が、三歩後ろに立っていた。見滝原中学の制服。クリーム色のブレザー。黒のチェック柄プリーツスカート。同じ長い髪。同じ顔の輪郭。同じ唇の形。
違うのは、瞳の色。紫ではなく、赤。深い赤。夕日を吸い込んだような色。
髪も微かに違う。ほむらの漆黒に比べて、紫がかっている。光の加減で、毛先に濃い紫が滲む。カチューシャはベージュのリボンではなく、黒の飾り気のないもの。脚はほむらのニーハイソックスと違って、黒の七分丈レギンスに包まれている。
その少女が、微笑んでいた。穏やかに。柔らかく。
鏡が歪んだような不気味さだった。
「あなたは何者」
ほむらの声は低かった。冷たく、硬く。反射的に警戒の姿勢を取っている。
この世界の創造主は私だ。すべての存在を把握している。この少女は、把握の外にいる。認識阻害の魔法が周囲には効いているのだろう。学校では「名前のない上級生」として認知されている、あの三年生。誰もが知っているのに、誰も名前を言えない。素性を説明できない。
悪魔ほむらの目は、その幻覚を見通す。この少女は、この世界のものではない。
「この世界に招いた覚えはないわ」
「まぁ、そんなに怖い顔をなさらないで。わたくし、あなたの敵ではございませんわ」
少女が小首を傾げた。穏やかな表情は崩れない。
「……いえ、嘘ですわね。ふふ」
笑い声が夕暮れの空気に溶けた。上品で、読めない。
「マルグリートに会いに来ましたの」
ほむらの眉がぴくりと動いた。
「……なんですって」
「マルグリート。わたくしのマルグリートに。あの子に会うために、わたくしはこの世界を訪ねましたのよ」
ほむらの目の色が変わった。
紫の瞳に、怒りの火が灯る。まどかのことだ。この少女は、まどかを「マルグリート」と呼んでいる。まどかの本当の名前ではない、別の誰かの名前で。
「あの子のことをそんな名前で呼ばないで」
声が刺すように鋭くなった。秋風が止まったように感じるほどの、張りつめた空気。
「あぁら。あの子にはちゃんとお名前があるのに。けれどわたくしにとっては、マルグリートですの。いつだってそう」
少女の赤い瞳が、一瞬だけ遠くを見た。ここではない、もっと遠い場所を。もっと昔の、ほむらの知らない時間を。
「あの子に干渉することは許さない」
ほむらの声は、もう冷静ではなかった。
「この世界は私が創ったの。まどかが平穏に暮らせるように。あなたごときに——」
「あなたごとき?」
少女の微笑みが、一瞬だけ消えた。
赤い瞳が鋭くなる。穏やかな仮面の下から、別のものが覗いた。激情。底に沈めていた何かが、水面を破るように。
「マルグリートは、わたくしのマルグリートですわ」
語気が変わっていた。普段の穏やかさから、はっきりと逸脱している。すぐに微笑みが戻る。しかしほむらは、その一瞬を見逃さなかった。
(……感情がある。この女、何かに執着している)
路上で話すような内容ではなかった。通行人はいない。認識阻害が効いているとはいえ、悪魔と魔女が路上で睨み合う絵面は具合が悪い。
「場所を変えましょうか。わたくしのところへ」
「……あなたを信用する理由がないわ」
「もちろん。でも、ここでお話しするよりはましでしょう? それに、わたくしのこと、もっと知りたいのではなくて? 毎晩の夢のこと、とか」
微笑み。知っている顔。全部お見通しだと言わんばかりの、穏やかな笑顔。
ほむらの拳がぎゅっと握られた。やはりこの女が原因か。
「……いいわ。案内しなさい」
---
連れてこられた場所は、住宅街の外れにある一棟のビルの最上階だった。
扉を開けた先に広がっていたのは、白い空間。壁も床も天井も白。家具は最低限。ベッド、テーブル、椅子。生活の痕跡が薄い。人が暮らす部屋というより、何かの装置の内側にいるような印象。
壁面に、歯車のモチーフが刻まれていた。
ほむらの足が止まる。
(……私の、部屋に似ている)
かつて時間遡行を繰り返していた頃の、あの部屋。歯車だらけの空間。無機質で、冷たくて、ほむらだけの監獄だった場所に。
不快感が胸の底からせり上がった。
「さて」
少女が振り返った。
瞬間、空気が変わった。
制服の輪郭がぶれる。クリーム色のブレザーが溶けるように消えて、代わりに白が身体を覆っていく。白い神官服のようなロングコート。金色のトリム。黒のインナー。レースのフリルスカート。腰にベルト、金のバックル。軍帽風の赤い帽子が、紫がかった黒髪の上にふわりと載る。
変身。
制服の少女は消えて、別の存在がそこに立っていた。
「改めまして。ごきげんよう、暁美ほむら」
赤い瞳が細められる。白いコートの裾が、存在しない風に揺れた。
「わたくしのこと、もうおわかりでしょう?」
「……話しなさい。あなたは何者」
「ヒントを差し上げますわ。この宇宙の外側にある、名塚底根という場所からまいりましたの。かつてこの世界で、あなたと何度もお会いしておりますわ」
ほむらの瞳が細くなった。
名塚底根。かつての世界。何度も。
頭の中で記憶が走る。繰り返した時間。何度も戦った敵。ロケットランチャーを何十発撃ち込んでも、ミサイルの雨を降らせても、笑いながら立っていた存在。
「……複数の魔女の融合体。想像を絶する呪いの集積」
ほむらの声が低くなる。紫の瞳に、確信の光。
「人呼んで——ワルプルギスの夜」
「ふふ。ご名答ですわ」
少女が嬉しそうに両手を広げた。白いコートの裾が翻る。芝居がかった仕草。舞台の上の役者のように。
「お久しぶりね、暁美ほむら。ワスと呼んでくださいな」
ほむらの周囲の空気が軋んだ。魔力が身体の表面に滲み出す。悪魔の力。この世界を創り変えた力。
「……この場であなたを消し去ることもできるわ」
「あぁら、おやめになったほうがよろしくてよ? こんなところでわたくしたちが本気で戦いを始めたら、マルグリートもただでは済みませんわ」
拳が止まった。
まどか。この世界のどこかで、平穏に暮らしているはずのまどか。あの子を巻き込むわけにはいかない。
「……なら、どうやって決着をつけるつもり」
「セックスで決めましょう」
ほむらの表情が固まった。
「……は?」
「セックスですわ。知っていらっしゃるでしょう? 毎晩、夢で練習は十分なさったはずですもの。ふふ」
「そんなはしたないこと……するわけないでしょう……」
声が上ずった。耳が赤い。
ワスの手が伸びた。指先が、ほむらのスカートの上から股間に触れるか触れないかの距離で止まる。
ズクン。
下腹部に脈動が走った。知っている感覚。夢の中で何度も経験した、あの感覚。チンポが、生えてくる。
「っ……また、これ……!」
ほむらが腰を引いた。遅かった。スカートの前面が、内側からゆっくりと押し上げられている。
「あなたの欲望を形にして差し上げましたわ」
「そんなわけがない……! 私はまどかをそんな目で見ていない……!」
「ええ、もちろん。存じておりますわ」
穏やかな微笑み。赤い瞳がほむらの目を覗き込む。
「でしたら、わたくしを相手にしたところで、射精なさったりはしませんわよね?」
ほむらの歯が軋んだ。
罠だとわかっている。こんなわかりやすい誘導に乗るのは愚かだ。なのに、「射精しない」と断言できない自分が怖かった。夢の中であの快楽を知ってしまっている。あの、チンポから精液を搾り出される、全身の骨が溶けるような快感を。
それでも。
「……するわけないでしょう。こんなもので私が堕ちるとでも?」
「では、決まりですわね」
ワスが胸の前で両手を合わせた。
「最後まで我慢できたら、わたくしは大人しく元の世界へ帰りますわ。約束いたしますの。その代わり、お出しになってしまったら……わたくし、この世界で好きにさせていただきますわね」
ほむらは顎を上げた。冷たい紫の瞳で、ワスを見下ろす。
「好きにすればいいわ。そんな時は来ないもの」
悪魔のプライドが、退路を塞いだ。
「ふふ。では、始めましょうか」
ワスの微笑みが、ほんの少しだけ深くなった。
---
ワスの指がほむらのスカートの裾に触れた。
「では、失礼いたしますわね」
紅茶のカップを持ち上げるような手つきだった。優雅に、丁寧に、プリーツスカートの裾をめくり上げる。チェック柄の布地がひらりと翻って、ほむらの白い太ももが露出した。ニーハイソックスの口のレースが、太ももの肌に食い込んでいる。
「触らないで……っ! 自分でできるわ」
「あら。では、ショーツはご自分でお脱ぎになる?」
ほむらは言葉に詰まった。自分でショーツを下ろす。それは「自分からセックスの準備をする」のと同義だ。悪魔のプライドがそれを拒む。かといってワスにやらせるのも屈辱。
その一瞬の逡巡を、ワスは見逃さなかった。指先がショーツのウエストに引っかかる。するり、と太ももの半分まで下ろされて、ほむらのチンポがぽろりとこぼれ出た。
まだ勃起していない。半勃ちにもなっていない。仮性包茎の皮に覆われた竿が、スカートの陰からだらりと垂れている。色白な肌に不釣り合いな存在感。夢の中で何度も見た自分のチンポが、現実にある。
(……こんなもの見て、平気な顔してる……)
ワスは微塵も動揺していなかった。赤い瞳がほむらのチンポを見下ろして、品定めでもするように首を傾げる。
「ふうん。思っていたよりも……こぢんまりとしていますわね」
「……うるさいわね」
「いいえ、悪い意味ではございませんのよ? 可愛らしいと申し上げたかっただけですわ」
フォローが余計だった。ほむらの眉間にしわが寄る。
ワスの指がチンポに触れた。
やわやわと、握るというよりも包むように。手のひら全体で竿を覆い、親指の腹で皮の上からゆっくり撫でる。紅茶を淹れるときの手つきにも似た、丁寧で精密な動き。
「っ……」
ほむらの肩がかすかに跳ねた。触れられた瞬間、チンポが反応する。まだ勃起してはいない。が、竿の中に、ぬるい熱が流れ始めたのがわかる。
ワスの指が竿を優しく揉む。もう片方の手が添えられて、両手で包むようにチンポを温める。息を吹きかけた。ほむらの腰がびくりと震える。
「毎晩お楽しみだったようですわね?」
ワスが口を開いた。指は止めない。
「巴マミさんの、大きな胸。あの柔らかさにチンポを挟まれて、ずいぶんお気持ちよさそうでしたわ」
ほむらの呼吸が止まった。
「っ……何を……」
「わたくしが見せた夢ですもの。全部、見ておりましたわよ?」
指が竿の裏筋をすうっと撫で上げた。皮の下で亀頭がむくりと膨らみ始める。
「巴マミさんの谷間に亀頭が沈んでいくたびに、あなた、こんなお顔をしていらしたの。お口が半分開いて、目尻が垂れて。悪魔の威厳もへったくれもない、とろけたお顔」
「黙りなさい……っ!」
顔が真っ赤だった。否定できない。あの夢の中で、巴マミの胸に挟まれた自分がどんな顔をしていたかなんて、考えたくもない。
「美樹さやかさんには、マルグリートのリボンを付けさせたのでしょう?」
ワスの声のトーンが、ほんの少しだけ変わった。マルグリートの名前を口にするとき、いつも微かな熱が混じる。
「あの子にマルグリートのリボンを結んで、本人だと思い込もうとしたのではなくて? ふふ、健気ですわね。けれど美樹さやかさんのおまんこは、マルグリートではございませんでしょう? それでもあんなに射精なさって」
「黙れと言ってるでしょう……っ!」
声が裏返った。恥ずかしくて死にそうだった。全部バレている。夢の中で自分がしたこと、感じたこと、何を考えていたか、全部。
「佐倉杏子さんには馬乗りにされて搾り取られて」
ワスの手がチンポの先端をくるりと指先でなぞった。皮の隙間から覗いた亀頭の先が、びくっと跳ねる。
「あらあら、悪魔さまが上に乗られて搾精されるなんて。格好がつきませんわねぇ」
ワスが楽しそうに目を細めた。底意地の悪い笑顔。
チンポは確実に硬くなっていた。ワスの手の中で竿が膨張して、仮性包茎の皮がわずかにずり下がって、皮の口が少しだけ広がる。先走りの雫が尿道口に滲んで、ワスの親指の腹を濡らした。
「こんなはずは……」
ほむらが唇を噛んだ。意志で勃起を止められると思っていた。止められるわけがないのに。チンポは持ち主の意地なんか知ったことではない。ワスの指に触れられるたびに正直に反応して、あと数分もすれば完全に勃ち上がるだろう。
「まぁ。もうこんなに」
ワスが親指を離した。指の腹と尿道口の間に、透明な糸がつうっと引く。わざわざほむらの目の高さまで持ち上げて、見せつけるように。
「まさか宇宙を創り変えた悪魔さまが、指先で撫でられたくらいで、お漏らしを始めたりはなさいませんわよね?」
「……っ、するわけないでしょう」
「ええ、ええ。存じておりますわ。悪魔さまですもの」
頷く声が、まるで信じていなかった。
頬がかっと熱くなる。言い返したい。けれど何を言っても、今まさにチンポの先から汁を垂らしている身では説得力の欠片もない。言い返せば言い返すほど、この魔女の手のひらで転がされるだけだ。
ほむらは黙って顔を背けた。ワスの指が、それを見越していたように亀頭の縁をくるりとなぞる。腰が、勝手に跳ねた。
「では、お口でも試してみましょうか」
ワスが膝をついた。
白い神官服のコートの裾がふわりと床に広がって、軍帽の赤い縁取りがほむらの腰の高さに来る。下から見上げる赤い瞳が、涼しく細められている。
仮性包茎の皮を、唇で剥いた。
紅茶のカップのふちに唇を当てるような上品さだった。薄い唇がチンポの先端に触れて、皮を下唇でそっと押し下げる。露出した亀頭がぷるんと顔を出して、空気に触れた敏感な表面がびくっと跳ねた。
「っ……ん……」
ほむらの声が漏れた。噛み殺そうとして、噛み殺しきれなかった。夢よりも生々しい。温かい唇の感触と、湿った息が亀頭にかかる現実感が、夢の記憶を鮮やかに塗り替えていく。
ワスの舌が伸びた。舌先が亀頭のてっぺんを、くるり、と一周する。尿道口の先走りを舐め取って、赤い舌が濡れた光沢を帯びた。
「ん♡ あら、先走りがこんなに。お味、確かめさせていただきますわね♡」
お嬢様口調のまま、チンポを咥え込んだ。
唇が竿を締め付ける。舌が亀頭を下から持ち上げるように絡みとって、カリ首の裏側を丁寧に舐め上げる。ほむらの膝がかくりと震えた。
(やめて……こんなので……っ)
思考が散る。ワスの口の中が熱くて、柔らかくて、濡れていて、舌の圧が絶妙で、亀頭のどこが感じるのかを初見で見抜いている。何百年も生きてきた魔女の、世界最高の口技。
バキュームが始まった。
じゅぷっ♡
唇を窄めて、竿ごと亀頭を吸い上げる。頬が窪むほどの吸引。チンポの表面に張り付いた粘膜が、引き剥がされるような快感。亀頭が口蓋に擦れて、先端から絞り出されるように先走りが溢れた。
じゅぷっ♡ じゅるっ♡
ほむらの手がワスの頭を掴んだ。引き剥がそうとしたのか。自分でもわからない。指先が紫がかった黒髪に沈んで、軍帽がずれた。
ワスが気にした様子もなく、チンポを喉の奥まで沈めた。ディープスロート。亀頭が喉壁に触れて、嚥下するように喉がごくりと動く。そのまま赤い瞳でほむらの顔を見上げた。
微笑んでいる。チンポを喉の奥まで咥え込みながら。
その赤い視線が、ほむらの射精を堪える顔を観察している。歯を食いしばった口元。潤んだ紫の瞳。額に浮かんだ汗の粒。全部見られている。
(見るな……っ! こんな顔、見ないで……っ!)
ワスの舌が、喉に沈めたチンポの竿を下からうねるように舐め上げた。吐き出しながら亀頭を唇でしごいて、先端で止まって、また飲み込む。ゆっくりとした、丁寧なストローク。
十分。
たった十分だった。ほむらにとっては永遠のような時間だった。歯を食いしばって、爪が手のひらに食い込むほど拳を握りしめて、悪魔のプライドのすべてを賭けて射精を堪えた。何度も亀頭の奥から精液がせり上がってきて、そのたびに全身の筋肉を硬直させて押し返した。
ワスがチンポを口から解放した。
ヌポンッ♡
濡れた唇を割って飛び出したチンポが、びたんっ、とほむらの下腹部に跳ね上がった。ワスの唾液でてらてらにコーティングされた竿が、空気に触れてぶるぶると震えている。亀頭がパンパンに膨れ上がって、先端から先走りが糸を引いてワスの下唇に繋がっていた。
恥ずかしくてチンポから目を逸らした。見たくない。自分の股間から突き出たそれが、こんなにもみっともなく震えて液を垂らしている光景を。
ワスが唇についた唾液と先走りの混合物を、親指でぬぐった。舐めた。
「まぁ、お強いこと。十分もお耐えになるなんて」
感心したような声。表情には、まだ余裕があった。
「では、本番へと参りましょうか」
赤い瞳が、ほむらのチンポを見つめている。口元だけが弧を描いている。
先走りが涙のように垂れ続けるチンポを前に、ほむらはただ唇を噛んでいた。
---
白いベッドに移動した。
ワスが先にベッドの上に膝をつき、ほむらに背を向けた。四つん這い。白い神官服のコートの裾がベッドに広がって、レースのフリルスカートが腰の上にめくれ上がる。黒のニーハイソックスに包まれた脚が開いて、その間から覗くのは。
ワスのおまんこ。
赤みがかった整った秘部。陰毛はほとんどなく、つるりとした白い肌の中央に、ほんのりと色づいた割れ目が見える。外見だけなら、どこにでもある普通のおまんこだった。
「このほうが入れやすいでしょう? そちらからどうぞ」
振り返った赤い瞳が、余裕で笑っている。軍帽の赤い縁取りが、ほむらの方に微かに傾いた。
(……こんなもの。ただのおまんこよ)
ほむらがベッドに膝をつく。ワスの後ろに回って、チンポを近づける。手が震えていた。掴んだ竿が、ワスのおまんこに触れるか触れないかの距離で止まる。
亀頭の先端が、ワスの秘部から漂う温度を感じた。ほんの数ミリの距離。割れ目の表面にてらりと光る湿り気。
心の奥底で、何かが囁いた。
(夢で何度も体験した、あの感触が……現実に……?)
期待している自分に気づいて、ほむらは拳を握った。嫌悪。こんな魔女のおまんこに期待するなんて。まどかのために戦っているのに。
「怖いのですか?」
ワスの声が、挑発するように甘く響いた。
「怖いわけないでしょう」
「それはよろしゅうございました。夢であれだけ練習なさったのですもの、少しくらいは我慢していただけますわよね?」
ワスは肩越しにほむらを見て、それから、今思い出したとでもいうように小首を傾げた。
「……ああ、でも。そういえば夢の中でも、すぐにお出しになっていましたわね。入れた途端に、びゅるびゅるって。うふふ」
口元に手の甲を当てて、上品に笑う。嘲りを隠す気もない上品さだった。
ほむらの顔が一瞬で燃え上がった。耳の先まで熱い。反論しようと口を開いて、何も出てこなかった。事実だったからだ。夢の中の自分は、まどかの中でも、いろはの中でも、呆れるほどあっけなく果てていた。その全部を、この魔女に見られていた。
(……見てなさい)
羞恥が、そのまま意地に変わった。
亀頭を、押し付けた。
ワスの割れ目が開く。ぬるりと亀頭を迎え入れる入り口。温かい。それだけで腰がぞくりと震えた。
覚悟を決めて、腰を進めた。
挿入。
目が見開かれた。
ギチギチの締め付けではなかった。そうではなく。
ムッチリと、膣粘膜がチンポの表面全体に吸い付いてきた。温かくて湿った粘膜が、亀頭を、竿を、ねっとりと包み込む。万力で締めるのではなく、全方位から均等に、チンポの形に合わせて密着してくる。まるで、このチンポのために作られた空間に招き入れられたような。
(なに……これ……)
そして、奥へ引かれた。
膣肉が蠕動している。入り口から奥に向かって、波のように、チンポを飲み込む方向に動いている。ほむらの意志とは無関係に、亀頭が奥へ奥へと導かれていく。チンポが自分からワスの中に沈んでいく。
足元の地面が消えた。
そう錯覚した。身体が浮き上がるような感覚。膝がベッドについているはずなのに、重力がなくなったような。落ちている。チンポを先頭にして、全身が底なしの穴に落ちていくような。
(底が……ない……?)
落ちていく。
膣壁の粘膜がチンポの表面を撫でていく。表皮の一枚一枚をねぶるような、きめ細かい感触。亀頭がおまんこの奥に沈むたびに、快楽の層を一枚ずつ潜っていく。まどかのおまんこの温かさとは違う。いろはの名器の搾精感とも違う。巴マミの柔肉の圧迫とも、美樹さやかの熱い膣壁とも、佐倉杏子の馬乗りの締め付けとも、何もかもが違う。
夢で体験したどのおまんことも、次元が違った。
亀頭の先に、何かがある。
子宮口だ。あと少し。あと数ミリ。チンポの先端から十ミリほどの距離に、何かが待っている予感がする。亀頭の尿道口が、そこに触れたがっている。種をそこに届けたがっている。チンポの種付け本能が、理性を突き破って叫ぶ。
あと少し。もう少し。あとちょっとで届く。
腰が限界まで押し込まれた。ワスのお尻にほむらの下腹部が密着する。骨盤と骨盤がぶつかって、物理的にこれ以上は進めない。チンポの根元までワスのおまんこに飲み込まれている。
子宮口には、届いていない。
あと数ミリのまま。亀頭がその存在を感じているのに、触れられない。目の前に垂らされた果実に、唇がギリギリ届かない。
なのに膣肉の蠕動は止まらなかった。動いていないのに、いつまでもチンポが奥へ進んでいるような感触が続いている。止まっているはずの身体が、まだ落ちている。底なしの井戸を、終わりのない暗闇を、チンポを先頭にして落下し続ける感覚。身体ごとワスのおまんこに吸い込まれていくような、足の指先まで全部持っていかれるような。
快楽で、顔が歪んだ。
「っ……あ……なに、これ……身体が……浮い、て……おまんこに……落ちて……」
言葉が断片的になっていた。思考がまとまらない。奈落だ。チンポが奈落に落ちている。身体の全部が、このおまんこの奥へ引きずり込まれていく。
「どうですか、悪魔さま」
ワスが肩越しに振り返った。あの微笑み。穏やかで、柔らかくて、底知れない。
「本物のおまんこのお味は、いかが? 夢とはずいぶん違いますでしょう?」
赤い瞳が、ほむらの顔をしげしげと眺めた。
「……あらまぁ。ずいぶんと、お鼻の下が伸びていらっしゃること」
(伸びて、なんか……っ)
言い返そうとした唇が、だらしなく開いたまま閉じなかった。顎に力が入らない。自分が今どんな顔をしているのか、鏡を見なくてもわかる。わかってしまうことが、何より屈辱だった。
(……このまま、いたら)
このままでいたら射精する。動かなくても射精する。膣肉の蠕動だけで、精液が搾り出される。チンポの奥で、もう精液が持ち上がり始めている。
腰を引いた。
引こうとした。
引けなかった。
チンポを抜く方向に動かした瞬間、膣壁が逆方向から吸い付いた。蠕動に逆らう方向にチンポを引くと、亀頭とカリ首に凄まじい抵抗がかかる。粘膜がチンポに吸い付いて離さない。引っ張ると、ぐちゅり、と湿った音がして、亀頭が膣壁をめくり上げるような感触。
快感が、二倍になった。
(っ……抜けない……! 引っ張ったら……もっと……気持ち……っ!)
腰が止まった。止まった瞬間、蠕動でまた奥に引き込まれそうになる。蟻地獄だ。入れても地獄、引いても地獄。どちらに動いてもワスのおまんこの快感が追いかけてくる。
まどかの顔が、脳裏をよぎった。
ピンクの髪。大きな目。笑っている顔。
(まどか……っ)
あの子のために、ここで負けるわけにはいかない。あの子がこの世界で平穏に暮らすために、私がこの魔女を退けなければならないのに。こんな、おまんこの中で、精液をぶちまけて終わるなんて。
ほむらの目が開いた。紫の瞳に、意志の光が戻る。
両手でワスの腰を掴んだ。身を引いた。膣壁がチンポにへばりつく。凄まじい快感が腰から背骨を駆け上がっていく。奥歯がみしりと軋む。脳が白く弾ける。それでも手を離さない。腕の力で、全身の力で、チンポを引き抜きにかかった。
繋がった神経を引きちぎるような衝撃。亀頭が膣壁を逆走するたびに、粘膜のヒダの一つ一つがカリ首を引っかけて、離すまいとする。燃えるように熱い。竿全体がワスの膣液でぬるぬるに濡れて、擦れるたびに摩擦と快楽が火花のように弾ける。
最後に、膣口のくびれがカリ首をくちゅりとねぶった。
ヌポッ♡
チンポが抜けた。
射精しなかったのが、奇跡だった。
あとコンマ秒でも入れていたら射精していた。精液がチンポの先端まで持ち上がっていて、亀頭の先ギリギリで堰き止めている状態。尿道の中を精液が逆流していく微かな感触に、ほむらの全身が細かく痙攣した。
抜けたチンポが、ワスのおまんこの前でびくんびくんと上下に大きく跳ねた。竿が限界まで膨張して、血管が浮き出ている。先端から我慢汁が盛大に噴き出して、ワスの太ももとシーツに飛沫を散らした。亀頭がパンパンに充血して、暗い赤紫に色づいている。今なら亀頭の表面を指先でそっと触れただけでも射精する。確信できた。
ほむらは身を縮めて動きを止めた。呼吸が荒い。全身が汗まみれで、前髪が額に張り付いている。目尻に涙が浮いている。両手がシーツを握りしめて、白くなった指の隙間がぶるぶると震えていた。
(……こんなおまんこが……この世に、存在するなんて……)
口には出さない。出すものか。この魔女に、この感想だけは悟られたくない。
「あら?」
ワスが身体を起こして振り返った。赤い瞳が、ほむらの震えるチンポと、その持ち主の必死な顔を交互に見る。
「一往復してもう終わりですの?」
「黙りなさい……」
余裕なし。声が震えている。
ワスは小首を傾げた。ほんの一瞬、何か言いかけて、口を閉じた。それからいつもの顔を取り繕った。
……大丈夫ですの? と言いかけた。言わなかった。相手は敵なのだから。
白いベッドの上で、二人の間に沈黙が落ちた。
ほむらのチンポだけが、びくん、びくん、と律動を続けている。先走りの雫がぽたりとシーツに落ちた。
しばらくして、チンポの脈動がようやく収まり始めた。膨張が少しだけ引いて、亀頭の色が赤紫からピンクに戻っていく。まだ完全に勃起している。ただし、さっきの超臨界状態よりはマシだった。
ほむらは自分のチンポを見下ろした。こいつの裏切りっぷりにはもう何も言えない。悪魔の矜持など知ったことではないとばかりに、ワスのおまんこに入りたがっている。亀頭がまだひくひくと動いている。あの奈落の感触を覚えているのだ。
もう一度入れる、という選択肢が頭に浮かんで、ほむらは自分に嫌気が差した。浮かんだ時点で負けている。
「もう一度、お入りになります?」
ワスが聞いた。膝をベッドについたまま、ほむらのほうを向いている。挑発でもなく煽りでもなく、本当にただ聞いている声色だった。
「……」
答えない。答えられるわけがない。入りたくないと言えば嘘になる。入りたいと言えば悪魔の面目が立たない。
ワスは数秒ほむらの沈黙を待って、それから口元だけで笑った。
「仕方ないのでわたくしのほうから招待して差し上げますわ。横になってくださいな」
「断ると言ったら?」
「まぁ。じゃあわたくし、こうして膝をついたまま待っていればいいのかしら。暁美ほむらのチンポが萎えるまで? ……あとどのくらい、かかりますこと?」
チンポはびんびんだった。萎える気配は微塵もない。ワスのおまんこの記憶がそうさせているのか、魔力で生やされたチンポの仕様なのか。どちらにしても当分このままだろう。
「……好きにしなさい」
ほむらが仰向けに倒れ込んだ。投げやりな声だった。
ワスがほむらの身体を跨いだ。
白い神官服のコートの裾が、ほむらの上にふわりと落ちる。軍帽の赤い縁取りが、天井の照明を遮って影を作った。ワスの赤い瞳が真上からほむらを見下ろしている。紫がかった黒髪が、カーテンのように垂れ下がって、二人だけの空間を作る。
レースのフリルスカートをたくし上げた。
ワスのおまんこが、ほむらのチンポの真上に来た。さっきほむらのチンポを飲み込んだあの秘部が、すぐそこにある。ワスが自らの手でおまんこを開いた。赤みがかった粘膜が、濡れた光沢を帯びてほむらの目の前でくぱりと花開く。
チンポが跳ねた。ほむらの意志とは無関係に、びくんと上に跳ね上がって、ワスのおまんこに向かって伸び上がるように。あの中に入りたい。あの奈落にもう一度落ちたい。チンポがそう叫んでいる。
ほむらは目を逸らした。
「ほら、ご覧になって? あなたのおちんちん、わたくしのおまんこに入りたくて震えていますわよ♡」
「見ない……っ!」
「あらぁ、では好きにさせていただきますわね」
ワスがチンポを掴んだ。先端を自分のおまんこの入り口にあてがう。濡れた粘膜と亀頭が触れた。ほむらの腰がびくりと浮いた。
「待ちなさ——」
待たなかった。
ぬぢゅっ♡
一気に腰を落とした。根元まで。
ほむらの視界が白く弾けた。口が開いたまま声にならない。身体が跳ね上がろうとして、ワスの体重で押さえつけられる。さっき一往復だけで味わった地獄が、何の猶予もなく全身を襲った。蠕動が始まる。奥へ、奥へ。チンポが奈落に沈んでいく。
今度は逃げ場がない。
ワスの腰が動き始めた。跨ったまま、チンポが先端ギリギリまで抜ける寸前から、完全に根元まで飲み込まれるまで。距離を最大限に活かした、長いストローク。
一往復でもあの快感だった。
それがピストンになった。
快楽の嵐だった。
チンポの感覚がもうほとんどない。竿も亀頭も、自分の身体の一部だという実感が消えている。あるのは射精感の塊だけ。腰に、下腹部に、背骨の芯に、ドロドロに溶けた快楽の奔流が押し寄せては引いて、また押し寄せる。ワスの腰が上がるたびに亀頭が奈落の入り口まで引き上げられて、蟻地獄のカリへの吸い付きで腰が砕ける。ワスの腰が沈むたびに底なしの奈落に叩き落とされて、子宮口の予感が亀頭を焦がす。
ほむらの手がシーツを掴んだ。頭がのけぞる。歯を食いしばる。まどかの顔を思い浮かべようとした。あの子の笑顔を。あの子のために戦っている自分を。
(まどか……まどか……っ!)
それを杖にして、耐えている。悪魔のプライドはもう半分折れかけていて、残っているのはまどかへの想いだけ。
「まぁ、頑張りますわね」
ワスの声が降ってきた。余裕だった。ピストンしながら涼しい顔をしている。息ひとつ乱れていない。
「さすが悪魔さま。わたくし、正直に申し上げて感心しておりますの」
ワスの内心には、嘘はなかった。この悪魔の精神力は予想以上だった。あのフェラにも、奈落おまんこの一往復にも、このガチピストンにも耐えている。普通なら一往復目で射精して、二度と立ち上がれない。それを。
それが折れるときこそ見ものだと、ワスは思っている。だから微笑む。
「そろそろ本気を出しますわ」
ほむらの目が見開かれた。今までが本気じゃなかったのか。
ワスの腰が止まった。チンポを先端のギリギリまで抜く。亀頭がワスの膣口に引っかかって、ぷくりと膨らんだカリ首が膣口のくびれに嵌まっている状態。
そこから一気に、腰を落とした。
同時に。
膣肉が蠕動した。ノドでものを飲み込むように。ゴクン、と。
亀頭を、飲み込んだ。
ごくんっ♡♡
ほむらの表情が消えた。
目が見開かれたまま、口が半開きのまま、顔から一切の表情が抜け落ちた。感情の処理が追いつかなかったのだ。快楽が、人間の表情筋の応答速度を超えた。
シャンパンの栓が飛ぶように。亀頭がどこかに消えたように。チンポがワスのおまんこの中に吸い込まれて消滅したような、信じられない射精感。チンポがないのに射精感だけがある。人間が体験できる射精感の限界を、軽々と踏み越えた何か。
「——あ゛っ」
声が出たのは、一拍遅れてだった。
遅れて脳が追いついて、快楽の情報を処理して、表情が崩壊した。目尻が垂れ、口が開き、涙が溢れ、声にならない悲鳴が喉から絞り出された。
射精が始まった。
初めての射精。ほむらのチンポが、ワスのおまんこの中で精液を吐き出し始めた。
びゅくっ♡ びゅくっ♡ びゅくっ♡
その瞬間。
ワスのおまんこが、牙を剥いた。
散々予感だけ与えて触らせなかった子宮口が。チンポが諦めて射精を始めた瞬間に。逆にワスのほうから、降りてきた。
子宮口が、亀頭を迎えに来た。
射精中の敏感な亀頭の先端に、柔らかくて温かい何かが触れた。包むように。咥えるように。子宮口が亀頭の先端をくぱっと開いて、射精の脈動に合わせてくちゅくちゅと揉みしだき始めた。精液の噴出に合わせて吸い、間に合わせて放し、また吸う。脈動のリズムを完璧に読み取って、亀頭を最も気持ちいいタイミングで搾り上げる。
膣肉全体も動いていた。射精を促すように竿と亀頭を入り口から奥へと蠕動させて、精液を子宮の奥へ、奥へ、送り込んでいく。
「あ……あ、あ゛ぁぁ……っ♡♡」
ほむらの背中がベッドから浮き上がった。身体がエビのように反って、腰がワスの身体を突き上げるように跳ねる。射精が止まらない。止めるきっかけがない。精液を出し終わるタイミングが来ない。出しても出しても、子宮口が次を求めて吸い付いてくる。亀頭が溶ける。チンポが溶ける。永遠に射精が止まらないのではないかと思えるほどの快感が、全身を津波のように呑み込んでいた。
栓が抜けた蛇口のように、精液がワスの最奥に注がれ続ける。今までのことも、まどかへの思いも、悪魔としての矜持も、何もかもがワスの子宮口に吸い取られていくような。魂を精液に溶かして搾り取られていくような、破滅的な快楽。
(もう一生このままここで射精し続けていたい)
その誘惑がほむらの思考を侵した。一生。ずっと。このおまんこの中で。このまま。
「ん♡ 射精の脈動が伝わってきますわ」
ワスの声が、遠くから聞こえた。
「精液、全部子宮に送り込んで差し上げます♡ くちゅくちゅ気持ちいいですか……?♡」
腰の上でワスが微笑んでいる。射精で痙攣するほむらの身体の上に座ったまま、息ひとつ乱れず。
「止まりませんでしょう? 永遠に射精が続くような感覚でしょう?」
止まらない。止められない。
「うふふ。それがワルプルギスの口づけですわ」
……と、ワスは言い切ったあと、ほんの少しだけ得意げに顎を上げた。名付けたのはわたくしですの、という顔だった。必殺技に名前を付けるセンス。それを披露したがる性分。どちらも、あの悪魔と根底ではよく似ていた。
もっとも、ほむらにそれを指摘する余裕はなかった。白目を剥きかけたまま、ワスのおまんこに精液をぶちまけ続けている真っ最中なのだから。
やがて。
射精の脈動が、少しずつ弱まっていった。チンポの痙攣が間遠になり、精液の噴出量が減り、最後にびくん、と一度大きく跳ねて、止まった。
ワスがチンポを抜いた。ぬぢゅる……♡ と湿った音を立てて、亀頭がワスのおまんこから滑り出す。精液と膣液の混合物が糸を引いて、べろんとシーツに垂れた。
「このまま全部吸い上げて差し上げても構いませんでしたけれど」
ほむらを跨いだまま、ワスが真上から見下ろして言った。
「それでは面白くないので、この辺にしておきますわ」
ほむらはベッドの上で仰向けに倒れていた。腰が抜けている。指先まで力が入らない。呼吸が荒くて、胸が上下するたびにベッドが軋む。チンポはまだ半勃ちで、精液まみれの竿がだらりと太ももに横たわっている。
「こんなもの……なんとも、ないわ……」
声が掠れていた。強がりだということは、ほむら自身が一番わかっていた。腰が動かない。立ち上がれない。さっきの射精の余韻がまだ全身をびりびりと痺れさせている。
ワスは目を細めて、何も言わなかった。
---
ほむらの呼吸が、ようやく少し落ち着いた頃だった。
ワスがベッドの縁に腰を下ろして、自分の太ももの内側に指を這わせた。フリルスカートの陰から伝い落ちてきた白いものを、指先でたっぷりとすくい取る。それを、ほむらの目の前に掲げてみせた。
「さて。お約束どおり」
指の間で、精液がとろりと糸を引く。
「わたくしの勝ち、ですわね」
「……待ちなさい」
ほむらが身体を起こした。腕が震えている。腰にまだ力が入りにくいのを、腹筋で補って上半身だけ持ち上げた。紫の瞳が、ワスを真っ直ぐに見据える。
「射精はしたわ。でも、あんなのはただの生理現象よ」
ほむらの声に、クールな切れ味が戻りつつあった。射精の余韻で掠れてはいる。しかし、悪魔の目をしている。
「身体が勝手に反応しただけ。心まであなたに屈したわけじゃない。……だから、まだ負けてはいないわ」
ワスが目を丸くした。ほんの一瞬、ぱちぱちと瞬きをした。
それから。
「ええ?」
口元に手を当てて、くすくすと笑い始めた。上品に。明らかに楽しそうに。
「あれだけ盛大にお出しになっておいて、生理現象? わたくしのおまんこの中で、あんなお声まで上げて?」
「……っ」
「ふふ。屁理屈も、そこまで堂々とおっしゃられると、いっそ清々しいですわね」
頬が熱くなった。屁理屈なのは、ほむら自身が一番わかっている。それでも視線だけは逸らさなかった。
「撤回はしないわ」
「……よろしいですわ。面白いですもの」
ワスは笑いを収めて、唇の端だけを上げた。余裕の色は変わらない。人差し指を一本、舞台の口上のように立てる。
「では、こういたしましょう。あなたの精液が一滴残らず空になるまで、わたくしが搾り尽くして差し上げます。金玉の底まで空っぽになって、それでもまだ心は折れていないと、意地を張っていられるかしら?」
「……」
「それまでに一度でもわたくしをイかせることができれば、あなたの勝ちということでよろしくてよ。何発お出しになっても構いませんわ」
「……二言はないわね」
「ええ。わたくし、約束は守る主義ですの」
ほむらがベッドから降りて、床に立った。腰はまだ少しふらつく。目には火が灯っている。チンポも再び完全に勃起していた。まだ精液の残滓が先端にまとわりついている。
ワスも立ち上がった。向かい合う。
「では、衣服の方も、そろそろ」
ワスが軍帽を脱いで、枕元にそっと置いた。指が自分のコートの襟に触れる。白い神官服の留め具が外れ、ベルトが落ち、金色に縁取られたコートが肩から滑り落ちて、黒のインナーが露わになった。レースのフリルスカートを下ろす。ガーターベルトを外す。白いブーツから脚を抜き、黒いソックスを爪先まで巻き下ろす。一枚ずつ、優雅に、まるで舞台の衣装替えのように。
白い肌が、順番に現れていく。
細身で均整の取れた体つき。華奢だが芯がある。胸は控えめで、鎖骨のラインが清潔に浮いている。ほむらとそっくりの体型。腰のくびれ。平らな下腹部。太ももの付け根から覗くのは、さっきほむらのチンポを奈落に沈めたおまんこ。
「あなたも」
「……言われなくても」
ほむらが自分の制服に手をかけた。ブレザーを脱ぎ、リボンを解き、ブラウスのボタンを外していく。ワスほど優雅にはできない。苛立ちを隠さない手つきで、ぞんざいに布地を剥いでいく。太ももに引っかかったままだったショーツを蹴り捨て、ニーハイソックスを下ろして、最後にスカートを落とした。
全裸の二人が向かい合った。
瓜二つの身体。赤い瞳と紫の瞳。紫がかった黒髪と漆黒の黒髪。同じ輪郭、同じ鎖骨、同じ控えめな胸。鏡の前に立っているような光景。ただし片方の股間にはチンポがそそり立っていて、もう片方にはそれを飲み込んだ名器がある。
「何度でもやり直す……か」
ほむらが小さく呟いた。独り言だった。かつて時間遡行を繰り返していた頃の、自分自身への言葉。
ワスがそれを聞いて、少しだけ目を細めた。何かを思い出したような顔。が、何も言わなかった。
ほむらがワスの肩を押した。ワスがベッドに倒れ込む。抵抗しない。それどころか「あら、お強い」と笑いながら仰向けになった。脚を開く。おまんこが無防備にほむらの前に晒された。
ほむらが覆い被さった。上からワスを組み敷いて、腰の位置を合わせる。チンポをワスのおまんこに押し当てて、一気に腰を落とした。
ぬぢゅるっ♡
奈落が、また始まった。蠕動がチンポを奥へ引き込む。子宮口の幻が亀頭を焦がす。底なしの快楽が全身を飲み込もうとする。
構わず腰を振った。
もう射精しても構わないのだ。いくら出しても。ワスをイかせればいい。精液がロケットランチャーなら、何十発でも撃ち込めばいい。ミサイルの雨を降らせるように。あの時間遡行で何度もそうしたように、火力で押し切る。それがほむらのやり方だった。
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
腰の衝突音が白い部屋に響く。ほむらの下腹部がワスの下腹部に叩きつけられるたびに、肉と肉がぶつかる乾いた音が弾ける。
射精した。
腰を振りながら、チンポがワスの最奥に精液を吐き出す。射精の快感が全身を貫く。ワルプルギスの口づけが発動して、子宮口が亀頭に吸い付く。信じられない快楽が脳を灼く。それでもほむらは腰を止めなかった。
精液を吐きながら、ピストンを続ける。射精中のチンポで、ワスのおまんこを突き続ける。精液の連射。ワルプルギスの夜に打ち込まれるロケランやミサイルの雨のように、ワスの最奥に精液が降り注ぐ。
「っ……はっ……こ、れで……どう……っ♡」
声が快楽で歪んでいる。それでも目は死んでいない。紫の瞳がワスの赤い瞳を見据えて、悪魔の意地で腰を振り続ける。
ワスは、組み敷かれながら表情を変えなかった。
長い髪がベッドに広がっている。ほむらの腰が打ちつけられるたびに身体が揺れて、紫がかった黒髪が波のようにうねる。白い肌にうっすらと汗の光沢が浮いている。それだけ。息は乱れていない。表情は崩れていない。
「そう。もっとお撃ちなさいな」
諭すような声だった。
「ロケットランチャーでもミサイルでも。あなたのザーメンでも。わたくしには効きませんことよ」
効いていない。
何発射精しても、ワスは平然としている。精液を受け止めて、子宮口で吸い上げて、涼しい顔のまま。ほむらだけが快楽で崩壊しかけている。攻めているはずなのに。攻撃しているのはほむらのほうなのに。撃てば撃つほど、自分だけが消耗していく。
かつてのワルプルギスの夜との戦いと、同じ構図だった。
ぬちゅっ♡ ぬちゅっ♡
ワスの膣肉がランダムなタイミングで蠕動した。魔女のうわばみ。ピストンの最中に不意打ちで亀頭をゴックンと飲み込む。
「あ゛っ……!」
ほむらの動きが一瞬止まった。悶絶。腰が引きつって、チンポがワスの奥で跳ねる。またそこにワルプルギスの口づけが重なった。射精中の亀頭を子宮口が迎え撃つ。
「ひ……っ♡♡ やっ……射精、してる、最中に……っ♡」
「ん♡ 何発目ですの? 数えていらしたのでしょう?」
数えていない。もうわからない。三発目か四発目か。頭がぐちゃぐちゃで、射精の切れ目がわからなくなっている。
最後の一撃。ワスの最奥に腰を叩きつけて、精液をありったけ吐き出した。魔女のうわばみとワルプルギスの口づけの同時攻撃が亀頭を食い尽くして、ほむらは白目を剥いて痙攣した。
腰から力が抜ける。ワスの上に崩れ落ちるように覆いかぶさって、動けなくなった。荒い息がワスの鎖骨にかかる。
「ほら、そんなことではいつまでたってもわたくしをイかせられませんわよ?」
ワスの声が、ほむらの耳元でやわらかく響いた。
「仕方ないのでわたくしのほうから動いて差し上げますわ」
ワスの手が、ぐったりとしたほむらの身体を横に転がした。
仰向けにされた。まだ力が入らない。チンポだけが元気に天井を向いて突っ立っている。持ち主の疲弊など知ったことではないとばかりに、びんびんに勃起したまま。
ワスがほむらの腰をまたいだ。今度はほむらに背を向けて。
ほむらの目の前に、ワスの背中と腰とお尻があった。白い肌。華奢だが丸みを帯びたお尻。その間に、さっきまでほむらの精液を何発も受け止めたおまんこが見えている。割れ目からとろりと白いものが垂れかけていて、赤みがかった粘膜がてらてらと濡れていた。
そしてその下に、ほむらのチンポ。
ワスの手がチンポを掴んで、自分のおまんこにあてがった。
ぬぢゅるっ♡
背面から飲み込まれた。
ワスの腰が落ちていく。チンポが奈落に沈んでいく。何度目かの挿入なのに、慣れない。慣れるわけがない。蠕動が始まるたびに全身の毛穴が開いて、底なしの快楽が足の裏から頭のてっぺんまで駆け抜ける。
ほむらは目の前の光景から目を逸らそうとした。
逸らせなかった。
自分のチンポがワスのおまんこに飲まれていく光景が、真正面に見える。竿が膣口に吸い込まれて、ずるずると短くなっていく。根元まで沈むと、結合部からじゅわっと混ざり合った液体が滲み出して、ほむらの下腹部に垂れる。
「では、動きますわね」
ワスの腰が上下し始めた。
ぬちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ぐちゅっ♡
ワスのお尻が上下するたびに、チンポが奈落おまんこに出入りする。引き上げられるときに蟻地獄のカリ吸いが来て、叩き落とされるときに奈落の蠕動が来る。目の前で自分のチンポが使われている光景を強制的に見せられながら。
「っ……ん……っ♡」
ほむらは奥歯を噛み締めた。腰に力を入れて、下から突き上げようとする。ワスをイかせるために。反撃するために。
突き上げるたびに、奈落おまんこの快楽がチンポに返ってくる。自分で突いた分だけ自分が気持ちいい。反撃のつもりが自爆になっている。
「もっと気持ちよくして差し上げますわ」
ワスの手が、結合部のほうへ伸びた。
チンポがワスのおまんこに埋まっている、そのすぐ下。ほむらの股間。チンポの根元の下には、ほむら自身のおまんこがある。ふたなりの身体。チンポの付け根とおまんこの入り口が隣り合っている。
ワスの指が、ほむらのおまんこに触れた。
「っ……! な、何を——」
「あら。こちらもずいぶん濡れていますわね。おちんちんばかり気にしていらしたけれど、おまんこのほうも正直ですのね」
ほむらのおまんこは、とっくにびしょびしょだった。チンポで射精するたびに、使っていないほうの穴までひくひくと脈動して、愛液を垂れ流していた。ほむら自身、気づかないふりをしていた。
ワスの中指が、ほむらのおまんこに沈んだ。
「やっ……そこ……触らないで……っ!」
「ふふ、嫌とおっしゃっても、こんなに濡れていらっしゃるのに」
指が奥に進む。膣壁の内側を探るように、前壁を、ゆっくりと撫で上げていく。
見つけた。
ちょうど金玉の裏側の位置。膣の前壁にある、少しざらついた一点。ほむらが知る由もない、ふたなりの身体にしか存在しない急所。チンポの根元の裏側からGスポットを押されると、金玉の奥を直接揉まれるような刺激が走る。
ワスの指が、そこをぐりっと押した。
「——ひっ♡♡」
ほむらの腰が跳ね上がった。今まで経験したことのない刺激。チンポの快感ともおまんこの快感とも違う、第三の場所から湧き上がってくる、得体の知れない快楽。
「な……なに……そこ……知らない……っ! こんな、場所……っ♡」
「あらぁ~。知らなかったのですか?」
からかう声の中に、本気の驚きが混じっていた。自分の身体のことなのに、とでも言いたげに。
「ふたなりの泣き所ですわ。おちんちんの裏側から、おまんこの中のここを押すと」
ぐりっ♡
「ひぁっ♡♡♡」
びゅるるっ♡
精液が吹き上がった。チンポの先端から、何の前触れもなく。射精の意識もなく。ただ押されただけで、金玉の底から精液が絞り出された。
同時に、ワスのもう片方の手が金玉を包むように掴んだ。柔らかく、それでいて的確に。金玉を手のひらで転がしながら、中指はGスポットをぐりぐりと刺激し続ける。
チンポは奈落おまんこに飲まれている。金玉はワスの手に揉まれている。ほむらのおまんこの中のGスポットはワスの指に押されている。
三点責め。
「あ゛っ♡ あ゛、あ……やだ……三つ……同時に……っ♡♡」
ほむらの身体がベッドの上で跳ねた。背中が反る。手がシーツを引きちぎりそうなほど掴む。頭がのけぞって、黒髪がベッドに扇のように広がった。
チンポの快感。おまんこの快感。金玉の快感。三方向から同時に押し寄せる快楽の波が、ほむらの脳の中でぐちゃぐちゃに混ざり合った。どこが気持ちいいのか区別がつかない。全部だ。全部気持ちいい。身体の全部がワスの手のひらの上で踊らされている。
ワスのおまんこがチンポから精液を吸い上げ続ける。金玉が揉まれるたびに新しい精液が持ち上がってくる。Gスポットを押されるたびに、身体の芯が痺れて腰の制御が効かなくなる。
ぬちゅっ♡ ぐちゅっ♡ くちゅっ♡
結合部から淫靡な水音が響く。ワスの膣液とほむらの精液と愛液が混ざり合って、シーツに染みを広げていく。
「ほら、もっとお出しなさいな。金玉にまだ残っていますわよ?」
「やめ……っ♡ やめて……こんなの……反則……っ♡」
「反則?」
ワスが肩越しに振り返った。きょとんとした顔。
「特にルールは決めておりませんでしたけれど。おちんちんとおまんこを同時に使ってはいけないなんて、どこにも」
正論だった。悔しいくらい正論だった。
ほむらの目尻から涙がこぼれた。快感の涙。悔しさの涙。両方が混じった、ぐちゃぐちゃの涙。
それでもまだ折れない。
「こんなもので……私は……っ♡」
声が震えている。涙声になっている。チンポからは射精が続いている。おまんこからは愛液が溢れている。金玉はワスの手に搾られている。全身がワスの支配下にある。
それでもほむらは言った。
「……折れないわ」
ワスの指が、一瞬だけ止まった。
赤い瞳がほむらの顔を見た。涙まみれの、精液まみれの、汗まみれの。それでも紫の瞳だけは死んでいない顔を。
(……強情な悪魔ですこと)
ワスは微笑んだ。少しだけ嬉しそうに。相手に敬意を払うように。
指を抜いた。金玉を離した。チンポをおまんこから抜いた。
ぬぽっ♡
ほむらの身体がベッドに沈んだ。びくびくと痙攣が続いている。呼吸が荒い。全身が汗と涙と体液でぐしょぐしょだった。
目は、まだ開いている。
---
ほむらが立ち上がった。
膝が笑っている。太ももの内側が痙攣して、まっすぐ立てない。それでも壁に手をついて身体を支え、二本の脚で床を踏みしめた。
チンポが前を向いている。何度射精しても萎えない。魔力で生やされたチンポは魔力が尽きない限り無限に勃起し続ける仕様らしい。持ち主の体力は底をつきかけているのに、チンポだけが元気だった。
「……まだ、やれるわ」
ワスがベッドの縁に腰を下ろしたまま、ほむらを見上げた。赤い瞳が丸くなっている。
「まぁ。まだ立てますの?」
「立てるわよ。立てない理由がないもの」
嘘だった。立つだけで精一杯だった。嘘を吐いてでも、立たなければならない。悪魔だから。何度倒されても立ち上がる。それが暁美ほむらだから。
「ほら。立ちなさい。背中を向けて」
命令口調。クールな声に、わずかに掠れが混じっている。それでもほむらの声だった。高圧的で、有無を言わさない声。
ワスが立ち上がった。素直に背中を向けて、白い壁に両手をつく。腰を後ろに突き出した。抵抗しない。する必要がないからだ。
ほむらがワスの背後に立った。華奢な背中。白い肩甲骨。腰のくびれ。ほむらとそっくりの体型が、ほむらの目の前にある。
後ろからワスの腰を掴んだ。チンポをおまんこに押し当てる。
「入れるわよ」
「どうぞ」
ぬぢゅっ♡
奈落が始まる。何度目でも慣れない。膣肉がうねってチンポを飲み込み、底なしの快楽が全身を襲う。息を止めた。気合で腰を動かす。
後ろから、ワスの中を突き上げる。
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
腰を叩きつけるたびに、ワスの白いお尻が揺れる。ぷるんと弾力のある丸みが、ほむらの下腹部に押し潰されて変形して、離れるとまた元に戻る。
射精は止まらなかった。突くたびに精液がワスの奥に流れ込む。もう何発目かわからない。射精のたびに快楽で腰が折れそうになる。奈落のうねりに搾られるたびに、亀頭が溶ける。
それでも腰を止めなかった。
ワスの中を突いている。この憎きワルプルギスの夜の、おまんこを。何度も何度も時間を巻き戻して戦った相手の、身体の奥を。
記憶が重なった。
瓦礫と豪雨の見滝原。逆さまに浮かぶ、巨大な歯車の魔女。対戦車ミサイルの発射音。タンクローリーの爆炎。迫撃砲の着弾。何十発、何百発と撃ち込んだ。撃って、撃って、撃ち尽くして、それでも甲高い笑い声は止まなかった。あの嘲るような高笑いが、今も耳の奥にこびりついている。
その相手が今、目の前で白い尻を突き出している。
ぱんっ、と腰を叩きつけた。尻肉が波打って、精液が奥で弾ける。
(この……っ)
ぱんっ。
(喰らいなさい……っ)
ぱんっ、ぱんっ。
ロケットランチャーの引き金を引いた瞬間の、肩に来る反動。一直線に飛んでいくミサイルの白い軌跡。あのときは、一発も届かなかった。今は違う。撃てば撃っただけ、ワルプルギスの夜のいちばん奥に、確実に叩き込まれていく。好き放題に。何発でも。
「喰らえ……っ、喰らえっ……! この、魔女め……っ!」
声に出ていた。本人は気づいていない。
(やっつけてやる……今度こそ……っ)
子供じみた衝動だった。泣きわめきながら手近なものを殴りつける子供と、何も変わらない。尻を掴む指に力がこもって、白い肌に赤い指の跡が浮く。腰を打ちつける音が、どんどん荒く、乱暴になっていく。
気づいたら、顔がにやけていた。
ワスのお尻に腰を叩きつけるたびに、唇の端が上がっている。メスのケツに種付けし続けるオスの本能的な充実感。それだけじゃない。憎い敵を犯しているという、歪んだ満足感。射精のたびに「これでも足りないのか」とチンポで問いかけて、足りないとわかっているのにまた撃ち込む。足りなくてもいい。撃ち込むこと自体が気持ちいい。ワスのおまんこを突くのが、楽しい。
(……楽しい?)
浮かびかけたその言葉を、ほむらは握り潰した。違う。これは戦いだ。まどかを守るための戦い。楽しんでいいわけがない。
腰は止まらなかった。
「うふふ、暁美ほむら」
ワスの声が、背中を向けたまま飛んできた。
「『喰らえ』ですって。まるで、わたくしを退治なさっているおつもりみたい」
心臓が跳ねた。
声に、出ていた。
「楽しくなってきたのではなくて?」
ワスが肩越しに振り返った。赤い瞳が、ほむらの顔を見て、細くなる。
「ほら、やっぱり。にやけていらっしゃる」
「にや……っ! そんなわけないでしょう……っ!」
「あら。では、鏡でもお出ししましょうか?」
「必要ないわ! 私はただ、あなたを倒すために……っ! 楽しんでなんか、いない……っ!」
声が裏返った。否定の言葉を重ねるほど、腰の動きがかえって速くなる。チンポはワスのおまんこを突き続けている。射精しながら。にやけながら。否定しながら。
(違う……違う、違う……っ)
図星だった。自分でもわかっていた。わかっていたから握り潰したのに、この魔女はその拳を指一本ずつこじ開けて、中身を目の前に突きつけてくる。
かつてあれほど憎んだ敵のおまんこを突きまくって、にやついて、「喰らえ」などと口走って。宇宙を創り変えた悪魔の矜持など、どこにもない。自己嫌悪が喉元までせり上がる。それなのに、熱くなった頬のすぐ下で、唇の端がまだ上を向いたままだった。
「ふふ。否定なさるのに、腰はお止めにならないのですね」
ワスは涼しく笑った。全部見透かしている声だった。怒りも嘲りも混じっていない。夢中で玩具を振り回す子供を眺めるような、ひどく余裕のある声。
「っ……それは、あなたを、イかせるために……っ!」
「ええ、もちろん。では、もっと奥に、もっと深くいらっしゃい。わたくしのおまんこは、あなたを歓迎しておりますの♡」
奈落おまんこの吸い込みが強まった。チンポを奥へ奥へと引き込む。ワスに「歓迎」されている。チンポが。身体が。
「ほら、もっとお撃ちなさいな。足りませんわ」
足りない。何発撃っても足りない。ワスは平然としている。あの顔のまま。射精を受け止めて、精液を子宮に送り込んで、それでも息ひとつ乱れない。
ほむらだけが気持ちよくなっている。ほむらだけが消耗している。ほむらだけが顔をにやけさせて、ワスのおまんこの虜になりかけている。
「マルグリートのことが頭にちらつきますの?」
ワスがぽつりと言った。声のトーンが変わらない。穏やかで、優雅で、残酷。
「でもあなたの腰は止まりませんわよね?」
まどかの顔が脳裏に浮かんだ。ピンクの髪。笑顔。
罪悪感が胸を刺した。あの子のために戦っているのに。あの子がこの世界で幸せに暮らせるようにと願っているのに。そのためにワスと戦っているのに。
なのにチンポは止まらない。ワスのおまんこが気持ちよすぎて、腰が勝手に動く。
(あの子のために……ワスを倒すんだ)
自分に言い聞かせた。本当にそれだけか? と聞き返す声が、脳の片隅で響いた。本当に「まどかのため」だけか。ワスのおまんこを突くのが楽しくなっている自分は、本当に「まどかのため」に腰を振っているのか。
答えを出す前に、また射精した。
ごぷっ♡ どくんっ♡
精液がワスの奥に注がれる。その瞬間だった。ワスの身体が、確かに、跳ねた。
太ももの内側が震えて、チンポを包む膣肉が一瞬だけきゅうと締まった。背中を向けているから表情は見えない。だが、確かに感じた。ワスの身体が、ほむらの精液に反応した瞬間を。
(……今の。いま、ワスが……)
効いている。あのワルプルギスの夜が、私の射精に反応している。全身に電流が走るような歓喜だった。何を撃ち込んでも倒せなかったあの存在が、ついに、私の精液に震えている。
「……あら」
ワスが小さく呟いた。いつもの調子だった。しかし、一拍、間があった。
「今のは気のせいですわ。うふふ」
背中を向けたままの声は、芝居がかった優雅さのままだった。あの一拍は、何だったのか。ほむらの腰は止まらない。追い打ちをかけるように、次の射精がすぐに持ち上がってくる。
「たくさん出しますわね。気持ちいいのでしょう? わたくしのおまんこ♡」
答えなかった。答えられなかった。
気持ちいい。認めたくないのに、気持ちいい。こんなに気持ちいいおまんこがこの世に存在するなんて信じられないくらい。
ワスは反撃しなかった。このターンでは魔女のうわばみもワルプルギスの口づけも使わなかった。ほむらに好きにさせて、精液を受け止めるだけ。それがかえって焦燥を煽った。
あの一拍きり、ワスは二度と揺らがなかった。
どれだけ射精しても効かない。どれだけ腰を振っても、ワスは平然としている。
かつてロケットランチャーを何十発撃ち込んでもびくともしなかったワルプルギスの夜と、同じだった。
最後の射精がチンポの奥で弾けて、ほむらの膝が崩れた。ワスの腰にしがみつくようにして体勢を崩し、チンポがずるりとおまんこから抜けた。
ぬぽっ♡
床に膝をついた。息が荒い。チンポからだらだらと精液の残りが垂れている。
腰から力が抜けている。また、動けなくなった。
ワスが振り返った。いつもの顔。
「お疲れさまですわ、悪魔さま」
ほむらは答えなかった。床に膝をついたまま、荒い息を吐いている。
唇の端が、ほんの少しだけ歪んでいた。悔しさか、それとも名残惜しさか。ほむら自身にもわからない表情だった。
---
ワスがほむらの足首を掴んだ。
「最後ですわ」
床に膝をついていたほむらの身体が、ベッドの上に引き上げられた。仰向けに。両足をワスの両手が持ち上げて、ほむらの太ももが胸の前に折り畳まれる。
ワスが上からのしかかった。
ほむらの両脚を押さえながら、腰を密着させる体勢。上からワスの全体重がほむらにかかっている。逃げ場がない。抵抗するだけの力がほむらの身体に残っていない。
「待って……っ」
「待ちませんわ」
チンポがワスのおまんこに飲み込まれた。
ぬぢゅるっ♡♡
上から押し込まれる角度。今までとは挿入の深さが違った。重力とワスの体重がチンポを最奥まで押し込んで、うねる膣肉が亀頭を底なしの奈落に引きずり込む。
ほむらの目が白くなりかけた。
「あ……あ゛っ……♡♡」
ワスのピストンが始まった。今までとは次元の違う攻め。
全力だった。
腰の動きが速い。深い。ストロークのたびに奈落おまんこが亀頭を奥へ吸い込んで、引き抜くときに蟻地獄がカリ首を食い千切ろうとする。魔女のうわばみが不規則に混じる。三回に一回、五回に一回、予測不能なタイミングで亀頭をゴックンと飲み込んで、ほむらの身体を跳ね上がらせる。
射精した。ワルプルギスの口づけが来た。子宮口が亀頭を咥え込んで精液を吸い上げる。まだ射精が終わらないうちに次のピストンが始まる。射精しながら突かれる。突かれながら射精する。どこが始まりでどこが終わりかわからない。快楽の連続が途切れない。
ぐちゅっ♡ ぬちゅっ♡ ぐぢゅっ♡♡
「ひっ……♡♡ あっ……あ゛ぁ……っ♡♡」
頭がまともに回らなくなっていた。
世界のことが遠い。まどかのことが遠い。「何のために戦っているのか」という問いが、快楽の奔流に呑み込まれて溶けていく。
あと一歩で完全に堕ちる。
その瀬戸際に立っていた。
ワスの腰の動きが変わった。ほむらの足を放して、腰の上にまたがり直す。前かがみになる。
ほむらの目の前に、ワスの顔があった。
近い。
瓜二つの顔。赤い瞳と紫の瞳。同じ輪郭。同じ鼻の高さ。同じ唇の形。自分の顔を見ているような。鏡を覗き込んでいるような。だが、鏡に映っているのは自分ではなく、自分と同じ孤独を抱えた別の誰か。
ワスの黒髪がカーテンのように垂れ下がって、二人の顔を外界から隔てた。紫がかった毛先がほむらの頬をくすぐる。
ワスの唇が、すぐ近くにあった。
赤い瞳が、ほむらの紫の瞳を覗き込んでいる。いつもどおり、凪いでいる。
それだけではなかった。
赤い瞳の奥に、ほんの少しだけ、別のものが見えた。余裕でも超然でもない何か。ほむらを見つめるその目に宿った、微かな熱。何百年も生きてきた魔女の集合体の、その奥の奥に。
ワスの唇が、ゆっくりと近づいてきた。
「やめ……なさ……」
抵抗しようとした。顔を背けようとした。腕を突っ張って押し返そうとした。
力が入らなかった。
ワスの唇が、ほむらの唇に触れた。
柔らかかった。そう感じるより先に、唇の下に小さな震えがあった。ワスの唇が、微かに。触れ合った瞬間だけ。
温かかった。その温かさの奥に、自分と同じ動揺があることを、ほむらは唇で知った。目の前の白い頬に、うっすらと紅が差している。この魔女が、熱を持っている。
ただそれだけのことだった。唇と唇が触れ合うだけの、単純な接触。なのにほむらの全身を、電流のような衝撃が貫いた。チンポの快楽でも、おまんこの快楽でもない。もっと深いところ、胸の奥の、感情の一番柔らかい場所を、ワスの唇がつついた。
ほむらは嫌がった。
嫌がっているのに、唇が応えていた。ワスの唇の形に合わせて、自分の唇が開く。ワスの舌が入ってくる。温かくて、柔らかくて、ぬるい。ほむらの舌が、それを迎えた。自分から。
ディープキス。
ワスの舌とほむらの舌が絡み合った。唾液が混ざる。呼吸が混ざる。ワスの吐息がほむらの口腔を満たして、ほむらの吐息がワスの口腔に流れ込む。境界が溶ける。どちらの唇がどちらの舌に触れているのかわからなくなる。
キスしながら、ワスの腰は止まらなかった。ゆっくりとした深いストロークで、チンポを奈落おまんこの奥に沈めて、持ち上げて、また沈める。
ほむらの心が、一瞬。
ほんの一瞬だけ。
完全に陥落した。
何もかもを手放した瞬間があった。悪魔のプライドも、まどかへの想いも、この世界を守る使命も、ワスへの敵意も。全部が消えて、ただワスの唇と舌とおまんこの感触だけが世界の全部になった。
(このまま……沈みたい……)
奈落の底に。ワスと一緒に。何も考えなくていい場所に。
どぴゅるるるっ♡♡♡
キスしながら、深い深い射精が来た。腰の奥から搾り出されるような、内臓が裏返るような。精液ではなく魂を吐き出しているような絶頂。ワスの子宮口がそれを受け止めて、子宮の奥に送り込んで、全部を飲み干した。
ほむらの目から涙が溢れた。止まらなかった。キスの合間から嗚咽が漏れる。
何の涙かわからなかった。快楽の涙。悔しさの涙。陥落した自分への絶望。それとも、キスが気持ちよかったから。
ワスの舌がゆっくり引いていった。唇が離れる。唾液の糸が一瞬だけ繋がって、切れた。
ほむらは顔を背けた。歯を食いしばって、ワスの唇から離れた。
「……っ、ふざけないで……」
声にならなかった。涙と唾液と嗚咽で、言葉がぐちゃぐちゃに崩れている。
その一言だけは、吐いた。
一瞬の陥落から、ほむらは戻ってきた。快楽と感情の津波に呑み込まれて、底の底まで沈んで、それでも浮かび上がってきた。紫の瞳がまだ光っている。涙に滲んでいる。しかし、死んでいない。
ワスが、ほむらの顔を見下ろしていた。
口元の笑みは、いつもと同じ。ただ、赤い瞳の奥に、ほんの一瞬。
瞬きに似た何か。驚きとも感嘆とも、もっと別の何かとも取れる、微かな揺らぎ。
まだ壊れないのか、この悪魔は。
ワスは何も言わずに、ほむらの腰からゆっくりと身体を起こした。チンポが奈落から滑り出て、ぬぢゅる……♡ と精液の糸を引いた。
---
「では、仕上げですわ。お約束どおり、もう残っていないか確かめて差し上げますわね」
ワスがほむらの脚の間に膝をついた。
チンポは、もうほとんど力が残っていなかった。勃起はしている。魔力のチンポだから萎えはしない。が、先端から垂れ流しになっている精液は薄くなっていて、竿の脈動も弱い。金玉がしぼんでいる。ほむらの身体が、限界に近づいていた。
ワスの唇が、チンポに触れた。
最初のフェラとは、別物だった。
あのときは手加減していた。チンポの反応を確かめるような、探るような、試食のような口技だった。
今の口は違う。
唇がチンポの根元まで一気に飲み込んだ。喉の奥まで沈める。嚥下。喉壁が亀頭を絞めて、食道の入り口が竿の先端を吸い込もうとする。それを引き抜きながら、唇が竿の全面を均一な圧力でしごき上げる。亀頭が口の中に戻ったところで舌が巻き付いて、カリ首の裏を舐め上げながら尿道口の先端を舌先でくりっとねぶる。
全部が同時だった。
一つの動作の中に十の技が詰まっている。唇と舌と喉と手が、独立した生き物のように同時に動いて、チンポの全感覚器を同時に刺激する。
じゅぷっ♡♡ じゅるるっ♡♡
バキューム。頬が窪むほどの吸引。竿の中にある精液を、尿道を通じて直接吸い出すような圧力。チンポの表面から竿の芯まで、骨を抜かれるような快感が貫いた。
「っ……はっ……あ、あぁ……っ♡」
ほむらの声が漏れた。もう抑える気力がない。頭がのけぞって、黒髪がシーツに広がる。手が虚しくシーツを掴む。
ワスの手が金玉を包んだ。揉む。底に残った最後の精液を、手のひらで金玉の下から持ち上げるように押し出す。金玉の中身が尿道を通じてチンポの先端まで吸い上げられていく。
もう何も残っていない。残っていないのに、ワスの口が搾り続ける。空っぽの金玉を揉まれて、空っぽの尿道を吸われて、それでも身体は射精しようとする。快感だけが延々と続く。出るものがないのに射精感だけがある。
「お願い……」
ほむらが言った。
声が小さかった。掠れていた。涙で濡れた顔で、天井を見つめたまま。
「もう……許して……」
悪魔ほむらが「お願い」と言った。
宇宙を創造した悪魔が。何度も時間を遡行してワルプルギスの夜に立ち向かい続けた少女が。まどかを守るために世界を書き換えた存在が。
「お願い」と言った。
ワスの口が止まった。
赤い瞳がほむらの顔を見上げている。唇が、ゆっくりと竿を離れていく。精液と唾液の膜が張って、伸びて、切れた。
亀頭が唇の輪を抜けた、その瞬間だった。ほむらのチンポが、最後の力で跳ね上がった。金玉の底の底から搾り出された最後の一滴が、チンポの先端から放物線を描いて飛んだ。
ワスの顔に、かかった。
びゅるっ♡
精液が、ワスの頬を横切った。目元を伝い、鼻筋を越えて、唇の端に垂れる。もう一筋が額から紫がかった黒髪の生え際に落ちて、前髪に白い筋を作った。
ワスは目を閉じなかった。精液が顔にかかるのを、赤い瞳を開けたまま受け止めた。拭いもしない。
精液が目元を伝い落ちる。頬骨の上を滑って、顎先からぽたりとシーツに落ちた。
ワスが微笑んだ。赤い瞳を細めて。精液で汚れた顔で。
「ふふ……完敗ですわね、暁美ほむら」
勝者の声だった。余裕に満ちて、揺るぎない。
精液まみれの唇がそのセリフを紡ぐ姿は、滑稽であると同時に、どこか壮絶だった。顔面にぶっかけられてなお微笑みを崩さない存在を、何と呼べばいいのか。
ほむらは答えなかった。答える力が残っていなかった。仰向けのまま、ぼんやりと白い天井を見つめている。チンポはようやく勃起を諦めて、精液まみれのまま太ももの上に倒れた。身体のあちこちがびくびくと痙攣を続けている。意識は朦朧としていて、指先の感覚がない。
◇ ◇ ◇
どのくらい時間が経ったのかわからなかった。
気がつくと、ほむらはベッドの上に横たわっていた。身体に力が入らない。チンポは完全に萎えて、使い終わった道具のように太ももに張り付いている。全身が汗と精液と涙でべたべたで、シーツは見られたものではない状態だった。
腰が動かない。立ち上がる気力がない。まばたきすら億劫。
ワスは白い空間の中央に立っていた。
いつの間にか変身後コスチュームを整え直している。白い神官服のロングコート。金色のトリム。軍帽。レースのフリルスカート。さっきまで全裸でほむらのチンポにまたがっていたのが嘘のように、きちんとした姿に戻っている。
顔の精液は拭き取っていた。ただ、前髪の一房にだけ、白い筋の痕が微かに残っている。本人が気づいていないのか、気にしていないのか。
「それではこの世界で好きにさせていただきますわ」
静かな宣言だった。勝者の権利を行使する声。
「ぐっ……」
ほむらが唇を噛んだ。悔しい。悔しいのに、反論する気力が湧かない。身体中が快楽の残り火でじんじんと痺れていて、怒りに変換するべきエネルギーが残っていなかった。
ワスが軍帽の角度を指先で直しながら、ベッドの上のほむらを見下ろした。その視線が、太ももに張り付いたチンポのところで止まる。
「まぁ。すっかり小さくなって」
しみじみとした声だった。
「最初に拝見したときよりも、ずっと可愛らしいですわ。ふふ……ああ、それから」
人差し指を、ぴんと立てる。
「また白いのが溜まって苦しくなったら、いつでもお相手いたしますわ、悪魔さま。今日のように、一滴残らず空っぽにして差し上げますから」
「……誰、が……っ」
声が掠れて、最後まで続かなかった。言い返す言葉なら山ほどある。それを押し出す力が、喉にも腹にも残っていない。できたのは、せめて顔だけでもとシーツに頬を押し付けて、視線を逸らすことだけだった。
萎えたチンポの根元が、ぴくりと疼いた。ほむらは、それに気づかなかったことにした。
ワスが歩き出した。白い空間の奥へ。去っていく。
足が止まった。
振り返った。
「暁美ほむら」
声のトーンが、違った。
芝居がかった優雅さが、消えていた。丁寧な言葉遣いは同じ。だが、その声は、舞台役者のものではなかった。もっと素朴な、飾り気のない声。何百年も存在してきた魔女の集合体の、その核にいる一人の少女の声。
「お気に召したのなら……また、お相手してあげますわ」
微笑み。
不気味で、穏やかで、深い。
だが、ほんの少しだけ。ほんの少しだけ、温かいものが混じっていた。ほむらと同じ孤独を知っている者の、共感。ほむらの折れなさに対する、敬意。そしてもしかしたら、これから先もこの世界で出会い続ける相手への、微かな期待。
「ごきげんよう」
ワスが微笑んだまま、白い空間の奥に消えていった。コートの裾がふわりと翻って、紫がかった黒髪の毛先が最後に揺れて、見えなくなった。
---
一人残された。
白い空間に、ほむらだけがいる。ベッドの上で仰向けに倒れたまま、白い天井を見つめている。
身体のあちこちがまだ痺れていた。チンポの感覚が戻ってきて、使い果たした金玉がじんじんと鈍く痛む。おまんこの奥もまだ疼いている。全身が、ワスの痕跡で満たされている。
奈落おまんこの記憶。亀頭が沈んでいった、あの底なしの感触。蠕動に飲まれて身体が浮いた感覚。子宮口が迎えに来たときの、頭が真っ白になる快楽。
キスの感触。柔らかくて、温かくて。涙が出るほど。
チンポはもう萎えているのに、身体が覚えている。おまんこの奥がひくひくと脈動して、下腹部にぬるい熱がわだかまっている。
(あの子のために戦っていたのに……私は……)
まどかの顔が浮かんだ。ピンクの髪。笑顔。何も知らずにこの世界で暮らしているまどか。
罪悪感が胸を刺す。だが、その奥に。
否定できない熱があった。
あの快楽の記憶が、恐怖としてではなく、別の何かとして残っている。怖い、ではなく。もう一度味わいたい、でもなく。もっと曖昧な、言語化できない熱。ワスのおまんこがこの世に存在するという事実が、ほむらの身体の奥で燻っている。
ほむらは、拳を握った。
痺れた指が、シーツの上でゆっくりと丸まる。力が入らない。入らないのに、握った。
「……次は、負けないわ」
声が掠れていた。ほとんど息だけの声。掠れた声で、確かにそう言った。
立ち上がろうとした。
腰が崩れた。
膝がベッドの上で折れて、そのまま横に倒れ込んだ。全然ダメだった。腰から下が言うことを聞かない。
「……結局」
横向きに倒れたまま、ほむらは呟いた。
「ワルプルギスの夜には、いつも勝てないのかしら」
何度でもやり直す。何度時間を巻き戻しても勝てなかった。今度はセックスに姿を変えて、同じ結末。ほむらが全力で挑んで、ワルプルギスが平然と受け止めて、ほむらが崩れ落ちる。同じ構図。同じ敗北。
しかし、ほむらは何度でも立ち向かう。
それもまた、同じだった。
「……あの、魔女め……っ」
小さく。だが、確かに。
唇の端に、不敵な笑みが浮いた。悔しくて、情けなくて、おまんこの奥がまだ疼いていて。それでもほむらの目は、もう前を向いていた。
白い空間に、精液と汗の匂いが漂っている。シーツの染みは乾きかけている。窓はない。時計もない。ワスが消えた方向の白い壁が、ぼんやりと光っている。
ほむらは横向きに倒れたまま、その白い光をじっと見つめていた。
次に会うときは。
次は。
紫の瞳が閉じる。疲労が意識を引きずり込む。身体中の力がとろとろと溶けていく。
瞼の裏に、赤い瞳が浮かんだ。穏やかに微笑んでいる。
ほむらは、その幻にだけ見えないように、小さく歯を食いしばった。