搾精都市神浜~魔法少女たちのエッチな短編集~ 作:黒蓮/クロハス
暗い。
それが、少年の意識に最初に浮かんだ言葉だった。
瞼の裏に滲む鈍い痛みをこじ開けるように目を開けると、ぼやけた視界に高い天井が映った。薄暗い照明。古びたシャンデリアの残骸が、蔦のように絡まった配線ごと吊り下がっている。壁には巨大なキャンバスが無造作に立て掛けられ、その隣には絵の具のチューブが山のように崩れていた。赤、青、黄。毒々しい原色が床にまで飛び散って、まるで誰かの臓物をぶちまけたような——
——ここは、どこだ。
身体を起こそうとして、できなかった。手首に冷たい金属の感触。足首にも。仰向けに寝かされた姿勢のまま、四肢を拘束されている。ベッドではない。固い台の上。金属特有の、体温を吸い取るような冷たさが背中に張りついていた。
記憶が、断片的に蘇る。
神浜市の路地裏。男たちがミイラのように干からびて倒れている異様な光景。精気を根こそぎ吸い取られたとしか思えない、枯れ果てた身体。マギウスの翼の仕業だと確信して、ひとりで乗り込んだ。きりんには何も言わずに——彼女を危険に巻き込みたくなかったから。
黒い衣装の集団が路地を埋め尽くすように現れた。黒羽根。囲まれて、戦って——そこから先の記憶がない。気づいたら、ここにいた。
拘束を振り解こうと、全力で腕に力を込める。金属が軋む音。びくともしない。もう一度。肩の関節が悲鳴を上げるほど引っ張っても、手首の枷は冷淡に少年の抵抗を受け流すだけだった。
——くそ。
歯を食いしばった、その時だった。
コツ、コツ、コツ——
ヒールが硬い床を叩く、乾いた音。等間隔に、ゆっくりと。まるで獲物を前にした肉食獣が、わざと足音を立てて恐怖を煽るように。
音の主が、薄闇の向こうから姿を現した。
長い緑の髪。暗がりの中でも目を灼くような鮮やかな色が、シャンデリアの残光を吸ってぬらりと揺れている。軍帽の下から覗く瞳は冷たく、それでいてどこか愉悦に濡れていた。黒い軍服のジャケット。腰から提げた画材と、絵の具で汚れた布。そして——黒地にオレンジや緑が散ったカラフルなスカートの裾が、歩くたびに脚の周りで踊っている。
縞模様のニーハイソックスが、床の上をコツ、コツと刻む。
看守だ——と少年は思った。いや、それよりもっと厄介な何かだ。美術室に棲みついた暴君のような、そんな存在感。
「——お目覚め? ずいぶんスローだったヨネ」
声は、甘さの欠片もない。英語混じりの奇妙な口調が、天井の高い部屋に反響した。少年を見下ろす視線は、展示物を品定めする画家のそれ——いや、解剖台の上のカエルを観察する理科教師のそれに近かった。
「……お前は」
「アリナ。アリナ・グレイ」
名乗りに、虚飾はなかった。マギウスの翼。アリナ・グレイ。その名前は知っている。マギウスの中核、天才芸術家にして——敵組織の幹部。
「マギウスの……っ」
「そ。キミをここまでデリバリーしてくれた黒羽根たちには、ちゃんとサンキューするヨネ。おかげでアリナ、いいサンプルが手に入ったカラ」
アリナは少年の傍らまで歩み寄ると、拘束された手首をちらりと見下ろした。逃げられないことを確認したわけではない。最初から、逃げられるなどとは微塵も思っていない目だった。
「サンプル……? 何を——」
「知ってるでしょ。神浜市のアレ」
アリナの指が、少年の顎を掴んだ。ひんやりとした指先。強引に顔を持ち上げられ、至近距離でエメラルドグリーンの瞳と視線が絡む。
「男たちがカラカラになってたヤツ。あれ、アリナたちのエクスペリメント——実験なワケ。人間のオスから精気を吸い出して、魔力に変えるっていう、ね」
精気を——魔力に。
あのミイラのような死体たちの正体。やはり、マギウスの仕業だった。怒りが腹の底から競り上がってくる。
「お前たち……あの人たちを——!」
「騒がないでヨネ。うるさいんですケド」
アリナの声は、氷水のように平坦だった。少年の怒りなど、絵の具の飛沫ほどにも気に留めていない。
「でもね、あの実験にはプロブレムがあったワケ。一般人の精気じゃ、質が低すぎるの。量で補おうとしたら何人もダメにしちゃうし、効率が悪いヨネ」
顎を掴む手に、わずかに力がこもった。
「だからアリナ、考えたワケ。もっとクオリティの高い精気が欲しいって。そしたら——ちょうどいいのが飛び込んできたヨネ」
少年の身体を、上から下まで舐めるように見る。ヒーロースーツに包まれた少年の身体を。
「正義のヒーロー。マジカルレッド。キミの中に流れてる魔力は一般人の比じゃないワケ。キミの精液をぜーんぶ搾り取れば——アリナたちの魔力は、とんでもないことになるカラ」
精液を、搾り取る。
その言葉の意味を理解した瞬間、少年の顔から血の気が引いた。
「……何、言って——」
「言葉のまんまなんですケド」
アリナは少年の顎から手を離すと、一歩退がった。腕を組み、軍帽の下から少年を見下ろす。看守が、今日の作業手順を告げるように。
「キミの精液にはヒーローの魔力がたっぷり詰まってるワケ。それを搾り出して、アリナの魔力に変えるの。シンプルでしょ」
「ふ、ふざけるな……! 誰がお前たちに——」
「あ、そういう反抗的なリアクション、嫌いじゃないヨネ~」
アリナの唇の端が、すっと持ち上がった。
笑っている。少年の恐怖と怒りを眺めて、心の底から楽しんでいる顔だった。画家が、思い通りの色が出た瞬間に浮かべる——あの恍惚とした表情に、ほんの少しだけ似ていた。
「抵抗すればするほど、搾り甲斐があるカラ。せいぜいガンバってヨネ、ヒーローくん?」
コツ、と靴音をひとつ鳴らして、アリナが台の横に立つ。
その手が、少年のヒーロースーツの腰元に伸びた。
◇ ◇ ◇
「——やめろッ! 触るな……!」
叫びは、虚しく天井に吸い込まれた。
アリナの指がヒーロースーツのベルトに掛かり、慣れた手つきで留め具を外していく。少年が腰を捩って抵抗しても、拘束された四肢ではまともに身体を動かすことすらできない。ベルトが外れ、スーツの腰部が緩み——アリナが無造作に布地を引き下ろした。
太腿の途中まで。
薄暗い照明の下に、少年の下半身が晒された。まだ大人になりきっていない身体。腰骨が浅く浮いて、下腹から恥骨にかけての皮膚は白く、産毛が薄く光っている。その中央に——まだ幼さの残るチンポが、冷たい空気に触れて小さく縮こまっていた。
「……っ!」
顔が、一瞬で沸騰した。
女の子にチンポを見られたことなんてない。ましてや——敵の女幹部に。きりんの手すら握ったことがないのに、自分のいちばん恥ずかしい部分を、こんなふうに無防備に見下ろされている。屈辱と羞恥が、腹の底でどろどろに混ざり合う。
「やめ……見るな!」
「はあ? 見るに決まってるでしょ」
アリナは眉ひとつ動かさなかった。少年のチンポを上から覗き込むように顔を近づけて、画家がモチーフを検分するときのように目を細める。
「ふーん……まだ全然育ってないヨネ。ボウヤのオチンチン、かわいいんですケド」
「っ——」
かわいい。その一言が、少年のプライドを滅茶苦茶に切り裂いた。ヒーローとしてではなく——男としての。反射的に腰を引こうとするが、拘束が許さない。逃げ場は、どこにもなかった。
「ま、サイズなんてどうでもいいワケ。問題はここから出てくるモノのクオリティだカラ」
アリナの視線がチンポから少年の顔に戻る。エメラルドグリーンの瞳が、残酷なほど澄み切っていた。
「じゃ、始めるヨネ」
「は——? なに、を——」
「だから、搾るって言ったでしょ。聞いてなかったワケ?」
アリナの右手が伸びた。
白い指が少年のチンポを包み込んだ瞬間——脳の奥で、何かが弾けた。
「——っ!!」
声にならない声が喉の奥で潰れる。
冷たい。アリナの指先は冷たいのに、触れられた箇所から炎のような熱が全身に広がっていく。女の子の手。柔らかくて、細くて、自分の手とはまるで違う——その掌に、チンポを握られている。
生まれて初めて。
恥ずかしい。怖い。気持ちいい。三つの感情が同時に襲いかかってきて、少年の思考を粉々に砕く。これは攻撃だ。敵の攻撃だ。だから——耐えなければ。ここで負けたら、こいつらに魔力を渡してしまう。
頭では、わかっている。
「力入れすぎなんですケド。リラックスしてヨネ~」
アリナの声は、作業中の画家のように淡々としていた。握った手をゆっくりと上下に動かし始める。皮を指の腹で包むように、根元から先端へ、先端から根元へ。探るような、試すような——手つき。
「ここを、こうやって動かすと——」
ぬるり、と親指が亀頭の先端を撫でた。
「ッ——ぁ」
背中が跳ねた。口から零れた声に、少年は自分で驚いた。こんな声、出したことがない。出すつもりもなかったのに——アリナの親指が先端の窪みをくりっと擦った、その瞬間に、勝手に。
「あ~、ここ弱いんだ。なるほどヨネ」
アリナは少年の反応をメモでも取るように頷くと、そこを重点的に攻め始めた。親指の腹が亀頭の縁——カリの段差を引っかけるように往復する。人差し指は裏筋に添わせて、つぅ、と一本の線を引くように上下する。
「……やめ、ろ……っ」
「やめない。キミのリアクションが面白すぎるカラ」
少年の手が、拘束の中で握り拳になっていた。爪が掌に食い込む。痛みで気を紛らわせようとした。これは攻撃だ。敵の攻撃だ。ヒーローが、こんなことで——
——チンポが、硬くなっていた。
認めたくなかった。認めたくないのに、アリナの手の中で明確に膨張していく自分の身体を、誤魔化しようがない。柔らかかった肉が、アリナの指を押し返すように芯を持ち始めている。血液が、恥ずかしいほどの速度で一点に集中していく。
「……あ~あ。もう硬くなってきたヨネ」
アリナの声に、嘲りの色が混じった。
「ちょっと触っただけでコレとか。正義のヒーローってこんなにEasyなワケ? ディスアポイントなんですケド」
「う、るさ——っ、これは……勝手に——」
「勝手にぃ?」
アリナが少年の顔を覗き込む。軍帽の影から覗く瞳が、心底愉快そうに細められていた。
「キミのチンポは正直なんですケド。いくら口で偉そうなこと言っても、こっちが全部バラしちゃうヨネ♡」
手の動きが速くなる。握る強さは変わらないのに、ストロークが滑らかになった。少年の先端から滲み出た先走りが潤滑剤になって、アリナの掌と亀頭の間にぬるりとした膜ができている。
にゅる、にゅる、と。
水っぽい音が、静かな部屋に響き始めた。
「あっ……、う、ぁ——」
声を抑えきれない。唇を噛んでも、歯の隙間から甘い吐息が漏れ出る。耐えなければ。射精したら、この女に魔力を渡してしまう。きりんのために戦っているのに——ここで、こんな女の手で、イかされるわけにはいかない。
頭の中で、きりんの顔を思い浮かべた。あの笑顔。あの声。自分が守ると決めた人。
——でも。
きりんのことを考えれば考えるほど、逆に羞恥が膨れ上がる。こんな姿を見られたら。敵の女にチンポを握られて、喘いでいるところを——きりんに見られたら。
ぞくり、と背筋を甘い電流が走り抜けた。
「……あっ、だめ——」
「だめ? 何がだめなワケ?」
アリナの手が止まらない。裏筋を人差し指の腹で圧しながら、掌全体で亀頭を包み込むようにくるくると回す。先走りに塗れた指先が先端のスリットを擦るたび、少年の腰がびくんと跳ねる。
「はあ、もうそんなにヌレてるヨネ。ボウヤのチンポ、ヨダレ垂らしまくりなんですケド」
言葉が、追い打ちになる。
「いい? キミの精液はアリナの魔力になるの。一滴残らず搾り取ってあげるカラ、覚悟しといてヨネ~♡」
搾り取る。その言葉が鼓膜を打つたびに、下腹の奥がきゅうっと痙攣する。身体が勝手に「その時」の準備を始めている。精液が、下腹の奥底からゆっくりと持ち上がってくる感覚。止めなければ。出してはいけない。出したら——
「我慢してる? 顔に書いてあるんですケド」
アリナの顔が近づいた。少年の耳元で、低く、甘ったるい声が囁く。
「無駄だカラ。キミのチンポ、もうアリナの手の中でビクビクしてるヨネ。あと何秒もたないでしょ」
「……っ、出さ、ない……出すもんか……っ!」
「へぇ~? そういう強がり、キライじゃないケド」
アリナの手が、急にピストンの速度を上げた。
しゅ、しゅ、しゅっ——
先走りと掌が擦れ合う卑猥な音が部屋を満たす。カリの引っかかりを利用した手首のスナップが、一回ごとに少年の理性を削り取っていく。
「ほら、我慢しなくていいヨネ。どうせ出ちゃうんだカラ」
「——っ、ぅ、ぁ——やめ、本当に——」
「出せ出せ。ヒーローの精液、ちょうだい♡」
——限界だった。
下腹の奥で堰き止めていたものが、音を立てて崩壊する。抗えない。止められない。身体の奥から津波のように押し寄せてくる射精の衝動が、理性という名の防波堤をいとも簡単に飲み込んで——
「——っ、ぁ、あ、あああっ——!!」
びゅるっ、びゅるるっ——
少年の腰が台の上で大きく跳ねた。アリナの手の中で、チンポがどくどくと脈打ちながら白い精液を吐き出す。一発、二発、三発。手の甲を、指の間を、少年自身の下腹を、白濁が滅茶苦茶に汚していく。
「あはっ——出た出た。すっごい勢いなんですケドw」
アリナは手を止めず、脈打つチンポから最後の一滴まで搾り出すように、根元からゆっくりとしごき上げる。どろりとした白い雫が尿道口から溢れて、アリナの親指を伝い落ちた。
「ッ——、あ、もう、やめ……っ」
射精直後の過敏なチンポを握られて、少年の身体がびくびくと引き攣る。快感なのか苦痛なのかわからない電撃が、腰から背骨を駆け上がっていく。
「やめないヨネ~。まだ残ってるカラ」
ぎゅっ、と根元を絞るように握り、もう一度先端に向かってしごき上げる。尿道の奥に残っていた精液が、じゅるっ、と押し出された。
「……はい、ラスト。ぜーんぶ出たヨネ」
アリナが手を離した。
少年は仰向けのまま、荒い呼吸を繰り返していた。目の焦点が合わない。全身から力が抜けて、拘束がなければ台の上から崩れ落ちていただろう。射精の余韻が、下腹から太腿にかけてじんわりと脈打っている。
——出してしまった。
敵に。魔力を。
その事実が、遅れて脳を打ちのめす。
アリナは手のひらに溜まった精液を目の高さに持ち上げて、照明に透かすように眺めていた。白濁の糸が指の間で伸びて、ぷつり、と切れる。
「ふぅん……キミの精液、なかなかクオリティ高いヨネ~」
そう呟いた瞬間だった。アリナの手のひらの上で、少年の精液がかすかに——光った。淡い燐光。見間違いかと思うほど微かだが、確かに、精液の中に含まれた魔力がアリナの掌を通じて吸い込まれていくのがわかった。
アリナの目が、すっと細くなる。恍惚。画家が傑作の予感に打ち震える、あの表情。
「……いいワケ。すっごくいい。一般人のオスとは全然違うヨネ、この密度」
ぺろり、と指についた精液を舐め取った。舌の上で転がすように味わって——ふっ、と少年を見下ろす。
「やっぱりヒーローは違うヨネ~。こんなにおいしい魔力、初めてなんですケド」
少年は答えられなかった。ただ天井を見つめて、荒い息を繰り返している。射精の脱力感と、敵に魔力を奪われた絶望が、身体中に重たく沈んでいた。
「でも一発じゃ全然足りないワケ。キミの中にはまだまだいっぱい詰まってるでしょ」
アリナが、にぃっと笑った。
「次は——もっと気持ちいいことしてあげるカラ♡」
◇ ◇ ◇
「次って……なに、を——」
少年の声は、自分でもびっくりするほど掠れていた。
答える代わりに、アリナは少年の脚の間にゆっくりと身を屈めた。軍帽のつばが、少年の太腿の上に影を落とす。緑の長い髪が、さらりと少年の膝に触れて、絹糸のような感触に背筋がぞくりと震えた。
——何をする気だ。
問いかけるまでもなかった。アリナの視線が、射精直後で疲弊しきった少年のチンポに注がれている。その目つきは、次の素材の処理方法を吟味する料理人のそれに似ていた。
「待——待て、さっき出したばかりで……」
「知ってるヨネ。だから次のフェーズに行くの」
アリナの顔が、少年のチンポのすぐ上まで近づいた。
息がかかる。
吐息の湿った熱が、敏感になった亀頭の先端をふわりと撫でた。それだけで——それだけの刺激で、少年の腰が引き攣った。
「え——ちょ、うそ、まさ——」
「まさかって、何を期待してたワケ?」
アリナは少年の顔を見上げて、にやりと笑った。唇が、精液でべたついた自分の指先に触れる距離。その口が、これからどこに向かうのか——少年の頭の中で、想像が爆発的に膨張する。
口で。
あの口で。
敵の女幹部の口に、自分のチンポが——
考えてはいけないのに、想像してしまった瞬間、射精したばかりのチンポが、下腹の奥からずくんと熱を取り戻し始めた。
「あ——っ」
アリナの視線が、その変化を見逃さない。
「あっは。もう復活しようとしてるヨネ」
嘲笑を含んだ声。
「しかも、アリナが口でするって想像しただけでしょ、今の。ボウヤってば、本当にスケベなんですケド?」
「ち、違——」
「違わないヨネ。チンポがぜんぶ教えてくれてるカラ」
アリナの指先が、まだ半分柔らかさを残した幹を根元からつぅ、と撫で上げた。たったそれだけで、少年の身体が跳ねる。過敏になった粘膜に、アリナの指紋の凹凸すら感じ取れるほど。
「やめ——っ、今は、本当に——」
「やめないって言ったでしょ」
そう言って——アリナの唇が、ちゅっ、と少年の先端に触れた。
「——ッ!!」
稲妻のような衝撃が、亀頭から脳天まで一直線に突き抜けた。
柔らかい。濡れている。温かい。信じられないほど繊細な感触が、射精直後の敏感な粘膜に押し当てられている。ただのキスだった。ただの、口づけだった。それだけのことで、少年の視界が白く明滅する。
女の子の唇。それが、自分のチンポに触れている。
「……フフッ。キスだけでこのリアクション、すごいんですケド」
アリナは顔を少しだけ離して、悪戯っぽく目を細めた。唇の端に、少年のチンポから移ったわずかな先走りがぬらぬらと光っている。
「じゃあ、次は——」
唇が、亀頭を含んだ。
「あ、ぁ——あああっ……っ」
少年の喉から、悲鳴とも嘆息ともつかない声が漏れた。
先端が、アリナの口腔に沈んでいく。入り口の粘膜。唇の裏側の柔らかい肉。舌の上のざらざらした突起。ひとつひとつの感触が、順番に亀頭を撫でていく。温かい。というより、熱い。少年の体温とはまるで違う、内側の熱が、チンポを焼くように包み込んでくる。
「うそ、うそだろ、こんな——っ」
拘束された手が、反射的に握り拳を作る。
アリナはゆっくりと、亀頭の半分くらいまで口に含んだところで止まった。そこで、舌が動き始める。ぬるり、とざらついた表面が先端の窪みを舐め上げ、次にカリの段差を下から持ち上げるように擦る。
「——ぁっ、あっ、そこ、だめ——」
くぐもったアリナの笑い声が、チンポを咥えたまま喉の奥で響いた。その振動までもが、少年のチンポを直接刺激してくる。
ちゅぽ、と音を立てて、アリナが口を離した。
「ここがダメなんだ? ふぅん、いいこと聞いたヨネ~」
唾液の糸が、アリナの下唇と少年のチンポの先端の間に一本、ぴんと張っていた。薄暗い照明に、そのきらめきが妙に卑猥に映える。
「でも、アリナは『ダメなところ』をわざわざ狙うタイプなんですケド♡」
再び唇が沈んでくる。今度はさっきより深く。先端から半ば、そして根元近くまで——アリナは一気に咥え込むと、頬の内側を窄めながら、ゆっくりと首を引いていった。
ちゅぅうううっ♡♡——
吸われている。
チンポの芯から、何かを引き抜かれるような強烈な吸引感。亀頭が口蓋に押し付けられ、舌がその裏側を這い、頬の粘膜がカリの段差に密着している。三方向から同時に違う種類の刺激が加えられて、少年の思考はもう切れ切れにしか働かない。
もう一度、深く咥え込む。首を振る。吸う。舌を絡める。
「ん、ぐちゅ、ちゅぷ……っ」
アリナの鼻から漏れる息と、口の中で少年のチンポが唾液に塗れる音が混ざり合う。にゅるにゅるとした水音が、天井の高い部屋に静かに反響していた。
「あっ、ぁ、ま、待ってくれ——、これ、やばい、ほんとに——」
耐えなければ。この考えだけが、辛うじて少年の頭に残った最後の理性だった。耐えなければ、また出してしまう。また、魔力を——敵に。
きりん。
きりんの顔を思い浮かべようとする。必死に。あの、いつも空想の世界に浸っている、少し間の抜けた笑顔。自分が守ると決めた——
アリナが、少年のチンポを口から離した。
つっ、と唾液の糸を引きながら、亀頭の先端に唇を寄せて、ちゅ、と音を立ててキスをする。
「ボウヤ、何か考え事してるヨネ?」
声が、耳を撫でる。低く、甘く、含み笑いを纏って。
「アリナがこんなに一生懸命しゃぶってあげてるのに、他の誰か思い浮かべてるワケ? 失礼なんですケド♡」
「違——」
「それとも、きりん?」
——心臓が、止まった。
なぜ。なぜ、その名前を。
少年の狼狽を見透かして、アリナは満足げに喉を鳴らした。
「怪盗マジカルきりん。キミのパートナーでしょ? アリナ、情報はちゃーんとチェックしてるカラ」
怪盗マジカルきりん。きりんが勝手に名乗っているあの、空想上のヒーロー名。でもそれを、よりにもよってこの女に知られているなんて——
「でもね、ボウヤ?」
アリナは再び、少年のチンポの幹にキスを落としながら囁いた。
「今ここでキミのチンポしゃぶってあげてるのは、きりんじゃないヨネ。アリナなの」
ちゅ、ちゅっ、とアリナの唇が裏筋を辿っていく。
「きりんちゃんはキミの童貞チンポをこうやってしゃぶってくれないでしょ? あの子、手すら繋いでくれないんじゃない?」
「や、やめろ——そういうこと、言うな——」
「どうして? 事実なんですケド♡」
アリナの舌が、睾丸の上の皮膚をつつつ、と舐め上げて、幹を根元から先端まで一息に這い登った。
「きりんのこと考えながらアリナの口でイかされるの、どんな気分? 最低でしょ。ヒーロー失格なんですケド」
「ち、違う、そんなつもりじゃ——」
「でもチンポはどんどん硬くなってるヨネ?」
ぱくり、とアリナが亀頭を咥え込む。
今度は遊びじゃなかった。口の動きに、明確な目的が宿った。亀頭を唇で絞るように締めつけ、舌先でスリットを穿つように舐め、頬の内側を窄めて強い吸引を加える。
じゅるっ、じゅるるっ——
「あ、あ、ああっ——!」
少年の腰が、拘束の中で何度も跳ねた。先ほどの射精で敏感になっていた粘膜に、アリナの口腔全体を使った複合的な攻撃が叩き込まれる。もう我慢も何もない。下腹の奥で、二度目の衝動が急激に膨れ上がっていく。
「だ、だめっ、出る、出ちゃう——!」
少年は慌てて叫んだ。せめて、口の中に出すのは——
アリナは応えなかった。応える代わりに、咥えたまま首を激しく上下に振り始めた。深く、浅く、深く、浅く。頬の粘膜でしごき、舌で絞り、喉の奥に亀頭を押し付ける。
「やっ、やめ、口の中は——、ほんとに、出るから——っ」
アリナの目が、上目遣いに少年を捉えた。口にチンポを含んだまま、にっ、と笑う。
——出していい、という意味だった。
いや、出せ、という意味だった。
少年の理性の糸が、ぷつり、と音を立てて切れた。
「——ぁ、あ、あ、あ、ああああっ——!!」
びゅるっ、どぷっ、びゅるるるっ——
アリナの口の中で、少年のチンポが二度目の精液を吐き出した。一発目ほどの量ではなかったが、濃度は変わらない。白濁が、アリナの舌の上に、頬の内側に、喉の奥に——勢いよく放たれていく。
「ん——ん、んんっ……」
アリナは眉ひとつ動かさず、それを受け止めた。頬の内側で精液がべっとりと広がっていくのが、少年の位置からでもわかった。亀頭を口に含んだまま、アリナは軽く頬を窄めて——最後の一滴まで吸い取るように、強く吸引する。
ちゅうぅぅぅっ——
尿道の奥まで真空になるような感覚。少年の視界が白くなる。過敏になったチンポが、引きちぎられそうな快感にびくびくと痙攣した。
ようやく、アリナが口を離した。
口の端からわずかに白濁が零れ落ちる。アリナはそれを指で拭うと、ぺろりと舐め取った。そして——少年に見せつけるように、口に含んだ精液を、一気にこくり、と飲み干した。
「——っ、飲んだ……!?」
「当たり前でしょ。魔力は喉から吸収したほうがEfficientなんですケド」
そう言って、アリナは唇を舌でぺろりと湿らせる。
その直後——アリナの身体から、かすかに光の粒のようなものが立ち昇った。緑の髪の毛先が、一瞬だけ淡い光を帯びて揺れる。精液に宿っていた魔力が、アリナの内部に吸収されていくのが、目に見える形で起きていた。
「……ん。二発目のほうが魔力の純度高いヨネ。やっぱりキミ、最高の素材なんですケド」
アリナが立ち上がった。少年のチンポから零れた唾液を、腰に提げた布で無造作に拭う。
少年は、もう声も出せなかった。台の上で仰向けになったまま、荒い呼吸を繰り返す。二度の射精で下腹の力が抜けきっている。なのに——アリナに飲み込まれたという事実が、なぜか、下腹の奥で新しい熱を灯し始めていた。
敵に。飲まれた。魔力を。
その屈辱が、なぜか、快感と混ざり合って少年の頭を侵食していく。
「さてと」
アリナが軍帽のつばを軽く持ち上げた。エメラルドグリーンの瞳が、少年を上から下まで舐めるように眺める。
「手でも口でもこれだけ出すんだから、本番だったらもっとすごいヨネ?」
——本番。
その単語に、少年の身体が反応した。
二度も出したばかりで、まだ半分柔らかさを残したチンポが、アリナの一言で再び血流を集め始める。下腹の奥がきゅうっと疼く。セックス。挿入。おまんこ。単語が少年の頭の中で勝手に反響して、身体が反応してしまう。
アリナは、それをもちろん見逃さない。
「あっは。『本番』って言っただけでもう大きくなってきたんですケド」
にやり、と笑って、スカートの布地に指を掛けた。
「それじゃ——次、行くよネ♡」
◇ ◇ ◇
アリナが台の上に乗り上げた。
ヒールを脱ぎ捨てる衣擦れの音。縞模様のニーハイに包まれた脚が、拘束された少年の身体を跨ぐように台の両側に据えられる。アリナの重心が少年の腰の上に落ちてきて、軍服風のスカートの裾が、二度目の射精でまだぬるついている少年のチンポの上をふわりと撫でた。
——何をする気だ。
わかっている。わかっているはずだった。それなのに少年の思考は、目の前で起きようとしていることの実感から必死に逃げようとしていた。
「ボウヤ、ちゃんと見てヨネ」
アリナが少年の腹の上でしゃがみ込むような姿勢を取った。縞模様のニーハイに包まれた膝が、少年の脇腹の両側で折り畳まれる。立て膝で跨るのではなく、尻を後ろに落として——和式トイレにしゃがむような、あの姿勢で、少年の上に。
そして。
アリナの白い指が、黒地にカラフルな模様が散ったスカートの裾を、ゆっくりと摘まみ上げ始めた。
「——っ」
少年は反射的に目を逸らそうとした。でも、できなかった。
できるわけが、なかった。
アリナの指がスカートの裾を手繰り上げていく。ゆっくりと、焦らすように。ニーハイの上端の縞模様が露わになり、むっちりとした太腿の白い肌が見え、その内側が——そしてその奥が——
「は、ぅ——」
少年の喉から、情けない吐息が漏れた。
露わになった。
アリナの、おまんこが。
下着は、着けていなかった。最初から着けていなかったのか、どこかで脱いできたのか——わからない。わかる必要もなかった。ただそこにあるものが、少年の視界を占領する。
薄い陰毛。緑の髪と同じ色の、柔らかそうな茂み。その下に、ほんの僅かに開いた縦の亀裂。薄桃色の花弁が、しゃがんだ姿勢のせいで自然と左右に押し広げられていて——その奥の、粘膜の赤が、薄暗い照明に照らされててらてらと光っている。
濡れている。
少年の手でしごかれ、口で咥えたアリナ自身の身体が——いつの間にか、潤んでいた。
「見た? ボウヤ」
アリナが少年を見下ろして、にやりと笑う。軍帽の影から覗く瞳が、勝者のそれだった。
「これがアリナのおまんこ。キミのチンポが、これから入るところ」
「——っ、見な、見ない——」
「見てるヨネ。がっつり」
アリナの右手が、自分の茂みの上の方に添えられた。その中指と薬指が、花弁を左右にそっと押し開く。
くちゅ、と小さな水音。
赤い粘膜が、少年の目の前でさらに露わになった。入り口の肉襞が、ひくり、ひくり、と収縮している。奥の方は暗くて見えないが、その入り口の収縮だけでも、そこがどれほど狡猾な器官かを物語って余りあった。
「よぉく見てヨネ。これからキミのチンポを食べちゃうお口、なんですケド」
「やめ、やめてくれ、そんな——」
「いやっ? なんで? ボウヤ、ここに入りたいんでしょ?」
アリナの視線が、少年の下半身に向けられる。
少年も、つられて自分の下半身を見てしまった。
——ビンビンに、勃起していた。
二度も射精したはずなのに。疲弊しきっているはずなのに。目の前のアリナの花弁を見ただけで、アリナの「キミのチンポが入るところ」という言葉を聞いただけで——少年のチンポは、これまででいちばん硬くなっていた。血管が浮き上がるほど、赤黒く膨張して、先端からはもう透明な先走りが溢れてとぷり、と下腹に垂れている。
「あっは。もうこんなにしちゃって」
アリナが楽しげに笑った。
「ねえ、ボウヤ。自分のチンポ、見てヨネ。アリナがおまんこ見せただけでこんなにビンビンなんですケド?」
「これは——これは、違う、ちが——」
「違わない。見ればわかるヨネ」
アリナがスカートの裾を片手で持ち上げたまま、もう一方の手で自分の花弁を広げ続けている。粘膜の奥から、とろり、と透明な蜜が零れて、少年の下腹の上に——勃起したチンポのすぐ横に——ぽたり、と落ちた。
温かい。
アリナの体温を帯びた愛液の、その熱さに、少年のチンポがびくりと跳ねる。
「あれ~? 今の、アリナのおまんこから垂れたヤツ、ちょっと当たっただけでまた反応したヨネ?」
「ぁ、っ……」
「ねえボウヤ、ちょっと考えてみてヨネ? キミの年、いくつ? S学生? C学生?」
アリナの指が、広げていた花弁をさらに押し広げる。粘膜の奥まで、少年の視界に晒される。
「キミみたいな童貞ちびっこがさ、こんな風に生でおまんこにチンポ入れさせてもらえる子、この世界に何人いると思うワケ? ゼロ人なんですケド」
「……っ」
「普通はね、ゴム着けるの。病気とか妊娠とか、そういうのがあるカラ。でもアリナ、ゴム着けてないヨネ? 生。キミのチンポ、生でアリナのおまんこに入るの」
アリナの口調が、だんだんと歌うようなリズムを帯び始めた。少年を煽るために、わざと言葉を選んで、わざとゆっくりと繰り出している。
「こんな贅沢、キミの人生でたぶん二度とないヨネ? アリナだから、してあげるの。キミのチンポが魔力たっぷりだから、特別サービスなんですケド♡」
「……や、やめ、くれ——」
「感謝してヨネ?」
アリナが囁いた。
「『アリナさん、ボクの童貞チンポをアリナさんのおまんこで食べてくれてありがとうございます』——って、言わなくていいから。心の中でちゃんと感謝してヨネ♡」
「——っ、……っ!」
少年は唇を噛んだ。血の味が口の中に広がる。それでも、下半身の反応だけは止められなかった。チンポは脈打ち続け、先走りが止めどなく溢れてくる。
——悔しい。
この女に、こんな——こんな一方的に——
でも、悔しさの底で、別の感情が蠢いている。それを、少年は必死に見ないようにした。見てはいけない。認めてはいけない。
「じゃ、入れるヨネ」
アリナがスカートの裾を両手で持ち上げたまま、尻をゆっくりと落とし始めた。しゃがんだ姿勢のまま、花弁の入り口を、少年のチンポの先端に近づけていく。
近づく。近づいてくる。アリナの濡れた粘膜が。少年のチンポの先端に。
「あ、ぁ、ぁ——」
少年の口から意味をなさない声が漏れる。
そして——接触した。
ぬちゅ、と。
少年のチンポの亀頭が、アリナの花弁の入り口に触れた。温かい。柔らかい。そして濡れている。先ほど少年が口でされたときとは比べ物にならない、もっと湿った、もっと生々しい熱が、亀頭の先端全体を包み込んでいる。
「入れちゃうケド? いい?」
アリナが少年の顔を覗き込んで、囁いた。
「『いい』って言って?」
「っ……言わない、言うもんか——」
「あっは、強がり入った~」
くすくすとアリナが笑う。
「まあいいワケ。キミの許可なんて最初からいらないカラ」
アリナの重心が、落ちた。
ぬちゅ♡、にゅるんっ——
少年のチンポが、一気にアリナの膣内に呑み込まれた。
「——っっ、ああああっ!!」
少年の背中が、弓なりに反った。
熱い。
それが、最初の感覚だった。次に、狭い。そして——うねっている。
アリナの膣内は、少年が想像していた「穴」というイメージとは全く違う器官だった。温かい肉の壁が、少年のチンポを四方八方から包み込み、隙間なく密着してくる。そしてその壁が、生き物のように蠢いている。奥へ、奥へ、とチンポを引きずり込むような収縮が、リズミカルに繰り返されている。
視界が、ぐにゃりと歪んだ。
「——あは、やっば。これ、すっごいヨネ」
アリナの声にも、さすがに一瞬だけ余裕が欠けた。でもすぐに、いつもの余裕ある口調に戻る。
「ボウヤのチンポ、カチカチなんですケド。アリナの中でビクビクしてるヨネ?」
「あ、あ、ああ……っ」
少年はもう、まともな言葉を発せなかった。
しゃがんだ姿勢のアリナの腰が、ゆっくりと上下に動き始めた。
立て膝ではなく、尻を後ろに落としたしゃがみ姿勢。その姿勢から、アリナは両足の爪先に力を込めて、ぐっ、と腰を持ち上げる。アリナの膣内から少年のチンポが半ばまで引き抜かれ——そして、一気に、尻を落とす。
ずぷんっ!
「——ッ、ぁっ、ぁああっ!」
少年の腰が跳ねた。拘束されているせいで浮くこともできず、ただ骨盤だけが台の上でびくりと引き攣る。
「これ、杭打ち騎乗位って言うんですケド、知ってる?」
アリナが腰を上下させながら、余裕たっぷりに解説を始めた。
「アリナが上から体重乗せて、ピストンするの。ボウヤは動けない。ただ受け入れるだけ。キミみたいな初心者には最適なポジションなんですケド」
ぐちゅっ、ずちゅっ——
腰を落とすたびに、結合部から下品な水音が跳ね上がる。アリナの愛液と、少年の先走り、そして先ほどの口淫で付着した唾液がぐちゃぐちゃに混ざり合って、二人の接合部を滑らかに、そして淫猥に濡らしていた。
「見えるヨネ? ボウヤ、首持ち上げて、ちゃんと見てヨネ」
アリナが、少年の視界の中で意地悪く言う。
少年は、拘束された身体で必死に首を持ち上げた。見たくなかった。でも、見るな、という声よりも、見ろ、という本能の声の方が強かった。
視界に飛び込んできたのは——
アリナのスカートが捲り上げられて、丸出しになった下半身。縞模様のニーハイに包まれた白い太腿。その間から、少年の赤黒く膨張したチンポが、アリナの花弁を押し広げながら出たり入ったりしている光景。
結合部が、完全に丸見えだった。
自分のチンポ。アリナのおまんこ。そのふたつが、繋がっている。何度も見てきたはずの自分の下半身の延長線上に、アリナの濡れた粘膜がある——その現実の絵面が、少年の脳を焼いた。
「うそ、うそだ、はいってる、これ、ほんとに入ってる——」
「うん、入ってるんですケド? 何を今さら」
アリナは少年の狼狽を楽しむように、腰の動きをわざと緩めた。ゆっくり、ゆっくりと、少年のチンポの全長を使って出し入れする。
にゅるっ、ぬちゅっ——
花弁を押し広げて根元まで呑み込んだチンポが、今度は亀頭の縁だけを残して引き抜かれる。そのたびに、アリナの粘膜が名残惜しそうに少年のチンポに絡みつき、透明な愛液の膜を引きながら少年のカリ裏を舐め上げていく。
「ほら、見てヨネ。アリナのおまんこ、ボウヤのチンポをこんなに美味しそうに食べてるんですケド」
「や、やめ……見るの、やめさせて——」
「何言ってんの。見ないと意味ないでしょ。ちゃんと見て、自分がアリナに食べられてるの理解するヨネ」
アリナが腰を落とした。ずぷんっ、と根元まで少年のチンポを呑み込む。
その瞬間——少年の下腹の奥で、三度目の衝動が始動し始めた。
「——っ、待って、ちょっと——」
「待たないヨネ」
アリナが、しゃがんだ姿勢のまま、腰をリズミカルに上下させ始める。膝のバネと足首のスナップを使って、尻を少年の腰に叩きつけるように落とす。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ——
肉のぶつかる音が部屋に響いた。アリナの尻が少年の下腹にぶつかるたび、視界が揺れる。チンポが根元まで呑み込まれ、アリナの子宮口らしきコリコリとしたものが亀頭の先端を突く。その刺激が、少年の脳天を突き抜けていく。
「だ、だめ、もう——、こんな、こんなの——」
「いいヨネ、ボウヤ。出しそうな顔してるんですケド?」
「ち、違う、違——」
「違わない」
アリナがピストンを止めないまま、上半身を少し倒して、少年の顔に近づく。軍帽の影が少年の顔を覆う。エメラルドグリーンの瞳が、至近距離で少年を射抜いた。
「出していいヨネ? どうせ我慢できないでしょ」
「が、まん、するっ——」
「できるわけないヨネ♡」
アリナのピストンが加速した。
しゃがんだまま、太腿の筋肉だけを使って、凄まじい速度で腰を上下させる。結合部からは、もう水音というより泡立つような下品な音が連続していた。
ぶっ♡ ぶっ♡ ぐちゅっ♡
空気を噛みながら結合する音。アリナの愛液と少年の先走りが泡になって結合部から押し出され、ぶしゃ、と下品な音を立てて飛び散る。
「——っ、あ、あ、あ、イく、イっちゃう——!」
「イっちゃえ♡ アリナのおまんこに、ヒーローの精液、ぶちまけてヨネ?」
最後の引き金だった。
アリナの「ぶちまけて」という言葉が、少年の脳の中の何かを決定的に壊した。
「——っ、あ、ああっ、あああああっ——!!」
びゅるっ、どぷっ、びゅるるるるっ——!
少年のチンポが、三度目の、そして今までで最も激しい射精を始めた。アリナの膣内の最奥で、子宮口に押し付けられたまま、精液が噴出する。一発、二発、三発——脈動の数を数えることすらできない勢いで、白濁が少年の身体から出ていく。
「あはっ♡ 出てる出てる! すっごい量なんですケド♡」
アリナはピストンを止めずに、むしろ最後の一滴まで搾り取るように、腰をぐりぐりと押し付けながら小刻みに上下させる。結合部から、射精に間に合わなかった愛液と、押し出された精液の混合物が、少年の下腹に垂れ落ちていく。
ぶぶっ♡ ぶっ♡ ぶちゅっ♡
下品な音が、部屋中に響き渡った。
「——っ、あ、あ、まだ、出る——」
「いいヨネ、もっと出して♡ アリナの子宮に、ぜんぶ、注ぐの♡」
少年の意識が、白く飛びかけた。射精の衝動がまだ終わらない。下腹の奥から次々と精液がせり上がってきて、アリナの中に吐き出されていく。その一回一回の脈動を、アリナの膣壁がきゅうきゅうと締めつけて、搾り取っていた。
ようやく、脈動が収まった。
アリナが腰を止める。少年は荒い呼吸を繰り返して、天井を見上げていた。視界がまだ明滅している。まともな思考が、どこかに散らばってしまっていて、集められない。
「ふぅん……」
アリナが目を閉じて、満足げに息を吐いた。
その直後——アリナの身体から、はっきりと光の粒が立ち昇った。緑の髪が内側から光を帯びて、一本一本が淡く燐光を放ちながら揺れる。少年の精液に込められた魔力が、アリナの子宮から全身へと広がっていくのが、目に見える形で起きていた。
「……やっぱり、すごい。一回でこんなに魔力が入ってくるとか、キミ、やっぱり最高なんですケド」
アリナが目を開いて、少年を見下ろす。その瞳の輝きが、さっきまでよりも明らかに増していた。
「でもまだ足りないヨネ。キミのチンポ、もっと搾るカラ」
少年は答えられなかった。
三度目の射精で完全に脱力した身体。拘束されていなければ、意識を失っていたかもしれない。なのに——アリナの「もっと搾る」という言葉が、また、下腹の奥で疼きに変換されていく。
まだ、足りない。
自分の身体が、そう言っている。自分じゃないみたいに。自分じゃない何かが、自分の中で、アリナの続きを求めている。
「じゃ、次のポジション行くよネ♡」
◇ ◇ ◇
アリナが少年の腰の上で、ゆっくりと身体の向きを変え始めた。
繋がったまま。
少年のチンポを膣内に深く咥え込んだまま、アリナが膝を軸にくるり、と身体を回転させる。膣内の肉襞が、根元を軸にした少年のチンポを一周丸ごと擦り上げていく。
「っ——っ、ぁ、ぁああっ!」
異常な感覚だった。
アリナの中に刺さった状態で、チンポが膣内でぐるり、と擦られている。膣壁のヒダが、カリの段差を舐めるように一周し、裏筋から表筋までを万遍なく刺激する。射精したばかりで過敏になっている少年の神経に、耐え難い刺激が流し込まれる。
「あっはは、この回転がボウヤには刺激強すぎた?」
アリナが楽しげに言いながら、ゆっくりと回転を完了させた。
少年の視界から、アリナの顔が消えた。代わりに——
代わりに、アリナの背中が、少年の視界を埋め尽くした。
緑の長い髪が、アリナの背中の上で流れて、軍服のジャケットの黒い布地にかかっている。軍帽のつばが少年から見えないほど、アリナは前方を向いた姿勢で少年の腰の上にしゃがみ込んでいた。
しゃがんだ姿勢のまま、前を向いて、腰を落としている。
——見えて、しまった。
少年の視界に、アリナの剥き出しの尻が、真正面から晒されていた。
軍服のスカートは捲り上げられている。下着はない。ニーハイソックスの上端から、白い尻がまろび出ている。しゃがんだ姿勢で、尻を後ろに突き出すようにしているせいで、双丘が左右に割れて——
「——ッ、あっ、あ、あ……」
見えて、しまう。
アリナの尻の谷間の、いちばん奥の部分が。薄いピンク色の皺が放射状に刻まれた、小さな窄まり。普段は服の下で誰にも見られることのない、アリナ・グレイの、いちばん無防備な器官が——少年の目の前に、拳ひとつ分の距離で、晒されていた。
そしてその下に。
尻の谷間の奥に。
少年の赤黒く膨張したチンポが、アリナの花弁を押し広げながら埋まっているのが、完全に見えていた。
結合部も。
お尻の穴も。
どちらも、隠しようがなかった。
「見えてるヨネ、ボウヤ?」
アリナが、前を向いたまま、からかうように言った。背中越しに、少年の狼狽を正確に察知している声。
「アリナのおしり。アリナの穴。それから——キミのチンポが入ってる、アリナのおまんこ」
「っ……っ!」
「このポジション、背面騎乗位って言うワケ。ボウヤ、こんなのガッツリ見せつけられるの、初めてでしょ?」
少年は目を逸らそうとした。できなかった。
できるわけが、ない。
目の前の光景は、少年の脳に直接焼き付けるような暴力だった。敵の女幹部の尻。その谷間に覗く窄まり。そしてその下で、自分のチンポがアリナの粘膜に呑み込まれている、その接合部——全てが、少年の視界の中心で同時に見えている。
「ほら、よく見てヨネ♡」
アリナが、尻を小さく左右に揺らした。
双丘が震える。窄まりが、その振動にほんの僅かに合わせて、きゅっ、と収縮する。その直下にある結合部からは、先ほどの射精で溢れた精液と愛液の混合液が、ねっとりと糸を引いて垂れていた。
——見るな。
——見てはいけない。
頭の中でそう叫んでも、少年の視線は磔にされたように、アリナの尻から動かせない。むしろ、目を見開いてしまっている。一瞬も、見逃したくないみたいに。
そして——チンポが、痛いほどに硬くなっている。
三度射精したばかりのはずなのに。下腹の奥から、四度目の衝動がもう兆し始めている。いや、兆すどころじゃない。すでに限界が近い。アリナの尻の穴を見ているだけで、精子がこみ上げてきている。
「あれぇ? 中でまたビクビクしてるヨネ?」
アリナが尻を少し落として、結合部を少年にさらに近づける。
近い。近すぎる。アリナのお尻の窄まりが、少年の視界の十五センチ先まで迫ってくる。その下の結合部からは、ぶくり、と白い泡が押し出された。先ほどの精液の残滓が、空気を噛みながら結合部からこぼれ落ちる。
ぶっ♡ ぶっ♡ ぐちゅっ♡
下品な音が、アリナの尻の下から響いた。
「アリナのおしりの穴、見て興奮してるんでしょ? ほんとスケベなんですケド、ボウヤ♡」
「ち、違——」
「違わないヨネ。アリナが動いてないのに、勝手にチンポが膨らんでるカラ」
事実だった。
アリナは腰を動かしていない。ただしゃがんで、少年の視界にお尻を見せつけているだけ。それなのに、少年のチンポは明らかに先ほどまでより硬度を増して、アリナの膣内で脈打っている。視覚刺激だけで——アリナの窄まりを見ているだけで——身体が勝手に反応してしまっている。
「認めちゃいなヨ? ボウヤはスケベなヒーロー♡」
アリナが、ゆっくりと腰を上下させ始めた。
後ろ向きのしゃがみ姿勢のまま、爪先に力を入れて、尻を持ち上げる。少年のチンポが、アリナの膣内から半ばまで引き抜かれる。アリナの蜜と先ほどの精液が、チンポの幹にねっとりとこびり付いて、糸を引きながら引き抜かれていく光景が、少年の目の前で展開される。
そして——落とす。
ずぷんっ!
「——ッ、ぁ、あああっ!」
少年の腰が跳ねた。
目の前で、アリナの尻が波打つ。双丘が衝撃で震え、窄まりがぎゅっと収縮する。その下の結合部から、泡が噴き出す。
見せつけるように。
すべてを、少年に見せつけるように。
「ほらボウヤ、見てる? キミのチンポがアリナのおまんこに食べられてるの、ちゃんと見てヨネ♡」
「っ、み、見てな——」
「見てるヨネ。目、すっごい見開いてるカラ、アリナ、背中でもわかるんですケド」
ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ——
アリナが腰を落とす速度が上がっていく。しゃがんだ姿勢のまま、太腿の筋肉を酷使して、少年の腰に自分の尻を叩きつける。その一回ごとに、少年の視界の中でアリナの窄まりと結合部が揺れる。
「あっ、は、はぁ……」
少年の口から、もう意味のある言葉が出てこなくなっていた。
見てはいけない、我慢しなければ、という思考の欠片が、かろうじて頭の隅に残っている。でも、その思考は、目の前の光景に毎秒毎秒押し流されていく。
アリナのお尻の穴。
結合部。
粘膜が擦れる音。
自分のチンポが出たり入ったりしている光景。
全部が、少年の脳を犯していた。下腹の奥で、精子が津波のように集結していく。四度目の射精が、もう止められない段階まで来ている。
「ボウヤ、そろそろ出したいヨネ?」
アリナが腰を落としながら、振り向かずに言った。声に、明らかに煽りの色が乗っている。
「チンポがもうパンパンに膨らんでるカラ、わかるヨネ。アリナの中で、今にも爆発しそうなんですケド♡」
「……っ、ちが、まだ——」
「違わない」
アリナがぴしゃり、と言い切った。
「ねえボウヤ、認めてヨネ? アリナのおしり見ながらイきそうなんでしょ? おしりの穴見て興奮してるんでしょ♡」
「——ぅ、っ、っ!」
図星だった。
図星だったから、返す言葉がなかった。
「ほ~ら、口で反論できないってことは、認めたのと一緒ヨネ?」
アリナの腰の動きが、さらに激しくなる。しゃがんだ姿勢から、軽くスクワットを繰り返すように。太腿のバネを使った、鋭い往復運動。結合部から、ぶしゃ、ぶしゃ、と愛液と精液の混合液が飛び散る。
ぶぶっ♡ ぶっ♡ ぶぶぶっ♡
結合部から聞こえる下品な音が、もはや少年の耳の中で鳴り止まなくなっている。おまんこから押し出される液体が作る音が、少年の聴覚を支配している。
「っ、っ、だめ、ほんとに、出る——!」
「出していいヨ♡ アリナが全部もらってあげるカラ♡」
「——、っ、あ、ああ、ああっ、も、もう——!」
少年の声が、だんだんと強がりを失っていく。
敵に出してはいけない。頭ではわかっている。でも、アリナの尻の谷間と結合部を同時に見せつけられながら、膣内の蠕動で搾られている今の状況で、我慢できる男がこの世に存在するはずがなかった。
——と、少年が思ったとき。
少年の拘束された手が、無意識に、アリナの腰を求めて握り拳を開いていた。
触れたい。アリナに。アリナの身体に。この快感の源に、自分の手で触れたい——
その動きを、アリナが視界の端で捉えた。
「あれぇ?」
アリナが、ピストンを止めずに、くすくすと笑った。
「ボウヤ、今、手が動いたヨネ? アリナに触ろうとしたんですケド?」
「っ、ちが、違う……!」
「違わないヨネ。拘束されてるのに、アリナの腰掴もうとしたでしょ」
アリナが、腰を落としたまま、軽く上半身を捻って少年を振り返った。軍帽の影から、意地悪な瞳が少年を見下ろす。
「さっきまで『やめろ』『触るな』って言ってたヒーロー、今はアリナに触りたくてたまらないワケ? 堕ちるの早くないですケド?♡」
「——っ」
「アリナに擦り寄ってきてるヨネ、ボウヤ。身体が正直すぎるんですケド♡」
その一言が、決定打だった。
少年の下腹の奥で、堰が崩れた。
「——っ、あ、ああ、ああああっ、出、出る、出るっ——!」
「出しなサイ♡ アリナのおまんこに、ぜ~んぶ、ぶちまけてヨネ♡」
びゅるっ、どぷっ、びゅるるるるっ——!
少年のチンポが、アリナの膣内の最奥で、四度目の爆発を起こした。
精液が噴き出す。一発目より量は減っているかもしれない。でも勢いは衰えていない。脈動の一回ごとに、白濁がアリナの子宮口に向けて叩きつけられていく。
「あはっ♡ 出てる出てる、すっごい♡」
アリナは腰を落としたまま、今度は小刻みに尻を上下に揺らす。射精中のチンポを、膣壁がきゅうきゅうと締めつけて搾り取る。結合部から、押し出された精液が止めどなく溢れて、少年の下腹と台の上に垂れていく。
ぶっ♡ ぶぶっ♡ ぶちゅっ♡
情けない音が、部屋中に響いた。
「あ、あ……っ、まだ、出る……もっと、出てしまう——」
「いいヨネ、もっと出して♡ キミの精液、ぜ~んぶアリナのものだカラ♡」
射精の脈動が、なかなか終わらなかった。先ほどまでの我慢と、目の前の視覚刺激に押されて、少年の身体が通常以上の精液を吐き出していた。
ようやく、脈動が収まる。
少年は仰向けのまま、ぐったりと脱力していた。意識はまだあるが、四肢に力が入らない。視線だけがぼんやりと、目の前のアリナの尻と結合部に向けられている。
アリナの身体から、先ほどよりも明らかに強い光が立ち昇った。
緑の髪が、内側から光を帯びて風もないのに揺れる。軍服のジャケットの肩のあたりから、淡い魔力の粒が空気に溶けていく。少年の精液が、アリナの中で一気に魔力に変換されているのが、目に見える現象として進行していた。
「……んんっ」
アリナが、少し気持ちよさそうに吐息を漏らした。
「やっぱり本番で出してもらった精液、魔力の純度が全然違うヨネ。これで、アリナの魔力もだいぶ底上げされたんですケド」
アリナが少年の上からゆっくりと身体を離した。
ずるり、と音を立てて、少年のチンポがアリナの膣内から引き抜かれる。ぷつり、と粘膜の糸が切れた瞬間、アリナの花弁の隙間から、溜め込まれた白濁がとろり、と流れ落ちた。少年の下腹と、下の台の上に、白い池が広がっていく。
アリナは立ち上がり、再び身体を少年の方に向け直す。
軍帽のつばを軽く持ち上げて、少年の顔を覗き込む。汗で張りついた緑の前髪。上気した頬——けれどその瞳だけは、一切の余裕を失っていなかった。
「ボウヤ。お疲れ様」
アリナが、にやり、と笑った。
「でも、まだ終わりじゃないヨネ」
「……っ、え……」
「さっきも言ったでしょ? キミの精液を『ぜんぶ』搾るって。四発じゃ、全然足りないカラ」
少年の目の焦点が、一瞬だけ合った。
ぜんぶ。搾る。四発じゃ足りない——
「じゃ、続きヨネ♡」
◇ ◇ ◇
そこから先は——少年の意識の中で、もう時系列として成立していなかった。
ちんぐり正常位で。アリナが少年に覆い被さるような姿勢で、軍服のジャケットの胸元を開いて、小ぶりな胸を少年の目の前に晒しながら、腰を打ちつけてきた。五発目の射精。
再び騎乗位。今度はアリナが立て膝で。少年の脱力したチンポを、自分の膣内で強引にしごき立てて、六発目を搾り出した。
うつ伏せにひっくり返された。後背位。アリナが背後から、少年の腰を掴んで——いや、掴んでいたのは少年の方だった。いつのまにか拘束が緩められていたのか、それとも力が抜けきった少年の四肢に拘束の意味がなくなっていたのか、わからない。少年は、拘束が緩んでいるのにアリナから逃げる気力すら湧かなかった。七発目。
「あっは、ボウヤ、もう逃げる気ないヨネ?」
「……ぁ、っ……」
「アリナとのセックス、気持ちよすぎて、もう敵の女ってのも忘れてるんでしょ♡」
少年は答えられなかった。
ただ、ただ、アリナに搾られ続ける。八発目、九発目。各射精の合間に、アリナが少年の顔を覗き込んで、にやにやと笑いながら煽る。もう、その煽りすら、少年の快感を増幅する燃料にしかなっていない。
「あれ~? また勃ってきちゃったヨネ? アリナに見つめられると大きくなるワケ? スケベ♡」
軽いキスすら落としてくる。
少年の唇に、アリナの唇が、ちゅ、と触れる。敵の女の、唇。なのに少年の心は、その接触を拒絶する力を、もう持っていなかった。むしろ——もっと、と思ってしまった自分の反応に、頭の奥底でぼんやりと絶望する。
十発目が、搾られた。
もう精液は、ほとんど量が残っていなかった。透明な液体が、わずかな濁りを伴って、アリナの膣内に絞り出されるだけ。
でも、それでも——アリナは少年の精液から魔力を引き出した。
アリナの身体を取り巻く魔力の気配が、もう最初とは比べ物にならないほど強まっていた。天井の薄暗い照明の下でも、アリナの輪郭がぼんやりと光っているのが見える。軍帽に縫い取られた飾りが、内側から光を放って、緑の髪は生き物のように揺れている。
「……はぁ、満足したヨネ」
アリナが、ようやく少年の身体から離れた。
少年は台の上に投げ出されたまま、もう身動きひとつできなかった。視界はぼんやりと霞み、全身の筋肉が液体になったように力が入らない。下半身は、アリナの愛液と自分の精液と先走りでぐちゃぐちゃに汚れて、台の上に白い水溜まりを作っている。
意識だけは、かすかに残っていた。
意識の底で——変な感情が蠢いていた。
終わった、という安堵ではない。もう終わりなのか、という——名状しがたい、もの足りなさだった。
それに気づいた自分に、少年は愕然とする。でも、愕然とする力すらも、もう残っていなかった。
「うん、キミの魔力、全部いただいたヨネ」
アリナが軍服の乱れを直しながら、少年を見下ろした。エメラルドグリーンの瞳が、満腹の肉食獣のように穏やかに細められている。
「いい夢見たでしょ、ボウヤ? また呼び出してあげるカラ、次までちゃんと回復しといてヨネ♡」
アリナが少年の額に、ちゅ、と軽くキスを落とした。
そして、少年の意識が、ふつり、と途絶えた。
◇ ◇ ◇
「——で、そこで! マジカルレッドくんが気を失って、目を覚ますと街に返されてて——もう世界を救うのは諦めるしかないのか……って絶望する。そこにきりんちゃんが…みたいな感じなの!」
美術室に、能天気な声が響いた。
アリナ・グレイは、イーゼルに向かって筆を走らせていた手を、ぴたり、と止めた。
日の差し込む部室の窓辺。放課後。画材の匂いが漂う空気の中で、隣に座った後輩の御園かりんが、大きなスケッチブックを掲げて興奮気味にまくし立てている。
「タイトルは『悪の女幹部アリナ・グレイ対マジカルレッド』! どうなのアリナ先輩、ネームまで完成したの! アリナ先輩の魔法少女コスチュームを悪役にして、マジカルレッドくんを性的に——」
「……チョット、待って」
アリナの声が、地を這うように低くなった。
「何、言った? フールガール」
「だからマジカルレッドくんを性的に——!」
かりんがスケッチブックのページをめくる。
一ページ目。軍服のアリナらしき人物が、拘束された少年を見下ろしている構図。
二ページ目。拘束された少年のズボンを剥ぎ取るアリナ。
三ページ目。手で——
「——却下なんですケド!!!!」
アリナの絶叫が、美術室の天井を揺らした。
筆がイーゼルに叩きつけられ、絵の具が飛び散る。軍帽の下の頬が、目に見える速度で真っ赤に染まっていく。激情したアリナ特有の、顔への血の上りかたで——かりんは、ちょっと見慣れた光景を見ている、という顔で先輩を見ていた。
「なっ、ななっ、なにこれ!? なんでアリナがそんなことしてるワケ!? この少年誰!?」
「えっと、マジカルレッドは、怪盗マジカルきりんの相棒で——」
「そのマジカルきりんとかいうの自体がフールすぎるんですケド!!」
アリナはスケッチブックをひったくると、ページを一枚一枚めくりながら、顔色を真っ赤にしたり青くしたりを繰り返している。ページをめくるたびに絶句し、また次のページで悲鳴を上げる。
「なっ、なっ……っ、アリナがこんなエッチなことして……飲んで……!? しかもこの下品な音なに!? ぶっ♡ ぶっ♡ って何!?」
「それは結合部から漏れる愛液と——」
「説明いらないヨネ!!」
かりんは目を輝かせている。
「だってアリナ先輩、軍服似合うの!? 悪の女幹部のイメージぴったりなの! ネームの構図もすっごく頑張ったの、ほらここのアングルとか——」
「いちばんの問題はそこじゃないんですケド!!」
アリナの顔が、もはや茹でタコのようになっている。軍帽をかぶった頭のてっぺんから湯気が立ちそうな勢いで。
「こんなの絶対パブリッシュさせないカラ!! 燃やすヨネ!! 一枚残らず燃やす!!」
「そんななのー!? せっかく描いたのにー!」
「燃やすって言ったでしょ!? フールガールのフールな妄想、この世から消すヨネ!!」
「そんなー、傑作なのにー!」
かりんの情けない声が、夕日に染まる美術室に響いたー。
今日も栄総合学園美術部は平常運転。