※この作品はR-18です。

搾精都市神浜~魔法少女たちのエッチな短編集~   作:黒蓮/クロハス

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セックス修行♡由比鶴乃 ~鶴乃式最強交尾術への道~

 中華飯店万々歳の昼下がりは、ランチタイムの喧騒が一段落して、換気扇の唸りだけが間延びして聞こえる、奇妙に気怠い時間帯だった。

 

 窓から差し込む光は、店内に漂う油の微粒子を白く浮かび上がらせている。卓上の醤油差しのキャップには、拭き忘れた指紋が残ったまま。レジ横のカウンターでは、業務用のラー油の瓶が倒れかけの姿勢で傾いでいて、それをちょいちょいと指で立て直す細い指があった。

 

「ふんふーん♪」

 

 鼻歌まじりの声の主は、由比鶴乃。

 

 紺色の制服スカートの上に、油ハネで斑になった白いエプロンを重ねた看板娘。くりっとした丸い瞳、日焼けの気配を知らない滑らかな頬、短く切りそろえた毛先がぴょこんと跳ねるブラウンの髪。胸元のエプロンを内側からこんもりと押し上げているふくらみは、彼女の年齢を少しだけ逸脱した豊かさで、歩くたびに制服ごと柔らかく揺れていた。

 

「いらっしゃいませ! 中華飯店万々歳へようこそーっ!」

 

 のれんがめくれる気配を察した瞬間、鶴乃の声は一段跳ね上がる。味は五十点でも接客は百点、というのが彼女の自称で、その自称通り、店に足を踏み入れる客の鼓膜を最初にびりびりさせるのは、決まってこの少女の声だった。

 

 のれんをくぐってきたのは、この店ではすっかり見慣れた顔だった。

 

 五十がらみの、いくらか腹回りの緩んだ男。頭頂部がうっすら寂しくなりかけているのをごまかすように、前髪を横に流している。作業着の胸ポケットにはよれたタバコの箱。首元には、薄く汗の染みたタオル。下町の、どこにでもいる——そんな気配を全身に纏ったおじさんだった。

 

「よう、鶴乃ちゃん」

 

「あっ、おっちゃん、いらっしゃーい! 今日も来てくれたんだ、嬉しいな♡」

 

 営業スマイルなのか、本心なのか、その境目を自分でも意識していない顔で、鶴乃はひらひらと手を振った。胸のエプロンがその動きに合わせてたぷんと揺れる。それを、おじさんの視線がほんの一瞬、舐めるように撫でて離れた。

 

 見ていることを、鶴乃は気付いていた。気付いていて、咎めない。それどころか、ほんの少しだけ、胸を張るように背筋を伸ばしてみせる。見せびらかすほどではない、けれど、見られていることを承知しているという合図の姿勢。

 

——ふふん。おっちゃん、今日もチョロいな。

 

 胸の奥で、鶴乃はちいさく得意げに笑った。

 

「何にするー? 今日はね、マーボーフェアやってるよ! 意識も吹っ飛ぶ辛さだって評判なんだから! ちなみにわたしは三口で白旗あげたっ」

 

「……いや、それ推すなよ」

 

「えへへ」

 

 ぺろりと舌を出して、鶴乃は客席の椅子を引く。おじさんは慣れた仕草でそこに腰を下ろした。メニューを開く手つきにも、迷いはない。いつもの席、いつもの客。けれど、おじさんの目がメニューの中華料理の項目を撫でるスピードは、いつもよりほんの少しだけ速かった。

 

「じゃあな、鶴乃ちゃん。ラーメン一杯と、餃子一人前」

 

「はーい、ラーメンと餃子ね!」

 

 鶴乃は伝票にスラスラとペンを走らせる。その手がふいに止まった。伝票の余白に、ペン先をちょんとあてて、目線だけを上に上げる。

 

「——それで?」

 

「……それで、だ」

 

 おじさんの喉仏が、こくりと一回上下した。

 

「食ったあとに、ひとつ——裏メニューを、もらいてぇんだけどな」

 

「裏メニュー、ですかぁ? うーん、どんなのだろう?」

 

 鶴乃は小首をかしげた。わざとらしい。わざとらしいのを承知で、鶴乃はわざとらしくやっていた。おじさんの顔に、ほんのりと汗がにじむ。エアコンは効いている。それでも、にじんだ。

 

「……鶴乃、スペシャル、を」

 

「あっ♡」

 

 鶴乃の目が、ぱちっと開く。それから、伝票にぐいっと二重線で「鶴スペ」と書き込んで、にっと歯を見せて笑った。

 

「かしこまりましたー♪ 鶴乃スペシャル、ご注文ありがとうございまーす。おっちゃん、ほんっと好きだよねぇ、これ」

 

「……うるせえよ」

 

「隠さなくてもいーのに♡ 食欲のあとは性欲、健全健全ー! 人間、欲があるうちが花だよ?」

 

 ぺらぺらとまくしたてながら、鶴乃はおじさんの肩をぽんぽんと叩く。叩かれた肩からおじさんの視線が這い上がり、鶴乃のエプロン越しのふくらみ、制服の襟の隙間からのぞく鎖骨、それからくるりと跳ねる髪の先を、順番に舐めていく。

 

 鶴乃は、それを知っている。

 

 知っていて、ほんの半歩、おじさんの側に身を傾ける。エプロン越しの胸の輪郭が、角度を変えて男の視線に差し出される。息のかかる距離まで顔を寄せて、鶴乃はささやきを落とした。

 

「お料理、先に出すね? 食べ終わったら、二階のいつもの部屋で待っててね♡ ちゃーんと、準備してから行くから」

 

「……おう」

 

「返事は元気よく!」

 

「……おうっ!」

 

「よろしいっ♪」

 

 弾むように身を起こして、鶴乃はくるりと踵を返す。厨房に向かう背中で、エプロンの腰紐に結わえられたリボンが、ふりふりと左右に揺れていた。

 

◇ ◇ ◇

 

 それから、しばし。

 

 ラーメンを啜るおじさんの額には、うっすらと汗が浮いていた。マーボーフェアの辛さではない。それは別の種類の熱だった。餃子をタレにくぐらせる箸先が、いつもよりほんの少し雑で、皮が破れて肉汁がこぼれ、テーブルに小さな染みを作る。

 

 そわそわとした時間が、やがて一皿ぶんだけ流れて、会計を済ませたおじさんは、厨房の奥へ続く階段を——勝手知ったる足取りで——踏みしめていった。

 

◇ ◇ ◇

 

 二階の、奥の部屋。

 

 元は座敷の宴会用に使われていた一室で、今はほとんど使い道がない。畳は日焼けして縁が擦り切れ、障子には古い破れを糊で繕った跡が薄く走っている。窓からは、万々歳の裏手の路地が見下ろせて、昼のけだるい陽が障子を透かして畳を黄色く染めていた。

 

 部屋の真ん中には、布団が一式、几帳面に敷かれている。枕元には未開封のボックスティッシュと、ペットボトルのお茶が一本。あまりに準備が整いすぎていて、それ自体がすでに猥褻だった。

 

 おじさんは、ここに通されるのが、もう数えきれないほど何度目になるのか、自分でも分からない。けれど何度目であっても、階段を上がった直後のあの胸のざわつきだけは、慣れることがなかった。

 

 作業着のボタンを外す。ズボンを畳む。パンツも畳む。几帳面なくせに、剥ぎ取るように脱いだ下着の内側には、もう先走りがうっすらと染みを描いていた。布団の上に胡座をかいて、ちょうど股間を隠すようにタオルを一枚乗せる——乗せるだけで、隠れていない。半勃ちの肉棒が、タオルをテントのように押し上げていた。

 

 廊下の板がきしむ。とん、とん、と軽やかな足音。

 

 からり。

 

 襖が、滑らかに開かれた。

 

「おっ待たせー♡」

 

 そこに立っていたのは——もう、鶴乃ではなかった。

 

 いや、鶴乃であることは変わらない。けれど、纏っているものが違う。

 

 さっきまでの制服とエプロン姿は跡形もなく、代わりに彼女の身体を包んでいるのは、オレンジを基調にした、可憐で、ひらひらと装飾過多な衣装。肩のリボン、ふんわり膨らんだ袖、腿の付け根まで際どく切り込みの入ったミニスカート——魔法少女・由比鶴乃の戦闘形態。

 

 現役バリバリの魔法少女である。

 

 そして、どうやらこの少女にとって、その大切な戦闘衣装は、同時にもっとも集中してセックスに臨むための、勝負服でもあるらしかった。

 

「おっ……おいおい鶴乃ちゃん、またその格好かよ」

 

「だってさ、わたし、セックスってのはもう戦いだと思ってんの! だったらこっちの方が気合入るじゃん?」

 

 ぺろ、と鶴乃は唇を舐めた。

 

——さーて。今日も、修行修行っ。

 

 胸のうちで、鶴乃はちいさく気合を入れる。最強の魔法少女。最強のセックス。最強の子作り。由比家の名を広めるための、果てしない道のりの、また一歩。おじさんには悪いけれど、この人は今日もわたしの修行台になってくれる——そう思えば思うほど、腰のあたりが、じわりと熱を持つ。

 

 鶴乃は、ひらりとスカートの裾をつまみあげた。スカートの下から覗いたのは、衣装とお揃いの、ふりふりと縁のあしらわれた白い下着。それを見せつけるでもなく、隠すでもなく、ただ「そこにある」という顔でぱっと放す。布がふわりと元の位置に戻る。

 

「おっちゃんも好きだねえ、この格好♡」

 

 布団の上に、ぺたん、と膝を折る。四つん這いで、おじさんのあぐらの前まで這い寄る動作は、ショコラの仔犬みたいに軽やかだった。タオル越しに、ふんふん、と鼻を鳴らすように見せつけてから、鶴乃はタオルの端をつまむ。

 

「はーい、では鶴乃スペシャル、ご開帳でーす」

 

 すっ、とタオルが抜き取られた。

 

 下から現れたのは——すでに半分ほど熱を孕み、天井を斜めに向いて頭をもたげはじめている、おじさんの肉棒だった。

 

「……うぇへ♡」

 

 おもちゃ箱を開けた子供の顔。鶴乃の瞳がきらりと光る。そうっと右手をのばし、親指と人差し指で根本の皮をひと撫で、それから五本の指全部でやさしく柔らかく——もみ、もみ、と揉みほぐすように握り込んだ。

 

「んーっ、おっちゃんのコレ、今日も元気だねー? ちょっと味見させてね? ——最強のフェラ、今からしてあげるから♡」

 

 鶴乃の指が、おじさんの肉棒の根本から亀頭に向かって、ゆっくりと一度、滑り上がった。

 

 それは、食材の鮮度を確かめるシェフの指先の動きに似ていた。親指の腹が裏筋を軽く押し上げ、そのまま皮を引き上げるように亀頭の縁をぐるりと一周する。まだ半勃ちだった肉棒が、その一撫でで、ぐ、と内側から質量を増す。血が集まる速度が、明らかに加速した。

 

 おじさんの腰が、布団の上でわずかに浮いた。

 

「……鶴乃ちゃん、そりゃ反則だぜ」

 

「えぇー? まだなんもしてないよ? これからだよ、これから♡」

 

 くすりと笑って、鶴乃は自分の唇にちろりと舌を這わせる。ピンク色の舌先が、薄く光る唾液の膜を唇の上に敷いていく。その舌は、すぐにはおじさんの肉棒に触れなかった。まず舌の先端から、つぅーっ、と糸を引くほどの唾液を、亀頭の先端めがけて垂らしたのだ。

 

 とろり。

 

 透明な粘液が、鈴口のすぐ上にぽたりと落ちる。おじさんの尿道口から先に滲んでいた先走りと、その唾液が亀頭の上で合流して、ゆっくりと一滴、ひとつの雫を作っていた。

 

「ふふ、おっちゃんのもわたしのも、もう混ざっちゃった」

 

 そう言うなり、鶴乃は顔を近づけた。息の熱だけが、先にふわりと亀頭を撫でる。近いのに、触れない。おじさんの下腹が、焦らされてびくりと緊張する。

 

「じゃあ——いただきまーす♡」

 

 ちゅぷっ。

 

 ためらいもなく、亀頭が鶴乃の唇の中に呑み込まれた。

 

 おじさんの視界が、一瞬、白く飛んだ。

 

 あたたかい。濡れている。柔らかい。そして——狭い。三つか四つの形容を同時に脳裏に浮かべる間もなく、鶴乃の舌がもう、亀頭の裏筋にぴったりと張り付いていた。張り付いただけではない。その舌は、裏筋を下から上へ、下から上へと、粘膜のひだを擦り上げるようにして、休むことなく蠢き始める。

 

「っ、ぐ……ッ、鶴乃ちゃん、それ、いきなり——」

 

 声が、途切れる。

 

 鶴乃の頭が、ゆっくりと沈み込んだ。亀頭だけではなく、竿の半ばまで、それから——根本の陰毛に唇が触れる位置まで、一気呵成に呑み込んだ。ひとつの呼吸のそのワンテンポの間に。

 

——ふふん。これ、これ。おっちゃんの、この味。

 

 鶴乃は口腔内で肉棒を転がしながら、胸のうちでちいさく評価する。鉄分のような、ほんのりと汗の塩気を含んだおじさんの味。新鮮さはない。けれど、長年煮込まれた鶏ガラスープみたいな出汁の深みがある。——と、鶴乃はいつもそう思っていた。食レポに採点をつけるみたいに。

 

 そして、評価を終えたら、あとは修行だ。

 

 鶴乃の頭が、ふっ、と浮き上がる。亀頭の手前、鈴口すれすれのところまで引き抜いて——そこから、再び、一気に、根本まで、ストン。

 

 ストン、じゃない。

 

 ブチュン、だった。

 

 じゅぽっ!

 

 鶴乃の頬が、ぐぐっ、と内側に凹む。肉棒を挟み込むほどの猛烈な吸引が、口腔の全体積を使って、おじさんの先走りを根こそぎ吸い上げにかかった。舌はその間も止まらない。裏筋を擦り上げ、亀頭のカリの溝をぐるりと舐め回し、鈴口の穴をくじるように舌先で突いてくる。

 

「は、ぐッ……ツル、ノちゃ、ッ——」

 

 おじさんの膝が、びくりと跳ねた。腰が自然と浮く。浮いた腰を鶴乃の左手が、ぽんぽん、と布団に押し戻す。落ち着きな、という仕草で。けれどその右手は、おじさんの金玉を下からふわっと掬い上げるように支えて、親指で、とんとん、と軽く叩きはじめていた。

 

 じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ。

 

 頭が、落ちて、上がって、落ちて、上がる。ストロークは、異様に長い。亀頭が唇から抜け落ちる寸前まで引き抜き、そこから一息に、陰毛が鼻先に当たる深さまで呑み込む。往復の振幅が、異様に広い。しかも、そのテンポが、一往復ごとにわずかずつ速くなっていく。

 

 ぬっぽ、ぬっぽ、じゅぽ、じゅぽっ、ジュポッ、ジュポッ、ジュポジュポジュポッ!

 

「これぞ、由比家秘伝——」

 

 一度、ちゅぽん、と音を立てて口を離した鶴乃が、唇の端から唾液の糸を引いたまま、にやりと歯を見せた。

 

「——火起こしフェラ、だよっ♡」

 

「ひ、火起こし……ッ?」

 

「わたし、火の魔法、得意なの! だからね? こうやって、擦って、擦って、擦りまくって——おっちゃんのコレに、ぼっ、て火ぃつけるの! ほら、もう、熱くなってきたっしょ?」

 

 言うなり鶴乃は再び、ぱくり、と口を被せた。

 

 今度は、さっきよりも速い。

 

 じゅっぽっ、じゅっぽっ、じゅっぽっ、ジュッポッ、ジュッポッ——。

 

 頬の凹みが、出し入れに合わせて、うねうねと波打っている。唇の輪っかが、亀頭のカリを捕まえるタイミングで、きゅうっ、と締め付ける。舌は、往復運動の合間にも裏筋を舐め続け、片時も休まない。そして、その頭の動きは——もはや、目で追うのがやっとの速度だった。

 

 おじさんの下腹は、既に火がついていた。

 

 比喩ではなく、本当に熱い。勃起した肉棒の根本から、亀頭の先端まで、鶴乃の口腔がこすり擦り上げる摩擦が、直接的な物理現象として熱を発している。粘膜の摩擦熱。唾液が、激しい出し入れの中で泡立ち、ちゅっぱちゅっぱと白い気泡を混ぜ込み始めた。

 

「ッ、つ、鶴乃ちゃ、待っ、ほんとに——!」

 

「ふふっ♡ ダメー、いま止めないよー?」

 

 鶴乃は口を離さないまま、くぐもった声で笑った。笑いながら、肉棒の根本をぎゅっと握り、そこから亀頭へかけて、手と口を同じ速度で同じ方向に扱き上げはじめる。手と口が完全に一体化した、二重の摩擦。

 

——ほら、ほら。もう、出ちゃうよね、おっちゃん。

 

 鶴乃はおじさんの下腹の筋肉の震え方を、肉棒を咥え込んだ口の中で正確に感じ取っていた。肉棒の根本が、脈打ちのリズムを変える。金玉が、きゅっ、と体側に持ち上がる。射精の前兆。いつもの、合図。

 

——今日は、最速記録かも?

 

「っ、で、出る、鶴乃ちゃ、出る、出るッ——!」

 

 おじさんの腰が、びくん、と跳ねた。

 

 鶴乃は、口を離さなかった。

 

 離すどころか——ぐっ、と一段、深く呑み込んだ。亀頭を喉のすぐ手前まで迎え入れて、そこで頬をさらに凹ませて、真空みたいな吸引を最大出力で放った。

 

 じゅるるるるるるっ——!

 

「うッ、うぐっ、おッ——」

 

 おじさんの喉から、言葉にならない呻きが漏れる。腰が、棒が折れたみたいに浮き上がる。下腹の奥から、灼けた鉛みたいな質量が、肉棒の根本を駆け上がり——一気に鶴乃の口の奥めがけて、放たれた。

 

 どぴゅっ、どぴゅっ、どびゅるるるっ。

 

 一発目が、鶴乃の口蓋を叩いた。二発目が、舌の根にぶつかった。三発目は、喉の奥に、勢いそのまま飛び込んだ。鶴乃は眉ひとつ動かさず、ただ、ごく、ごく、と喉を鳴らして、それを順番に呑み下していく。口は肉棒を離さない。離さないまま、射精の最中の肉棒を、さらに、じゅるっ、じゅるっ、と吸い上げて、尿道に残った最後の一滴までを、丁寧に絞り取っていく。

 

 おじさんの全身が、痙攣みたいに震えた。震えが収まるまで、鶴乃は咥えっぱなしで、ただ、じぃ、と上目遣いにおじさんの顔を見ていた。射精の表情を観察するみたいに。

 

 やがて、最後のびくりがおさまったところで、鶴乃はようやく、ちゅぽん、と口を離した。

 

 口の端から、唾液と精液の混合液が、つぅ、と一筋垂れる。鶴乃はそれを、人差し指の背でちょいと掬い、舌を出して、ぺろん、と舐め取った。

 

「——ごっそさまでしたー♡」

 

「っ……は、はや、すぎんだろ、鶴乃ちゃん……」

 

 おじさんは布団の上に肘をつきながら、荒く息を吐いた。全身がびっしょりと汗ばんでいる。肉棒は射精を終えてもまだ、鶴乃の唾液でてらてらと光ったまま、半分も角度を落としていない。

 

「えー? だって、おっちゃんが『出したい出したい』って顔してたんだもん?」

 

「してねぇよ」

 

「してたよぉー? ふふん、今日、何秒だった? ストップウォッチ、心の中ではかってたの。……だいたい、九十秒くらい?」

 

「……お前、それ、鬼か」

 

「鬼じゃないもん、看板娘だもん♡」

 

 鶴乃はけらけらと笑って、おじさんの太腿をぺちぺちと軽く叩いた。

 

「でもさ、まだ終わりじゃないよ? ——鶴乃スペシャル、これは、ほんの前菜だから」

 

「マジかよ……」

 

「マジマジ。はい、お掃除タイムね? ちゅっちゅってしとくから、じっとしててね♡」

 

◇ ◇ ◇

 

 そう言って、鶴乃は再び、ちゅ、と亀頭に唇を寄せた。

 

 今度はさっきみたいな激しいバキュームではない。軽く舌先で鈴口の周りに残った白い汚れを、ぺろ、ぺろ、と舐め取っていく。甲斐甲斐しい、介抱のような仕草。おじさんは、ふぅ、と息を吐いてその光景に見とれかけた。

 

 見とれかけて——気付いた。

 

「……おい。鶴乃ちゃん。それ、だんだん、動き、速くなってねぇか……?」

 

「えー? 気のせいじゃないー?」

 

「いや、絶対、速くなって——」

 

 ちゅぷっ。

 

 鶴乃の口が、再び、亀頭を呑み込んだ。

 

「ッ、あっ、ちょッ——!」

 

 お掃除フェラは、気付いた時には、もう、お掃除ではなかった。舌先の掃除運動が、いつの間にか亀頭を舐め回す運動に変わり、舐め回しが、軽い吸引に変わり、軽い吸引が、深い咥え込みに変わり——そこからはもう、加速するしかない。火起こしフェラの、二回戦である。

 

 ぬっぽ、ぬっぽ、ジュポッ、ジュポッ、ジュポジュポジュポ——。

 

「ま、まった、鶴乃ちゃん、ほんと、今の、射精直後の——ッ、」

 

「知ってるー♡ 射精直後のちんぽ、いっちばん感じやすいもんね? うん、知ってるっ」

 

 くぐもった笑い声と共に、鶴乃の頭が、前回よりもさらに速いリズムで、前後に振られ始める。射精直後で鋭敏になった亀頭に、休む間もなく、あの長大なストロークのバキュームフェラが叩き込まれる。

 

 おじさんは、悟った。——これは、逃げられないやつだ。

 

「料理は五十点かもだけど、フェラは百二十点だって、おっちゃんも言ってたよねぇ♡ ねぇ、何点? 今の、何点♡」

 

 口を離した隙に、鶴乃がニヤリと上目で覗き込んでくる。その間にも、右手は肉棒の根本を、きゅ、きゅ、と握って扱き続けている。亀頭の先端には、射精の直後だというのに、もう新しい先走りが、つぅ、と滲みはじめていた。

 

「ひゃ、百二十点、でっす……」

 

「そうそう♡ よくできましたー」

 

 ちゅぷっ、ともう一度呑み込んで、鶴乃は再びエンジンを全開にした。

 

 じゅっぽっ、じゅっぽっ、ジュッポッ、ジュッポッ、ジュッポッ、ジュッポッ、ジュッポッ——。

 

 おじさんの下腹が、みるみる引き攣っていく。二発目は、一発目より早かった。金玉に溜まった精液の量が少ない分、引き金が軽い。そして、鶴乃は、それを、知っている。

 

「っ、で、出るッ——!」

 

 二発目の射精が、鶴乃の舌の根に、どぴゅっ、と叩きつけられた。

 

 鶴乃は、ぎゅるん、と頬を凹ませて、そこから一切力を緩めずに、精子を、尿道の奥から、吸い出す側に回った。じゅるるるるッ、という、掃除機が水を吸い上げるような音が、部屋の空気を震わせる。尿道に残った最後の一滴まで、きっちり。

 

 ちゅぽん。

 

 口が、ゆっくりと離される。鶴乃の唇の上には、二発目の白濁液が、つっ、と一筋光っていた。その唇の端に、鶴乃は、ぴっ、と二本の指を立てて、チョキの形を作る。

 

「にはーつめっ♡ Vサイン、Vサイン!」

 

「……本当に、お前は……」

 

 おじさんは、布団の上にぺたんと尻をついて、肩で息をしていた。さすがに、腰にきている。二連続の短いインターバル射精。金玉の奥が、キュッ、と引き攣って鈍く痛むほどの搾り取られ方だった。

 

「はい、じゃあ続いて、三発目、いこー♡」

 

「……は?」

 

「鶴乃流・わんこそばフェラ、ですっ♡」

 

 ぺろ、と舌を唇に這わせて、鶴乃は、自分の口の端に残った精液まで、きれいに舐め取ってしまう。そして、もう、三度目の、ちゅぷっ、が、おじさんの亀頭に落ちてくる——。

 

「ちょ、待った、待った待った待った!」

 

「えー?」

 

「ストップ! ストップだ、鶴乃ちゃん!」

 

 おじさんは、両手で鶴乃の頭を、やんわりと押し返した。

 

「わんこそばって、お前、あれだろ、『ごちそうさま』って言うまで延々続くやつだろ——!」

 

「そうだよ?」

 

「そうだよ、じゃねぇよッ! 前に、倒れた客がいたって——!」

 

「あー、いたねー。面白かったなぁ」

 

「面白くねぇよ! 俺まだ、本番も行ってねぇんだぞ!」

 

 おじさんの必死の抗議に、鶴乃は、けらけらと、楽しそうに笑った。

 

「じょうだんだよぉ♡ おっちゃんには、まだまだ頑張ってもらわないとだし? 今日の本命は、ここからだもんね?」

 

「あ、ああ……そうだ、そうだよ……」

 

「やっぱり、鶴乃ちゃんにはかなわねぇって顔、してるー♡」

 

「……全面降伏だよ、まったく」

 

 おじさんは、くたびれた笑いを浮かべて、肩の力を抜いた。金玉は、完全に軽くなっていた。二発、立て続けに吸い尽くされて、下腹の奥には、ほわんとした脱力感だけが残っている。

 

 けれど。

 

 肉棒は。

 

 まだ、角度を、落としていなかった。

 

 それは、目の前の少女のせいだった。

 

 鶴乃が、ぺろりと唇を舐め、そのまま、ひょい、と立ち上がる。立ち上がりながら、両手を、魔法少女衣装のスカートの下に、差し入れる。

 

「まだまだ、これからだよ?」

 

 すっ、と、薄い布が、内腿をすべり落ちた。

 

 ふりふりの白い下着が、鶴乃の健康的な太腿の上を、膝、ふくらはぎ、足首、と辿って、くしゃり、と畳の上に落ちる。

 

 スカートの下で、何も纏わなくなった下腹部。

 

 鶴乃はそれを、見せつけるでもなく、ただ当然のことのように、スカートの裾を、両手で、ゆっくりと、捲り上げた。

 

 オレンジ色のひらひらが、左右に開かれる。

 

 ——現れたのは。

 

 むっちりと張りつめた、若々しい太腿の内側。その付け根に、薄い茂みを辿った先の、ぷっくりと閉じられた少女の割れ目。すでに陰唇はほんのり色づいて、その合わせ目の中央からは、透明な蜜がひと雫、太腿の内側にすぅ、と光る筋を引いて垂れている。

 

「——ほらっ♡ おっちゃんのチンポのせいで、わたしのおまんこも、もうぐしょぐしょだよ?」

 

「っ、おい、鶴乃ちゃん、それは反則だって……」

 

「反則って、なに? そっちが勝手に元気になったくせに♡」

 

 おじさんの視線が、吸い寄せられるように、鶴乃の下腹部に固定された。ふっくらとした恥丘、桃色の合わせ目、そこから滲む若い蜜の艶——そして、その上で、オレンジ色のスカートの裾が、小刻みに揺れている。鶴乃が、見せつけながら、わずかに腰をくねらせているからだった。

 

 それを合図にしたように、おじさんの肉棒が、びくん、と角度を一段持ち上げた。萎えかけていた勢いが、再び、むくりと、天井を向く。二発出したばかりとは思えない、下町のおじさんの絶倫であった。

 

「うぇっへ♡ ほらやっぱり、おっちゃんのも、まだまだだねぇ?」

 

「……鶴乃ちゃんが、そんな格好するから、だろうが」

 

「褒めてる? 褒めてるよね♡ ありがと♪」

 

 鶴乃は、くすくすと笑いながら、布団の上にあぐらをかくおじさんを、やんわりと後ろに押し倒した。おじさんの背中が、布団にぱさり、と沈む。見下ろす鶴乃の、オレンジのスカート。下から覗くその裾の奥に、先ほど露わにされた少女の割れ目が、ちろりと見え隠れしている。

 

「それじゃあ、本番、いこっか? ——最強のセックス、修行の時間ですっ♡」

 

 鶴乃の身体が、布団に仰向けになったおじさんの腰の上へ、ふわり、と跨った。

 

 和式便所の上に腰を落とすときの姿勢。両膝を畳につけず、爪先立ちで浮かせて、ただ尻だけを落としていく、しゃがみの構え。それをおじさんの腹の上に、そのまま再現してみせたのだった。魔法少女のオレンジスカートが、鶴乃の腿の上に軽くかぶさって、結合部をちょうど隠している。

 

 鶴乃の右手が、おじさんの肉棒の根本を、きゅっ、と握った。

 

 その握り方は、職人の手つきだった。迷いがない。肉棒を真上に立てて、根本を支点にして、亀頭の角度を自分の割れ目にまっすぐ向けさせる。

 

「んっ、ちゅ」

 

 鶴乃はもう一度、自分の舌にぺろ、と唾液を溜めた。その唾液を今度は、ぽたり、と亀頭の先端に垂らす。つぅ、と糸を引いて落ちた唾液が、鈴口の周りを湿らせる。それを鶴乃は右手で、ぬちゅ、ぬちゅ、と亀頭全体に塗り広げ始めた。

 

 それから亀頭を、自分の割れ目の合わせ目に、ちょん、と当てがう。

 

 当てがって、そのままこすりつける。

 

「ふぅ……」

 

 ぬち、ぬち、ぬちゅ——。

 

 亀頭が鶴乃の陰唇の上を、下から上、上から下へとこすり上げられる。軽く、まだ挿入はしない。ただ先っぽで割れ目の入り口を、おろし金の上にとろろを擦るみたいに、なじませていく。鶴乃の蜜と唾液とおじさんの先走りが、結合部でくちゅ、と混ざり合う。

 

——よしっ、馴染んだ。

 

 鶴乃の上目遣いが、ふっ、と細められた。交尾する直前の、雌の顔だった。この顔をしたときの鶴乃には、もう、いつもの快活な少女の軽さはない。ただ「これから孕みに行く」という一点に集中した、獣じみた色気だけが滲んでいる。

 

「おっちゃん、行くよ?」

 

「あ、ああ……」

 

「ぜーんぶ、一気に、行くからねっ♡」

 

 ずぷっ——!

 

 鶴乃の腰が、ストン、と落ちた。

 

 ストン、じゃない。これも、ズッッッン、だった。

 

 亀頭が鶴乃の陰唇を押し分け、膣口の輪を一気に内側へ引きずり込んで、そのまま膣道を根本まで、ひとつの呼吸で呑み込んだのだ。おじさんの陰毛に、鶴乃のぷっくりとした恥丘がぴったりと密着する。亀頭は鶴乃の最奥——子宮口の、ざらりとした環のくぼみに、ぐりっ、とめり込んでいた。

 

「ぅ、あ……ッ、ぃッ——」

 

 鶴乃の喉から、声にならないひくい吐息が漏れる。天井を仰いだ頬が、一瞬で、ぽっ、と赤く染まった。最奥まで呑み込んだ瞬間の衝撃に、慣れた修行者の鶴乃でさえ一拍、腰を固める。

 

 けれど、それは本当に、一拍だけだった。

 

 次の瞬間——鶴乃の下腹に、ぎゅぅ、と明確な力が入った。

 

「ふぅっ——」

 

 深呼吸、一回。

 

 下腹の奥で、膣壁の筋肉がぎゅううっ、と肉棒に絡みつくのを、おじさんはリアルタイムに肉棒の表面で感じ取った。根本から亀頭の先端にかけて、肉壁が波打つように締め上げてくる。しかもその締め付けは均一ではない。亀頭の部分を強く、竿の中ほどをやや緩く、根本をまたきつく——三段階の、段差のついた締め付けだった。

 

「っ、お、鶴乃ちゃん、それ、それッ、中が——ッ」

 

「うぇへ♡ おまんこの、準備運動っ♪」

 

 にい、と笑った次の瞬間。

 

 鶴乃の腰が、フルスロットルで跳ねた。

 

 パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ——!

 

 予兆も加速もなかった。ゼロからいきなり最高速。まるでスタートピストルと同時に全力疾走を始めた陸上選手の、その脚の回転の速さだった。

 

 ただしその運動は、前後ではなかった。

 

 上下だった。

 

 鶴乃の腰が、おじさんの腰にペタンと密着する位置から、亀頭が抜け落ちる一歩手前の位置まで——肉棒の根本から亀頭の縁までのその長さをフルに使って、ストン、ストン、ストン、と目にも留まらぬ速さで、上下運動を繰り返し始めたのだった。

 

 パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ、パッ——!

 

「うおッ、うおおぉッ、鶴乃ちゃ、これッ、これ、速すぎっ——!」

 

「中国四千年、ピスト、ン、だよッ♡」

 

 鶴乃の声が、リズムに合わせて細切れに跳ねる。腰を落とすタイミングに合わせて吐息と一緒に愛液が飛び散る。魔法少女のスカートが、その超高速の上下運動の振幅にあわせて、ぱた、ぱた、ぱた、と鶴乃の腰の上で羽ばたきのように跳ねていた。

 

 これは、普通の騎乗位ではなかった。

 

 普通の女が腰を振るときは、自分の感じるところに亀頭を当てるために、前後に、あるいはクネクネと円を描くように腰を使う。それは女が気持ちよくなるための腰振りだ。

 

 鶴乃のは、違った。

 

 鶴乃のは、肉棒に最大のダメージを与えるための、腰振りだった。

 

 肉棒の長さ全体を、膣壁で扱き上げる。亀頭のカリを、膣口の輪っかで何度も何度も、抜ける寸前に引っ掛ける。抜けない。絶対に抜けない。抜ける一歩手前でストン、と根本まで呑み込み、子宮口にぐりっ、と亀頭を叩きつける。

 

 それをパッ、パッ、パッ、パッ、とハリセンで連打するような超高速で、一秒間に何度、とさえ数えたくなる速度で、延々と繰り返している。

 

 しかも。

 

 結合部からは、トロトロの、片栗粉の餡みたいな粘度の高い愛液が、あとからあとから分泌されてきている。その愛液は超高速のピストンの衝撃に巻き込まれて、結合部からぶしゅっ♡ ぶしゅっ♡ と飛沫になって、四方に飛び散っていた。まるで火花のように。

 

 ぶちゅ♡ ぶちゅ♡ ぶしゅぅ♡ ぶしゅぅ♡

 

 下品な結合音が、部屋中の空気を震わせる。

 

「ふんふんふんふんふんッ!」

 

 鶴乃が鼻息を、リズムに合わせて荒く早く刻み始める。「ふんふん」はいつもの鶴乃の癖だった。喋りすぎて息継ぎを忘れたときの、あの癖。それが今、別の用途で同じように発動している。全力で腰を振りすぎて、息継ぎが追いついていない。

 

「うおッ、うおッ、うおおおおッ——!」

 

 おじさんの喉からは、もう言葉が出てこなかった。ただ、雄叫び。魂が抜けそうな快感の断末魔。腰の下から上へと突き上げる強烈な摩擦の波が、次々ととめどなく下腹の奥を殴りつけてくる。

 

——ほら、ほら。おっちゃん、もう、だめじゃん。

 

 鶴乃は騎乗位の上から、おじさんの歪む顔を見下ろしながら、胸の内でにやり、と笑った。

 

——まだ二発、抜いたばっかりなのに。この速さで、これだけ食らったら——。

 

 計測は、今日も完璧だった。

 

 おじさんの肉棒が、膣の中でぶるん、と一段大きく脈を打った。根本からの脈動のリズムが、ひとつ、ふたつ、みっつ、と徐々に間隔を短くしていく。射精の前兆。鶴乃の膣壁はそれを、脈動の振動としてダイレクトに感じ取っている。

 

 けれど、今日は。

 

「——出していいよっ♡」

 

 鶴乃は、言った。

 

 言いながらピストンの速度を、落とすどころかさらに上げた。

 

「中に、中にだしてっ♡ 鶴乃の、赤ちゃんの部屋に、びゅーって、ぶっかけてっ!」

 

「っ、ツル、ノちゃ、ッ、出る、出るッ、出ちまうッ——!」

 

 次の、ストン。

 

 亀頭が鶴乃の最奥——子宮口にぐりっ、と押し当てられた、そのタイミングで。

 

 鶴乃の腰が、今度はぴたり、と止まった。

 

 止まって、代わりに下腹の筋肉だけが、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅう、と肉棒の根本を、搾乳するみたいに波打つ締め付けで絞り上げにかかった。

 

「っ、うあッ、ああああッ——!」

 

 おじさんの腰が、ビクンッ、と布団から浮く。

 

 どぴゅっ、どびゅっ、どびゅるるるるッ——!

 

 三発目の射精が、鶴乃の子宮口にゼロ距離で叩きつけられた。灼熱の濃い二発目よりも粘度の高い液体が、亀頭の先端からびゅくびゅくと、鶴乃の最奥に注ぎ込まれていく。鶴乃の下腹の奥がぽかぽかと、湯たんぽを当てたみたいに内側から温まっていくのを、鶴乃はじっくりと味わった。

 

——あったかい♡ やっぱり、生は、いいなぁ♡

 

 鶴乃の顔はぎゅっと目を閉じて、天井を仰いで、幸せそうに緩んでいた。

 

 しかし。

 

 射精のまだ終わりきらないうちに——。

 

「——よいしょっと♡」

 

 鶴乃は、ぐい、と腰を浮かせた。

 

 射精中の肉棒が、ぬぽん、と抜ける。抜けた瞬間、根本に残った残りの精液が、亀頭からびゅるっ、と鶴乃の下腹の上に飛んだ。

 

「えッ、おい、鶴乃ちゃ——!」

 

「はい、次、いくよっ♡」

 

 鶴乃の両手が、オレンジ色の魔法少女衣装の胸の部分を、ぐい、と下にずらした。

 

 ふわりと衣装の内側から零れ出てきたのは——年齢からして少々反則にすぎる、たっぷりと張りのある、ふたつの若い乳房。淡い桜色の乳首が、すでにつんと勃ち上がっている。

 

 そして鶴乃は、その双丘の谷間に、射精真っ最中のおじさんの肉棒を——むぎゅっ、と挟み込んだ。

 

「ぱ、パイズリ——ッ!?」

 

「射精、終わらせないよー♡ このまま、ぜーんぶ、絞り取るからね?」

 

 むにゅ、むにゅ、むにゅん。

 

 鶴乃の両手が左右から乳房の外側を寄せて、肉棒を乳肉の谷間で上下にこすり上げ始めた。柔らかい弾力のある肉の谷が、射精を続けているおじさんの亀頭をふわふわと包み込む。射精の最中の肉棒は、敏感さが最大値に達している。その状態で、この柔肉の刺激——おじさんの腰はもう、布団の上で跳ねっぱなしだった。

 

 しかも、鶴乃はそれだけでは終わらせなかった。

 

 ぱくり——。

 

 谷間から顔を出している亀頭の先端を、鶴乃は上から、ぱくり、と口で咥え込んだ。

 

 じゅじゅじゅじゅーッ!!

 

「うぐッ、あッ、ああああッ——!」

 

 おじさんの意識が、ここで本当に、白く飛んだ。

 

 射精中の亀頭を柔らかい乳房で根本から扱き上げられ、その先端を真空みたいなバキュームで吸引される——射精の、完全延長戦。肉棒の根本に、射精しきる隙を与えない。鶴乃の口と胸が、追加の精液を尿道のさらに奥の奥から引きずり出しにかかっている。

 

 やがてどぴゅ、どぴゅ、という放出が、ぴゅ、ぴゅ、という弱々しい脈に変わり、それもやがてたらり、と尿道から涎のように垂れるだけになったところで——。

 

「——ごちそうさまでしたっ♡」

 

 鶴乃はようやく、口を離した。

 

 おじさんは布団の上で、大の字になっていた。腰が抜けていた。本当に、抜けていた。立ち上がれる気がしなかった。

 

「うぇへへ♡ おっちゃん、腰、抜けちゃった?」

 

 鶴乃が上から、にっこりと覗き込む。その顔の上には、射精の飛沫が頬にひとすじ光っていた。

 

「……降参だ、鶴乃ちゃん。本当に、降参だ……」

 

「やーだー♡ 降参は、まだ早いよ? だって——」

 

 鶴乃は自分の下腹を、ぽん、と撫でた。そこには先ほど子宮口に注ぎ込まれた、おじさんの三発目の精液が、まだほかほかと熱を持ったまま収まっているはずだった。

 

「——最強の子作りは、ここから、だもん♡」

 

 と——。

 

 その、時だった。

 

 とん、とん、とん。

 

 階段を軽い足音が駆け上がってくる気配があった。

 

「おーい、鶴乃ーっ!」

 

 障子の外から、張りのある、別の少女の声が——届いた。

 

◇ ◇ ◇

 

 鶴乃のぽかぽかと緩んでいた顔が、一瞬で凍りついた。

 

「——ッ、フェ、フェリシア!?」

 

 声に出さず、唇の動きだけで、鶴乃はおじさんにそう訴えた。おじさんの顔からも一瞬で血の気が引く。慌てて、その場にあった作業着の上着を手繰り寄せて、自分の下半身を隠しにかかった。

 

 鶴乃も、はだけた胸元を大急ぎで魔法少女衣装の内側にしまい、髪を手櫛で整える。部屋にこもった汗と精液の匂いを、どうにかしたい——と思ったところで、もう、どうにもならない。

 

「鶴乃ー、いつまで休憩してんだよ! おっちゃん呼んでるぞー!」

 

「——は、はぁーい、ちょっと、待ってて!」

 

 声をぎりぎりいつもの調子に寄せて、鶴乃は答えた。布団の上から立ち上がり、スカートの裾を直しながら、障子に足早に近寄る。開ける。が、全開にはしない。障子と柱の間に、ちょうど顔の幅だけ隙間を作る。

 

 廊下に立っていたのは、フェリシアだった。

 

 学校の制服の上に、万々歳のエプロン。腰に手を当てて、じっとりと呆れた顔で、こちらを見上げている。

 

「なにやってたんだよー、鶴乃。もう昼のピークも終わったのに——」

 

「あ、ああ、あー、なんかね? お腹、ちょっと、下しちゃって……トイレ、長くてさぁ、えへへ」

 

「……えへへじゃねえよ。顔、真っ赤じゃん」

 

「そ、そう? 気のせい、気のせい! もうちょっとで、落ち着くから!」

 

 鶴乃は障子の隙間から、顔だけひょこりと出して、努めて明るく笑ってみせた。

 

 その背後で——。

 

 ぎし、と布団がきしむ音がした。

 

 大の字になって腰を抜かしていた、はずのおじさんが、ふらりと立ち上がったのだ。ふらりと立ち上がっただけではない。そのまま音を立てないように布団を踏み越えて、鶴乃の背後へ忍び寄ってきていた。

 

 その、股間。

 

 二発搾り取られ、三発目は膣内射精、さらにパイズリと口で追加搾取——それでもこの下町のおじさんの肉棒は、萎えきっていなかった。

 

 萎えきっていなかったどころではない。

 

 目の前で鶴乃の顔を引き締めた緊張感と、障子の向こうに少女が立っているという禁忌の気配で——むしろ再び、ぐぐ、と角度を取り戻し始めていた。

 

「ちょ、まっ——」

 

 鶴乃が背後の気配に気付いて、振り返ろうとしたとき。

 

 ずぶぷっ——!

 

「ッ、ぁッ——♡」

 

 鶴乃の喉から甲高い声がほんの一音、飛び出しかけて——鶴乃は全力で、それを咽頭の奥に押し戻した。

 

 立ちバックで、下からおじさんの肉棒が、鶴乃のおまんこに、一気に根本まで捩じ込まれていた。

 

 先ほど三発目を中出しされたばかりの膣内は、ぬるぬるの精液と愛液でコーティングされていて、おじさんの肉棒は、なんの抵抗もなくストン、と最奥まで呑み込まれた。

 

「ん……? 鶴乃、なんか今、声——」

 

「ちっ、ちがっ、ちがうの! なんでもない、なんでもない!」

 

 鶴乃は障子の隙間から、顔だけは必死に笑顔を作って、フェリシアに首をぶんぶんと横に振った。背後ではおじさんが、ゆるり、ゆるり、とごくごく静かなリズムで腰を使い始めていた。ぬち、ぬち、ぬち——。結合部からの音は精液と愛液が大量に絡んでいて、スローなピストンではかろうじて、ぎりぎり外には聞こえない小さな粘液音しか立てていない。

 

「なんか、ほんと、大丈夫かよお前、体調……」

 

「だ、だいじょうぶ、だいじょうぶぅ♡っっっ!ホントに!」

 

 鶴乃の額には汗がぷつ、ぷつ、と浮いていた。

 

 障子の向こうには無邪気な顔をしたフェリシア。障子のこちらには鶴乃の背後から、騒がしくない程度の、でも確実な緩やかピストンを続ける、欲望剝き出しのおじさん。

 

——な、んで、おっちゃんッ、今ッ、このタイミングでッ!?

 

 鶴乃は胸の内で絶叫した。

 

——しかもっ、抜かないしっ! 動くなとも言えないしっ!

 

 振り返って睨もうかと思った。でも、振り返った瞬間、障子の隙間から見える顔が横顔になってしまう。横顔になるとフェリシアから表情を読まれやすい。——読まれたら、終わる。

 

 だから鶴乃は、真正面だけをフェリシアに向けた。

 

 真正面の、笑顔の下で——。

 

 鶴乃の膣道を、おじさんの肉棒がぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅっ、となめらかに往復している。スローなのに、おじさんはポイントを心得ていた。亀頭を、鶴乃の最も感じる、子宮口の一歩手前の膣の上壁のざらついた部位に、狙いすましてぐりっ、ぐりっ、と擦りつけてくる。

 

——だめ、だめ、だめっ、そこは、今、やられると、ッ!

 

 鶴乃は太腿を、ぎゅう、と内側に締めた。

 

 内側に締めると余計に膣道がきつく、おじさんの肉棒をきゅうう、と締め付けることになる。鶴乃自身が自分の首を絞めていた。

 

「あと、鶴乃、さっきの注文のチケット、どこやった? 厨房で、おっちゃんが探してたぞ」

 

「あ、あー、チケット! チケットね! えーとねっ、ちゅうぼっ♡——あっ、厨房の、レジの、ひ、引き出しっ、の上っ、にっ、置いたはずっ、だよっ?」

 

 鶴乃のセリフのリズムが、明らかにおかしくなっていた。

 

 「ふんふん」言い始めの荒い息が、文節の合間に混ざり込んでいる。けれど、鶴乃は鶴乃だった。もともと息継ぎを忘れて喋るタイプの、鶴乃だった。

 

 フェリシアはきょとんとした顔で、首を傾げた。

 

「……鶴乃、お前、やっぱ、変だぞ」

 

「へ、変じゃ、ない、もん!」

 

「……ん? 誰か、いんのかよ、中に」

 

 フェリシアの視線が、一瞬、障子の隙間に向けられた。

 

 その、瞬間。

 

 鶴乃は障子の枠を、ばっ、と両手でつかんで、隙間を自分の顔で塞ぐようにして身を乗り出した。

 

「い、いないっ、いないよっ! 誰もっ、いなっ、いないったらっ、いないっ、のっ♡——」

 

 末尾の、のっ♡——の音。

 

 これは、完全に、漏れた。

 

 背後のおじさんがスローピストンのその速度を、ほんの少しだけ上げた、その瞬間の声だった。鶴乃の膣の一番感じる場所を、亀頭がぐちゅっ、と深く抉った、そのリアクション。

 

 鶴乃は自分の口を、ぱっ、と両手で塞いだ。

 

 フェリシアはじっ、と鶴乃の顔を見ていた。

 

 数秒の、沈黙。

 

——終わった、終わった、終わった、終わった——。

 

 鶴乃の胸のうちで、アラートだけが鳴り響く。けれど。

 

「……ま、いいや」

 

 フェリシアはふぅ、と意外なあっさりさで、肩をすくめた。

 

「とりあえず、早く戻ってこいよな。洗い物、溜まってっから」

 

「あっ、はっ、はぁい! ごめん、ごめん、すぐ、行くから!」

 

「ん」

 

 フェリシアはもうそれ以上追及することなく、くるり、と背中を向けて、階段をとん、とん、とん、と降りていった。

 

 足音が、一階に消える。

 

 完全に消えたのを確認して——鶴乃は障子を、ぱたん、と閉めた。閉めて、そのまま障子に額をあてて、ふぅぅぅ、と深い深い安堵の息を吐いた。

 

「……たすかった……」

 

 そして、次の瞬間。

 

 その張り詰めていた糸が切れたのを、背後のおじさんは見逃さなかった。

 

 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ!

 

「ッ、ひゃうっ♡ ッ、ちょ、ちょっ、おっちゃんッ——!」

 

 スローに抑えていた腰が、一気に本来の勢いに戻った。

 

 ずっと溜めていた射精感を、思いきり発散するように。おじさんの腰は鶴乃のおまんこを、真後ろからバスバスバスバスッ、と連打し始めた。

 

「ずっと、我慢してたんだよ、俺ァ……っ、今のは、さすがに、つれぇっての……!」

 

「あはっ♡ あはははっ、ごめんごめん、ごめんって、おっちゃん、あっ、あんっ、それ、それ、すきっ♡」

 

 鶴乃の抑えていた喘ぎ声が、一気に解放される。

 

 そして——抑えていたのは、おじさんだけではなかった。

 

 鶴乃もそうだった。フェリシアを、あの子だけは守らなくちゃいけない。あの子だけには売春の真似事なんて絶対にさせられない。家計も魔法少女の使命も、ぜんぶわたしが引き受ける。わたしが頑張らなくちゃ。——鶴乃の胸の底にはそういう決意がずっと、ひっそりと横たわっていた。障子の向こうにフェリシアの声を聞いた瞬間、その思いがぎゅっ、と胸を締め付けた。

 

 けれど。

 

 今は。

 

 その決意も緊張も、すべて背後から叩き込まれるおじさんの肉棒の強烈な摩擦の前に、溶けていく。

 

 溶けて、代わりにただ、「気持ちいい」だけが残る。

 

「あっ、あっ、あっ、やば、やばっ、おっちゃんっ、それっ、わたしもっ、わたしもっ、来ちゃうよっ♡」

 

「出すッ、出すぞッ、鶴乃ちゃん、中、中にッ——!」

 

「だしてッ♡ 出してだしてだしてっ、鶴乃のっ、おまんこにっ、どくどくってっ、注いでっ♡♡」

 

 ずちゅずちゅずちゅずちゅずちゅッ——!

 

 結合部から、ぶすっ♡ ぶすすっ♡ と、膣内に溜まりすぎた精液と愛液が、押し出された空気と共に下品な音を立てて、畳の上にぽたぽたとしたたり落ちていく。

 

「ッ、出るッ、出る出る出るッ——!」

 

「いくっ、いくっ、いくよっ♡ いっしょっ、いっしょにっ——!」

 

 おじさんの最後のひと突きが、鶴乃の子宮口をどちゅんッ、と押し上げた。その衝撃と同時に。

 

 どびゅっ、どびゅっ、どびゅるるるるるっ——!

 

 四発目の、膣内射精。

 

 鶴乃も同じ瞬間に——全身をびくん、と跳ねさせて、膣道をぎゅうううっ、と万力のように締め付けて、絶頂の痙攣を始めていた。

 

「っっ——♡♡」

 

 鶴乃の喉からは、もう声は出なかった。ただ、空気だけがひゅ、ひゅ、と細く長く漏れていた。

 

 おじさんと、鶴乃は。

 

 立ったまま、繋がったまま、どちらも膝をがくがくと震わせていた。

 

 やがて——どちらからともなくずるっ、と崩れ落ち、二人は畳の上に、大の字に寝転がった。

 

 タオル一枚も乗せない。隠すものも、もう、何もない。

 

「——はぁ、はぁ……」

 

「……ふぅ、ふぅ……」

 

 どちらも息が上がっていた。ボクサー同士が互角の打ち合いをして十二ラウンドを終えた後のダブルノックアウトみたいに、二人はただ天井を仰いで、はぁはぁと息を整えていた。

 

 障子の外から、午後の陽が差し込んでいる。

 

 やがて——どちらともなくふふ、と笑いが漏れた。

 

 笑いながら、二人は起き上がった。

 

 そして、どちらからともなく——もう、言葉はなかった。

 

 これが、最後の、一戦だ。

 

 そういう空気だけが、二人の間に満ちていた。

 

◇ ◇ ◇

 

 鶴乃が、布団の上に、仰向けに、横たわった。

 

 オレンジ色のスカートを、自分の手で、腰の上まで、まくりあげる。膝を、自分で、左右に、ぱかり、と開く。内腿の付け根、すでに四発ぶんの精液と愛液で、ぐちゃぐちゃに蕩けた割れ目が、くぱぁ、と、下向きの口のように、薄く、開いていた。

 

 そこから、さっき注がれたばかりの白濁液が、たらん、と、一筋、太腿を伝って布団に染みを作る。

 

「おっちゃん——」

 

「……ああ」

 

「——最後、やろ?」

 

「——ああ」

 

 短い、言葉のやり取り。もう、じゃれ合いではなかった。お互いにこれが、本気の最後の一戦だと分かっていた。

 

 おじさんが、鶴乃の上に覆いかぶさる。

 

 肉棒の先端を、鶴乃の蕩けた割れ目に狙いを定める。鶴乃はそれを下から、じっと見上げていた。上目遣いにおじさんの顔を見上げながら——下からぐぅっ、と腰を持ち上げた。

 

 迎え撃ちの、腰。

 

 おじさんの肉棒に、鶴乃のおまんこが下から、ぱくり、と食いつきにきた。

 

 バスンッ——!

 

 空気の塊を叩きつけるみたいな鈍い音が鳴った。

 

 亀頭が鶴乃の最奥に、一息に突き刺さった。鶴乃の頭が布団の上でのけぞる。おじさんの喉からも、うっ、という低い呻きが漏れた。

 

 男と、女の、最後の戦いの、ゴングだった。

 

 精液と愛液と、先ほどまでの射精で、膣道の中はぬるぬるで熱い粘液の沼になっていた。その粘液の中を、亀頭がヌルヌルと滑る。滑る度に膣壁と亀頭の表面が、摩擦熱で発火しそうになる。

 

「っ、くッ、鶴乃ちゃん、これ、これ、熱いッ——!」

 

「うんっ、うんっ、おまんこも、燃えそっ♡ 燃えそうだよっ、おっちゃんのっ、おっきいので、燃えそうっ♡」

 

 おじさんが上から、バスバスッ、と腰を打ち下ろす。

 

 鶴乃も下から、ズブッ、ズブッ、と腰を突き上げる。

 

 どちらも、迎え撃つ。

 

 どちらも、引かない。

 

 二人の腰が真ん中でぶつかる、そのリズムが徐々に加速していく。

 

 バスッ、バスッ、バスンッ、バスンッ、バスンッ、バスンッ——!

 

 結合部から、ぶすっ♡ ぶすすすっ♡ ぶぶぅっ♡ と、膣内に溜まりに溜まった空気と粘液が混じって、下品な音を絶え間なく立てている。愛液と精液が、あとからあとから結合部からねとねとと溢れ出して、布団の上に大きな濡れ染みを広げていく。

 

「ふんふんっ、ふんふんふんふんッ♡」

 

 鶴乃の、例の息が、また始まった。

 

 ただし今回のそれは、騎乗位のときとは違った。騎乗位のときは、相手を「攻める」ための戦闘呼吸。けれど今の鶴乃のそれは——下から迎え撃ちながら、おじさんと「同期する」ための呼吸だった。

 

 おじさんが上から打ち下ろす、その一発一発のタイミング。

 

 鶴乃はそれに、寸分の狂いなく合わせてくる。

 

 上からおじさんの腰が沈んでくる、そのタイミングで——下から鶴乃の腰が、迎え撃つように跳ね上がる。

 

 お互いの腰が真ん中でぶつかる瞬間——二人分の勢いが、同じ方向に合算される。普通の正常位なら、肉棒の速度は男の腰振りの速度だけだ。けれど今、この鶴乃とおじさんの合わせ腰は——男の腰振りと女の迎え腰がぶつかり合って、二人分の倍速の摩擦を生み出している。

 

 ひとりじゃ絶対に不可能な速度。

 

 ひとりじゃ絶対に不可能な深さ。

 

 ひとりじゃ絶対に不可能な快感。

 

「うおッ、うおおッ、つるの、ちゃん、これ、これ、やべぇ、やべぇッ——!」

 

「おっちゃんっ、おっちゃんっ、わたしもっ、わたしもっ、こんなのっ、こんなのっ、はじめてっ♡♡」

 

 ぶすっ♡ ぶすすっ♡ ぶぶぅっ♡ ぶぶぅっっ♡

 

 結合部から押し出される空気と粘液の音が、リズミカルに部屋中に響いている。

 

 鶴乃の下腹が熱い。

 

 本当に、焼けるように熱い。

 

 亀頭が最奥をずんずんと打ちつける、その一発一発。子宮口がおじさんの亀頭のかたちにめり込んで、ざらりとした粘膜同士が擦り合わされる。鶴乃の内側で、今まで味わったことのない、深いところからのうねるような快感の波が、立ち上がってくる。

 

——これだ、これだ、これこそがっ。

 

 鶴乃の頭の奥で、何かが音を立てて壊れかけた。

 

——最強の、子作り、交尾っ——!

 

 おじさんの肉棒の根本が、ぶるん、と一段深く脈打った。

 

 鶴乃の膣壁が、それをダイレクトに感じ取る。

 

「おっちゃんっ、おっちゃんっ、きたっ♡ きたよっ♡ いっしょっ、いっしょにっ——!」

 

「出るッ、出る出る出るッ、鶴乃ちゃん、中に、中にぶちまけるぞッ——!」

 

「うんっ、うんっ、中にっ、いっぱい、いっぱいっ、ぶちまけてぇっ♡♡♡」

 

 最後の一撃。

 

 おじさんの腰が、最深のひと突きを——鶴乃の最奥へ打ち下ろす。

 

 鶴乃の腰も、下からその一撃を、迎え撃つように跳ね上げる。

 

 二人分の勢いが真ん中で合算されて——亀頭が鶴乃の子宮口に、ずぷ、と押し入るほどの深さで衝突した。

 

 ぶちゅん、と鈍い音。

 

 その瞬間。

 

 鶴乃のおまんこが、ぎゅううううッ、とこれまでにないほどの強烈な力で、肉棒の根本を万力のように絞り上げた。

 

 どぴゅっ、どぴゅっ、どびゅるるるるるッ——!

 

 五発目の、最深奥射精。

 

 今日の最後のひと絞り。量こそ少なくなっていたが、その濃度はこれまでのどれよりも濃く、どろり、と重たい白濁が、鶴乃の子宮口の、そのさらに奥までぶちまけられていた。

 

「——っっ♡♡♡」

 

 鶴乃の喉が、最後の一音を声にしそこねる。

 

 代わりに全身が、ビクン、ビクン、ビクンッ、と跳ね上がる。指の先が、足の指の先までぴぃ、と伸び切って、ぴくぴくと痙攣する。目は半開きのまま、瞳孔が焦点を失って、天井の一点をただ見上げていた。

 

 絶頂だった。

 

 文字通りの、頂点だった。

 

 同時絶頂。

 

 鶴乃とおじさんは繋がったまま、どちらも動きを止めて、ただ、びくびくと痙攣を共有した。鶴乃の膣壁が、脈動のリズムで肉棒を絞り続けている。おじさんの肉棒が、脈動のリズムで追加の精液を、鶴乃の最奥に送り続けている。

 

 ふたつの脈動が、ひとつのリズムで同期していた。

 

「これ——これ、だよっ♡」

 

 やがて鶴乃の唇から、絞り出すような勝利の声が漏れた。

 

「最強の、セックスっ、成ったよっ——♡♡♡」

 

 天井に向かって、鶴乃は大きな絶頂の雄叫びを、ぽぉーん、と放った。その声はもはやフェリシアに聞こえるだとか、そんなことを一切気にしていない声だった。ただ達成した、至福の叫び。

 

 一戦終えた、魔法少女の勝ち鬨だった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 同じ午後。

 

 中華飯店万々歳の、ちょうど店舗の裏手側。

 

 換気扇から排気された油と香辛料の匂いが、もわっ、と漂う狭い路地。エアコンの室外機の音に混じって、何か別の、粘ついたリズムの音が、絶えず響いていた。

 

 ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ——。

 

 音の主は、壁際に、制服の上にエプロンをつけたまま、両手を壁につき、尻を後ろに突き出した体勢で、立ちバックで腰を使われている——フェリシアだった。

 

 エプロンは腰の上までまくし上げられている。制服のスカートも同じくめくり上げられていて、下着は膝の下に絡まるようにぶら下がっていた。剝き出しになった白い尻に、後ろから別のおじさんが——鶴乃の客のおじさんとはまた別の常連が——パンパンと腰を打ちつけている。

 

「っ、フェリちゃん、今日もすげぇキツキツだなぁ、お前のコレは……」

 

「っ、はッ、う、うるせぇよ……っ、余計なこと言ってる暇あったら、さっさと出しちまえよ、おっちゃん……っ!」

 

 不機嫌そうな顔で、けれど腰はなかなか素直に突き出したままのフェリシア。

 

 これこそが鶴乃の知らない、万々歳のもうひとつの裏メニュー。

 

 ——「フェリシアランチ」。

 

 料金は鶴乃スペシャルよりも幾分お手頃。場所は路地裏の立ち喰いスタイル。提供時間はピーク後の昼下がり限定。

 

 そして実は鶴乃より売春歴の長いフェリシアの——日々のあがりの、源泉だった。

 

「っ、くー、やっぱ外でやるの、背中つれぇよなぁ、おっちゃんも……」

 

 フェリシアは壁に手をついたまま、ふぅ、と息をついた。

 

 その耳に——二階の方角から、鶴乃の絶頂のひときわ大きな雄叫びが、窓越しに届いた。

 

「——あー。鶴乃の奴、やーっと終わったか」

 

 フェリシアは呆れたようにため息をついた。

 

「あいつがいっつもいっつも『やり部屋』を使うから、オレはこんな路地裏でしなきゃなんねぇんだよなぁ……しかも外は、夏場とか虫が寄ってくるしよ」

 

 フェリシアは鶴乃の売春のことを——とっくの昔から知っていた。

 

 知っていたどころか、「バレないように隠してる鶴乃」を面白がって見ていた側だった。どちらかというとフェリシアのほうが、商売の先輩である。鶴乃が「自分には絶対に売春なんてさせないぞ」と固い決意をしていることも、フェリシアはうっすら気付いていた。——気付いた上で、放っておいていた。

 

——あいつ、ほんっとまっすぐだよなぁ。

 

 フェリシアは、背後からおじさんに突かれるリズムに合わせて、胸のうちでにやりと笑った。

 

——オレのこと守ってるつもりなのが、面白すぎ。

 

「っ、フェリちゃん、こっちも出る、出るッ——!」

 

 背後のおじさんが、腰の打ち下ろしをぐっと深くした。フェリシアはふっと息を吐いて、尻をさらにおじさんのほうに突き出す。

 

「おう、じゃあ——きっちり中にしろよなっ♡」

 

 ずんッ——!

 

 最奥への一撃。

 

 おじさんの肉棒が、フェリシアの膣の最深部で、ぶるん、と震えた。

 

 どびゅっ、どびゅっ、どびゅるるるっ。

 

 フェリシアの中に、今日何発目かの白濁液が注ぎ込まれる。フェリシアは壁に額を預けて、ふぅ、と一息ついた。絶頂に悶えるでもなく、取り乱すでもなく——ただ業務の一件をこなした、という顔で。

 

 やがておじさんが、ふぅぅ、と息をつき、ぬぽん、と肉棒を引き抜く。

 

 引き抜かれたフェリシアの膣口からは——受け止めたばかりの生の白濁が、ぼとっ、ぼとっ、と路地裏のアスファルトに、重そうにこぼれ落ちた。

 

 フェリシアはそれを気にするでもなく——むしろ自分から尻をおじさんのほうに突き出しながら、両手を自分の尻たぶに当てた。

 

 そして。

 

 ぐいっ——。

 

 自分の両手で自分の尻たぶを、左右におもいっきり広げてみせた。

 

 生で注がれた精液をとろり、と垂らしているおまんこを、これ以上ないほどくぱぁ、とおじさんに見せつける姿勢。

 

 少女らしからぬ、堂々たる痴態だった。

 

「——おっちゃん」

 

 フェリシアは肩越しに、ニヤリと笑う。

 

「——千円でもう一発、どうだ?」

 

「っ、お、おまえ、今出したばっかで——」

 

「どうだ?」

 

「……やる、やるよッ! 千円なら、やるに決まって——ッ」

 

 おじさんの萎えかけていた肉棒が、そのフェリシアの挑発的すぎる見せつけ姿に、ビンッ、と再び角度を取り戻した。

 

「ふふん、そうこなくっちゃ♡」

 

 フェリシアは、もう片方の手を後ろに回して、ビンッと再勃起したおじさんの肉棒の根本を、きゅ、とつかむ。そのまま自分の、広げたままのおまんこの入り口まで、ぐいぐいと引き寄せていく。

 

 自分から。

 

 お代わりのチンポを、自分の穴に導く。

 

「いっぱいぶっかけてっていいよ♡ おっちゃん、まだまだ元気だよなぁ?」

 

「……フェリちゃんにはかなわねぁよ、まったく……」

 

 ずぷっ、と二発目の挿入が始まる。

 

◇ ◇ ◇

 

 二階では、勝ち誇った鶴乃がおじさんに、「わたし、最強の魔法少女だから、最強のセックスの母なんだよ!」と熱弁を振るっている。

 

 一階では大将が、「鶴乃ーっ、フェリシアーっ、お客さん待ってんだよー!」と叫んでいる。

 

 路地裏ではフェリシアが、二発目の中出しをおじさんにねだっている。

 

 そして換気扇は、今日も油の匂いを路地にぶんぶんと吐き出し続けている。

 

 中華飯店・万々歳。

 

 ——今日も大繁盛な一日である。




Pixivにマンガ版も投稿しています。
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