【ビッチ疑惑】の有名冒険者ちゃん!―責任取りたくないから処女は嫌だけど! ビッチなら!― 作:BIBI
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ギルドってのは、本質的にマフィアみたいなもので、法を無視して殺す事に躊躇はない……。
処女だった事を考えると、ルナはギルドで大切に育てられてきた子なんだろうな……。そんな子をヤリ捨てたら、余裕で殺される……。
「…………リン。起きたの?」
まだ眠そうに目を擦りながら起きるルナ。上体を起こし、隠す様子もなく裸を晒す。
「ごめん。中出しして……。テンション上がってつい……」
一応謝るが、謝って済む様な話ではない。ガーネットは女が主体の組織だ。クズ男に容赦なんてしない。
「私がやりたかったからやっただけ。気にしなくていい」
首をコテンと傾げて不思議そうな顔をするルナ。彼女自身、本当にそれで良いと思っているのだろう。
まさか状況を理解していないのか……? 何か自分の体の価値も分かってなさそうだし……。
何か余計に悪い事しちゃった気分……。ビッチだと思ったから、僕も軽い気持ちで手を出しちゃったし。
「…………。セックスの後に言うのもおかしいけどさ……、僕と付き合わない? 真剣な交際がしたいんだ。責任を取るってのは、ちょっと大袈裟だけど」
一応僕から告白して、責任を取る意思は示す。ギルド内で僕の安全を確保するなら、恋人関係になるのが理想だけど……、まぁ、土台無理な話かな。
冒険者ですらない僕なんかが、二級冒険者のルナと釣り合うはずないしね。だからこそルナは交際する気がないって、予め宣言してるんだろうし。
「…………」
目を丸くし、十秒以上固まって黙る。ルナは少しずつ状況を理解した様で、いつもの無表情に戻って「……じゃあ、交際する」と淡白に返事をした。
「……え? あ、ありがとう!」
何故か告白を受け入れて貰えた事に感激した僕は、思わず彼女を正面からギュッと抱き締めた。
「…………そんなに嬉しいの?」
「嬉しいよ! 凄く嬉しい!」
戸惑う声を漏らすルナに、僕は心からの喜びを伝える。
良かった。表向きにでも愛し合っていると主張出来たら、多分殺される事はないはず。何だかんだガーネットは身内に甘いって聞くしね。
流石にルナが恋人だって紹介してくれたら、僕を殺そうとは考えないでしょ。…………でも、何で受け入れてくれたんだろ。もしかしてルナは、僕に気があるのかな。
「そう……」
何だか若干嬉しそうな声。僕をギュッと抱き締め返すルナの力は、少し痛く感じるくらい力が入っていた。
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広い空間に高級そうな家具が幾つも配置されたマスター室。呼び出された僕とルナは、両袖机の前で立っていた。
「なるほどね……」
両袖机の席に着いている白髪の女性――シュナさん。女子高生にしか見えない外見だけど、一応三十路を越えているらしい。
「良かったわ、ちゃんと交際していて……。責任取る気もなくヤリ捨て上等な男だったら流石に始末していた所よ?」
ニッコリと微笑むシュナさんは僕に向かって微笑む。
あ、あぶな……。危うく死ぬ所だった……。
ギリギリで死亡フラグを回避し、思わず青ざめる僕。
「別に私は責任求めてないから、ヤリ捨てでも良かった。…………ッ! 別に付き合いたくないって意味じゃない」
言いながら失礼な言い方になっていると気づいたらしく、すぐに訂正するルナ。彼女は心配そうな表情を浮かべて僕の手を握ってくる。
「…………。え、あぁ、うん……」
何でこの子、僕の事をこんなに気に入ってるの……? 命を助けられた程度の事で、こんなに人を好きになれるものなの……?
この子の気持ちを全く理解できない僕って、少し薄情なんだろうか。
「貴女が良くても、こっちにもメンツってもんがあるのよ。大切に育ててきた子が、どこの馬の骨とも分からない奴にヤリ捨てされたら、ぶっ殺すのは当然よ? 貴女の意思に関係なく、ギルドの威信に懸けて始末しなきゃいけないの」
女性優位のギルド故、そのような価値観が当然なのだろう。自分の方がまともだと疑わない様子でシュナさんは呆れた様に苦笑している。
どうにもシュナさんは筋を通さない男に厳しいらしいね。
いや、もしかすると男女問わず筋を通さない人が嫌いなのかも知れない。基本的にギルドはマフィアに近いからね。……やっぱり怖い。
「…………。リンはちゃんと真剣に交際したいって言ってくれたから……。酷い事したら駄目」
「分かってる分かってる。ウチのギルドは別に男性迫害の思想はないもの。誠実な男に対しては、誠実に接するわ」
ギュッと青ざめた僕を抱き寄せるルナに、シュナさんは機嫌よく手元のティーカップを口元に寄せる。
「一応確認しておきたいんですけど、ルナと僕の関係って公表しなきゃ駄目ですか?」
恐る恐る確かめる僕。下手に喋って不興を買うのは避けたいが、どうしても確認しておきたかった部分だ。
「……公表は止めておくべきじゃない? 私としては貴方みたいな優秀な人材を目立たせたくないわ。目立つ奴ほど命を狙われる業界だもの。良い事ないわよ」
「そうですよね! 僕もそう思っていました!」
「今回の交際に限らず、貴方の才能は出来得る限り隠す方針だけど問題ない?」
「問題ありません! 僕も命を狙われたくないんで!」
公表に気が進まない様子のシュナさんに、僕は激しく同意した。
「…………良い子ね。ルナが気に入る理由が分かるわ」
話が分かる人は嫌いじゃない。恐らくはそういう意味。シュナさんは僕に目線を合わせ、優しく微笑む。
「まだ付き合ったばかりだから、手を出さないで」
「出さないわ。私は――自分より弱い男は好みじゃないもの」
何を勘違いしたのかルナは警戒し、シュナさんは告白してもない僕を振った。
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「――ダンジョンコア?」
ストイックな性格なのか、私物が少ない部屋。ルナは僕の隣で首を傾げ、ベッドの縁に腰を降ろしている。
「そう。アレって使い道が少ない割に希少価値はあるでしょ? あれを安く入手する方法に何か心当たりがないかなぁって……」
【
・ゲートを開き自分のダンジョンの行き来できる。
・ダンジョンコアを取り込む事で、スキル自体が成長する。
・現在、ダンジョンコア不足でゲートを開けない。
ステータス画面で記された説明を読む限り、ダンジョンコアを入手しなければ話にならない。昨日ダンジョンコアを吸収したけど、まだ足りたいみたいだし……。
一体何個のダンジョンコアを吸収すれば良いんだろ……。
「…………分からない。でも、別に買わなくても、ダンジョンコアなら持ってる。埃塗れで良いならあげる」
ルナは立ち上がってタンスの引き出しを確認し、幾つもダンジョンコアを背中を向けながらポイポイと軽く投げてくる。
「え? いやちょっと……!?」
戸惑いつつも僕は正確に投げつけられる小さなダンジョンコアを受け取る。「えっと…………」両手に抱えてドッサリと積み上がったダンジョンコアを見て、「……いや、思い出の品を貰うのはちょっと」と流石に引き気味に遠慮した。
「別に思い出なんてない。適当にダンジョン攻略して手に入れた物だし……。換金するのが面倒で後回しにしていただけ。本当に大事な物なら、流石に簡単にあげたりしない」
「…………頑張って働いて返すよ」
淡々とした口調で話すルナに、僕は肩を竦めた。
「私、彼女だから。これくらい当然。お金はいらない。そもそも結婚すれば、財産は共有されるから問題ない」
当然の様に結婚を視野に入れているルナ。
「…………そうだね。いつか結婚しようね」
少しドン引きしつつ、僕は軽く答えながら〈固有世界〉を発動させた。少しずつ霧散して体に吸収されていくダンジョンコアを見ながら、「…………なるほど」と声が漏れる。
【
・ゲートを開き自分のダンジョンを行き来できる。
・ダンジョンコアを取り込めば、ダンジョンが成長する。
やば……。ダンジョンコアを一気に吸収し過ぎたかな……。