※この作品はR-18です。

【ビッチ疑惑】の有名冒険者ちゃん!―責任取りたくないから処女は嫌だけど! ビッチなら!―   作:BIBI

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第6話 楽しい狩りの時間

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 いつものパーカー姿のまま、僕は山頂に来ていた。

 

 

「…………」

 

 

 それにしてもシュナさんが話の分かる人で良かった……。一時はどうなるかと思ったが結果としては悪くない着地点かも。

 

 

 

 可愛い彼女が出来た上に、職を得て、おまけに実力を隠す事にも協力して貰える。まさに至れり尽くせりだ。

 

 

 

 まぁ理想を言えば、目立つ上に敵の多い大手ギルドよりも、一回り小さなギルドで地道に楽に金稼ぎしたいんだけど……。

 

 

 

「――やるか」

 

 

 無造作に手を払うと、バリッと音を立て空間は切り裂かれる。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 空間の裂け目――ゲートの中に広がる闇の中を歩き、抜けた先にあったのは夕暮れの世界。今にも崩れそうな古城が幾つもあった。

 

 

 

 手入れがされておらず、栄養が足りず少し枯れた植物が建造物に巻き付つている。無駄に雰囲気があって、どこか不気味さを漂っていた。

 

 

 

「――――ッ」

 

 

 どこからともなくグールがゆらりと出現し、僕は〈亜空間倉庫〉で瞬時に剣を取り出してて構える。

 

 

 

 魔力量の気配からして、大体レベル25程度かな……。

 

 

 格上のモンスターを前に僅かに緊張が走るが――すぐに拍子抜けしてしまった。

 

 

「あれ?」

 

 

 迫り来るグールの群れは、それなりに強いはずなのだが簡単に倒せてしまう。庭園や城内を走り回り、次々と僕はグール達の首を刎ね続けた。

 

 

 

 何か、明らかに昨日より動きやすい様な……。

 

 

 

「――〈九斬(くざん)〉……ッ!」

 

 

 城内の広い空間に僕の声が小さく響く。

 

 

 それは声に魔力を乗せ、技名を口にする――簡易詠唱だった。

 

 

 瞬間、九つに枝分かれした斬撃が十数体のグールを切り裂く。〈剣術C〉で可能となった技だけあり、威力と攻撃範囲は申し分なかった。

 

 

 だが――。

 

 

 強い個体が紛れていたらしい。二メートルを越える大型グールが、土煙を振り払い此方を睨んでいた。

 

 

 

 明らかにレベル30越えだね……。レベルは身体能力に直結する。レベル三十差があれば大体、二倍の身体能力って聞いた事がある……。

 

 

 

 今の僕はレベル17だし、少しキツいか……。流石に身体能力に倍の差があると、真正面から勝負が成立すると思えない。

 

 

 

 ここからは、ある程度は多彩な立ち回りが求められる。

 

 

「――〈砲光(ほうこう)〉」

 

 

 僕は掌から魔力を撃ち放つ。

 

 

 初めて使う技だけあって、威力も低いし飛距離も乏しいな……。何より真っ直ぐ飛びだけだし、溜めて威力を上げる事も出来ない。攻撃の主体として使うには、ちょっと単調すぎるか……。

 

 

 

 でも――目眩まし程度には十分かなぁ……。

 

 

 砲光で床は抉られ、再び土煙が舞い上がってグールの姿を隠した。此方からもグールの姿は見えない。だけどグールの方からも、此方は見えないはずだ。

 

 

 

 煙の動きからグールの動きを探り……、隙を突く。

 

 

 そう思い踏み込んだ瞬間だった。

 

 

「…………ッ⁉」

 

 

 凄まじい地響きと共に土煙が更に舞い上がり、僕を呑み込んでしまった。

 

 

 しまった……! グールは人型なだけあって、それなりに知能があるのか⁉

 

 

 見えない。だけど下手に動いて土煙の流れを探られたら――。

 

 

「クハ……ッ!」

 

 

 土煙の微妙な動きで咄嗟に腕で庇ったが、もろに攻撃を受けてしまった。強烈な打撃を受けた勢いに任せて土煙から飛び出し、二階の手摺壁に着地する。

 

 

 

 上から見下ろし僕は納得した。

 

 

 そうか……。地響きと共に一瞬で周辺のグールが集まってきたのか……。

 

 

 眼下には、うじゃうじゃとグールの群れが集まっており、先程自分がいた位置には小さなグールが佇んでいた。

 

 

 

 あのグールに殴られたのか……。レベルは恐らく低い方だな……。というか高レベルのグールに殴られていたら、腕の骨折じゃ済まなった。不幸中の幸いだね。

 

 

 

「さて、どうするか……」

 

 

 〈魔力防御〉のスキルさえ使えたらもっと無理して動けるけど、アレはレベル20にならないと会得不可能だしなぁ……。

 

 

 

 今の僕に出来る事と言えば、冷静さを失わず、相手の隙を逃さない様にするだけ。気合い一つで強力なスキルを得られる事もあるらしいけど、それに頼る訳にもいかない。

 

 

 

 冷静に。冷静に。冷静に。

 

 

 僕は一斉に迫り来るグールの群れを城内で巻きつつ、地道に数を減らす事に注力した。というか、それしかない。

 

 

 

 レベルは僕が格下。という事は背を向けて逃げ続ける事は愚策。簡単に追いつかれてしまうからね。

 

 

 

 だったら入り組んだ道を使い、壁や足場を壊して土煙を起こし、とにかく相手の動きを鈍らせる様にして逃げる。

 

 

 

 そして隙が出来たら迷わず切り込む。このヒットアンドアウェイが定石。でも、これだけだと単純すぎるか……。そろそろ対応される。

 

 

 

 でも、もう十分だ。

 

 

 一本の真っ直ぐな通路に入り僕は不敵に笑う。

 

 

 

(つら)なる柱は束ねる曲線に従い天穹(てんきゅう)穿(うが)て……――〈砲光(ほうこう)〉」。

 

 

 完全詠唱の砲光は、先程の威力とは別物。

 

 

 

 後一メートル程度に近づいた大型のグールを始め、その背を追って走るグールの群れが巨大な魔力の光に呑まれて消えた。

 

 

 

「うん……、いいね」

 

 

 覚えたての技とはいえ、満足のいく威力だった。目の前の通路は消え失せ、天井と床は崩れて消えており、その破壊の後は砲光の威力を物語っていた。

 

 

 

 そろそろ周辺のグールが音に誘き寄せられ、此方にやってくるはず……。流石に疲れたし今の内に逃げようかな……。骨折した腕も治したいしね。

 

 

 

 それにしても、このダンジョンって魔力を使っても使っても一瞬で回復する。何でだろ……。僕の固有スキルで行き来できるダンジョンだからかな?

 

 

 

 何にしても有難い。僕はレベル4の時から魔力が増えなかったからね。ここなら魔力消費の激しい砲光を幾らでもぶっ放せる。

 

 

 

 暫くは剣術スキルは使用せず、砲光を使いまくって熟練度を上げようかなぁ。

 

 

 

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