【ビッチ疑惑】の有名冒険者ちゃん!―責任取りたくないから処女は嫌だけど! ビッチなら!― 作:BIBI
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ルナは昔から無表情で、何を考えているのか分かりづらくて、でも、誰よりも儚げで綺麗な奴だった。
一目惚れだったと思う。ずっとルナに追いつきたくて、厳しい鍛錬を重ねて今まで生きていた。いつかルナを守れるくらい強くなりたくて、ずっと努力を重ねていたんだ。
だからルナが失踪した時、心臓が止まる様な想いだった。血の気が失せて、息も辛いくらいに動揺した。
今までの努力が全て無駄だったと、自分の無力を責め続けた。
ルナが無事に帰還したと聞いた時、本当に安心した。団長に止められたから、ルナに会いに行くのが遅れたけど、本当は誰よりも早く駆け付けたかった。
それなのに――。
団長から聞いてしまった、ルナに彼氏ができた事を。どうやら、その彼氏とやらは荷物持ちで、これからは隊長が率先して守らなければいけないそうだ。
「…………」
ミシェルは険しい表情で歩き、歯噛みする。
絶対に嫌だ……! ルナの彼氏を俺が守るなんて……!
「何で手を繋いでるの?」
困惑するルナは自分の手を見る。ガシッと力強くミシェルに握られた手。まるで恋人同士の様に二人は、街を手を繋いで歩いていた。
「別に良いだろ。男女が出掛ける時なんて、こういうもんなんだよ」
適当な事を言ってミシェルは振り向かず前を進む。耳が赤く染まっており、その様子を不思議に思いながら「……そうなんだ?」とルナは首を傾げた。
「映画でも観に行こう。話題の映画があるんだ」
「……うん」
それから二人は映画を観たり、喫茶店や飲食店に立ち寄ったり、真夜中まで楽しく過ごすのであった。
当然だが、その光景を記者が見逃す訳もなく――。
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「――――〈砲光〉」
僕はかぎ爪でひっかく様に、手を振るって魔力の光を撃ち放つ。砲光は五本に分かれバラバラの方向に撃ち放たれる。
「がっ……!」
小さな叫び声と共に、スケルトンの群れが一瞬にしてバラバラに切り裂かれた。そして茂樹の奥に潜むグールすら、〈魔力感知〉で把握しており――。
「バレバレだから」
人差し指を雑に払うと、ビー玉サイズの砲光が放たれる。その光の刃は「ぐえ……」と正確に脳天に命中し絶命するグールはバタリと倒れた。
〈魔力感知〉か……。最近になってようやくコツが分かった。というか……、熟練度を上げて、ただ発動させるだけじゃダメだって今さら気づいた。
実際、意識の集中させ、肌で魔力を感じ取る訓練。これを日々の生活に取り入れてから格段に〈魔力感知〉の性能が上がった。
一ヵ月前、土煙に包まれただけで敵の正確な位置を感知できず深手を負ったけど……、今なら難なく対応できる。
スキルってのはただ覚えて、熟練度を上げれば良いって話じゃない。スキルを感覚的に理解し、意識して使う事を生活に取り入れないと本来の力は引き出せない。
スポーツ選手と同じくらい体を鍛えても、同じ結果は叩き出せない。言ってしまればそれと同じだ。
表面的なスペックが幾ら高くても、僕の戦闘技術は素人そのもの。筋肉モリモリだけどスポーツ経験なしって奴と同じ状態……。
この事実に気づくのが随分遅かった……。我ながら、あまりにも間抜け過ぎる。ちゃんと勉強してからダンジョンに入るべきだったかな……。
「はぁ~。今日はこんなもんかなぁ」
【名前】七城凛(ナナシロ・リン)。
【レベル】38(上限レベル64)。
【スキル】魔力操作A(上限A)。魔力感知A(上限A)。剣術A(上限A)。体術A(上限A)回復A(上限A)。砲光A(上限A)魔力防御A(上限A)魔力効率A(上限A)感知領域A(上限A)採掘D(上限A)鑑定。
【固有スキル】限界突破。亜空間倉庫S。固有世界。弱者優遇。
化け物で草。改めて見ると何だこれって感じだな……。スキル熟練度Aだらけ。
それに、新たに会得した固有スキルも最初は微妙と思ったけど結構使い勝手は良いし、超飛躍的に強くなってるね。
【
・最大魔力量が少ない者ほど、魔力防御の効果を上昇させる。
本来この固有スキルはレベルが上がり、魔力量が増える程に弱くなる外れスキルのはずだった。でも僕はレベルが上がっても魔力量はレベル4の時点から成長しない。
だからこそ強化の幅もかなり大きい。このスキルを得てからは敵の攻撃を真正面から受けても傷一つ付かなくなったし、わりと当たりの部類かも知れない。
とはいえ、チート過ぎるって程でもないのかもなぁ……。冒険者の中でも頂点と言われる
「ふぅ。落ち込んでもしょうがない」
そう言いながら僕は服を脱ぐ。近くの湖に手を突っ込み、〈魔力操作〉の応用で湖一帯を数秒で浄化した。
流石〈魔力操作A〉だ。最初は小さな水風呂を浄化する事すら、大量の時間を労力を費やしたけど、今はこんなに早く……。いやぁ成長を実感するなぁ。
周囲の温度を高め、疑似温泉を楽しみつつ僕は欠伸した。
そういえば、もうダンジョンに入って一ヵ月経つかも……。ルナは何してんだろう。現世だと一日しか経ってないだろうし、何事もなく平和に過ごしているんだろうなぁ。
「はぁ~~。疲れた体に暖かいお湯が効くぅ~~」
全裸でプカプカお湯に浮かびながら目を瞑り、しばしの休息を満喫していた。