※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

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ティアーユ・ルナティークの場合(5)終

 湯船に沈んでいた。

 

自宅のバスルーム。小さなユニットバス。一人暮らしの部屋にはこれで十分だった。

ぬるくなったお湯が、身体を包んでいる。

 

三日が経っていた。

あの教室の、あの出来事から。

 

(……大丈夫。忘れよう)

 

忘れなきゃ。教師として。大人として。

あれは——間違いだった。流されてしまっただけ。結城君の勢いに、ただ流されて——。

 

でも——。

 

目を閉じると、浮かんでくる。

結城君の唇の感触。重なった瞬間に膝から力が抜けた、あの感覚。

舌が口の中に入ってきた時の——じゅる、という音。

 

(やめて。思い出さないで)

 

お湯の中で膝を抱えた。

胸がお湯の水面からぷかりと浮いている。Iカップは浮力があるから、お風呂に入るといつもこうなる。普段は重力に引っ張られて肩が痛いのに、お湯の中だけは軽い。

——結城君に持ち上げてもらった時も、軽かった。

 

(だから、やめてって……)

 

自分に言い聞かせた。

でも身体は覚えている。

胸を掴まれた時の指の食い込み方。乳首を舐められた時の、ぺろっ、という小さな音。吸われた時に身体がびくんと跳ねて——。

 

ぞくっ。

 

太腿がきゅっと閉じた。

お湯の中で——下腹部がじんわりと熱くなっている。

 

(これは……お湯のせい。お風呂だから。身体が温まっているだけ——)

 

違う。分かっている。

思い出しているから。結城君のことを。

 

あの教室で、背中を床に押しつけられて。

結城君のものが——入ってきた時の。

 

ずぶっ、という感覚を——身体が、覚えている。

 

硬くて、熱くて、カリの段差が中を押し広げて——。

奥まで入った時の、充足感。

子宮口に当たった時の、どくんっ、という脈動。

 

(やだ……なんで……)

 

手が、無意識に太腿の間に向かいかけた。

 

はっと我に返って、両手で顔を覆った。

お湯が跳ねた。

 

「……わたし、なに考えて……」

 

声が、バスルームに反響した。

情けない声だった。

 

湯船から上がった。

身体を拭いて、パジャマに着替えた。

柔らかいコットンのパジャマ。ノーブラ。家にいる時は——というか、あの胸を支えるブラジャーは肩紐が食い込んで痛いから、家では着けない。

パジャマのボタンの間から、胸の谷間がのぞいている。ボタンが弾けそうなくらい——こんなもの、ないほうがいい。

 

……「きれい」って、結城君は言った。

 

ベッドに入った。

天井を見つめた。

 

明日は月曜日。学校がある。

結城君に——会う。

 

(会ったら、どうなるの)

 

結城君は——また、何かしてくるだろうか。

あの日、教室に一人置き去りにされた。服を乱されたまま。太腿を汚されたまま。

あれは——あれは、わたしを「使った」ということなのか。それとも——。

 

(先生のこと、好きです)

 

あの声が——まだ耳に残っている。

あの目が——嘘には見えなかった。

 

でも——もし本当に好きなら、あんなふうに置き去りにするだろうか。

何も言わずに、いなくなるだろうか。

 

分からない。

分からないけれど——。

 

もし。

もし、また結城君に呼び出されたら。

人のいない場所に連れて行かれて。

また——キスされたら。

 

身体が覚えてしまった。

キスで力が抜けて、胸を触られて声が出て、中に入れられて——。

 

(次は……なにを、されるんだろう)

 

怖い。怖いはずだ。

教師として、こんなことを考えてはいけない。

 

なのに——身体が。

 

太腿の奥が、じんわりと熱い。

パジャマの上から——下腹部に手が触れた。

 

(やめなきゃ……)

 

やめなきゃ。やめなきゃいけない。

でも——結城君の手が、ここに触れた時の感覚が——。

 

くちゅっ。

 

指先が、下着の上から秘部に触れた。

 

「っ……」

 

濡れていた。

お風呂上がりだから——じゃない。

結城君のことを考えていたから。

 

指が——下着の中に滑り込んだ。

 

ぬるっ。

 

「ぁ……っ」

 

自分の指なのに——結城君の指を思い出す。

あの時、入り口をくるくると撫でまわされた感覚。焦らされて、腰が勝手に動いた——。

 

くちゅっ♡ くちゅっ♡

 

「ん……っ♡ ぁ……っ♡」

 

結城君の顔が浮かぶ。

あの真剣な目。好きですと言った声。

そして——冷静に「先生、こんなに濡れてる」と指摘した、あの声。

 

指が、奥に入った。

 

ずぷっ♡

 

「ひぁっ♡」

 

自分の指じゃ——足りない。

結城君のものは、もっと太くて、硬くて、カリの段差が——。

 

(もっと……奥を……っ)

 

指を増やした。二本。中をかき回すように。

でも——届かない。結城君のものが届いた場所に、自分の指では届かない。

 

「あっ♡ んっ♡ ……結城、くん……っ♡」

 

名前を——呼んでしまった。

暗い部屋の中で。一人で。生徒の名前を。

 

ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぐちゅっ♡

 

「やっ♡ あっ♡ だめ♡ ……もっと……っ♡」

 

もっと。

もっと——結城君に。

 

壊されたい。

 

その思考が頭をよぎった瞬間——びくんっ♡——と身体が跳ねた。

 

「ん゛っ♡♡♡」

 

イった。

自分の指で。結城君のことを考えながら。

 

びくっ♡ びくっ♡

 

余韻の中で——涙が流れた。

 

(わたし……もう……)

 

         *

 

月曜日の朝。

 

黒のスカートスーツに袖を通して、鏡を見た。

顔色は——悪くない。化粧で隠せる程度。

目の下の隈は——少し、ファンデーションを厚めに。

 

学校に向かう電車の中で、何度も深呼吸した。

普通にしなきゃ。いつも通り。何もなかったように。

結城君に会っても——教師の顔で、にこやかに——。

 

二限目の授業が終わった。

生物の授業。二年B組。結城君のクラスじゃない。

だから——大丈夫。今日は結城君と顔を合わせなくて済む。

 

教室を出て、廊下を歩いた。

 

「ティアーユ先生」

 

心臓が、止まりかけた。

 

振り返った。

 

結城君が——廊下の角に、もたれかかるように立っていた。

制服の袖を少しまくっている。見たことのないポーズ——いや、いつもこうだったかもしれない。今まで気にしていなかっただけで。

 

制服の上からでも分かる、均整の取れた身体。

顔が——整っていると、初めて思った。

 

(やだ……なんでそんなとこ見てるの、わたし……)

 

「あ……結城くん……」

 

声が——裏返りかけた。平静を装う。

 

「おはようございます、先生」

 

にこっと笑った。爽やか。いつもの結城君。

あの教室で何があったか分からないくらい——何事もなかったように。

 

「先生、ちょっと話したいことがあって」

 

また、この言葉。

 

「え……えっと、今はちょっと——」

 

「すぐ終わります。ほんの一分」

 

結城君が——歩き出した。

特別教室棟への廊下。前と同じ方向。

 

足が——動いた。

 

(だめ。ついて行っちゃだめ。行ったら——)

 

行ったら、また——。

 

分かっている。分かっているのに——足が止まらない。

結城君の背中を追いかけている。制服の背中。まっすぐな背筋。

あの背中が、わたしの上に覆いかぶさった時の——。

 

(やめて、思い出さないで——!)

 

使われていない教室のドアが開いた。

前と——同じ教室。

 

中に入った。

ドアが閉まった。

 

結城君が振り返った。

 

「先生」

 

「……なに?」

 

声が震えていた。自分でも分かった。

震えている理由も——分かっていた。怖いからじゃない。

 

期待しているから。

 

結城君が近づいてきた。わたしは後退らなかった。

 

「先生、この前のこと」

 

「えっ——あ、あれは……その……」

 

「俺、ひどいことしましたよね」

 

結城君の声が——低く、真剣だった。

反省の色がある——ように聞こえた。

 

「先生を置いていって。ごめんなさい」

 

謝られた。

あの時一人にされたことを——。

 

「う、ううん……大丈夫……」

 

(大丈夫じゃなかった。一時間近く動けなかった。太腿を汚されたまま——)

 

でも許してしまう。わたしは——許してしまう人間だ。

謝られたら。反省されたら。

追い打ちなんて——できない。

 

「先生って、本当に優しいですよね」

 

結城君の手が——わたしの頬に触れた。

 

「っ……」

 

触れただけ。掌で頬を包むように。

なのに——身体が反応した。

頬が熱くなって、心臓が速くなって、お腹の底が——じんわりと。

 

「先生」

 

結城君の目が——わたしを見ていた。

見下ろしていない。同じ高さ。

 

(この目が……こわい……)

 

怖い。この目で見られると——もう、だめになる。

 

「俺、先生のこと——もっと知りたいんです」

 

「もっと……?」

 

「先生って、されたいことある?」

 

「え……?」

 

質問の意味が——分からなかった。いや、分かっていた。

分かっていて、頭が処理を拒否した。

 

「先生みたいな人って、意外とさ——」

 

結城君の手が——わたしの手首を、きゅっと握った。

 

「っ——!」

 

手首を。掴まれた。

握られたんじゃない——掴まれた。

指が手首に食い込んで、骨が軋むような——でも痛いというには足りない、ぎりぎりの圧力。

 

身体が——反応した。

びくっと震えて——お腹の底に、熱い塊が落ちた。

 

「……っ♡」

 

声が——漏れた。小さく。でも確実に。

 

結城君の目が——光った。

獲物を見つけた時の、あの光。

 

「先生、今の」

 

「え……? な、なんでもない……」

 

「手首掴んだだけで、そんな声出る?」

 

「で、出てない……!」

 

出ていた。自分でも分かっていた。

手首を掴まれただけで——身体が震えて、甘い声が漏れた。

 

結城君のもう片方の手が——わたしの髪を、ぐっと掴んだ。

 

「ひぁっ♡」

 

引っ張られてはいない。掴まれただけ。

でも——髪を掴まれるという行為そのものが——身体の奥を、ぞくぞくと震わせた。

 

「先生、もしかして——」

 

結城君の声が——ゆっくりと、確かめるように。

 

「乱暴にされるの、好き?」

 

「っ——!」

 

否定しなきゃ。すぐに。即座に。

「何を言ってるの」と。教師の声で。

 

口が——開いた。

でも——声が出なかった。

 

否定の言葉が、喉の奥で凍りついている。

それは——嘘になるから。

 

結城君の両手が——わたしの胸を、鷲掴みにした。

 

ぐわしっ♡

 

「ひぁあっ♡♡」

 

乱暴だった。

前回の「揉む」とは全然違う。

スーツの上から。ブラジャーごと。Iカップの膨らみを、両手で鷲掴みにして——。

 

指が深く食い込んで、柔らかな肉が指の隙間から溢れ出す。

 

「おっきいなぁ、先生の胸」

 

面白がっている声だった。愛でているのではなく——おもちゃで遊んでいる声。

 

ぶるんっ♡ ぶるんっ♡

 

上に持ち上げて——ぱっと手を離す。

重力に従ってIカップが落下して、ぶるんっと弾む。

 

「あっ♡ やっ♡」

 

また掴んで——今度は左右に揺する。

 

ぶるるんっ♡ ぶるるんっ♡

 

「っ♡ や、やめっ……♡ あそばないでっ……♡」

 

ふざけている。完全にふざけている。

胸を——おもちゃにしている。

 

両手で持ち上げて、ぶるぶる揺すって、離してバウンドさせて——また掴む。

 

ぐにっ♡ ぶるんっ♡ むにゅっ♡ ぶるんっ♡

 

「先生の胸、すげえ弾力」

 

「あっ♡ んっ♡ やっ♡ そんな——おもちゃじゃ——っ♡」

 

おもちゃじゃないのに——声が。

声が——嫌がっている声になっていない。

甘い。震えている。困惑と——それだけじゃない何かが混じっている。

 

結城君の手が——胸の下面を、ぱんっと叩いた。

 

「ぃっ♡♡」

 

スパンキング。胸への。

ぱちんっ、と乾いた音がスーツの上から響いた。

 

Iカップの胸が、叩かれた衝撃でぶるんっと大きく揺れる。

 

「痛い?」

 

「い、痛い……っ♡」

 

痛い。痛い——はず。なのに。

叩かれた場所が——じんじんと熱い。痛みが——快感に変換されていく。

お腹の底が、きゅうっと締まった。

 

結城君がもう片方の胸も叩いた。

 

ぱちんっ♡

 

「ぁっ♡♡」

 

ぶるんっ♡

 

左右交互に。ぱちんっ♡ ぱちんっ♡

叩くたびにIカップが揺れて、叩くたびにわたしの声が——甘くなっていく。

 

「先生、痛いのに声エロいですよ」

 

「ちがっ……ちがう♡ これは……っ♡」

 

違わなかった。

全然——違わなかった。

わたしの身体は、乱暴にされることで——明確に、反応していた。

 

結城君の手が——わたしのお尻を、ぱんっと叩いた。

 

「ひぁっ♡♡♡」

 

スカート越しに。お尻への平手打ち。

ぱちんっ、と響いた衝撃がお尻の肉を伝わって、奥の奥まで——。

 

「せ、せんせ……お尻も叩くと、こんな声出るんですね」

 

「やっ……やめてっ……♡」

 

やめて、と言った。

でも——腰が、叩かれた方に押し出されていた。

もう一回、と身体が求めていた。

 

結城君の手が——わたしの顎を持ち上げた。

 

「先生って——ドMなんですね」

 

「ちがっ——」

 

「違わないですよね。全部身体が答えてる」

 

結城君の目が——笑っていた。

優しくはない笑み。計算された——でもどこか楽しそうな。

 

「前から気づいてたんです。乳首つまんだ時の声とか、手首掴まれた時の反応とか」

 

全部——見抜かれていた。

わたし自身が気づいていなかったことを——結城君は、最初から。

 

「先生、可愛いですよ。こういう先生」

 

可愛い。

二十六歳の教師に向かって、十六歳の生徒が——可愛い、と。

 

それなのに——嬉しかった。

 

ぞくぞくした。身体の芯が、震えた。

こんな自分を認めてくれる人が——初めて、いた。

 

(やだ……やだ、こんなの……嬉しいって思っちゃ、だめ……)

 

結城君が——わたしの肩を押した。

 

下に。

 

膝が折れた。教室の床に——膝をついた。

結城君が立っている。わたしが跪いている。

見上げる形になった。

 

結城君のベルトが外れる音がした。

かちゃん。

ジッパーが降りる音。

 

目の前に——結城君のものが現れた。

 

硬く張り詰めて、血管が浮き上がっている。先端のカリが怒張して傘のように広がり、すでに透明な液が滲んでいた。

 

「先生、お願いしていいですか」

 

お願い。

命令ではなく——お願い。

それがまた、ずるかった。

お願いされたら——断れない。わたしは、お願いを断れない人間だ。

 

「……わたし、こういうの……したことなくて……」

 

「大丈夫。先生なら上手くできますよ」

 

根拠のない言葉。でも——不思議と、安心した。

 

手を伸ばした。

結城君のものを——指で包んだ。

熱い。硬い。指の中で脈打っている。

 

顔を近づけた。

先端に——舌先を当てた。

 

ぺろっ。

 

「っ……先生……」

 

結城君の声が——低く震えた。

わたしの舌が——彼を震わせている。

 

その事実が——嬉しかった。

 

舌で先端を舐めた。カリの段差を舌先でなぞる。透明な液の味がした——しょっぱくて、少し苦い。

 

れろ……れろっ♡

 

「んっ……♡」

 

舌が——勝手に動いている。

したことがないはずなのに。身体が知っているかのように。

 

先端を唇に含んだ。

 

ちゅぽっ♡

 

「っ♡」

 

口の中に——入った。

硬いものが舌の上に乗って、口内を押し広げる。

太い。熱い。顎が少し痛い。

 

「先生、歯当てないように」

 

「んっ……ん……♡」

 

唇を丸くすぼめて、歯が当たらないように。

ゆっくり——奥まで咥えた。

 

ずぽっ♡

 

喉の奥に当たった。

 

「んぐっ♡」

 

反射的に喉が締まる。でも——吐き出さなかった。

 

引き抜いて——また咥える。

 

じゅぽっ♡ じゅぽっ♡

 

「っ……先生、上手い……」

 

褒められた。

生徒に。こんなことをして——褒められた。

それが嬉しくて——もっと頑張ろうとする自分が、怖かった。

 

ちゅぽっ♡ じゅぽっ♡ ちゅぽっ♡

 

唾液が溢れて、結城君のものを濡らしていく。てらてらと光る柱を、唇が往復する。

 

結城君の手が——頭に乗った。

髪を撫でるように——でもしっかりと、後頭部を押さえて。

 

ぐっ、と押し込まれた。

 

「ん゛っ♡♡」

 

奥まで。喉に当たるくらい。

涙が——目尻に浮かんだ。苦しい。でも——。

 

じゅぽっ♡ ぐぽっ♡ じゅぽっ♡

 

「先生、顔真っ赤ですよ」

 

「ん……んんっ♡ んぐっ♡」

 

答えられない。口がふさがっている。

涙で視界が滲んで、唾液が顎を伝って指に垂れている。

 

結城君のものが——口の中で、びくっと脈打った。

 

「っ——先生、出る——」

 

引き抜こうとした。

でも——結城君の手が、頭を押さえていた。

 

どぴゅっ♡

 

「ん゛っ♡♡♡」

 

口の中に——出された。

熱い。粘っこい。舌の上に広がる独特の味。

量が——多い。口から溢れそう。

 

びゅるっ♡ どくっ♡

 

「ん……んんっ……♡」

 

飲めない。飲めないのに——飲み込んでしまった。

喉がごくっと動いて、白い熱が食道を下りていく。

 

結城君のものが——口から抜けた。

唇の端から、白い液が——糸を引いて垂れた。

 

「先生……すごい。全部飲んでくれたんですね」

 

「……っ……は……っ……♡」

 

息が荒い。

顔が熱い。涙と唾液でぐちゃぐちゃになっている。

教室の床に膝をついたまま、見上げている。

 

結城君が——微笑んだ。

 

「ありがとうございます、先生」

 

丁寧な言葉。

教師に対する、生徒としての礼儀正しい言葉。

それが——こんな状況で発せられることの、異常さ。

 

いつの間にか結城君はベルトを直して、何事もなかったような顔になっていた。

 

「じゃ、次の授業あるんで」

 

背を向けて——ドアに向かう。

振り返らない。今度は振り返らない。

 

ドアが閉まった。

 

わたしは——教室の床に座り込んだまま、口を手の甲で拭った。

唾液と精液が混ざった跡が、手の甲に光っている。

 

胸の奥が、ぎゅっと締まる。口の中にまだ味が残っている。

 

(わたし、生徒の……飲んだ……)

 

         *

 

水曜日。

 

放課後、職員室で書類を整理していたら——携帯が鳴った。

 

メッセージ。結城君から。

 

『先生、理科準備室空いてますか? 質問があります』

 

指が震えた。

「空いていません」と打てばいい。「今日は忙しい」と。

 

指が——打った。

 

『空いてるわ。来てね』

 

送信してしまった。

 

理科準備室で待った。

心臓がうるさかった。

 

結城君が来た。

 

ドアを閉めた。鍵をかけた——結城君が。

 

「先生、こっち向いてください」

 

椅子に座っているわたしの前に——結城君が立った。

 

ベルトの音。

見上げた先に——もう硬くなっているものが。

 

「お願いしていいですか、先生」

 

(また……)

 

「……うん……」

 

頷いてしまった。

抵抗する気力が——どこにもなかった。

 

椅子から降りて、膝をつく。

口を開けた。

舌を出した。

 

結城君のものを——迎え入れた。

 

ちゅぽっ♡

 

もう——迷わなかった。

 

         *

 

金曜日。

 

体育館裏の、誰もいない場所で。

 

壁に手をついて、膝をついている。

結城君のものが——口の中にある。

 

じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ ちゅぽっ♡

 

「先生、三回目なのにもう上手くなりましたね」

 

「ん……んんっ♡」

 

上手くなった。

褒められた。

嬉しい——と、思ってしまった。

 

生徒のものを咥えることが上手くなって、嬉しい。

二十六歳の教師が、十六歳の生徒に——。

 

どぴゅっ♡

 

「ん゛……っ♡♡」

 

今度は——自分から飲み込んだ。

ごくっ。ごくっ。

 

「……ごちそうさまです♡」

 

——なぜ、そんなことを言ったのか。

分からない。口が勝手に動いた。

 

結城君が——笑った。

嬉しそうに。本当に嬉しそうに。

 

「先生、最高」

 

その言葉に——子宮がきゅんと疼いた。

 

結城君が去った後。

体育館裏の壁にもたれて、空を見上げた。

口の中にまだ——味が残っている。

 

(わたし……どうなっちゃうんだろう)

 

分からない。

分からないけれど——次に結城君に呼ばれたら、また行くだろう。

膝をついて、口を開けて、迎え入れるだろう。

 

それが怖い。

怖い——はずなのに。

身体の奥が——次を待っている。

 

夕焼けの中で、わたしはしばらく動けなかった。

 




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