※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

24 / 60
ナナ・アスタ・デビルークの場合(4)

 それから——毎晩、リトが来るようになった。

 

夜の十一時過ぎ。姉上が寝て、美柑が寝て、家中が静かになった頃。

あたしの部屋のドアが、かちゃ、と開く。

 

「——来たぞ」

 

リトは——いつも、それだけ言って入ってくる。

返事なんか待たない。当然みたいな顔で。

部屋の電気はつけない。廊下の明かりが、細い長方形になって床に差し込んで——ドアが閉まると、消える。

 

暗闇の中で——リトの足音だけが聞こえる。

 

最初の夜は——あたしは、布団を頭まで被って震えていた。

 

「好きにしろ」って言ったのは——あたしだ。

自分で言った。自分の口で。自暴自棄だったけど、言ったのは事実だ。

だから——撤回はしない。撤回する気力もなかった。

 

リトが——布団をめくった。

冷たい空気が、裸の肩に触れた。

キャミソールは着てなかった。あの日から——上半身は裸で寝るようになっていた。

リトに見せたんだ。いまさら布一枚隠しても、意味がない。

 

「……やるのかよ」

 

「やるっていうか。揉むだけ」

 

揉む——って。何を。この、何もない胸を。

 

リトが——ベッドに座った。

ぎし、とスプリングが軋む。いつもの音。

暗闇の中で、リトの体温が近づいてくる。

 

そして——手が、あたしの胸に触れた。

 

「——っ」

 

冷たかった。リトの指先が。

あたしの平坦な胸の上を、掌がゆっくりと滑る。

肋骨の凹凸を撫でるように。

 

「……なんにもないだろ」

 

「まあな」

 

あっさりしていた。

事実を確認しただけみたいな声で——リトの手は、止まらなかった。

 

掌が——乳首に触れた。

 

くにっ。

 

小さな突起を、指の腹で押す。

 

「——っ、ん……」

 

変な声が——出た。

自分でつまんだ時とは——違った。

他人の手は——温度が違う。圧が違う。角度が違う。

 

リトの人差し指が、乳首の先端をくるりと一周した。

薄いピンク色の突起が、指の腹に押されて、くにくにと形を変える。

 

「痛いか?」

 

「……痛くない」

 

「じゃ、続ける」

 

それだけ。

 

それだけの会話で——リトは、あたしの乳首を弄り続けた。

 

         *

 

三日目。

 

リトの指が——変わった。

 

いつもと同じように部屋に来て、いつもと同じようにベッドに座って、いつもと同じように手を伸ばしてきた。

でも——指先の感触が違った。

 

ざりっ。

 

「——っ⁉」

 

痛い——のとは違う。ぴりっとした、細かい刺激が、乳首の先端を擦る。

 

リトの指に——何かが巻いてあった。

暗くて見えない。でも感触でわかる。ざらざらした、薄い——紙みたいな。

 

「なに——それ——」

 

「ヤスリ」

 

あっさりと、リトは言った。

 

「目の細かいやつ。皮膚を薄くする」

 

「皮膚を——薄く?」

 

「乳首の皮が厚いと、感度が鈍い。薄くすれば——もっと感じるようになる」

 

何を——言ってるんだ、こいつは。

 

あたしの乳首を——ヤスリで削る? 皮膚を薄くする? なんのために?

 

「……意味わかんないんだけど」

 

「わかんなくていい。じっとしてろ」

 

リトの指が——ヤスリを巻いたまま、あたしの左の乳首を挟んだ。

 

ざりっ——ざりっ——ざりっ——。

 

細かいヤスリの粒子が、乳首の薄い皮膚を擦る。

痛い——のとは少し違う。ひりひりする。皮膚の表面が、一枚ずつ剥がれていくような。

 

「っ——ぁ……」

 

声が——漏れた。

 

痛みとも違う。くすぐったさとも違う。

皮膚が薄くなっていくのが——わかる。乳首の表面が、じりじりと、むき出しになっていく。

空気に触れるだけで——ぴりぴりする。

 

「——もう片方も」

 

リトの手が——右の乳首に移った。

 

ざりっ——ざりっ——ざりっ——。

 

同じように削られる。

あたしは——仰向けのまま、天井を見ていた。

暗い天井の、何もない面。

リトの手が、あたしの乳首を削っている。

 

なんで——こんなことしてるんだろう。

こんな——つまらない身体に。何もない胸に。

 

乳首しかないんだ。膨らみもない。谷間もない。揉むところもない。

なのに——こいつは、わざわざ毎晩来て、この乳首だけを——。

 

意味が——わからなかった。

 

ヤスリが離れた。

リトの指が——素手に戻って、削られたばかりの乳首に触れた。

 

「ひっ——⁉」

 

全然——違った。

 

さっきまでと同じ指なのに——感覚が、全然違う。

皮膚が薄くなった乳首が、リトの指先の温度を、体温を、指紋の凹凸すら——全部、拾っている。

 

くにっ——と、指の腹で押されただけで——電気が走った。

 

「や——っ、な、なんだよ、これ——」

 

「効いてるな」

 

リトの声が——少しだけ、嬉しそうだった。

 

指が——乳首をゆっくり転がす。こりこり。きゅっ。くにくに。

ひとつひとつの動きが——皮膚の薄くなった乳首に、直接響く。

 

「あ——っ、ま、待——」

 

待てと言ったのに——リトの指は止まらなかった。

親指と人差し指で乳首を挟んで、軽く引っ張る。

 

にゅっ——。

 

「ひぁっ——⁉」

 

薄い皮膚が伸びて、神経がむき出しになったみたいな感覚。

指を離した瞬間——ぱちん、と乳首が元に戻って、その振動だけで——背筋にぞくぞくと、何かが駆け上がった。

 

「——よし。今日はここまで」

 

リトが——手を離した。

あたしは——息を荒くしたまま、天井を見ていた。

 

胸が——乳首が——じんじんと、熱い。

何もない胸なのに。何もないはずなのに。

 

乳首だけが——存在を主張していた。

 

         *

 

五日目。

 

ヤスリは——三回目だった。

同じ場所を、入念に、丁寧に、リトは削っていく。

 

最初のざりざりした痛みは——もう慣れていた。

慣れたのが——怖かった。こんなことに慣れるあたしが。

 

削り終わった後の乳首は——もう、前とは別物だった。

 

リトの指が触れるだけで——鳥肌が全身に広がる。

息が止まる。腰が、反射的に浮く。

 

「あっ——あ——っ、やぁ——」

 

自分の口から出てる声が——信じられなかった。

こんな声、聞いたことない。あたしの声じゃない。

 

リトの指が——両方の乳首をそれぞれの手で、同時につまんだ。

 

こりっ——こりっ——。

 

「ひゃっ——❤ やっ——あ——❤」

 

何かが——胸の奥から、湧き上がってくる。

熱い。苦しい。でも——苦しいのに、止めてほしくない。

止めてほしくないと思っている自分が——気持ち悪い。

 

「——ナナ。感じてるだろ」

 

「感じて——ない……っ❤ こんなの——っ❤」

 

嘘だった。

感じてた。胸——じゃない。乳首。乳首だけが。この何もない胸の上に乳首だけが乗っていて、そこだけが——狂ったみたいに、信号を送ってくる。

 

リトの指が——乳首を弾いた。

 

ぱちんっ。

 

「——❤❤❤ っ⁉」

 

視界が——白くなった。

 

一瞬。ほんの一瞬だけ。

目の前が真っ白になって、腰がびくんと跳ねて——ベッドのシーツを、両手でぐしゃっと掴んでいた。

 

「……っ、は……っ、は……っ」

 

息が——戻ってこない。

心臓が暴れている。太ももの内側が、かすかに震えている。

 

「——今の、イったか?」

 

リトの声が——冷静だった。観察しているみたいな、あの声。

 

「イ——って……? な、何言って——」

 

「乳首でイったんだよ、お前」

 

「——は?」

 

意味が——わからなかった。

イクって。あの——女がするっていう、あの——?

 

「う、嘘だろ……だって——胸、ないのに——」

 

「胸は関係ない。乳首だ。お前の乳首は——相当、敏感だ」

 

リトが——指先で、あたしの左の乳首を、ちょん、と突いた。

 

びくっ❤

 

身体が——勝手に反応した。

 

「やめ——っ❤ いま——触るなっ❤」

 

あたしは——両手で胸を——乳首を隠した。

手のひらが胸に触れた瞬間——自分の手の温度すら、乳首に響いて、じんじんと熱い。

 

何が起きてるんだ。

あたしの身体に——何が起きてるんだ。

 

胸がないのに。何もないのに。

乳首だけで——イったと。こいつは——そう言ったのか。

 

リトは——ベッドの縁に座ったまま、あたしを見ていた。

暗闇の中で——こいつの目が、薄く光っている気がした。

何を考えているのか——やっぱり、読めなかった。

 

「……明日も来る」

 

それだけ言って——リトは、部屋を出ていった。

 

         *

 

七日目の夜。

 

リトが——いつもと違うものを持ってきた。

 

片手に——小さな機械。ピンク色の、卵みたいな形。コードの先に——リモコンがついている。

もう片方の手に——布っぽいもの。紐? リボン? 暗くてよく見えない。

 

「……なに、それ」

 

「電マ」

 

「でん——ま?」

 

「知らないか。振動するやつだ」

 

リトは——ベッドの横に、ぽん、と電マを置いた。

それから——あたしの右手首を、するっと掴んだ。

 

「——っ、なに——」

 

「じっとしてろ」

 

布の紐が——あたしの手首に巻かれた。

きゅっと結ばれて——ベッドの柵に、括りつけられる。

 

「ちょ——おい——っ」

 

左手も——同じように。

あたしは——両手首を、ベッドの両端に括りつけられた。

仰向けの姿勢のまま——腕がYの字に開いて、動かせない。

 

裸の上半身が——完全に、無防備に晒された。

何もない胸。ヤスリで皮膚を薄くされた、敏感な乳首。

それが——リトの目の前に、隠すこともできない状態で、さらけ出されている。

 

「なんで——縛るんだよ——」

 

「手で隠すから」

 

「隠して——何が悪いんだよ——」

 

「隠されると、やりにくい」

 

リトの声が——全然緊張していなかった。

準備をしてるだけって感じの。事務的な。

 

あたしは——手首を引っ張ってみた。紐が食い込んだ。解けない。

力を入れれば——デビルーク星人の腕力で、こんな紐くらい引きちぎれる。

 

でも——引きちぎらなかった。

 

なぜだか——わからない。

わからないけど——引きちぎる気になれなかった。

 

「好きにしろ」って——あたしが言ったから。

あの日、自分で——言ったから。

 

リトが——電マを手に取った。

 

かちっ、とスイッチが入る音。

 

ヴヴヴヴヴ……——。

 

低い振動音が、暗い部屋に響いた。

リトの手の中で——ピンク色の卵が、ぶるぶると震えている。

 

「——あたし、なんでこんなことされてんだろ」

 

ぽつりと——声が出た。

疑問だった。本気の。

 

こんなつまらない身体に。何もない胸に。わざわざ七日間も通って、乳首を削って、感度を上げて——今度は拘束して電マ?

 

意味がわからない。

御門先生のHカップを揉んでた方が、百倍楽しいだろうに。

モモだって、姉上だって、コテ川だって——揉みごたえのある胸が、いくらでもあるのに。

 

なんで——あたしなんだ。

 

「お前の身体が面白いからだよ」

 

リトが——あっさり言った。

 

面白い。

面白い——って。

 

あたしの——このコンプレックスの塊みたいな胸が——面白い、と。

 

何を言ってるんだ——と思った瞬間。

 

ヴヴヴヴヴ……——。

 

電マが——あたしの左の乳首に、押し当てられた。

 

「————❤❤❤⁉」

 

声にならなかった。

 

振動が——乳首に、直接来た。

ヤスリで薄くされた皮膚を貫いて、神経を直接揺さぶるみたいな——とんでもない刺激が、乳首から胸全体に——胸全体って言っても何もないのに——背骨を通って、脳に——直接——

 

「あ❤ あ❤ やっ——❤ なにこれ——❤❤ なにこれ——❤❤❤」

 

腰が——跳ねた。

身体がベッドの上で弓なりに反って——手首を引っ張った。紐がきゅっと食い込む。解けない。逃げられない。

 

電マの振動が——止まらない。

ぶるぶるぶるぶる——と、一定のリズムで、あたしの左の乳首を——震わせ続ける。

 

「あ——❤ あ——❤❤ だめ——❤ やば——❤❤」

 

右の乳首に——リトの指が触れた。

こりっ——と、つまむ。

 

「ひぁ❤❤❤」

 

左は電マ。右はリトの指。

両方の乳首が——同時に刺激されて——あたしの頭の中が、ぐちゃぐちゃに溶けていく。

 

「やっ——❤ やめ——❤ イく——❤ イっちゃう——❤」

 

自分で——何を言ってるのかわからなかった。

イクって。さっきも言われた。乳首でイクって。

 

でも——止められない。身体が勝手に——乳首からの信号だけで——全身が、震えて——

 

リトの指が——右の乳首をきゅっとつまんだまま、くるくると回した。

 

こりこり❤こりこり❤

 

電マが——ヴヴヴヴヴ——と、左の乳首を震わせ続ける。

 

「あ❤ あ❤❤ あ❤❤❤ だめ❤ だめだめだめ❤❤」

 

腰が——がくがくと痙攣していた。

太ももが閉じたり開いたりしている。ホットパンツの中が——わからない。わからないけど——何か、変な感じがする。

 

嫌だ。嫌だ。こんなの——知らない。

あたしの身体が——あたしの知らない反応をしている。

 

リトが——電マの出力を上げた。

 

ヴヴヴヴヴヴヴヴ——❤

 

振動が——一段、強くなった。

 

「————❤❤❤❤❤」

 

視界が——飛んだ。

 

真っ白。

 

音が消えて——振動だけが残って——あたしの乳首から全身に、びくっ❤びくっ❤と波が走って——手首が紐を引っ張って——背中がベッドから浮いて——

 

「——っ❤❤❤ ❤ ……っ……❤」

 

長い——長い、痙攣の後。

 

身体が——ベッドに崩れ落ちた。

 

ばたん、と。糸の切れた人形みたいに。

 

「は——❤ は——❤ はぁ——❤……」

 

息が——戻ってこない。

全身が——汗で濡れていた。首筋も。腹も。額も。ツインテールの生え際も。

シーツが——あたしの汗で、じっとりと湿っている。

 

乳首が——じんじんと、熱い。

左の乳首。電マを当てられていた場所。

ぴりぴりと——余韻が、まだ続いている。

空気に触れるだけで——びくっ、と身体が跳ねる。

 

「……二回目」

 

リトの声が——聞こえた。

 

「——は?」

 

「二回目、いくぞ」

 

「ま、待——まだ——」

 

電マが——今度は、右の乳首に押し当てられた。

 

ヴヴヴヴヴ——❤

 

「ひあ❤❤❤ やっ——❤❤ いま——だめ——❤❤ さっき——イったばっかり——❤❤❤」

 

声が——涙声になっていた。

目尻から——涙が、つうっと流れた。

痛いんじゃない。苦しいんじゃない。

 

わからないんだ。

 

あたしの身体が——あたしの胸が——何もないはずの、この胸が——なんでこんなに反応しているのか。

わからない。わからないのが——怖い。

 

「——ナナ。泣いてるのか」

 

「泣いてない——っ❤」

 

泣いてた。

涙が——ぼろぼろ出てた。

 

でも——嫌なんじゃなかった。嫌だったら、この紐を引きちぎっている。

デビルーク星人の力で——こんな紐、一瞬だ。

 

引きちぎって——ない。

 

それが——一番、怖かった。

 

あたしの身体は——何もないはずだ。

胸もない。膨らみもない。女としての価値なんか——ないはずだ。

 

なのに——この乳首だけが。ヤスリで削られて、指で弄られて、電マで震わされた——この乳首だけが。

あたしの知らない場所に——あたしを、連れていこうとしている。

 

リトの手が——左の乳首もつまんだ。

電マは右。指は左。

 

こりっ❤——ヴヴヴヴヴ❤——こりこり❤——ヴヴヴヴヴヴ❤❤——

 

「あ❤ あ❤❤ やめ——❤ もう——❤ あたし——❤❤」

 

——おかしくなる。

 

その言葉が——喉の奥まで上がってきて。

飲み込もうとしたのに——飲み込めなかった。

 

「あたし——❤ おかしく——なっちゃう——❤❤」

 

リトが——何も答えなかった。

ただ——手を、動かし続けた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。