※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

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結城美柑の場合(2)

 結城家の台所は——私の城だ。

 

朝ご飯の後片付けを終えて、流し台を拭いて、三角コーナーの生ゴミをまとめて、床を掃いた。

コンロの五徳を外して、油汚れを落として、乾かしてから戻す。

冷蔵庫の中身を確認して、買い足すものをメモ帳に書き出した。卵、牛乳、豆腐、鶏もも肉。

 

お父さんとお母さんは——ほとんど家にいない。

漫画家のお父さんは仕事場に籠もりっきりだし、お母さんはモデルの仕事で海外を飛び回っている。月に一度、連絡があるかないか。

 

だから——この家の家事は、全部私がやっている。

 

料理。洗濯。掃除。買い物。ゴミ出し。お風呂掃除。

 

小学生がやることじゃないって——友達に言われたことがある。

でも——別に、嫌じゃない。

 

だって——リトが、教えてくれたから。

 

リトが——最初に卵焼きの作り方を教えてくれた。

私が五歳くらいの時。踏み台に立って、リトの隣でフライパンを見つめていた。

リトの手が——私の手を包んで、フライパンの上で卵を返す動きを教えてくれた。

 

あの手の温度を——今でも覚えている。

 

「美柑、上手じゃん」

 

そう言って笑った、リトの顔も。

 

リトに褒められるのが——嬉しかった。

もっと上手になりたかった。

だから——料理を覚えた。掃除を覚えた。洗濯の畳み方も、アイロンのかけ方も。全部。

 

リトに「ありがとう」って言ってもらうために。

リトに——必要だと思ってもらうために。

 

今では——リトより私の方が、家事が上手い。

料理の腕も。掃除の丁寧さも。全部——私の方が上だ、たぶん。

 

でも——それは、リトが教えてくれたからだ。

原点は——全部、リト。

 

私は——リトに、感謝している。

感謝——だけじゃ、ないけど。

 

         *

 

午前中。家には私一人。

リトは学校。ララさんたちも。今日は土曜日で、私の小学校は休み。

 

台所の片付けを終えて——私は、トイレに入った。

 

鍵を閉める。便座に座る。

スカートを捲り上げて——下着を膝まで下ろした。

 

……別に。用を足すだけ。

 

嘘。

 

私は——目を閉じた。

 

リトの顔を——思い浮かべた。

 

朝、「いってきまーす」って出ていく時の顔。

帰ってきて「ただいま」って言う時の顔。

私のご飯を食べて「うまい」って笑う時の顔。

 

リトの手。大きくて、温かくて、私の頭を撫でてくれる手。

 

右手が——自分の下腹部に、降りていった。

 

指先が——割れ目に触れた。

 

「……ん」

 

小さく——声が漏れた。

 

リトのことを考えると——ここが、じわっとしてくる。

いつからだろう。たぶん——去年くらいから。

お風呂でリトの背中を流している時に、リトの身体を見て——お腹の奥が、きゅっとなった。あの時から。

 

指が——クリトリスに触れた。

 

くにっ。

 

「っ……ん……」

 

リトの手を——想像する。

私のここに——リトの手が。私の代わりに——触ってくれたら。

 

指が——小さく動く。くるくると、小さな円を描くように。

 

「リト……」

 

声に出して——呼んだ。

誰もいないトイレの中で、兄の名前を。

 

指の動きが——速くなっていく。

 

リトが——私の後ろに。私のお尻に——。

 

私は——もう一方の手で、お尻の方に指を回した。

 

肛門に——指先が、触れた。

 

きゅっと——反射的に、穴が締まった。

 

「……ん……っ」

 

リトが——ここに入ってくる想像。

私のお尻の穴に——リトのが。

 

私の性感帯は——ここだと、なんとなくわかっている。

お風呂で洗う時——この場所だけ、妙に敏感だから。

 

指先で——そっと押す。

 

くにっ……。

 

入口が——少しだけ、開いた。

 

「あっ……」

 

びくっと——身体が跳ねた。

 

リトがここに——入ってきたら。私の中を——いっぱいにしてくれたら。

 

指の動きが——激しくなって。

 

「リト……リトぉ……」

 

兄の名前を呼びながら——私は、トイレの中で、高い場所に登っていった。

 

びくっ——びくっ——。

 

小さな痙攣が——下腹部から全身に広がって。

 

「……っ」

 

唇を噛んで——声を殺した。

 

しばらく——息を整えた。

 

それから——洗面台の下の棚を開けた。

奥に——小さな箱が隠してある。

 

浣腸器。薬局で買った、小さなやつ。

 

私は——いつも、これで洗っている。

いつか——リトが、私のお尻を使う日のために。

いつ来てもいいように。いつでも——綺麗にしておくために。

 

ぬるま湯を入れて——ノズルを、そっと入れた。

 

「……ん」

 

慣れた手つき。もう——何十回とやっている。

 

中に水が入っていく感覚が——少しだけ、気持ちよかった。

 

終わって——全部出して——もう一度、綺麗に洗った。

 

「……よし」

 

便座から立ち上がって、下着を上げて、スカートを直した。

手を洗って、鏡を見た。

 

丸っこい頬。大きめの茶色い目。茶色のロングストレート。

小学生の——普通の顔。

 

頬が——少し赤かった。

 

         *

 

リビングのソファに——横になった。

 

テレビはつけなかった。静かな午前中の結城家。

 

冷凍庫から出した、ソーダ味のアイスキャンディ。

水色の、棒アイス。包装をぺりっと剥がして、口に入れた。

 

冷たい。甘い。舌の上に、ソーダの味が広がる。

 

私は——アイスキャンディを、ゆっくり舐めた。

 

ぺろっ。先端を、舌でなぞる。

ちゅっ。吸い込むように、口に含む。

 

アイスの表面が——唾液で濡れて、つるつると光っている。

 

私は——これを、練習だと思っている。

 

いつか——リトのを、口でする時のために。

フェラチオ——っていうやつ。

 

ネットで——調べた。お兄ちゃんに検索履歴を見られないように、シークレットモードで。

 

上手にしゃぶれないと——ガッカリされるかもしれない。

リトの周りには——御門先生とか、年上の女の人がいるから。きっと——上手な人が、たくさんいる。

 

私は——小学生だ。経験なんかない。

 

だから——練習する。

 

アイスキャンディを——深く咥えた。

 

んぐっ——と、喉の奥に当たった。

 

「……ん」

 

えずきそうになって——ゆっくり引き抜いた。

 

まだ——奥までは無理。でも——前よりは入るようになった。

毎日やってれば——もっと上手くなるはず。

 

リトに——ガッカリされたくない。

私だけでいいって——そう思ってもらいたい。

 

ぺろっ。ぺろっ。

 

アイスキャンディを舐めながら——私は、天井を見た。

 

         *

 

最近——嫌な噂を、聞いた。

 

学校の友達が——「美柑ちゃんのお兄ちゃん、ヤリチンなんでしょ?」と言った。

 

笑っていた。からかっているつもりだったんだと思う。

でも——私は、笑えなかった。

 

ヤリチン——って。リトが?

 

友達は——続けた。

 

「高校でめちゃくちゃ有名らしいよ。先生にも手出してるとか」

 

「……そんなわけないじゃん」

 

私は——否定した。

 

でも——帰り道、一人になった瞬間——お腹の底が、冷たくなった。

 

リトの周りには——女の子が、多い。

ララさん。モモさん。ナナさん。御門先生。ティアーユ先生。

 

私が知らないうちに——リトは、あの人たちと——。

 

アイスキャンディが——溶けて、指を伝って垂れた。

 

私は——舐めた。指についた甘い液を。

 

リトが——ヤリチンだとして。

いろんな女の人と——そういうことをしているのだとして。

 

私は——リトを、愛せるのかな。

 

お兄ちゃんとして——じゃなくて。

女の子として——リトを、好きでいられるのかな。

 

リトの隣には——私よりずっと大人で、ずっと綺麗で、ずっと身体が大きい女の人がいる。

私は——小学生だ。胸も小さい。身体も子供。

 

でも——リトが最初に教えてくれたのは、私だ。

卵焼きの作り方を。掃除の仕方を。私の頭を撫でてくれたのは——リトだ。

 

私が——一番、リトの近くにいた。

一番——長く。

 

それだけで——。

 

「……リト」

 

天井に向かって——呟いた。

 

溶けかけのアイスキャンディを——もう一度、口に含んだ。

 

冷たくて——甘かった。

 

リトの味は——きっと、もっと苦いんだろう。

でも——私は、それでも飲み込めると思う。

 

だって——私は、ずっと練習してるから。

 

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