※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

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結城美柑の場合(3)

 リトの好きなおかずは——鶏の唐揚げだ。

 

下味をつけた鶏もも肉を、片栗粉にまぶして、百七十度の油でじっくり揚げる。

二度揚げすると——外はカリッと、中はじゅわっと肉汁が溢れる。

 

私は——揚げ物をしている時の油の音が、好きだ。

じゅわわわ——と、鶏肉が油の中で踊る音。

 

あと十分で——リトが帰ってくる。

 

キャベツの千切りを皿に盛って、唐揚げを並べた。レモンを切って添える。

味噌汁は——豆腐とわかめ。リトは具が多い方が好きだから、豆腐は大き目に切った。

白米は炊きたて。炊飯器を開けた瞬間に、ふわっと湯気が立つ。

 

完璧だ。

 

「……かんぺき」

 

自分で呟いて——少し恥ずかしくなった。

 

玄関の鍵が開く音がした。

 

「ただいまー」

 

リトの声。いつもの、少しだけ間延びした「ただいま」。

 

「おかえり、リト。ご飯できてるよ」

 

「マジ? 唐揚げ? やった」

 

リトが——台所に顔を出した。

制服の上のボタンを二つくらい開けて、ネクタイを緩めて。少し汗をかいている。

 

私は——リトの顔を、見た。

 

整った顔だ。

お母さん似の——綺麗な目元と、お父さん似の——少しだけ気の弱そうな口元。でも最近は——口元にも、余裕みたいなものが出てきた気がする。

 

リトは——かっこいい。

 

兄だから贔屓目かもしれないけど——客観的に見ても、リトは顔がいいと思う。

学校の女の子たちが騒ぐのも——わかる。

 

「手洗ってきて。先に座ってていいよ」

 

「おー、サンキュ美柑」

 

リトが——洗面所に向かう。

その後ろ姿を——私は、目で追った。

 

制服のシャツの上から——背中の筋肉のラインが、見える。

広い肩。しまったウエスト。最近——リトの身体つきが、変わった気がする。

前はもっとひょろっとしていたのに——今は、シャツの中に、ちゃんとした筋肉がある。

 

(……何してるんだろう、学校で)

 

そんなに身体が変わるほど——何かしてるのかな。

 

……いや。わかっている。

噂が——本当だとしたら。

 

いろんな女の人と——そういうことをしていたら。

身体つきも——変わるのかもしれない。

 

私は——その想像を、振り払った。

 

         *

 

食卓。二人きり。

 

今日はララさんたちは夕方から用事で外出していて、帰りは遅いらしい。

 

リトが——唐揚げを、頬張った。

 

「んま」

 

「おいしい?」

 

「おいしい。美柑の唐揚げ、マジで店レベルだわ」

 

「大げさだよ」

 

でも——嬉しかった。口元が緩むのを、味噌汁の椀で隠した。

 

リトが——二個目の唐揚げを箸で掴んで、口に運ぶ。

大きく口を開けて——がぶっと、噛みつく。

肉汁が——リトの唇の端から、つうっと垂れた。

 

リトの唇が——てらてらと光っている。

油と、肉汁で。

 

私は——その唇を、見つめていた。

 

あの唇が——御門先生に触れたのかもしれない。

モモさんの唇に。ナナさんの身体に。

 

いろんな女の人の——いろんな場所に。

 

リトの舌が——唇の端の肉汁を、ぺろっと舐め取った。

 

「……っ」

 

お腹の奥が——きゅっとなった。

 

リトの口の中。舌。歯。喉。

あそこに——私の作った唐揚げが入っていく。溶けていく。リトの身体の一部になっていく。

 

いつか——私も。唐揚げみたいに——リトの口の中に。

 

「美柑? どした?」

 

「な、なんでもない。もう一個食べる?」

 

「食べる食べる」

 

私は——唐揚げを二つ、リトの皿に移した。

 

リトが——「サンキュ」と言って、また大きく口を開けた。

 

あの口に——私の指を入れたら。

リトは——噛むのかな。舐めてくれるのかな。

 

また——お腹の奥が、きゅっとなった。

 

         *

 

夕食後。リビング。

 

リトが——ソファに横になっていた。

テレビをつけて、クッションを抱えて、だらっと脱力している。

 

制服はもう脱いでいて——Tシャツとハーフパンツ。

Tシャツの裾が少しめくれて、お腹のあたりが——ちらっと見えている。

 

私は——食器を片付けてから、リビングに来た。

 

ソファの反対側に座る。リトの足元側。

リトは頭側で、テレビを見ている。

 

「リト、足じゃま」

 

「んー、ごめん」

 

リトが——少しだけ足を引いた。でも全然足りない。

ソファの半分以上を占領したまま、テレビを見ている。

 

「もう、まったく……」

 

私は——リトの脇のスペースに、ぎゅっと座った。

リトの足と、私のお尻が——ソファの上で触れている。

 

「美柑、狭くない?」

 

「リトが退けないからでしょ」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

リトが——笑った。

いつもの——気の抜けた、無警戒な笑い。

 

私は——自分の足を、ソファの上に伸ばした。

膝を曲げて——リトの腹の上に、そっと足を乗せた。

 

「重い?」

 

「いや、別に。軽すぎてわかんない」

 

「……失礼な」

 

リトのお腹の上に——私の足裏が、乗っている。

Tシャツ越しに——リトの体温が、足の裏から伝わってくる。

 

温かい。

 

私は——つま先で、リトのお腹を、つんつんと突いた。

 

「……なに、美柑」

 

「べつに。お腹出てないか確認」

 

「出てねぇよ。失礼だな」

 

リトが——笑いながら言った。

 

私のつま先が——Tシャツの上から、リトの腹筋に触れている。

 

硬い。

 

前は——もっと柔らかかったのに。

今のリトのお腹は——つま先で押しても、凹まない。薄い脂肪の下に、硬い筋肉がある。

 

六つに割れてはいないけど——うっすらと、縦に線が入っている。

 

私は——つま先で、その線をなぞった。

 

すーっと、お腹の中心を、上から下に。

 

「くすぐったいんだけど」

 

「我慢して。マッサージだと思えば」

 

「マッサージって、足で腹を突くやつ?」

 

「そういうのもあるんだよ」

 

嘘だけど。

 

私は——足の親指で、リトの腹筋の溝を、ゆっくりなぞり続けた。

硬い筋肉の凹凸が——足の裏に伝わってくる。

 

こんな身体——前のリトにはなかった。

 

(……やっぱり、何かしてるんだ)

 

女の人と——夜中に——体力を使うようなことを。

 

噂は——もしかしたら、本当なのかもしれない。

 

私の足が——少しだけ、下に滑った。

リトのお腹から——ハーフパンツのウエストゴムのあたりに。

 

「おい美柑、くすぐったいって」

 

「ごめんごめん」

 

私は——足を引いて、自分の膝を抱えた。

 

心臓が——少し速くなっていた。

 

リトは——何も気づいていない。テレビに目を戻して、くすぐったそうに腹を擦っていた。

 

さっきまで私の足が触れていた場所を——自分の手で。

 

私は——その手を見ていた。

 

大きな手。指が長くて、爪が綺麗に切られている。

あたしの——私の頭を撫でてくれる手。

あの手が——他の女の人の身体にも、触れているのかもしれない。

 

「美柑?」

 

「……なに」

 

「なんか変じゃね? 今日」

 

「変じゃないよ。いつも通りだよ」

 

「そっか」

 

リトが——にへっと笑った。

 

その笑顔が——かっこいい、と思った。

同時に——怖い、と思った。

 

この笑顔を——他の女の人にも、向けているのかもしれない。

 

でも——今日、この瞬間は。

この笑顔は——私に向いている。

 

リトのお腹の温もりが——まだ、足の裏に残っていた。

 

         *

 

夜。九時過ぎ。

 

「リト、お風呂入ろ」

 

「おー」

 

リトが——テレビを消して、ソファから立ち上がった。

何のためらいもない。いつものことだから。

 

私とリトは——毎日、一緒にお風呂に入る。

 

小さい頃からの習慣だ。

お父さんとお母さんがいた頃は、三人で入っていた。両親がいなくなってからは——リトと二人で。リトが中学に上がった頃、一回だけ「もう別々に入ろう」と言われたけど——私が泣いて、撤回させた。

 

それ以来——ずっと。毎日。一日も欠かさず。

 

高校生の兄と小学生の妹が毎晩一緒にお風呂——誰かに話したら、通報されるかもしれない。

まともじゃないのは——わかっている。

 

でも——これは、妹の特権だ。

 

私だけが——リトの裸を毎日見られる。リトに裸を毎日見せられる。

ララさんにも、モモさんにも、御門先生にもできないこと。「妹」だから——許される。

 

最近は——少しだけ、やりすぎている自覚がある。

背中を洗う時の手が——前より長く、前より広く、リトの身体を撫で回すようになった。

先月は——太ももまで洗った。先週は——お尻も洗った。

リトは「くすぐったい」と笑うだけで、拒否しない。

 

妹が兄の身体を清潔にしてあげている——その建前が、まだ通用しているうちに。

今日は——もう少しだけ、踏み込んでみようと思っていた。

 

脱衣所で——並んで服を脱いだ。

 

リトがTシャツを脱ぐ。

頭の上から引き抜いて——裸の上半身が、露わになる。

 

私は——バスタオルを手に取りながら、横目でリトの身体を見た。

 

広い肩。厚みのある胸板。腹筋のうっすらとした縦線。

さっきソファの上で足で触れた——あの硬い筋肉が、今は目の前にある。

 

(……きれい)

 

リトの身体は——きれいだった。

男の人の身体を「きれい」と思うのは変かもしれないけど——私には、そう見えた。

 

リトがハーフパンツを下ろした。

下着も——一緒に。

 

リトの——ものが、目に入った。

 

毎日見ている。見慣れている——はずだ。

でも——毎日見ているからこそ、変化がわかる。

半年前と比べて——明らかに大きくなっている。色も濃くなった。

 

今は——ぶら下がっている状態でも、存在感がある。

これを毎日見ている小学生は——たぶん、私だけだ。

 

私は——自分のキャミソールを脱いで、スカートと下着を下ろした。

 

「美柑も——大きくなったな」

 

「……どこが」

 

「背」

 

「ああ——うん。ちょっとだけね」

 

胸は——まだ、ほとんどない。

ナナさんに共感するくらい、ない。

でも——私は、そのことをあまり気にしていなかった。

 

リトは——胸の大きさで女の人を選んでいるわけじゃない。

ナナさんの話を聞いて——そう思うようになっていた。

 

         *

 

浴室。湯気の中。

 

シャワーのお湯が——タイルを叩く音。

 

リトが——小さな椅子に座っている。

私は——その後ろに立った。

 

「背中、洗うね」

 

「おー、頼む」

 

ボディソープは——使わない。

小さい頃から——リトの身体は、手で洗っている。泡立てた手のひらで、直接。

 

リトは——それを、普通だと思っている。小さい妹のスキンシップだと。

最初はそうだった。今は——スキンシップの域を、少しずつ越えている。

リトがそれに気づいているのかいないのか——私には、わからない。

 

私は——両手にボディソープを出して、泡立てた。

たっぷりした白い泡が——手のひらを覆う。

 

リトの背中に——手を当てた。

 

ぬるっ。

 

「ん——」

 

リトが——小さく声を漏らした。くすぐったいのかもしれない。

 

私の手が——リトの背中を、滑っていく。

 

広い。大きい。私の両手じゃ——背中の半分も覆えない。

肩甲骨の凹凸を——指先でなぞる。盛り上がった筋肉の輪郭を、掌で包む。

 

「……リト、背中の筋肉ついたね」

 

「そう? 別に筋トレとかしてないけど」

 

嘘。何かしている。この筋肉は——自然にはつかない。

 

手が——背中から脇腹に回った。

 

くびれたウエストを——両手で挟むように。

肋骨の下から腰骨の上まで——指で、すうっと撫で下ろす。

 

「くすぐったい、美柑」

 

「我慢して」

 

手が——前に回った。

 

お腹。腹筋。さっき足で触れた——あの硬い筋肉。

今は——手のひらで、直接。泡越しに——筋肉の形が、はっきりわかる。

 

「……っ」

 

硬い。温かい。生きている筋肉の——弾力。

 

手が——上に登っていった。

 

胸筋。リトの胸板の、平たくて分厚い筋肉に——手を当てた。

掌の下で——リトの心臓が、どくどくと鳴っているのが、わかった。

 

首筋まで——指先を滑らせた。

喉仏。鎖骨。肩の付け根。

 

リトの身体を——私は、知り尽くしているつもりだった。

でも——こんなに魅力的に見えたことは、なかった。

 

触れるたびに——お腹の奥が、きゅっとなる。

 

「……リト」

 

「ん?」

 

「前も——洗うね」

 

リトが——ほんの一瞬、間を置いた。

 

先週まで——「前」は洗っていなかった。背中、脇腹、お腹、胸、太もも、お尻——全部洗っていたけど、ここだけは手を出していなかった。

今日——初めて、その一線を越えようとしている。

 

世間的には——完全にアウトだ。

小学生の妹が高校生の兄のちんちんを洗うなんて——どう言い繕っても、異常だ。

 

でも——妹特権は、ここまで含む。私がそう決めた。

 

「いいから。ちゃんと隅々まで洗わないと」

 

私は——リトの横に回り込んだ。

 

リトが——椅子に座ったまま、少し困った顔をしている。

でも——拒否はしなかった。リトは——私のことを、いつも拒否しない。

 

私は——泡のついた手を、リトの下腹部に降ろした。

 

指先が——リトのものに、触れた。

 

ぬるっ。

 

柔らかい——はずだった。

でも——私の指が触れた瞬間——少しだけ、硬さがあった。

 

半分くらい——起きている。

 

「……リト。お風呂で興奮しないでよ」

 

「してねぇよ。——生理現象」

 

「ふうん」

 

私は——リトの陰茎を、手のひらで包んだ。

 

温かい。泡で滑りがよくて——指が、するすると表面を滑る。

根元から先端まで——掌を滑らせた。

 

にゅるっ。

 

「……っ」

 

リトが——小さく息を吐いた。

 

硬くなっていく。私の手の中で——リトのものが、硬さを増していく。

血管が浮き上がって、カリの部分が膨らんで——手のひらを押し返してくる。

 

大きい。両手で包んでも——先端がはみ出る。

 

私は——手を動かした。

 

にゅるにゅる——と、泡の中で、リトの陰茎を撫で洗いする。

 

上下に。ゆっくり。丁寧に。

 

「綺麗にしないとね。——汚いよ、ここ」

 

「美柑——」

 

「ちゃんと洗わないと、バイ菌とかつくよ」

 

私の声は——冷静だった。

世話をしている——ていで。妹がお兄ちゃんの身体を清潔にしている——ていで。

背中を洗うのと同じ。太ももを洗うのと同じ。順番に全身を洗っているだけ——そう思わせるように。

 

これが——妹特権のやり方だ。日常の延長線上で、少しずつ。

友達に話したら「それセクハラだよ」と言われるだろう。知ってる。自覚はある。

でも——リトは嫌がっていない。それでいい。

 

手の中のリトの硬さが、脈打っていた。

どくん、どくん、と。心臓の鼓動が——直接、手のひらに伝わってくる。

 

手が——カリの段差をなぞった。

 

くりっ。

 

「……っ」

 

リトの腰が——びくっと動いた。

 

そこが——気持ちいいんだ。

 

私は——そこを重点的に、指先でくるくると擦った。

泡がぬるぬると滑って——カリの裏側を、指の腹で、何度も何度も。

 

にゅるにゅる——にゅるにゅる——。

 

「美柑——それ——」

 

「動かないで。洗ってるんだから」

 

リトの呼吸が——速くなっていた。

椅子に座ったまま——腿に力が入っているのが、見えた。

 

私は——両手を使った。

片手で竿の部分を握って上下に動かしながら、もう片方の手で先端を——掌で包み込むように回す。

 

にゅるっ——くるくる——にゅるっ——くるくる——。

 

アイスキャンディで練習した——あの、「先端を舌でなぞる」動きを、手で再現した。

 

「美柑——やば——」

 

リトの声が——少し上擦った。

 

私は——手の動きを速くした。

 

しゅっしゅっしゅっ——。

 

泡が弾ける音。リトの陰茎を握った手が——速く、強く、上下する。

 

リトの腹筋が——ぎゅっと硬くなった。

呼吸が止まって——全身が、強張って——。

 

どくんっ。

 

手の中で——リトの陰茎が、大きく脈打った。

 

どくっ——どくっ——どくっ——。

 

白い液が——先端から噴き出した。

私の手の上に——ぬるっと、熱い液が広がった。泡と混ざって——白く濁った液が、指の間を伝って垂れていく。

 

「は——はぁ——」

 

リトが——椅子の上で、肩で息をしていた。

 

私は——リトの精液がかかった手を、シャワーの下に差し出した。

 

温かいお湯が——白い液を、洗い流していく。

 

冷静だった。

不思議と——冷静だった。

 

さっきまで鳴っていた心臓が——静かになっている。

お腹の奥のきゅっとした感覚も——消えている。

 

リトを射精させた——という事実が、頭の中にある。

でも——それが、思ったほど大きなことに感じなかった。

 

当たり前のことをした——みたいな。

お兄ちゃんの身体を、綺麗にした——みたいな。

 

「……ちゃんと洗えたよ」

 

私は——そう言って、シャワーヘッドを取った。

リトの下半身に——お湯をかけて、泡と残りの精液を洗い流す。

 

丁寧に。隅々まで。世話をするように。

 

リトは——しばらく、黙っていた。

 

椅子に座ったまま——少し上を向いて、シャワーの水を浴びている。

 

私は——リトの横顔を見ていた。

 

濡れた髪が額に張り付いて、目を細めている。

湯気の中の——リトの横顔。

 

何を考えているんだろう。

次に——何を、言うんだろう。

 

怒るのかな。

笑うのかな。

何も言わないのかな。

 

私は——シャワーヘッドを持ったまま、リトの言葉を、待った。

 

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