※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

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古手川唯とナナ・アスタ・デビルークの場合(2)

 コテ川の顔が——赤かった。

 

あたしが唇の端から唾液を垂らしながら「次は?」と聞いた瞬間——コテ川の目が、大きく揺れた。

あのツリ目が——焦点を探すように、あたしとリトの間を行ったり来たりしている。

 

(……想像より——激しかったんだ)

 

コテ川は——あたしが嫌々キスすると思っていたはずだ。

形だけの、ちょん、と触れるだけのキス。罰として。見せしめとして。

なのに——あたしは舌を入れて、唾液を交換して、呂律が回らなくなるまで——。

 

コテ川の唇が——何か言いかけて、閉じて、また開いて。

 

「……そう、ね」

 

声が——掠れていた。

 

コテ川が——一度、咳払いをした。自分を取り戻すみたいに。腕章をぎゅっと握って——背筋を伸ばした。

 

「次は——」

 

コテ川が——あたしの方を向いた。

 

「身体を——押し付けなさい」

 

「……身体を?」

 

「そう。無理やり——身体を密着させるの。抱きつくみたいに。それも——相手にとって苦痛なはずよ。結城くんは——そうやって女性に身体を押し付けてきたんだから」

 

あたしは——コテ川の言葉を、頭の中で反芻した。

身体を押し付ける。抱きつく。それが——リトへの罰。

 

「……意味がわかんないんだけど。抱きつくって、何が罰なんだ?」

 

コテ川が——一瞬、口を噤んだ。

 

そして——言った。

 

「ナナさんの——何もない胸を、押し付けるの」

 

——。

 

空気が——止まった。

 

何もない胸——と。

 

コテ川が——あたしに。あたしの——胸のことを。

 

「何も——ない、胸で——結城くんに密着すれば。骨ばった感触が——不快なはずよ。男の人にとって——柔らかさがない胸を押し付けられるのは——」

 

コテ川は——言い切る前に、少しだけ目を逸らした。

自分でも酷いことを言っている自覚が——あるのかもしれない。でも——「罰」のためだから、と。自分を正当化している。

 

あたしの中で——何かが、ぎしり、と軋んだ。

 

知ってる。

あたしの胸がない——なんて。誰よりも——あたし自身が知っている。

 

モモに言われた。鏡を見るたびに突きつけられた。掌で全部隠れるほど——何もない胸。

 

でも——コテ川にまで——。

 

リトが——あたしの方を見ていた。前髪の隙間から。

あの目が——何かを言おうとしている。でも——声は出さない。出せない。

 

(——リトを、守るんだ)

 

あたしは——奥歯を噛んだ。

 

痛みを——飲み込んだ。

 

「……そうだな」

 

声が——平坦だった。自分でも驚くくらい。

 

「こんな胸——押し付けられたら、嫌に決まってるしな」

 

自嘲だった。コテ川への同調に見せかけた——自分を貶す言葉。

でも——これで、コテ川は安心する。あたしが「まとも」だと——あたし自身が胸のなさを武器にしていると——信じる。

 

あたしは——リトの前に立った。

 

椅子に縛られたリトの——裸の胸の前。

 

あたしは——制服のブラウスの上から——リトの胸に、ぺたん、と身体を押し付けた。

 

くらえ——と。

 

「ほら——天罰だ。あたしのぺたんこの胸で——苦しめ」

 

声を——出した。強い声。でも——鼻の奥が、つーんとしていた。

 

リトの裸の胸が——あたしの制服越しに感じられる。温かい。硬い。あたしが知ってる身体。

 

「見ろよ——コテ川」

 

あたしは——コテ川を振り返った。

 

「リトが——嫌がってるぞ」

 

声が——涙声だった。自分でもわかっていた。

 

コテ川には——あたしが「自分のコンプレックスを武器にして頑張っている健気な子」に見えているのだろう。

泣きそうなのは——自分の胸のなさが悲しいからだと。まさか——リトに嫌われるのが怖いからだとは、思わないだろう。

 

リトが——微かに身じろぎした。

縛られた手が——背もたれの後ろでかすかに動く。

 

そして——リトの顔が、あたしの胸に——ぐっ、と押し込まれた。

 

自分から——あたしの胸に、顔を埋めた。

 

コテ川からは——リトがナナの胸に顔を押し付けられて、苦しんでいるようにしか見えないだろう。

あたしの身体が——リトの顔を隠している。あたしの背中が壁になって——コテ川からは、リトの表情が見えない。

 

でも——あたしにはわかる。

 

リトは——苦しんでいるんじゃない。

 

制服越しに——乳首に——リトの鼻先が、くすぐるように触れた。

 

「っ——♡」

 

声が——漏れそうになった。唇を噛んで、押し殺した。

 

リトの唇が——ブラウスの薄い生地の上から、あたしの乳首に——ふっ、と息を吹きかけた。

 

ぞくっ——。

 

ヤスリで薄くされた乳首が——リトの吐息の温度を全部拾って——じんっと、信号を送ってくる。

リトは——あたしの身体で、コテ川の視線を遮りながら——密かに、あたしの乳首に触れている。

 

二人だけの——秘密。

 

コテ川には絶対にバレない場所で。あたしの薄い胸で隠された、わずかな空間の中で。

 

リトの鼻先が——乳首を、くにっと押した。

 

「っ——♡♡」

 

あたしの肩が、びくっと震えた。

でも——後ろから見ているコテ川には、あたしが力を込めて胸を押し付けているようにしか見えないはずだ。

 

(——こいつ……っ)

 

リトは——あたしの胸を、嫌がっていない。拒否していない。

何もない胸に——コテ川の目を盗んで——わざわざ、こんなことをしている。

 

あたしの目から——涙が、ぽろりと落ちた。

さっきとは違う涙。嬉しくて——出た涙。

 

コテ川が——あたしの涙を見て、声をかけた。

 

「ナナさん——大丈夫? 無理しなくていいのよ——」

 

「う、うるさい——っ。大丈夫だ——泣いてない——っ」

 

涙の理由を——コテ川は誤解している。

あたしが——自分のぺたんこの胸を押し付ける苦痛で泣いている、と。コンプレックスを武器にするのが辛くて泣いている、と。

 

違うのに。嬉しいのに。リトが——あたしの胸を求めてくれて——嬉しいのに。

 

リトの唇が——制服越しに、あたしの乳首の先端を——ちゅっ、と吸った。

 

ほんの一瞬。コテ川には絶対に見えない角度で。聞こえない音で。

でも——あたしの乳首は、全部わかった。

 

(——リトの唇——リトの唇が——あたしの——♡)

 

背中が——震えた。快感が——一瞬、背骨を駆け上がって——頭がぼんやりとした。

 

でも——同時に。

 

不思議な力が——湧いてきた。

 

さっきまで——演技が辛かった。コテ川に嘘をつくのが、リトを罵倒するのが、自分の胸を貶すのが——全部、重かった。

 

でも——リトが、こうやって。

縛られた状態で、手も使えない中で——唇だけで、あたしの乳首に触れてくれている。

 

コテ川にバレないように。誰にも気づかれないように。二人だけの秘密で。

 

それが——あたしに、勇気をくれた。

 

大丈夫だ——と思えた。リトがあたしを嫌いじゃないなら——あたしは何でもできる。

コテ川が何を要求してきても——笑って演技できる。どんな酷い罵倒でも——リトに言える。

だって——リトはわかっている。あたしの本当を。この乳首が——リトだけに反応する身体を。

 

あたしは——小さく、笑った。

涙を流しながら——口元がほころんだ。

 

コテ川に見えないように——リトの耳元に、囁いた。

 

「こら……っ 感じちゃうと——まずいだろ……っ」

 

リトの鼻先が——もう一度、乳首をくにっと押した。最後の一回。あたしへの返事。

 

(——ありがと、リト)

 

口には出さなかった。でも——身体で、伝わったと思う。

 

あたしは——深呼吸をして——リトから身体を離した。

 

リトの顔が——あたしの薄い胸から出てきた。

コテ川からは——苦しそうに顔を背けたリトが、ようやく解放されたように見えただろう。

 

乳首が——じんじんと疼いていた。もっと吸ってほしかった。

 

でも——今は、この温もりを胸に抱えて——次の演技に向かえる。

リトがくれた勇気が——あたしの中で、静かに燃えている。

 

(——リトを、守るんだ)

 

さっきまでと同じ言葉。でも——重さが違った。

自分を奮い立たせるための言葉じゃなくなっていた。

リトの唇が触れた乳首が——「大丈夫だ」と教えてくれている。だから——次も、やれる。

 

 

でも——次のことを考えなきゃ。

 

あたしは——リトの身体を、上から下へ見た。

 

裸の上半身。ブラウスは剥がしてある。腹筋。ベルト。制服のズボン。

 

そして——。

 

ズボンの前が——膨らんでいた。

 

当然だ。あたしにキスされて、胸を吸って——勃たないはずがない。

あたしの乳首を吸ってる間——リトのちんぽは、ずっと硬くなっていたのだろう。

 

あたしは——一瞬、考えた。

 

コテ川を——信じさせなきゃいけない。あたしとリトが無関係だと。あたしがリトを嫌いだと。

じゃあ——どうすれば。

 

答えは——あたしの目の前にあった。

 

あたしは——リトのズボンのベルトに手をかけた。

 

「コテ川」

 

「——な、なに」

 

コテ川の声が——裏返っていた。

 

「こいつ——無理やり射精させちまえばいいんだよな?」

 

「しゃ——射精——⁉」

 

コテ川が——一歩、後ずさった。

 

「そ、それは——」

 

「こいつは——女の子に無理やりこんなことしてきたんだろ? なら——あたしがこいつに、同じことしてやればいい。無理やり——出させてやる。それが——天罰だ」

 

あたしの論理は——コテ川の論理を、そのまま使っていた。

「やられた側の苦痛をわからせる」——コテ川自身が言ったことだ。

 

コテ川は——口を開けたまま、何も言えなかった。

否定する理由がない。自分が言い出した理屈だから。

 

「……わかった、わ。それで——結城くんが——反省するなら——」

 

コテ川の声が——震えていた。

顔が赤い。耳まで赤い。

 

あたしは——リトのベルトを外した。

 

かちゃん——と、金具が鳴った。

 

ジッパーを——下ろした。

 

ジー——と、静かな教室に金属の音が響く。

 

ズボンの前が——開いた。下着越しに——リトの陰茎が、硬く張り詰めているのがわかった。

布を押し上げて——形がはっきりと浮き出ている。

 

あたしは——下着の上から、リトのちんぽを掴んだ。

 

ぐにっ——。

 

「っ——」

 

リトが——小さく声を漏らした。

 

硬い。熱い。布越しでも——脈動がわかる。

知ってる感触だ。あたしの口に——何度も入ったことのある——。

 

「ふん——立ってるじゃないか、このスケベ」

 

声を——出した。大きく。コテ川に聞こえるように。

 

「こんな状況で——勃起してんだぞ。最低だろ」

 

罵倒しながら——下着を引き下ろした。

 

リトの陰茎が——露出した。

 

硬く張り詰めて、血管が浮いて、カリの部分が膨らんで——先端に、透明な液が滴っている。

 

あたしの心臓が——ドクンドクンと暴れた。

 

何度も見た。何度も触った。何度も——咥えた。

でも——教室で。コテ川がいる前で。明るい場所で。

 

リトのちんぽが——夕日に照らされている。赤い光の中で——てらてらと光っている。

 

あたしは——片手でリトのちんぽの根元を掴んだ。

 

ぎゅっ——と。

 

「天罰だ——このクソエロリト——」

 

罵倒しながら——手を動かした。

 

上下に。リトの陰茎を——手でしごく。

 

しゅっ——しゅっ——しゅこっ——

 

乾いた音が——教室に響いた。

先端の透明な液が——リトの竿に広がって、手の動きが滑らかになっていく。

 

ぬるっ——ぬちゅっ——

 

「こんなの——最低だぞ。女の子にこんなことさせて——恥ずかしくないのかよ——」

 

叫びながら——手は止めなかった。

リトのちんぽが——あたしの手の中で、びくびくと脈打っている。

 

リトの顔が——仰け反った。目を閉じて——唇を噛んでいる。

 

知ってる顔だ。気持ちいい時の——リトの顔。

 

(——あたしが——気持ちよくさせてる)

 

嬉しかった。

こんな状況なのに。コテ川がいるのに。

 

あたしの手で——リトが感じている。

 

「っ——」

 

リトのちんぽが——ぴくんと、大きく脈打った。

 

近い——と思った。

 

あたしは——手を止めた。

 

リトが——薄く目を開けた。

 

あたしは——膝をついた。

 

リトのちんぽの前。椅子の前。教室の床に——膝を。

 

「……ナナ——何を——」

 

リトの声。演技なのか本音なのか——わからない。

 

あたしは——口を開けた。

 

リトのちんぽの先端に——舌を伸ばした。

 

ぺろっ——♡

 

透明な液が——舌に広がった。苦い。しょっぱい。知ってる味。

 

「ん——♡」

 

そのまま——先端を、唇で包んだ。

 

ちゅぽ——♡

 

カリの段差が——唇を押し広げて、口の中に入ってきた。

硬い。热い。舌で触ると——かちかちに張り詰めている。

 

「あたしの——口で——天罰だ——このバカ——」

 

唇を離す瞬間に——罵倒してから——また、咥えた。

 

ちゅぽっ♡——じゅるっ♡——ちゅぱっ♡——

 

水音が——教室に響く。

あたしの口から出るいやらしい音が——夕日に染まった空き教室を満たしていく。

 

後ろで——コテ川の息が止まっているのが、わかった。

 

「こんな——スケベ——ちんぽ——しゃぶってやるから——感謝しろ——このクズ——」

 

言葉の合間に——ちゅぽちゅぽと吸い続ける。

罵倒と水音が交互に——。

 

「懲りろ——この——ヤリチン——もう——女の子に——手出すんじゃないぞ——」

 

じゅるるっ♡♡——

 

頬をすぼめて——強く吸った。

リトのちんぽが——口の中で、びくっと跳ねた。

 

「ん——♡♡」

 

リトの太腿が——震えている。椅子の脚に縛られた足首が——かたかたと音を立てている。

 

近い。リトが——近い。

 

あたしは——舌の裏でリトの裏筋を擦りながら——カリの段差を、舌先でちろちろと舐めた。

 

れろっ♡——ちゅぱっ♡——

 

リトの腰が——微かに前に動いた。

縛られた手が——背もたれの後ろでぎしぎしと紐を引っ張っている。

 

(——出していいよ、リト)

 

口の中で——思った。声には出さなかった。

 

あたしは——リトのちんぽを深く咥えた。

喉の奥に——カリが当たった。

 

んぐっ——♡

 

苦しい。でも——離さない。

 

リトの陰茎が——口の中で——大きく、脈打った。

 

どくんっ——♡

 

「ん゛っ——♡♡」

 

来る——と思った。

 

あたしは——最後に——ちゅ♡——と強く吸った。

 

どくっ♡——どぴゅっ♡——どぴゅるるっ♡♡♡——

 

リトの精液が——あたしの口の中に、噴き出した。

 

熱い。苦い。ドロドロした塊が——舌の上に広がって、喉の奥に流れ込んでくる。

量が——多い。いつもより——多い気がした。あたしのフェラで——リトが、いつもより感じていたのかもしれない。

 

どくっ♡……どく♡……

 

脈動が——弱くなっていく。最後の一滴が——舌の上に、とろりと落ちた。

 

あたしは——口からちんぽを抜いた。

 

ぷはっ——♡

 

唾液と精液の混ざった糸が——あたしの唇とリトのちんぽの先端の間に、何本も——光って——切れた。

 

「は——♡ はぁ——♡」

 

口の中が——リトの精液でいっぱいだった。

飲み込まなかった。飲み込めたけど——飲み込まなかった。

 

あたしは——立ち上がって、コテ川の方を向いた。

 

唇が——白い液で濡れている。

口の端から——精液が一筋、顎を伝って垂れている。

舌の上に——リトの精液が、まだ溜まっている。

 

あたしは——笑った。

 

にかっ——と。

 

「コテ川——これで——お仕置きできたよな!」

 

元気な声だった。

口の中に精液を含んだまま——笑顔で——コテ川に向かって。

 

コテ川の顔が——。

 

真っ赤だった。

 

耳まで。首筋まで。

あのツリ目が——大きく見開かれて——焦点が——定まっていない。

唇が——半開きで——何か言おうとして——声にならない。

 

コテ川の視線が——あたしの唇に釘付けになっていた。

白い液が垂れた唇。精液の匂い。あたしの笑顔。

 

「や——やったわ——ナナさん——よく——」

 

コテ川の声が——上擦っていた。震えていた。

 

「お仕置き——できた——わね——うん——」

 

「だろ! こいつもう——ぐったりしてるし。反省したよな、リト!」

 

あたしは——リトの方を振り返った。

 

リトは——椅子に座ったまま、項垂れていた。

陰茎はまだ半勃ちのまま——太腿に精液が垂れている。

 

「……ああ」

 

小さな声。力のない声。

 

演技——だとわかっていても。こいつが力なく頷くのを見ると——少しだけ、胸がきゅっとした。

 

「今日は——これくらいにするわ」

 

コテ川が——急いでカバンを掴んだ。

 

「ナナさん——ありがとう。協力——してくれて——」

 

コテ川の目が——あたしと目を合わせなかった。

顔が赤いまま——唇を噛んで——横を向いている。

 

「結城くんの——拘束は——もう少ししたら外してあげて。——じゃあ」

 

コテ川は——早足で、教室を出ていった。

 

ドアが——ぱたん、と閉まった。

 

足音が——廊下を遠ざかっていく。早い足音。逃げるような。

 

あたしは——ドアが閉まったのを確認してから。

 

口の中の精液を——ごくっ、と飲み込んだ。

 

苦い。リトの味。知ってる味。

 

「……ぷは」

 

あたしは——手の甲で口を拭いた。

 

それから——リトの後ろに回って、手首の紐を解いた。足首も。

紐が落ちて——リトの手が、自由になった。

 

リトが——手首を回しながら、あたしを見た。

 

「——お前」

 

「なんだよ」

 

「精液——口に入れたまま、古手川に見せたのか」

 

「……お仕置きっぽくていいかなって、思ったんだけど」

 

リトが——ふっ、と笑った。

 

あの笑い方。何を考えてるかわからない。でも——少しだけ、嬉しそうな。

 

リトの手が——あたしのツインテールの片方を、くしゃっと掴んだ。

 

「——上出来だ」

 

乱暴な手つき。でも——あたしの好きな手つき。

 

あたしは——リトの肩に、こてん、と頭をもたれかけた。

 

「……疲れた」

 

「だろうな」

 

「演技——ちゃんとできてた?」

 

「まあまあだ」

 

「まあまあって——あたし、めちゃくちゃ頑張ったんだけど」

 

「キス長すぎ。ちょっとバレそうだった」

 

「うるさい……っ」

 

あたしは——リトの肩に顔を埋めたまま、目を閉じた。

 

夕日が——教室の窓から差し込んで、二人の影を長く伸ばしている。

 

乳首が——まだ、じんじんしていた。

リトに吸われた跡が——ひりひりと、甘く疼いている。

 

「……なあ、リト」

 

「ん」

 

「コテ川——信じてくれたかな」

 

「信じたと思うぜ。お前が泣きそうになりながら——あんな酷い罵倒して。あれは——信じるだろ」

 

「……酷いこと——いっぱい言ったな。リトに」

 

「演技だろ」

 

「……うん。演技、だよ」

 

あたしは——目を伏せた。

 

ケダモノ、って。

スケベ、って。

クソリト、って。

全部——嘘だ。

 

リトは——あたしの乳首を見つけてくれた人で。

あたしの身体を面白いと言ってくれた人で。

あたしの胸に顔を埋めてくれた人だ。

 

「……リト」

 

「なに」

 

「あたしの胸——嫌じゃなかった? 何もないのに——顔、押し付けて」

 

リトが——少し間を置いて。

 

「お前の身体が面白いって——前に言っただろ」

 

「……うん」

 

「変わってない」

 

それだけだった。

それだけで——十分だった。

 

リトの手が——あたしのツインテールから離れた。

 

「——で」

 

リトが——立ち上がった。あたしを見下ろしている。

 

「お前——俺の前で、古手川にあんなこと言ったよな」

 

「……え?」

 

「ケダモノ。スケベ。クソリト。——色々」

 

リトの声が——変わった。さっきまでの穏やかさが消えて——低く、静かな声。

 

あたしの心臓が——どくん、と跳ねた。

 

「あ——あれは——演技で——」

 

「わかってる。演技だよ。古手川のために、頑張ったんだよな」

 

リトが——あたしの顎を、指先で持ち上げた。

 

「でも——罰は罰だろ」

 

「ば——罰——?」

 

「お前が俺を罵倒した分——お仕置きが必要だ」

 

リトの目が——笑っていた。口元だけじゃなく——目の奥まで。

 

楽しんでいる——のだ。

 

あたしの背筋を——ぞくり、とした。

 

「ま——待って——リト——あたし——頑張った——のに——」

 

「頑張ったな。だからお仕置きの後に——ご褒美もやる」

 

リトの手が——あたしのブラウスの第一ボタンに、かかった。

 

「脱げ」

 

あたしの唇の端に——まだ、リトの精液の味が残っていた。

 

苦くて、生臭くて。

 

でも——教室の窓から差し込む夕日は、綺麗だった。

 

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