※この作品はR-18です。

ヤリチンリトに寝取られるお話   作:大軍

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最終話:古手川唯の場合(3)終

 

午後三時——。

 

街を——歩いていた。

 

五月の陽射しが——アスファルトに照りつけて、歩道のタイルが白く光っている。

並木道の——欅が、青々と茂って——木漏れ日が、揺れている。

 

休日の繁華街は——人が多かった。

カップルや——家族連れや——買い物帰りの女子高生が、すれ違っていく。

 

私は——結城くんの隣を、歩いていた。

 

結城くんの——左腕を、右手で掴んでいた。

 

ぎゅっ——と。

 

「——まったく」

 

私は——プリプリと、怒っていた。

 

「信じられないわ。朝の十時から——ついさっきまで。何時間犯し続ければ気が済むの」

 

「いや——ごめんって」

 

結城くんは——軽い声で、てへへ、と笑っている。

 

反省の色——ゼロ。

 

朝の十時に——屋上で押し倒されてから。

体育倉庫に移動して——マットの上で。そのあと——トイレで。教室に戻って——机の上で。

気がつけば——午後二時を回っていた。

 

四時間——。

 

四時間も——犯され続けた。

 

「学生としての——自覚が足りないのよ。あなたは」

 

「うん。ごめん」

 

「休日の学校で——何をやってるの。勉強しなさい。受験生でしょう」

 

「それはお互い様じゃね?」

 

「——っ! 私は被害者よ!」

 

怒りながら——腕は、離さなかった。

 

むしろ——ぎゅっと、強く握り直した。

 

結城くんの腕に——私の胸が、押し付けられている。B88の——柔らかい胸が、結城くんの二の腕に、むにゅっと潰れている。

 

わかって——いた。自分が押し付けていることは。

 

でも——離せなかった。

 

離したく——なかった。

 

「あとね——電車の中でのあれ」

 

「あれ?」

 

「とぼけないで。——胸を、鷲掴みにしたでしょう。満員電車の中で」

 

帰りの電車——。二人で乗った。

満員——じゃなかった。そこそこ混んでいた程度。

それなのに——結城くんは、私の背後にぴったりと立って。

 

吊り革を持つふりをしながら——もう片方の手で、胸を——鷲掴みにした。

 

ぐにっ♡——ぐにぐにっ♡♡——。

 

制服のブラウスは——ボタンが全部飛んでいたから、安全ピンで留めていた。その隙間から——手を、滑り込ませて——。

 

しかも——もう片方の手は、お尻を揉んでいた。

 

スカートの上から——お尻の丸みを、ぐにぐにと。

 

「あれは——痴漢よ。痴漢と同じことをしてるの。わかってる?」

 

「でも古手川——声出さなかったじゃん」

 

「出せるわけないでしょう! 人前で——あんな——」

 

頬が——熱くなった。

 

声を出せなかったのは——恥ずかしかったからだけじゃない。

 

気持ちよかった——から。

 

電車の振動と——結城くんの手のリズムが、重なって——太腿の内側が、じわっと——。

 

(——やめなさい。思い出すのは)

 

「あのね。——もうちょっと、常識を持ちなさい。公共の場で——ああいうことは——」

 

「はいはい」

 

「はいは一回!」

 

並木道を——二人で、歩いていく。

すれ違う人たちが——ちらちらと、こちらを見ている。

 

制服姿の女が——私服の男の腕を掴んで、ぷりぷり怒りながら歩いている。

傍から見れば——ただのカップルの痴話喧嘩だった。

 

風が——吹いた。

 

欅の葉が——さらさらと鳴って、木漏れ日の模様が、歩道の上で踊った。

 

「なあ——古手川」

 

「何よ」

 

「このあと——古手川んち、行っていい?」

 

足が——止まった。

 

目を——見開いた。

 

結城くんの顔を——見上げた。

 

涼やかな目——が、こちらを見ている。いつもの——あの、軽い笑顔。

 

「——まだ、するの?」

 

声が——出なかった。唇が動いただけ——だった。

 

朝から——つい一時間ほど前まで。

体位を変えて——場所を変えて——何度も、何度も。

 

中に——出された回数は。

 

数えていた——途中まで。

 

五回目で——数えるのをやめた。

 

でも——指の本数では、足りなかった。

 

十回——じゃ、きかない。

 

そのたびに——奥に、どくどくと注ぎ込まれて——お腹の中が、熱い液体で満たされて——。

 

「破廉恥すぎるわ……」

 

声が——かすれた。

 

「どれだけ出すつもりなの……あなたは……本当に——人間なの? 普通の体力じゃ——ないわよ、あれ……」

 

「だって古手川の中——気持ちよすぎるんだもん」

 

「——!!! そういうことを——道のど真ん中で——言わないでっ!!」

 

顔が——真っ赤になった。

 

周囲の人が——こちらを見ている。

 

結城くんは——涼やかな顔で、笑っていた。

 

「で——行っていい?」

 

「…………」

 

足元を——見つめた。

 

アスファルトの上に——私の影が、伸びている。スカートの短い——女の子の影。

 

おなかの奥が——まだ、じわじわと熱い。

まだ大きい何かが、入っているような強烈な異物感。

そして、さっきまで——何度も何度も注ぎ込まれた精液が、まだ——残っている感覚。

 

太腿の内側が——歩くたびに、ぬるっとする。

 

今夜も——犯されるのだ。

私の部屋で。私のベッドで。

 

また——何時間も。意識が飛ぶまで。

 

ヤミさんの動画が——頭をよぎった。

五時間——壊され続けて——白目を剥いて——。

 

あれが——今度は、私に。

 

「…………まあ」

 

声が——出た。

 

自分でも——信じられないくらい小さな、でも——はっきりとした声。

 

「……いいけど」

 

結城くんが——にっ、と笑った。

 

「よし。じゃ、晩飯なんか買ってこうぜ」

 

「——自分で買いなさいよ。私は——ちゃんと作るから」

 

「マジ? 古手川の手料理?」

 

「……バカにしないでよ。料理くらい——できるわよ」

 

腕を——ぎゅっと、握り直した。

 

胸が——また、押し付けられた。

 

結城くんの体温が——腕越しに伝わってくる。

 

五月の——夕方の風が、吹いた。

 

並木道の——木漏れ日が、二人の上を通り過ぎていく。

 

私は——腕を掴んだまま、歩き出した。

 

歩きながら——思った。

 

(——私、なにやってるんだろう)

 

今朝まで——「絶対に屈しない」と誓っていた。

風紀委員の腕章を——胸に当てて。目を閉じて。

 

あの誓いは——もう。

 

「——結城くん」

 

「ん?」

 

「……今日のことは——誰にも言わないでよ」

 

「言わないって」

 

「絶対よ。——絶対に、誰にも」

 

「はいはい」

 

「はいは一回だって言ってるでしょう!」

 

結城くんの腕を——ぱしん、と叩いた。

 

でも——離さなかった。

 

夕陽が——欅の葉を、オレンジ色に染めていた。

 

         *

 

——十年後。

 

「ママー! リコがあたしのプリン食べたー!」

 

「食べてないもん! ユミお姉ちゃんが先に——」

 

「はいはい。二人とも——喧嘩しないの。プリンなら——まだ冷蔵庫にあるから」

 

台所に——立っていた。

 

エプロンを——した、二十六歳の私が。

 

窓の外には——庭が見える。小さな庭。洗濯物が——風に揺れている。子供用の服が——大人の服と並んで、ぱたぱたと翻っている。

 

リビングから——子供たちの声が、聞こえてくる。

 

長女のユミ——九歳。次女のリコ——八歳。長男のソウタ——七歳。三女のハナ——六歳。次男のレン——五歳。四女のアオイ——四歳。三男のカイ——三歳。五女のスズ——二歳。四男のルイ——一歳。

 

そして——お腹の中に、もう一人。

 

10人目。

 

九人分の洗濯物と——離乳食と——お弁当と——おむつ替えの合間に。

まな板の上で——生姜を刻みながら、ふと——思い返す。

 

あの日のことを。

 

十年前の——五月の、土曜日。

 

誰もいない学校で——鬼ごっこをして。

屋上で——捕まって。

コンクリートの上で——処女を奪われて。

 

青い空を——見上げながら——泣いた。

 

あの日——結城くんは言った。

 

『三十まで——毎年孕ませてやるよ』

 

あの時は——なんて酷いことを言うのだろうと思った。

女性の尊厳を——何だと思っているのかと。

孕ませ奴隷みたいな扱いだと——泣きながら叫んだ。

 

でも——。

 

お腹を——撫でた。

 

十人目が——いる。

 

あの男は——本当に、言ったとおりにした。

 

あの日の行為が原因かわからないけど——数ヶ月後には生理が止まった。

十六歳で——妊娠した。

お腹が大きくなって——制服が入らなくなって——学校を、辞めた。

 

風紀委員の——腕章を返して。退学届に——名前を書いて。

 

十七歳で——一人目を産んだ。

十八歳で——二人目。十九歳で——三人目。二十歳で——四人目。二十一歳で——五人目。二十二歳で——六人目。二十三歳で——七人目。二十四歳で——八人目。二十五歳で——九人目。

毎年——毎年——毎年。産んだと思ったら、すぐにまた——お腹が大きくなって。身体が自分のものじゃないみたいだった。ずっと——妊婦か、授乳中か、そのどちらか。

 

気がつけば——二十六歳で、十人目を妊娠している。

 

高校——中退。

大学——行っていない。

資格——何もない。

職歴——一度も、働いたことがない。

 

履歴書を書こうとしたことが——一度だけあった。

ユミが幼稚園に入った年——少し時間ができて。パートでも——と思って。

 

名前と住所を書いて——「学歴」の欄で、手が止まった。

「○○高等学校 中途退学」——その一行だけ。

「職歴」の欄は——空白。

 

書けることが——何もなかった。

 

履歴書を——ゴミ箱に捨てた。そんな暇があるなら——おむつを替えなきゃ。

 

あの日——結城くんが言った通りに。

 

ずっと——子供を産んで、育てている。それだけしか——していない。

 

(——ひどい男)

 

包丁の手が——止まった。

 

(——本当に、ひどい男よ。結城リト)

 

でも——。

 

リビングから——子供たちの笑い声が、聞こえてくる。

 

ユミが——リコの頭を撫でている。ソウタが——ハナにブロックを渡している。

 

にぎやかな——家。

 

これが——私の、夢だった。

 

将来——家庭を築いて。子供がいる。にぎやかな家。

 

十六歳の私が——友達に話していた、あの夢。

 

結城くんに——盗み聞きされていた、あの夢。

 

叶って——いた。

 

最悪の形で——叶っていた。

 

レイプから始まった——関係。

鬼ごっこで負けて——処女を奪われて——孕ませられて。

 

それなのに——。

 

子供たちが——笑っている。

 

私が——料理を作っている。

 

にぎやかで——あたたかい家が、ここにある。

 

(——ずるいのよ。結城くん)

 

目頭が——少し、熱くなった。

 

鍋に——豚バラ肉を入れた。生姜焼きの——たれを回しかけて、じゅう、と音がした。

にんにくも——たっぷり入れた。

 

精が——つく料理。

 

毎日——こういうメニューを作っている。

肉。にんにく。卵。スタミナ——がつくもの。

 

あの人の——体力に、付き合うために。

 

十六歳の時も——化け物だと思ったけれど。二十六歳になっても——衰えていない。むしろ——。

 

(——今日も、失神するまで犯されるのかしら)

 

ため息——をついた。

 

先週も——深夜二時まで。

 

子供たちが寝静まったあと——寝室で。

何度も——何度も。

声を殺して——枕に顔を埋めて——。

 

たまに——変なことも、させられる。

 

目隠しをされたり——手を縛られたり。

おもちゃ——を、入れたまま夕飯を作らされたこともあった。

先週は——エプロンだけ着せられて。その前は——学生時代の制服を着せられて。

「風紀委員ごっこしよう」——と言われた時は、本気で怒った。

 

怒ったのに——結局、腕章をつけたまま犯された。

 

(——あの腕章、まだ持ってたの。返したはずなのに)

 

でも——朝になると、子供たちの前では何事もなかったように「おはよう」と言って。

朝ご飯を作って。お弁当を詰めて。洗濯をして。

 

普通の——お母さんの顔で。

 

ただ——太腿の内側だけが、いつも少しだけ——ぬるっと。

日によっては、スパンキングされたお尻が——椅子に座るとき、たまに——ひりっと痛むことも、あるけれど。

 

がちゃり——。

 

玄関の——ドアが開く音がした。

 

「ただいまー」

 

声が——聞こえた。

 

あの——涼やかな、声。

 

十年経っても——変わらない。あの、軽くて、柔らかくて、どこか人を安心させる——声。

 

「パパー!」

 

「パパだー!」

 

リビングから——子供たちが、ばたばたと走っていく。

 

「おー。ユミ、でかくなったな。リコ——今日学校どうだった? ソウタ、ハナ——ただいま」

 

子供たちの——歓声。

 

抱き上げられる音。笑い声。「パパ、肩車して!」「あたしが先!」

 

にぎやかな——玄関。

 

私は——エプロンで手を拭きながら、台所から声をかけた。

 

「おかえり。——手、洗ってよ」

 

「はーい」

 

いつもの——やりとり。毎週末の——やりとり。

 

でも——少しだけ、足が速くなった。

 

台所を——出て。廊下を——小走りで。

 

玄関に——向かっていく。

 

お腹の——十人目が、ぽこん、と蹴った気がした。

 

廊下の——向こうに。

 

子供たちに囲まれた——結城リトが、立っていた。

 

二十六歳に——なっていた。背が少し伸びて——肩幅が広くなって——。

でも——あの目だけは、変わらない。

 

涼やかな——目。

 

あの日——屋上で、私を押し倒した時の。

 

あの日——「三十まで毎年孕ませてやる」と言った時の。

 

あの——目。

 

目が——合った。

 

結城くんが——にっ、と笑った。

 

あの笑顔——。

 

十年前と——同じ。

 

「古手川——今日もきれいだな」

 

「——結城、でしょう。十年前から——結城よ、私も」

 

「あ、そっか。——唯」

 

名前を——呼ばれた。

 

心臓が——きゅっと、鳴った。

 

十年——経っても。

 

この人に名前を呼ばれると——心臓が、鳴る。

 

「——おかえりなさい」

 

私は——そう言って。

 

エプロンの裾を——ぎゅっと握った。

 

廊下に——夕陽が差し込んでいた。

 

子供たちの声と——生姜焼きの匂いと——結城くんの笑顔。

 

にぎやかで——あたたかい。

 

これが——私の、日常。

 

最悪の男に——最悪の形で奪われて——最悪の方法で孕まされて。

 

それなのに——。

 

幸せ——だった。

 

ひどいくらいに——幸せだった。

 

(——ずるいのよ。本当に)

 

夕陽が——廊下を、オレンジに染めていた。

 

十年前の——五月の、あの日と——同じ色だった。

 




これにて完結です。
古手川が女の幸せを手に入れてのハッピーエンドに終わってよかったです。

2ヶ月に渡る投稿を読んでくださった方、完読してくれた方、ありがとうございます。
次の作品もお楽しみに。

※登場キャラでやってほしい外伝があれば感想で受け付けます。
キャラ、プレイを書いてください。
作成するかは気分です。
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