検証♡推しと二人きりでどこまで我慢できるのか♡〜櫻木真乃の場合 作:高牧園
「おはようございますっ、283プロの櫻木真乃です」
バラエティ番組の仕事が入った真乃がスタジオを訪れると、番組スタッフは真乃に手招きした。
「あー真乃ちゃん! こっちこっち」
「? はいっ……」
スタジオ内には簡素なセットが組まれている。
三方を壁で囲まれたスペースがあり、真乃からはその中が見えない。そこに入るよう促され、真乃がそこへ行くと、
「……っ、あの……?」
知らない男がそこにいた。
「え、真乃ちゃん……!?」
見た目や雰囲気から、彼がタレントや芸人でないことは明らか。
戸惑う二人に、スタッフは軽い口調で説明を始める。
「はい、この人は真乃ちゃんのファンです。地方にお住まいなのでライブとか握手会は行ったことがないそうで、真乃ちゃんが会うのは初めてだね」
説明のとおり、男が生の櫻木真乃を見るのはこれが初めて。
童貞で女性と接点がないのもあいまって、男は真乃の整った顔に見惚れている。
学校帰りに現場へ直行した真乃は制服姿。
ファンは見たことのない可憐なセーラー服が、いっそう男の目を釘付けにする。
「お二人に事前に伝えていた企画は嘘です。本当の企画名は『推しと二人きりでどこまで耐えられるのか』ですねー」
スタッフの説明によると、このセットの中で、真乃と男は二人きりになるらしい。
セットの広さは三畳ほど。部屋の大部分をベッドが占め、その他には椅子と、企画で使うらしい一抱えするほど大きいサイコロがある。
更にいたるところにカメラが設置されており、撮影の準備は万端だ。
「お二人にはサイコロを振って、出た目の指示に従って頂きます」
くるっとサイコロを回すと、出目にはそれぞれこう書かれている。
1 記念撮影!
2 むぎゅっ♡ハグ1分
3 特別♪ダンスステージ!
4 ステージ衣装にチェンジ!
5 リクエスト衣装にチェンジ!
6 出たらヤバい!?シークレット
……6の目は気になるが、それ以外は普通の企画な気もする。
「真乃ちゃんからのタッチはOK、ファンの方からのタッチはNGです! 破ったら、お二人に罰ゲームがあります!」
「罰ゲームの内容は、どんなものなんでしょう……?」
「そこはヒミツですよ〜。さ、時間も押してるんで始めましょう!」
一方的に言って、スタッフはその場をあとにする。
残されたのは真乃と男。
『じゃ、まずはサイコロを振ってみましょう〜!』
しばし気まずく顔を見合わせる二人だが、スタッフの音声指令を聞いて、真乃はサイコロをぽんと投げる。
「えいっ」
狭いセット内で、サイコロはすぐに動きを止める。
出た目は――