※この作品はR-18です。

鷹村蘇芳は夏服ホットパンツのショタ美脚を探られて…痴漢の犯人は制服美少女   作:高牧園

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第1話

(これが満員電車か……)

 

 鷹村蘇芳は、朝のホームに立ったまま、物珍しそうに周囲を見回した。

 

 残によれば、朝の満員電車には痴漢が出ることが多いらしい。

 女性を大切にするCLAMP探偵団としては、そんな状況は放っておけない。

 蘇芳は満員電車に乗って、女性たちを守る心づもりなのだ。

 

 幸い、蘇芳には武術の心得がある。

 大の大人に囲まれようと、絶対に勝てる……そんな自信を持って、蘇芳は電車に乗り込んだ。

 

(確かにギュウギュウだな。身動きが取れないではないか)

 

 通勤・通学のピークタイム真っ只中の電車内は、ほとんど身動きが取れない。

 蘇芳と違って武術の心得がない者であれば、痴漢をされても抵抗もろくにできないだろう。

 

(まったく、痴漢とは卑劣なものだな)

 

 卑劣さに怒りを覚えながらも、蘇芳は周囲の様子を伺った。

 

 痴漢を見付け、退治するために、蘇芳は女子生徒の近くに立っている。

 彼女たちは制服からしてCLAMP学園の生徒ではなさそうだが、学外の者であっても女性ならば守らなくてはならない。

 

 そう心に決めて、蘇芳が色の薄い瞳を周囲に巡らせた時――

 

「!」

 

 何かが、蘇芳の太ももに触れた。

 

(これは、手か?)

 

 手は、蘇芳の背後から伸びている。

 姿勢を変えるのも難しいほど混雑した車内、振り向いて犯人の顔を見ることは叶わない。

 

(おおかた、近くの女性と間違えたのだろう)

 

 考える間も、犯人の手は蘇芳の太ももを指先で押して、その弾力を楽しんでいる模様。

 

 夏服を着用する蘇芳の腕や脚の露出は激しい。

 腕は二の腕がすべて出ているし、ホットパンツ並みに短いズボンはハリのある太ももを丸出しに。

 少年らしく直線的な太ももを、犯人の指先はつぅっと滑った。

 

「……!」

 

 この手は、間違って触っているのではない。

 蘇芳の身体だと分かって、意図的に触っている……!

 

(一体、誰が……!)

 

 身動きも取りにくい電車の中、首だけで振り向こうとした時、

 

 どんっ

 

「……!」

 

 カーブに合わせて車内の人々の身体が傾いで、蘇芳は前から押されてしまう。

 

 倒れることなく踏みとどまることは可能だが、そうすれば蘇芳にぶつかったOL風の女性とぶつかって痛い思いをさせてしまうかもしれない。

 そう思うと、蘇芳は軽く下がり、衝撃をやり過ごすことしかできない。

 

「――」

 

 半歩ほど下がった蘇芳の身体が、蘇芳の後ろにいた誰かと触れる。

 

(この人が……)

 

 いまだに太ももを撫でまわし続ける手は、きっとこの背後の人物の手。

 

 許すまじと思う蘇芳だが、同時に、触れ合った身体から伝わってくる感触が気になった。

 

 痴漢と聞いて、蘇芳がイメージしたのは卑劣な男の姿。

 だが、蘇芳が背中を触れ合わせた人物は――おそらく、女性なのだ。

 

(これは、どういうことだ?)

 

 混乱する頭を振ると、青髪が揺れると同時に女性の服がこすれる音が聞こえる。

 サラサラとした、薄手の布が重なる音に、蘇芳はとっさにセーラー服の胸元を飾るスカーフを連想する。

 

(セーラー服を着た女性……ということは……!)

 

 考えから犯人像を描き出した蘇芳は、首をひねって後ろの女性を目にする。

 

「うふ」

 

 目が合うと、淑やかに彼女は微笑む。

 

 同時に、蘇芳の太ももがつるりと撫で上げられる。

 自らが犯人だと暴露するような行動に、蘇芳はカッと頬が熱くなった。

 

(ばっ……バカにするな!)

 

 この場を離れてしまえば、彼女はこれ以上の狼藉を働けない。

 そう思った時、ちょうど電車が停まり、ドアが開いた。

 人波をかき分けて行けば、電車を降りて彼女から離れることだって出来るだろう。

 

 蘇芳がそう考えて一歩踏み出しかけた時、

 

「逃げないで」

 

 彼女は呟いて、蘇芳の手首に指を絡める。

 

 腕を引かれた、ただそれだけのこと。

 

「な……!?」

 

 だが、それだけで蘇芳は彼女を振り払えなくなってしまう。

 

(この女性……只者ではないな)

 

 武術に秀でる蘇芳は、彼女が尋常でない身体能力を秘めていることを看破した。

 

(剣道の経験者か? かなりの手練れだろう)

 

 大人顔負けの能力を持つ蘇芳をしてそう思わせるほどに、セーラー服の袖から伸びる彼女の細腕は、確かな体軸を持っている。

 

(この状況は、まずいぞ)

 

 本気を出せば振り払えるかもしれないが、ここは満員電車。

 周囲の女性に危害を加えず、彼女だけを制圧することは不可能だ――。

 

 ガタン、と電車が揺れて、再び動き出す。

 

 逃げるチャンスを失った蘇芳の背後、少女の両手は蘇芳の二の腕をそっと包み込む。

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