ラ・ピュセル生存記録 ―その後のボクとリップルとスノーホワイトと― 作:神谷萌
雨が降っている。昼間だけど、厚い雨雲で薄暗い。
斎場に流れる読経の声。祭壇の上、多くの花に囲まれて、何も知らない頃の、無邪気な笑顔の少年の写真が、遺影として掲げられている。
それを遠目で見ている。大切な人の葬儀だと言うのに、手伝うどころかきちんと参列することもできず、ただただ立ち尽くしている。
そうちゃん、岸辺颯太の葬儀。何もできなかった頃の自分。何もできない自分。
後悔ばかり出てきて苦しくて、でも何もしようとしない自分。弱い自分。
それが自分を苛んできて、苦しくて ────
「こんなところで何してるの?」
かけられたその声に、心臓が飛び出るほど驚いた。
だって ────
「そうちゃん!? え? え?」
キョロキョロと、目の前の “そうちゃん” と、斎場の奥を交互に見る。
今まさに葬儀の真っ最中の人物が、目の前に立っている。幽霊のようにも見えない。
「ああ、まぁ……」
そうちゃんも斎場の方を見る。真剣な表情になってる。
「“岸辺颯太の姿” は死んじゃったから、お葬式はあげてあげないと」
「あ…………」
その時になって、やっと気がついた。
目の前のそうちゃんは、ラ・ピュセルの姿だった。
「でも、
──────── 目を覚ました。
もう慣れきった、華乃の家の洋間。
慣れすぎたのかも知れない。
最近、またそうちゃんのお葬式の夢を見るようになった。
ただ、前とは違う。
前はただ苦しくて、でも夢の中では何もできなくて、うなされて、起きると寝汗でびっしょりになっていた。
──── 今は、別の場所がびしょびしょになる。
ボトムの下着がぐしょぐしょになっていた。もちろん、おしっこなんかじゃない。
今日の夢は、お葬式で誰もいないそうちゃんの自宅の部屋に連れ込まれて、そこで抱いてもらった。
あっちの世界には存在しない……つまり、華乃が借りている家ではないはずの、この家のこの部屋だったこともある。ラブホだったパターンもあった。
そうちゃんが声をかけてくるときに、片腕がない女性が一緒にいたこともあった。最初にその人を夢の中で見たときは誰だかわからなかったけど、後からトップスピードの変身前の姿だって知った。
── 欲求不満なのかなぁ。
「はぁ」
ため息が出る。
開き戸の収納を開けて、中の、引き出し型のカラーボックスから替えの下着を取り出して、履き替える。この部屋もすっかり私の為に整備されてしまった。
華乃を起こさないように部屋から出て、浴室に入ってざっと水洗いして絞ってから、躊躇いつつも洗濯カゴに入れる。
ドラム式なのに上から出し入れする洗濯機が置いてある。華乃の高校卒業祝いだっていってトップスピードがどこかから拾ってきたらしい。
本当は汚した下着なんて分けて洗いたいけど、小分けにして洗濯機を回すと電気代と水道代が余計にかかるからと華乃に止められてる。
部屋に戻る。そこで型遅れのスマートフォンのディスプレイを点灯させて、時間を確認した。
スマホ自体はそうちゃんが中学の頃に使っていたやつ。それを華乃がすごく安いプランで契約してくれてる。
私達だけならマジカルフォンでいいと思ったんだけど、
「あれ、通信内容が魔法の国の上層部に筒抜けなんだよ。だから普通のスマホも持ってて」
って、そうちゃんに言われて持たされた。考えたらその事は言われなくても知ってた。
まだ、日の出までだいぶある。
私は布団に入って、寝直すことにした。
結論から言うと、華乃にはバレてた。
当たり前だよね。何日かに1回、おしぼり状態のパンツが洗濯物に入ってるんだもん。
仕事帰りにそうちゃんを拾って連れて帰ってきたかと思ったら、自分はまたセルボでどこかへ出かけていってしまった。
つまり……そう言うことだよね、この場合。
「えっと……なんか、ボクのことで悩んでるみたい……だって聞いてたんだけど……」
当然ラ・ピュセル姿のそうちゃんは、決まり悪そうにしながら頬を掻く仕種をしてる。私が知ってる頃の、妙にカッコつけた所作は、今はあまり見られない。
「その……」
「うん?」
流石に言い澱んでしまったけど、ちゃんと話せないと、華乃はたぶん次に
「最近、また見るようになっちゃって……」
「何を?」
「そうちゃんのお葬式の夢」
「…………そっか」
自分のお葬式の夢なんて言われて、いい気分になる人なんかいない。
「ごめん、苦しい……よね、そんな夢見るの……」
「謝らないで。こっちのそうちゃんのせいじゃ……────」
そこまで、考えながら言ったんだけど、
「あ、あれ? せいじゃない、のかな?」
って、急に考えが混乱してきた。
「? どういうこと? このボクがなにかした?」
そうちゃんも戸惑った様子で聞き返してくる。
「そ、そうじゃなくて、ね……」
私はそう言いながら、息を整えるようにして、頭の中を一旦整理する。
「前はただの悪夢だった」
「今は違うの?」
訊き返してくるそうちゃんに、私はこくんと頷く。多分、顔が真っ赤になってる。
「前の夢は、私は何もできない、何もしようとしないで、突っ立ってるだけだった。ううん、今の夢もそこまでは同じなんだけど、そうしてると、その、……そうちゃんが話しかけてくるの」
「え?」
そうちゃんが、少しだけ顔を引き攣らせた。
「ひょっとして、ホラーな夢ってこと?」
私は首を横に振った。
「そうじゃなくて、ね」
「うん」
「お葬式に飾ってある遺影は、だから、その、そうちゃんのなの」
ああ、何言ってるんだ。私。支離滅裂だ。
でも ────
「ああ、そう言うことか」
そうちゃんはそれで理解してくれたっぽい。
「話しかけてくるボクは、ラ・ピュセルなんだろ?」
こくん、と私は頷いた。
「それでね、そこから先は……」
「うん」
流石にそれをそうちゃんに言うのは恥ずかしい。視線が泳ぐ。でも第三者経由にされたらもっと恥ずかしい。
「そ、そ、そ、その、え、えっちな夢になっちゃうの」
「え」
「だから、そうちゃんの部屋とか、この部屋とか、ラブホとか連れてかれて……」
「…………」
私が言ったら、そうちゃんは気まずそうに唇を横に広げた。
「その、ボクが?」
「うん」
自分を指差していうそうちゃんに、私は頷く。
「多分、確かめたいんだと思う」
「確かめる?」
私の言葉に、そうちゃんが訊き返してくる。
「ちゃんと、そうちゃんが、ここに居るんだって、身体で」
「…………」
そうちゃんはゴクリと喉を鳴らした。
「つまり、それって」
「うん」
私は頷く。
「その、それって、えっちなことじゃないと無理?」
「どうしてもってわけじゃないと思うけど……」
重ねて訊き返してくるそうちゃんに、私は濁すように答えてしまった。
「…………したいんだ?」
「……うん。身体全体で感じられるし、それに」
「それに?」
「…………気持ち良くなりたいわけじゃないって言ったら、ウソになっちゃう」
「そっか」
どうしようもない話をしていたはずなのに、ここできゅっと抱き締められて、ほっとする。あったかい。そうちゃん生きてる。
そうちゃんが、和室にあった、焼けたような色の古いお布団を持ってきて、洋間に敷いた。
それから……変身した姿で、お互い裸になって、向かい合った。
「…………」
「どうしたの?」
そうちゃんが不思議そうに聞いてくる。私はじっとそうちゃんの身体を見てしまっていた。
「ちょっとだけ……私がそうちゃんの身体を弄ってもいいかな……」
「えっと……それは、こゆ……陽愛花の方からしたい、ってこと?」
おずおずと私がそう言ったら、そうちゃんの方も苦笑気味に聞いてくる。
「ううん……そう言うわけじゃないんだけど、ちょっとだけ私の方から触ってみたい」
「そっか。うん、いいよ」
私が言ったら、そうちゃんはそう返して、お布団の上に座って、膝を曲げて脚を開いた。
私はその正面から、膝をつくようにして姿勢を低くして、そうちゃんの、ラ・ピュセルの身体に触れる。
「んふっ……」
お腹のあたりから触ったら、そうちゃんは最初、くすぐったそうな声を出した。
おっぱいに触った。きれいな形を保っていて張りは強そうだけど、手で触るとぷるんって感じで凄く柔らかい。
「ん……はぁ……」
魔法少女にこのおっぱいはどうなのって思ったけど、リップルも結構大きかった……
トップスピードは私より幼児体型だけど、変身前がスタイルいいし……
orz 。
私はそんな事を考えながら、しばらく、そうちゃんのおっぱいを両手で、掬うようにふにふにとしちゃってた。
「はぁ……こゆ、陽愛花?」
そうちゃんの声で、私はちょっとだけ我に返る。
それから、今度はそうちゃんのアソコに手を伸ばす。
「えっと、あの?」
そうちゃんがちょっと戸惑ってる。
私がまじまじとソコを観察しちゃってたから、
じっと見つめたまま、割れ目を両手の指で開いた。
私ほどじゃないけど、じゅんじゅん潤ってる。
指をそっと差し込んで、花びらをなぞる。
「んっ、はぁ……」
そうちゃんが気持ちよさそうな声を漏らした。
「ねぇ、そうちゃん?」
そうちゃんの膣の入り口まで指を進めて、くちゅくちゅかき回しながら、私は訊く。
「な、なに?」
「本当は、そうちゃんはここにおちんちんがあって……」
「本当は、っていうか、
「辛かったり、しないの?」
「こゆ……陽愛花までそれ聞いてくるんだ」
そうちゃんはそう言って、「んっ、あっ」と声を漏らしつつ、口元で苦笑する。
「ボクの場合は心が今の身体を拒否してないから……
「そうなんだ」
そう説明されて、私は改めてそうちゃんの女性器を観察しちゃう。
── あ。
クリトリスがすっごく充血して、皮の間から飛び出してる。
そう言えば、クリトリスと男の人のペニスって、元々は同じ部位なんだっけ。
「ちょ、小雪!?」
慌てて名前を間違えてるそうちゃんの声を聞きながら、私はそうちゃんのソコに顔を近づけて、きつそうに膨れてるクリの先端をペロッと舐めた。
「ふぁ、ひゃっ!」
そうちゃんが少し高く声を上げる。身体もびくって跳ねた。
── かわいい
「そのっ、陽愛花っ……舐めるのは……っ」
「ん……もしかして、リップルにやって貰ったことがない、とか?」
もし、リップルにやってもらったことがないことを、私がしちゃったんなら可哀想だ。
「いや……それは、あるけど……」
「じゃあ、少しくらい、いいよね?」
私は内心で安堵しつつもそう言って、そうちゃんのクリトリスの先端を舐めるのを再開する。
「ぺろ……ちゅろ……」
指を1本そうちゃんの膣に差し込む。クリトリスを舐め続けてると、膣は細い私の指1本なのにきゅうきゅう締め付けてくる。
「はぁ……はぁ……気持ちいい……」
刺激が強すぎるのか、小さくピクピクしながらも、うっとりしたような声を出してる。
その反応が可愛くて、私はついついそうちゃんのクリトリスを舌でいっぱい舐めちゃった。
「ひゃっ、こ、こゆっ……ふぁっ……」
それまで、熱っぽくもリラックスした様子でうっとりしてたそうちゃんが、いきなりそう言いながらビクッとしたかと思うと、すごい勢いでお潮を吹いちゃった。イッたんだね。
「ご、ごめん、ボク、イッちゃって……」
私が、私の手やそうちゃんの身体に吹きかかったそうちゃんのお潮を舐めていると、そうちゃんはまるで自分が悪いかのように言ってきた。
「気持ちよかった?」
私がそう訊ねると、
「えっと、それは、良かったけど……」
って、そうちゃんは決まり悪そうに言った。
「なら、いいよ……っていうか、良かったよ」
私はそう言った。本心だし。私が気持ちよくしてあげたいと思ったし、その反応がそうちゃんが不自由なくラ・ピュセルの身体で生きてる確認でもあった。
「ここからは、この前みたいに……」
「うん、いいよ」
そうちゃんはイッたばかりで少し脱力した感じだったけど、私が正面から飛び込んでいったら、ちゃんと抱きとめてくれた。
私はそうちゃんの性器を舐めたばかりなのに、そうちゃんはそのまま私の首の後に手をかけて寄せて、キスをしてくれた。
キスだけで気持ちいい。心がほかほかする。なのに、こういうとき、涙が零れてくる。
小雪が言っていたとおり、『優しくされると、今までの “
そして、そうちゃんは多分それを理解してる。華乃がそうだったから。
ムキになって操を捧げようとした前の時と違って、そうちゃんとの触れ合いをゆったり楽しむ。頭を撫でられた。私も身体がそっちのモードに入っちゃってるのか、それとも相手がそうちゃんだからか、頭ナデナデされるだけで、その、えっちな感じで気持ち良い。
私がそうちゃんの上に乗る感じの姿勢のまま、今度はそうちゃんの指が私のアソコに入ってきた。
どうしても寂しいとき、リップルに可愛がってもらっているせいか、もう私のおマンコはエッチな気分になると自然に開いちゃうくらい緩くなっちゃった。 ……筈なのに、そうちゃんの指2本挿し込まれただけでキュンキュン、私自身が辛くなるぐらい私の膣は指をキツく締めてる。
「気持ちいいよぉ……そうちゃん、私、気持ちいい」
「うん、気持ちよくなって」
人差し指と中指で膣を擦りながら、親指で今度は私のクリトリスが転がされる。
「ひゃん……はぁ……ひゃん……」
身体がピクピクしちゃう。でも気持ちいいよぉ……
「陽愛花、一度イク?」
「あ……ふぁ……ん……その、今日は、ふんわりぽかぽかしてるから、このままアレ……でしてほしい、かも」
そうちゃんの問いかけに、私は気持ちよくてうっとりしたまま答えた。
「じゃあ……」
そうちゃんは横にずらすようにして私を布団に降ろす。
一旦身体が離れるのが惜しいけど、そうしないと準備できない。
「んっ、くぅっ、今日は、ちょっと、キツく感じる……」
そうちゃんが、ペニスバンドの作り物、双頭ディルドの内側を自分の膣に押し込みながら、そう言って喘いでる。
さっき、私が強めにイカせちゃったから、まだ膣が充血してるんだろう。
「はぁ……はぁ……」
もう、バンドの隙間からおツユを漏らしながら、そうちゃんは荒く息をしつつも、危なげなく? 私に覆いかぶさってくる。
私に体重をかけることなく、ディルドの先端を私の膣に差し込もうとする。私の膣は開いておツユ垂らしながらヒクヒクしてて、欲しがってる。そこへディルドが入ってきた。
「ふぁ……ぁ……あぁ……」
ぬるーっと奥まで入ってこられる。もう処女の硬さが残ってないのが自分でも解る。でも、肌を重ねる時に快楽を貪れる方がいい。
腰が密着するぐらいになったかと思うと、そうちゃんは私に体重をかけないように私と肌を触れ合わせながら、腰を揺らしてくる。
「は、ぁん……」
「んっ、んふぅ……」
2人して、甘い声を出しちゃった。
私はセックスに温もりを求めちゃってる。でも気持ちいいのも本音だ。
最初の時と違って、じっくり楽しむ。腰を動かしつつ包むように抱いてくれているそうちゃんに、私の方からも抱きつき返す。
「そうちゃん、気持ちいいよぉ……」
「はぁ……うん、……気持ちよくなって」
あまいあまいセックスしてる。
「はぁっ、ご、ごめん、ボク、先にイッちゃう、かも」
そうちゃんが困ったように言ってくる。充血してた膣にディルドを挿入したから、敏感になったままなんだ。
「あ、私、一緒に、イケる、かも」
「うん、うん」
本当に私もイきそう。すごく気持ちいいんだもん。
「は、ぁ、は、ぁ、ぁぁぁ……ぁぁ……ん……っ」
「ふぁっ、あ、はっ、はっ、はっ、ぁぁ……はぁっ……」
激しさはなく、2人して抱き合いながら、ビクビクしながら高い声出してイッちゃった。
「はぁ……はぁ……はぁ……小雪……っ」
また名前間違えてる。でもあえて訂正はしない。
「ここから、は、どうする?」
「はぁ……ん……今日は、ゆっくり、そうちゃんに可愛がって欲しい……」
そうちゃんの問いかけに、私はそう答えてた。
「んぁっ」
「はぁっ」
そうちゃんは私の上半身を抱えて布団の上で座った。私の体重でお互いにディルドが深く挿さる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
自分も艶めかしい声を出しながら、そうちゃんは私を何度も何度も可愛がってくれた。
嬉しかった。
本編もよろしくお願いします
『ラ・ピュセル生存記録 ―魔法少女育成計画Bloopers―』
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