※この作品はR-18です。

ラ・ピュセル生存記録 ―その後のボクとリップルとスノーホワイトと―   作:神谷萌

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異伝 02

 私の戸籍は、そうちゃんの両親が協力してくれることになった。

 そうちゃんがラ・ピュセルの姿に固定された時に、そうちゃんの戸籍についていろいろ相談したことがある弁護士がいるって言ってた。

 市役所や、警察、家庭裁判所、そんなところに行き来することになる。

 戸籍以前に日本国籍もないのが高いハードルだったけど、私はどう見ても日本で育った日本人だからその方向で行政に認めさせようという話だった。

 最後の手段として、 “この世界の私” とのDNA鑑定も使ってみようかという話もあった。

 費用はそうちゃんの両親が負担してくれると言っていた。そうちゃんは自分が働いて返すと言ってた。ご両親は他人事だと思えないから気にするなと言っていた。

 少し惨めだった。本当ならお金を稼いで返さなきゃならないのは私だ。でも、現状では学歴すら完全にない私にはその手段がなかった。いや、あるにはあったけど、そんな事をしたらそうちゃんもリップルも、悲しむし私を許さないと言ってくれた。

 ──── お金と言えば、そうちゃん達、この世界のファヴとクラムベリーの最後の “ゲーム” の生存者は、魔法の国から、あとは住むところだけあればなんとか生活できる程度の年金を貰っている。

 トップスピードとその旦那さんが交渉してくれたと言ってた。世間知らずの未成年だった私とリップルが名誉国民だけで言いくるめられてしまったのとはだいぶ違った。

 

 戸籍を作るのと ──── というか、そもそも “姫河小雪” が2人いたら周囲が困る。だから名前をつくることになった。

 ただ、まったくかけ離れた名前にすると呼ばれた時に反応できない、とそうちゃんのお父さんに言われた。

 いろいろ考えた結果、私は「鳩田 陽愛花(ひめか)」という名前にした。

 名前は名字の「姫河」を捩った。これなら呼ばれても反応しやすい。ただ、 “姫” の字は使いたくなかったから別の字を充てた。

 名字の「鳩田」は、 ──── ハードゴア・アリスから貰った。

 “この世界の私” は、アリスの事をほとんど知らなかった。ルーラの次の週に最下位脱落した、と言っていた。あの時期だと私もなんだか私につきまとってくる子がいる、程度にしか思っていなかった。

 逆にそうちゃん達がアリスについて聞いてきたけど誤魔化した。だって、それってことは生き残ったラ・ピュセルの代わりに死んだようなものだから。それを言ったらそうちゃんを苦しめる。話が出たのが “この世界の私” が変身していないときでよかった。

 朱理ちゃん、プリンセス・インフェルノについても、そうちゃんが調べようかと言ってくれたけど、やめてもらった。

 私の世界では3人とも死んだ。この世界では少なくともそうちゃんは生きてる。それ以上望みたくなかった。

 

 日本人としての整備の一方で、魔法の国にも私が居ることをそうちゃん達が報告してくれた。そうちゃんが私がこの世界で使うマジカルフォンを調達してくれた。

 魔法少女としての名前「スノーホワイト」も、本当なら変えた方がいいのだけど、こっちはとりあえず保留にした。魔法少女は襲名する事もあるから、いっそ「ハードゴア・アリス」と名乗ろうかと思った。でも襲名までしたらそうちゃん達の興味を惹くからやめておいた。

 

 この世界のリップルは生計の一部にするために、非フルタイムではあるけど働いていた。 …………そう言えば、私、向こうの世界で最近のリップルがどうやって生活していたか知らなかったな。

 そうちゃんは私と同じ17歳だけど、ラ・ピュセルの姿に固定されちゃった時のいざこざがあって、1年遅れで今年に通信制高校に入学した。学年制じゃなくて単位制なので、何年生という概念はないらしい。

 “この世界の私” は、私とは違う高校に通ってた。もっと自宅に近い高校だった。もちろん2年生。

 

 

 そして、今私は、リップルの、細波華乃の家に匿われている。

 2Kの、普段使っていない洋間の方をあてがわれた。

 ──── そう言う事がある、と、事前に聞いてはいた。覚悟はしていた。

 そうちゃんがラ・ピュセルに固定されたことで、戸籍の性別を変えようとしていた時期があった。でもそれは結局やめた。だから身体はともかく法律上は今でも男だ。なんでそうしているのかなんてすぐに解った。それなら、リップル、華乃と結婚できる。来年にそうちゃんの誕生日が来たら入籍するんだろう。

 もう婚約当然の関係だから、そうちゃんが泊まりに来る事があると聞かされていた。若い恋人同士がひとつ屋根の下、他に大人もいない状態で夜を共にしたらどうなるかなんて、私にだって解る。

 身体が女同士なんて、そうちゃん、ラ・ピュセルとリップルにはなんの障害にもなってなかった。2人はお互いの身体を求め合ってた。

 古い家という事もあって、壁越しに声が聞こえてくる。だいたい大声を出すのはリップルの方だったけど、たまにラ・ピュセルの声が聞こえてくる時もあった。

 覚悟はしていた。でも覚悟を越えてた。

 たまに、なんて言ってたのに、実際にはラ・ピュセルはほとんど毎日のように泊まってた。

 当然毎日のように喘ぎ声が聞こえてきて、私は悶々としていた。

 ──── 嘘。

 私の方が、すぐに壁越しの声だけじゃ我慢できなくなって、わざわざ変身して2人の “声” を聞いてた。

 “困っている声” の筈なのに、嬉しそうにしか聞こえなかった。

 その声を聞きながら、私は自分を慰めてた。

 涙をぼろぼろこぼしながら、自分の性器や胸を弄んでた。2人の声が高くなってくるのに合わせて、膣に指を入れて中を激しく擦った。

 

【挿絵表示】

 

 惨めだった。悔しかった。

 でも、同時に安堵もした。嬉しくもあった。

 私が壊され、また私が壊してきた、魔法少女が人間として当然あっていい場面が、壁一枚隔てて向こう側にあるって解った。

 それがそうちゃんとリップルなら、尚更だった。

 嫉妬はしてた。でもどっちに嫉妬してるのかわからなかった。「そうちゃんを返して」なのか、「私もリップルに触りたい」なのか、ごちゃごちゃになってわからなくなった。

 2人の声が止む頃、私も精神(こころ)が疲れ切って寝る、そんな日々が続いた。

 

 

 昼間は毎日、市役所か、警察署か、家庭裁判所か、あるいはそのうちの複数に行く。

 大抵の場合はそうちゃんのお母さんがクルマを出してくれたけど、華乃が休みの日は華乃のクルマで行くこともあった。今日がそうだった。

 セルボっていう旧い軽自動車。私達どころか、私達の親も生まれているかどうかって頃のクルマだっていう。華乃が免許をとったら、トップスピードがどこからか拾ってきたんだとか。

 ──── 気づかなきゃよかった。

 この世界の華乃は、普通に自動車の免許が取れて、普通に運転できる。

 私の世界のリップルには無理だった。

 左腕がない。日本の自動車は左手でギアのレバーを操作する。だから無理だった。

 私の世界でリップルの腕がないのは、別に私のせいじゃない。それなのに、私は酷く惨めになった。なんでこんなに違うんだろう。

「ねぇ、陽愛花」

 後は帰るだけとなった時に、車内で華乃が声をかけてきた。

 私はビクッとした。

「な、なに?」

「なにも、気にならないの?」

「なんのこと?」

 華乃が訊いてきていることが、最初は本当に何のことかわからなかった。

「夜の事。起きてるでしょ?」

「…………うん」

「すぐ、なにか言ってくると思ってたのに」

「えっ?」

 華乃の言葉に、私は軽く驚いて訊き返す。

「わざとやってた。直接言っても否定すると思ってたから。いくらなんでもあんなサルみたいにいつも盛(さか)ってるわけじゃない」

「否定する、って……」

「抱いて欲しいでしょ? ラ・ピュセルに」

「…………」

「颯太に、って言った方がいい?」

「…………」

 びっくりした。そう言えば、こっちの私達はきちんと変身中と未変身で呼び方をわけてた。私にもそうするように言われた。でもラ・ピュセルは変身を解いた状態でもそのままだから、ずっとラ・ピュセルと呼んでるのかと思ってた。

「強がらないでいいし、私のことを考えなくてもいい」

「…………」

「正直に答えて」

「…………うん」

 私はついに認めた。

 だってそうちゃんだもん。

「私、こっちの世界に来る前、何日かに1回、そうちゃんの遺影がフラッシュバックして凄く苦しい思いをしてたの。夢にまであのお葬式が出てきてうなされた。でも今は、その顔とは違うけど、手を伸ばせばすぐそこにいる。声も聞こえる。フラッシュバックしなくなった。お葬式の夢も見なくなった。その代わり、すごく切なくなった」

 私は、言わなくてもいいことまで言ってた。

「伸ばしていい」

「えっ?」

「『スノーホワイト』は私達に触れていい。そう決めてるの。あなたも(・)『スノーホワイト』なんだから、颯太に触れてもいい。私に黙ってでなければ」

「……いいの?」

「恋人はあくまで私。それだけ」

「…………」

 それは、かえって辛い気がする。

 セックスはしてくれるのに、恋人は別にいる。

 そう言う関係、今の私には、考えられない ────

 

 

 ──── けど、だめだった。

 誘惑が強すぎた。

 飛び込んでいけば触れてくれる。抱き締めてくれる。優しい声をかけてくれる。そして、私とセックスしてくれる。そうちゃんが。もう二度と会えないはずだったそうちゃんが。

「本当にいいの? スノーホワイト」

 ラ・ピュセルの方が、私に気を遣ったように訊いてくる。

 もうお互い全裸だ。ただし、魔法少女に変身した状態で。

 そうちゃんはラ・ピュセルから元に戻れない。一応、 “本来、変身が解除されている状態” はあって、尻尾と衣装が消える。その時、身体能力も少しだけ抑制されるけど、少しだけ。だから、エッチなことしたりする時は、相手も変身した魔法少女じゃないと危ない。

 そこだけは悔しい。スノーホワイトだと本当に見た目は貧相だから。17歳の私(姫河小雪/鳩田陽愛花)なら、少なくとももう少し背は高いし、胸だって少しは大きくなってると思うのに。

「ボクは君の知ってる岸辺颯太じゃないよ……?」

 リップルよりラ・ピュセルの方がそのあたりを気にするの、元々男の子っぽい。

「知らない。私を置いて死んじゃったそうちゃんのことなんかもう考えたくない」

「だけど……」

「そうちゃんだって言ってた。生きてるからリップルやスノーホワイトを守れるって」

 結局、この世界の “クラムベリーの最後のゲーム” の生き残り4人も、スノーホワイト(この世界の私)を除いては各々何かを失っている。

 トップスピードは右腕、リップルは左眼、そしてラ・ピュセルは “岸辺颯太本来の姿”。

 それでも生きてるのと死んでるのじゃ大違いだ。生きていれば話せる。触れられる。気持ちを知れるし、伝えることもできる。

「うん……」

「それとも、そうちゃんの方が、私を受け容れられない?」

「……そんなことはない、けど」

 そう言ってから、ラ・ピュセルは、下に逸しがちだった視線を私に向けてくれた。

「それで、小雪が安心できるなら……」

「私は陽愛花」

「あ、ごめん」

 大真面目に謝るラ・ピュセルを見て、私はくすくすと笑った。こんな笑い方も何年ぶりだろう。

「変身中だから、スノーホワイトって呼べばいいよ」

「うん」

 私の言葉に返事をしてから、ラ・ピュセルは私の腕をそっと掴んで手繰り寄せて、ぎゅっと抱き締めてくれた。

 女だけど、私よりずっと逞しい腕、手。

 この腕、この身体で、ずっとリップルと、 “この世界の私” を守ってきたんだ。

 肌が密着する。あったかい。ほんの3年ぐらいのはずなのに、もう十何年ぶりの温もりのように感じられた。

 抱き締めるだけじゃ止まらない。

 そのままラ・ピュセルの顔が近づいてくる。何されるかは解った。私もして欲しい。

 ちゅっ……

 カチッ

「ん……」

 キスされた時、自分の心の奥で何か、スイッチが入った気がした。

 “魔法少女狩り” になって、停まってた1個の時計が動き出したように感じた。

 

【挿絵表示】

 

「あ……あ……あ……」

 涙がぼろぼろと溢(こぼ)れる。止まらない。

「スノーホワイト?」

「違うの、これ、悲しいとか辛いとかじゃないの、でも、とにかく止まらなくっ……て」

「いいよ、それならずっと泣いてて」

 まるで、そういう泣き方に慣れているかのように言った。

「でも、本当に耐えられなくなったら言ってね」

「うん」

 そう言葉をかわすと、私はラ・ピュセルにひょいっと抱えられて、薄茶色に焼けた色をしている布団の上に下ろされた。

「触っていい?」

 今更どこを触るのか、わざわざ訊いてくる。そんなのひとつしかない。

「うん、触って欲しい」

 私が答えると、ラ・ピュセルの指が、私の大事なところをくすぐり始めた。少しそうされただけで、私のそこはあっという間にぐしょぐしょに濡れた。

 

【挿絵表示】

 

 そうちゃんが私の大事なところを弄ってる、ラ・ピュセルが私の大事なところを触ってる。直接の刺激以上にその感情が私を昂ぶらせて、同時に満たしてくれた。

 私はそのまま激しくイッた。3分も経たなかったと思う。

 高校で友達、と言ってもそんな深い関係の子はいなかったんだけど、そのグループで話してた時、女子だけのえっちな話になった時、

「男の絶頂は急性的で、女の絶頂はなだらか。だからお互い気持ちよさがわからない」

 なんて話が出た。

 あんなの嘘だ。一気に熱くなって、お潮を吹き出して、ビクンビクン仰け反りながらイッちゃった。

「大丈夫? スノーホワイト」

「あ……あ……」

 ラ・ピュセルが訊いてきてるのに、私は、少しの間、とろとろに蕩けててろれつが回らなかった。

「ね、ね、リップルとする時に使ってたあれ」

「え? あれ?」

 私はこくこくと頷いた。

「私にも、使って欲しい」

「ええと……」

「ダメ?」

「ダメではない、んだけど……」

 そういうと、ラ・ピュセルは、一度私をそっと布団に下ろして、開き戸の収納から、それを取り出した。

 ペニスバンド、って言うのかな? それも、両方に飛び出してるやつ。

「初めて(ヴァージン)だよ」

 ラ・ピュセルがなんで渋っているのか “聞いて” しまった私は、先んじてそう言ってしまった。

 “魔法少女狩り” だった私は、手段としてそれが使えるんなら使ってしまっていた。そんな機会がなかったのはただの幸運だ。だから、ラ・ピュセルに、そうちゃんにそれを捧げられる。少しだけ神様の存在を信じたくなった。

 でも、

「え……」

 それを聞いて、ラ・ピュセルはさらに困った顔をする。

 …………

「…………やだ! やだ!! そんなこと考えちゃやだ!!」

「えっ……」

 私が発狂したような声を上げると、ラ・ピュセルがドキッとしたような表情になる。

 ラ・ピュセルが何を考えたのか。

『このスノーホワイトが別世界から、ボクが “ラ・ピュセルとしてだけ” 生きている世界に来たんなら、ちゃんと “岸辺颯太として” 生きている世界もあるかも知れないし、行けるかも知れないんだよな……』

「そんなの考えなくていい!! ここにいるそうちゃんがいい!! 誰より強いラ・ピュセルがいいの!!!!」

「落ち着いて、スノーホワイト」

 叫んだ後、まるで過呼吸のようになった私を、抱き起こして、背中を撫でて、落ち着かせてくれる。

「ボクがそんなに強いとは思わないけど……」

 謙遜なんかしないで。

「スノーホワイトの気持ちは解ったけど、本当にいいの? 作り物だよ?」

「ちゃんと繋がれるようにできてる」

「リップルに言われたと思うけど、ボクはあくまでリップルの恋人で……」

「私に将来恋人ができる可能性なんて今は考えなくていい」

「わかった」

 私がそこまで言って、ようやくラ・ピュセルは、それの準備を始めた。

 パンツのように履いていって ────

「んっ、んんっ……」

 先に、内側に向かっている方を、自分の膣の中に挿入してる。ぐちゅぐちゅって音が聞こえる。まだ私を少し弄っただけだけど、ラ・ピュセルもそこそこ濡れてた。

 アジャスターを締めて、まるでラ・ピュセルに男の人のがあるようになった。

 それから、なんかビンを開けて、とろっとしたものを突き出している側に塗った。ローション、っていうのかな?

「でもこれ、ホント、最初痛いからね? 我慢できなさそうならすぐ言ってね?」

 自分もラ・ピュセルとして経験してるから、その上で私を気遣ってるのが解る。

「行くよ」

 ゴムかプラスチックか、そんなものでできた先端が、私の股に近づけられる。まだ処女を失ってもないのに、ラ・ピュセルに弄られただけで開きっぱなしになってる私の膣に、そっと侵入してくる。

「!!」

 痛い! 痛い痛い痛い!!

 でも私は、その言葉を必死で押し殺した。

 言ったらラ・ピュセルは途中で止めてしまう。

 そんなのやだ。今夜、全部そうちゃんに捧げたい。

 それに ──── よくわからないけど、気持ちいい部分がある。

 そこは、性器じゃないかも知れない。あったかいものがどんどん湧き出してくる。

「はーっ、はーっ、はーっ、はーっ……」

 私が苦しそうにしている間、そうちゃんは、腰は引かないで、きゅっと私の上半身を抱き締めてくれてた。

 ますます、あったかいものが溢れ出してくる。

「そうちゃ……うご、いて……」

「うん……」

 そうちゃんが腰をゆっくり動かし始めると、ぐじゅぐじゅって音がした。

 もう私のアソコは、壊れた蛇口みたいにおツユを流してる。

「んっ、ふ……ん……」

 ゆっくりと、でも深く長く動かしながら、そうちゃんも艶めかしい声を出してる。

 おそるおそる見ると、私のそこに近付いたり離れたりしているそうちゃんのそこも、パンツ? ベルト? とにかくそこから、たくさんおツユを溢れさせてた。

 ちゃんと繋がってる。作り物を介してかも知れないけど、ちゃんと繋がれてる。

 そう考えてたら、痛みが少し引いてきた気がした。

 

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「そうちゃん……」

 言葉が出せた。

「そうちゃん……私、嬉しいよ」

「でも、ボクは」

「解ってる。でも初めてを捧げるのはそうちゃんしか考えられなかった」

 二度と会えなくなってからその気持ちを認められるようになった。本当は取り返しなんかつかないはずだった。だから私は “魔法少女狩り” になった。でもまた会えた。

 本心がリップルの方にあるのは解ってる。でも、生きてるんだもん。話せるんだもん。触れるんだもん。

「スノーホワイト……小雪……」

 また、間違えた。

 でも、今はその方がいいや。

「あ……」

 痛いのが耐えられるようになったと思ったら、今度は熱くなってきた。

「そうちゃん、私、ッ……」

「うん、うん、一緒にイクから……」

 そうちゃんがタイミングを合わせてくれてる。

「あ、あ、ぁ……ぁ……あぁっ……!!」

 最初はあんなに痛かったのに、最後はわけのわからない気持ちよさの中で私はイった。

「そうちゃん……そうちゃん…………!!」

 

 

「ごめん、華乃」

 びしょびしょにしちゃった古い布団を片付けて、服を着直して整えた頃、クルマでどこかへ行っていたリップルが帰ってきた。

「夜食、食べる?」

 手にぶら下げていたのは牛丼屋の袋だった。大盛り3人前。

「うん……」

 リップルは私の言葉には答えてくれない。 “困る” こともないほど怒っているんだろうか。

 そう思っていたら、

「ねぇ、陽愛花」

 と、リップルの方から訊ねてきた。

「うん、何?」

「向こうの世界で、あなたと向こうの私はずっと一緒にいたんでしょ?」

「うん、そうだけど……」

 本当は何度か離れ離れになってる。でも精神的に縋っていたのは確かだ。

 リップルは、口元で笑った。

「私の事は、好きじゃなかった?」

「…………!」

 私の2回目は、こっちのリップルに捧げることになりそうだった。

 





本編もよろしくお願いします
『ラ・ピュセル生存記録 ―魔法少女育成計画Bloopers―』

具体的な感想をいただけると、続きを描くことが捗ります。
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