これはエッチな話なんですけど、継田フジコちゃんには「ママになる才能」もあるよね? 作:a-su
◆ 同日の午後、フジコの部屋 ◆
目が覚めたとき、一瞬、自分がどこにいるか分からなかった。
工房? それとも道の端っこか。ばあちゃんが死んでしばらくは橋の下で眠ってたこともある。起き抜けは毎回ちょっとした賭けだったんだ。
……フジコの部屋らしい。天井の
窓から入ってくる光はぬるくて、昼間のまっさらな光じゃない。午後の半ば、ってとこか。
「あっ」
俺は声を出しかけて、止める。
フジコがいた。椅子に座って、スケッチブックを膝に広げてる。さっきまで俺の腕の中でぐちゃぐちゃになってたくせに、今はきちんと服を着てる。後ろ髪の赤いリボンまでちゃんと結い直してた。
俺の顔に視線を注いで、鉛筆を走らせている。
「ごめんね、起こした?」
「いや、眩しくってさ……絵、描いてたのか」
「ううん。絵なんてものじゃないの」
「……?」
フジコの右手は止まらない。あの、どこか遠くを「見る」目がずっと俺の顔に注がれてる。滑らかな動きは画家のそれにしか見えなくて、「何を描いたらいいか分からない」って泣いてた女の子とは思えない。
「そう……なのか? でも、ええと」
「ダメなの。これは、描きたいから描いているだけ。それだけじゃ、『私の絵』にはならないから」
「……ま、そりゃ、男の寝顔なんてヤラしいもんな。これが私の絵ですなんて言えないか」
「そうじゃなくって。私の絵はこれじゃないの。……ごめんなさい、うまく言えなくて」
ダメだ、がしがしって頭をかき回したい。でも絵を描く邪魔はできなくて、そのまま横たわり続けるしかなかった。「何を描いたらいいか」なんて、そんなに大事な、真剣に悩むようなことなんだろうか。ああ、頭がついていかねえ。
「お前は俺と違って親もいるし、学もあるしな……」
「あっ。あの、ごめんなさい」
「気にしてないって」
きっとそうなんだろう。フジコにはきっと描くべきなにかがあって、そしてそれは俺じゃない。どんなに大切にしても、されても、この子の全部が俺のものになるなんてこたぁないんだ。
でも、それがどうした。
「あのね、あの、私にとって絵は」
「俺、お前を食べたい」
「え?」
フジコは俺と違う生き物、女の子だ。
違う国、ずっと東の果てにある日本で生まれた。
金持ちの立派な親から生まれ、違う育ち方をしてる。
何もかも違うこの子を傷つけたくない。何かを諦めさせたくない。だけど、食べたいんだ。
「お前の中に、なんか……何かが詰まってる気がすんだよ。まるでヴルストみたいだ。噛みついただけで、弾けちまいそうな……うまい汁気がいっぱいなんだ。匂いも味も、俺みたいな親も知らない野良犬とは違う。お前の中には色んなものがいっぱいなんだ」
──食べても食べてもなくならない、世界で一番、うまいもの。分からないからなんだ。違うからなんだ。かぶり付かずにいられるかよ。手放すなんて、絶対にできっこない。
「帰るなよな、日本に」
「え……」
「パリに、いろよ。俺には分かんねえけど、お前には大事なことなんだよな。だったら帰るな。お前の絵が見つかるまでここにいろ。俺がずっと守るから」
フジコがぱちりと瞬きをして、それからゆっくりと目を見開いていく。
「なあ、知ってるか? 男と女は、いい日も悪い日も一緒に歩……」
「カスパールッ!」
「ぅおっ」
画材が宙を飛んで、俺はベッドの上に押し倒されてた。馬乗りになったフジコの束ねた髪が垂れて顔に、おいちょっと顔が近いっ。
「私もっ、あなたを食べたいっ、食べたいわっ」
「そ、そりゃどうも、んむっ、む、ぷはぁ、んむっ」
「んむぅーっ、はっ、うれしい? うれしいよね? うれしいって言って? へむぅーっ」
どうやって言うんだよバカこんな口全部ふさぐみたいなキスされてよぉ!
「はっ、はぁ……っ、欲しい、あなたのことっ」
「あの、うれしいよ? でもさ、まず服を脱ぐとか」
「もうっ、どうしてそんなこと言うのかなぁ。早く、あなたのソーセージを食べたいのっ」
不思議だ、こんなに興奮してるフジコは初めてだ。俺を「見る」目はひどくすわってるし、小ぶりな鼻の穴がひくひくしてる。こんなに欲が強くて、もうテコでも動かないわって顔を隠してたなんて。
でも、もっと見たい。色んなフジコを……。
「えっと、じゃあ……ほい」
観念して脚を開く。ペニスはちょっと怯えて半勃ちだ。
その根元、金玉の袋との境目に、フジコは滑らかな頬をぴったりくっつけた。暗い色のブラウスもスカートもきっちりしたままで、四つん這いになってスリスリ頬ずりしてくる。
「ふふふ……ちゃんと拭いたのに、すごいにおい」
「うっ。臭いか?」
「そんなことないわ? むしろ……」
フジコは陰毛を口に含み、ちょっとだけ残ってた精液をちゅるりとすすってみせる。
「……うっとりしちゃう。私のお腹で気持ちよくなってくれた証拠……もし中で出されてたら、間違いなく赤ちゃんができてたんだなって……」
「うっ……ぐっ、ふぅぅっ、フジコ……」
「ふーっ、ふーっ……んふぅっ……ふッ……」
やばい深呼吸しはじめた。さっき自分の穴を犯したペニスの臭い嗅いで、マジにうっとりしてる。なんか内股になって、お尻まで振りだしたぞ。
「ねえ、私の鼻息って熱いかしら……気持ち悪い?」
「そっ、そそそっ、そんなことないですっ」
「良かった。これから毎回、頬ずりしてあげるね」
「いやいいよそんなっ」
「お願い、させて? 大切な男の方にお仕えする花嫁修業がしたいの。ねえ、いいでしょう……?」
すりすり♡
すんすんっ♡
すりすり♡
なんだこの女、俺を誘惑するために生まれてきたのか? こんな生き物が世界にいていいのか?
ああ、まずい。見ているだけで、また下半身に血が集まってきた。こんなの、腹ぺこのケモノに首すじを見せてるのと同じじゃないか。
ビビった俺は彼女の顔に手を伸ばしかけて……つい手癖で、頭を優しく撫でてしまう。
フジコはそれを承諾と受けとったみたいだ。俺の右手に、左手の指を全部絡みつけ、反り返っていくペニスの肉に小さな顔をぐりぐり、すりすり、ぐりぐりと、しばらくこすりつけてから……。
「キスするわね……」
「そんな変態みたいな」*1
「浮世絵ならこれくらい普通だわ」
マジかよ日本の基準どうなってんの?
「でも汚いってぇ」
「きれいなところも、汚いところも、全部口づけたい。いい日も悪い日も貴方と一緒に、は、ぁ……」
切なげなため息を漏らしてから、ペニスの先端に、唇をゆっくりと寄せていく。
俺は、口の中いっぱいにあふれるツバをごくりと飲み込む。亀頭の向こうにフジコの顔が重なると、恥ずかしさと期待がいっぺんにこみ上げて、背筋がぞくぞくと震える。
「ねぇ」
「い、いいぞ」
ちゅっ──。
かすかに、キスの水音が跳ねた。きれいな唇と醜いペニスとのあいだで、興奮に粘つく唾液が潰れたんだ。
「ちゅっ、ちゅ、ちゅ、ちゅぅっ……はぁぁぁっ……すーっ……私を大人にしてくれたカスパールのオチンチン……すっ、すーっ……なんて濃い匂い……なんて愛おしいのかしら」
キスの雨を降らせ、色っぽくため息をついて、またむちゅむちゅと唇を押し付け、キスを繰り返す。息をする間も惜しいみたいな余裕のなさで頭を動かし、カリの段差だとか、ガマン汁のにじみ始めた溝の部分にもチュッちゅっと唇を落としていった。
「っ、ふじこ、……っ、ぁ……」
正直言うと、もう頭がメロメロだ。世界でいちばん大切な女の子が、汚らしい欲望の固まりを砂糖菓子か宝石みたいにいつくしみ、愛撫し、口づけてくれてる。金玉がきゅんきゅんと何度も収縮して、もう今にも破裂しそうだった。
「フ、ふじこぉ」
あー、俺もう、ダメだ。すげぇ情けない声が出てる。
「んは……ちゅ、ちゅっ、ちゅうっ、ちゅぷっ」
「そ、そのまま、そのまま咥えてっ」
「あ……」
フジコはかぁっと頬を赤くして、こくりと生唾を飲みこむ。唇をとがらせ、一度「ふーっ」と息を吹きかけてから……二枚の唇でペニスの先端をはむっと挟んだ。
「ちゅぽっ、ちゅぅぅぅぅぅっ──」
先端を赤ん坊のように吸ってから……小さな口の中に、じゅるりと亀頭全体を迎え入れていく。口ん中のあったけー粘膜がペニスを包み込んで、唾液がねっとり絡みついてくる。ほっぺの内側が締まり、舌と一緒にぴっとり肉の棒へ貼り付いた。
「うーっ、フジコの口、あったけぇ……えっ? あっそれヤバい、舌の動きヤバいっ」
マジか、亀頭の丸いかたちをなぞるみたいにニュルニュルって舌を這わせて、その先っぽで段差のとこもこそいでくれる。なんだよこれ気持ちよすぎるって!
俺の腰が震えた。一瞬、射精しちまったかと思うくらいのコッテリしたガマン汁が放出される。
「んぅっ。んっ、んくっ、こくっ……こくっ…………ん、ちゅっ……ちゅぷっ」
「うっ、の、飲んでる、のか……も、もういいってぇフジコッ、ぁっ、また、また舌、ヤバッ……!」
ぶっ濃いのを飲み込んだフジコは、舌だけじゃなく唇の裏側まで使って、亀頭の全体をねぶり尽くした。俺が腰を引きかけると、追いかけるように頭を沈ませ、じゅるっ、じゅるるっと吸い付いて、あれよあれよという間に俺のペニスを根元まで飲み込んでしまう。
いちど髪をかき上げて……そして、小ぶりな頭を上下させ始めた。
ちゅぷ♡
ずりゅ♡
じゅぷ♡
ちゅぽ♡
「はっ、えっ、なんだコレっ、吸われながらシゴかれてるっ」
ぬるぬるの口内で舌は奥へ引っ込んで、その代わり口の中の粘膜がべったり密着して、ふっくらした両のほっぺたが凹むほどすぼめられた唇がペニスをしごく。赤いリボンや結んだ髪が揺れるたび、俺の背筋を鮮やかではっきりとした快感が駆け抜ける。
「あッ、あッ、あッ!」
「うぐ……っふ、っふ、っふ」
一定のリズムを刻むフジコだけど、髪をかきあげると覗くうなじは上気してた。口で俺とつながりながら興奮してるんだ。
ヤバい効くっ! 今まで知らなかった吸われながらシゴかれる快感で、射精感が釜の湯みたいにぐつぐつ煮立っていく。
「もう出そうだっ……!」
「ん、も……ぁふ、んふ~~~」
指を絡めた手をギュッ……と握ると、フジコは頬をさらに濃く染めた。弓なりに細まった目、握り返してきた手は、「このまま出していいわよ」って言ってるみたいで……。
精液がせり上がってきた瞬間、とどめに思いっきり吸引される。
ぢゅるるっ、ぢゅむっ、ぢゅううぅぅ~~~~ッ♡
「あっうっクソッその吸いつく顔すげぇクルッ……! 出る、吸い出されるぅっ────うッ!」
どぴゅっ!
俺は放出に身を任せる。フジコが大好きな俺のソーセージから、この子が欲しい、気持ちよくして欲しい、一緒に幸せになりたいって気持ちを爆発させた。
どぴゅっ、どぴゅっ!
「んん゛っ、ん゛ーっ、ぁふっ、んん、ん」
びゅるっ……。
フジコは、えずきそうになりながらも全部受け止めてくれた。口の中で暴れてる亀頭をちゅうちゅうして、涙目のままで全部吸い取ってくれる。
俺の放出が収まれば一度深く咥え直し、唇で優しく締めつけながら引き抜いていく。いや、いやいや……徹底した攻めっぷりは、全然優しくはなかった。
「ぷぁ、はっ、はーっ、と、とっても濃かった……」
「……ありがとう、フジコ。すげえ良かった」
「はぁーっ、そう、うれしい。ねえ、どうされるのが一番気持ちよかった?」
恥ずかしいこと聞くなよ。てか精液どこいったの? かなり出しちまったはずなんだけど、まさか、全部ごっくんって飲んじゃったのか?
「あーん」
「見せなくていいって、すぐ勃っちまうから……なあ、こっちはお口が初体験なんだから手加減してってば」
「あら、初体験って涙がでるくらい心を揺さぶるものでしょう?」
「……ソウデスネ」
「うふふ、かわいいひとっ」
横に寝転がってきたフジコを抱きしめる。目を細めて微笑む、高ぶりで赤く染まった頬ときたら。
やっぱりこの子は最高だ。俺に学がないのとは関係なしに、それ以外にふさわしい言葉はないと思う。
「ねえ、次におしゃぶりをするときは、少し焦らしてみてもいいかしら。あなたがいつも『我慢しろ』って言うみたいに」
「すいませんホント勘弁してくださ」
「焦らされると気持ちいいのよ」
「や、やってみてもいいぞ」
これが俺とフジコの、1915年の2月だった。
(エピローグに続く)