サオノハコ 作:のうやん
好きな人を押し倒してめちゃくちゃチューする。
その時は拒否されてもいい。最悪チューできなくてもいい。抱きついて押し倒しさえすれば、後はこっちのもの。時間が経てば手に入るようにしてやる。
そう言われた。バカにするなって思った。普通の精神状態ならそんなことしない。じゃあ今は? どうだろうか。私は指示されるがままに大好きな男の子を押し倒して、キスして。その現場を悪い先輩が隠し撮りしたのを、止めなかった。
「やめろよ……なに、かんがえてんだよ」
「ごめん」
馬乗りになったまま謝る。
この後、どうなるんだろう。
もうどうでもいいや。恋愛になると私はこんなに醜かった。こうなったら、絶対にこの人を手に入れてやる。傷ついたら私が慰めて、壊れそうになったらもっともっと慰めて、溺れさせてみせる。
❤
高校二年生。バスケ部の次期エース。爽やかで優しく、純粋。勉強も部活も真面目に取り組んでおり、親しみやすい一面も魅力。
顔立ちはやや童顔で透明感のある美少女。髪型は柔らかいシャギーボブで、凹凸の少ない体型ながら引き締まっていて健康的。
容姿端麗で我慢強く、人の良いところを見つけるのが得意。そういう女子なので当然モテるが、大勢からモテるとかは興味ない。大切に思っている男の子と仲良くできればそれで幸せ。嘘偽りない気持ちだったはずなのに、千夏は別の男と海に来ていた。
「
「事情を教えてくれるって言ったから……来たんだよ。どういうことか、そろそろ教えてよ」
「ほんと真面目だなー。いや、からかってるんじゃなくて、タメ口で喋れって言ったの守ってくれてるから。じゃあ俺も誠実にしないとなって思ったわけさ」
千夏は男を見上げた。たしか、身長は187センチ。がっしりとした体格で、少し日焼けした逞しい腕が少し怖い。
顔は整ってはいるけど厳つい。
彼は
可愛がってる親戚の子が悪い男に捕まってるかもしれないから、少し話を聞かせて欲しいと。雛の友達が隠し撮りしたという写真を見たら、雛は悪い男ならぬ悪い女だった。
「なんか雨降ってきたな。どっか屋根ある場所で話そっか」
「ううん、帰ろう。電車の中で話して」
「はー……まあいいか。連れ回しちゃったから、いいよ。電車の中で話してあげるよ」
どうしても事情が知りたかったから、千夏はこの男についてきた。でも、これ以上はこわい。何度か可愛いとか透明感やばいとか褒められた。女として見られているのが伝わってきたから、こわい。
一気に土砂降りになったけど、構わず駅に走った。
なんで、たいき君はキスなんてしてるの? なんでえっちなことされてるの? 同じような疑問が何回も頭の中に浮かんで、駅についた。
看板が出ていた。土砂崩れで運休。
千夏は帰れなくなった。
❤
「ごめんね、まさかいきなり土砂崩れになるとは思わなくて。……うん、友達も一緒だから。大丈夫。わかった。じゃあね」
家に言い訳の電話を入れた。
先輩と同じ部屋で。
私は民宿にチェックインしていた。部屋をわけることはできなかった。びしょびしょの格好で、いきなりキスされて、写真撮られちゃった。男と遊んでるってみんなにバラすって脅されて、こわくて。
「よくできました。えらいぞ千夏」
「やだ。どこ触ってるの……やめて」
私はまだびしょびしょ。制服のまま。夏服。
電話切ったら、いきなりおしりを撫でられた。
気持ち悪い。鳥肌が止まんない。こわい。おしり、つままれてる。
「ダウナーな感じになっちゃったな。ま、それはそれで可愛いけど。しっかし千夏ちゃんおっぱい小さいなぁ?」
「っ」
降りしきる雨を見ながら、立ったまま、私の右腕が勝手に動いた。脇の下に手を回されて、すっと抱き寄せられたのだ。ちょっとだけ、タバコの匂い。
先輩は缶チューハイに口をつけた。グレープフルーツ味。左手に持ってる。それを私の口にも押し付けてきた。これ三回目。家に電話する前に、私はもう飲まされちゃってた。
「……んく、んく、ごくっ」
「エロい顔で飲むねぇ。はい、おつかれさん」
「……は、ぁ……はー……」
だめ、くらくらする。
だめ、力入らなくなってきた。
「すぐ通報すりゃ良かったのに。ここまで来たらもうダメだろ。大騒ぎしようとしても、速攻で黙らせて抱けるわ」
「……やっぱり、そういうつもりだったんだ」
「そういうつもりじゃなきゃ、こんなとこまで連れてこないだろ。おっぱい触り心地いいね。ほんと見れば見るほどかわいーし、全部忘れられるくらい可愛がってやるから」
忘れられるわけない。
どうかしてるよ。こんな玩具みたいに揉まれたって、気持ち悪いだけ。女の子をレイプして落とせるなんて現実じゃ有り得ないから。
「触ってみ。これ、今から千夏ちゃんに舐めてもらうチンポ。はじめてだと苦しいだろうけど、たっぷりほくじてやるから安心しろよ」
「……ゴツゴツしてて、気持ち悪い」
「マジでダウナー全開だな。じゃあ直で触ってみ。握るんだよ」
先輩は浴衣に着替え済みだ。私は着替えちゃダメだって言われた。なんかもう、どうでもいい。
浴衣の隙間から、ピンク色のなにかが反り返ってるのが見える。うそでしょ。わたしのてのひらより長いっておかしいよ。
「思いっきり握って、好きに動かしていいぞ。おら、しゃがんで膝ついて、近くでしっかり見ながらシゴけ。写真、雛に言ってグループラインに流させるぞ?」
「……やるから。急かさないでよ」
腰を落として、畳の上に量膝立ちになって、おちんちんを……右手でいっか。手のひらに収まりきらない、やっぱりゴツゴツしてて嫌な感触。
大きな袋の中に入ってるのは、精子をつくるための玉……だよね。ぱんぱんみたいだけど、変な匂いはしないや。
「なにをするって?」
「だから、言われた通りに。もうやってるじゃん」
「なにをどうしてるのか言え」
「……おちんちん、握ってる」
私は悔しくて、ギュッと手に力を入れた。
先輩は悦んだ。物欲しそうな吐息でわかった。
「右手だけじゃ上手くできてないだろ。どうすればいいか考えてやってみ?」
「はい……両手で、うごかします」
「なんで両手でしなきゃいけないの?」
「っ……大きすぎて、片手じゃうまくできないから」
「チンポの先端にキスして」
目の奥がじんじんと疼いた。
おちんちんの先っぽがひくひくしてる。ぱくぱく動いて、お口みたい。鳥の赤ちゃんが、ご飯欲しがってるみたいな感じ。
もうやだ。ぜんぶやだ。
「……ちゅ……っ」
軽くキスをしてあげると、お口が悦んだ。長いおちんちんがぶるるんって震えた。
「そのまま、舌でぐりぐりして。先っぽ舐めまわしてみ」
「うぁ……っっ、ぺろぺろ、ぺろ……」
きのこみたいな形の部分に沿って、舌を動かす。
お口からお汁が出てくる。先輩の透明なお汁。
避けられなくて舐め取っちゃう。にがいよ。
「口に含んで、中で舐めまわして」
「……はむ……へひゃ……れろれろぢゅるっ」
私は言うことを聞いたけど、怒られた。
お風呂入る前に仕込んでやるって。