※この作品はR-18です。

ア〇ルマニアなシャーレの先生   作:あとらすR

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アナルマニアなシャーレの先生とナギサ

 淹れたばかりの紅茶から、心を軽やかに吹き晴らす爽やかな香りが立ち上っている。最高級のダージリン、セカンドフラッシュ。

 

 ナギサはティーカップをそっと口へ運んで、舌の上で深い味わいを転がした。

 

「これが、今回回収された本ですか……」

 

 机に置かれた本の背表紙にしなやかな指を滑らせる。題は「密花の午後」。紅色のカバーに流れるような銀線を飾られた見た目は、トリニティに向けてハイソな趣を出そうとしたものだろうか。

 

 しかしその内実は、内容が過激過ぎるとして没収された本である。

 

 あわや正義実現委員会と図書委員会との全面対決に発展しかけた、レッドウィンターからの書籍持ち込み事件。最終的にはなんとか穏当な着地点に落ち着いたあの一件以来、トリニティには彼の地の文化が輸入されるようになった。

 

 しかし純粋培養のお嬢様が集まる花園にとって、それらは刺激が強すぎる代物だ。入り込んできた大衆娯楽、ロマンスは今まで彼女達が遠ざけられてきた物。それゆえに熱狂的なブームとなっているのだが、しばしば商機を狙って一線を超えた本が紛れ込むのも事実だった。

 

 トリニティは紛れもなくキヴォトス有数の金満学園であるため、危険を冒してでも売りたいのはわかるが……ティーパーティとしてもナギサとしても、そのような企みを許す訳にはいかなかった。

 

 ちなみにこの本にヤクモやタカネは関わっていない。彼女達はちゃんとその一線を見極めている。

 

「一体どのような内容なのでしょうか」

 

 パラパラとページをめくる。別に本の内容に興味があるわけではなかった。ただ自分達が何を禁止したのかを確かめて置かなければいけないという、職務意識があっただけだ。

 

 自分達の敷いた規制が過不足なく、公正に運用されているか。責任者としてそれを確かめなくてはと、そう考えていただけで……下心は欠片もなかった。

 

 ただ、そう。内容が悪かったと言う他ない。

 

 ナギサの手があるページでぴたりと止まる。

 

「こ、これは……!?」

 

 そこに描かれていたのは、シャーレの先生にとてもよく似た男性が、トリニティの、しかもティーパーティによく似た制服の少女を抱きしめている姿だった。

 

「な、な、なぁ……!?」

 

 おまけに二人とも性器が露わだ。それだけでもナギサの頭は茹ってしまいそうなのに、先生によく似た……いや、明らかに先生として描かれた男の欲望は、少女の後孔へと向けられている。

 

 この小説は、先生とトリニティの生徒の禁断の恋愛を描いた物だったのだ。

 

「こ、こ、こここここんな物が、なぜ……!」

 

「ナギちゃーん! 居る?」

 

「はいっ!?」

 

 バァン! と勢いよくナギサは本を閉じた。銃声にも似た破裂音だった。

 

 その一瞬後、ミカが部屋に入ってきた時には本は隠された後だった。

 

「わっ、びっくりしたぁ。どうしたのナギちゃん。顔真っ赤だよ?」

 

「なんっでも、っごほっごほっ! ……なんでもありませんよ、ミカさん」

 

「えー絶対何かあったでしょ!」

 

「何もありませんよ」

 

「嘘だー!」

 

「ミカ」

 

 空気が凍る。彼女がミカを呼び捨てるのは、余程余裕を失ったか、怒った時だと決まっていた。

 

「ロールケーキが必要ですか?」

 

「あ、あはは……ちょっと飽きて来たから他のがいいかなーうん。何もなかったね!」

 

 にっこりと恐ろしい笑顔の圧に負けて、ミカはそれ以上の追及を諦めた。

 

 親しき中でも触れられないことはあるものだと、知ったから。

 

 ■

 

 それから一週間、ナギサは何事もなかったかのように振舞っていた。いや、正確には何とかそのように取り繕っていた。しかし彼女の内心は平静ではいられなかった。

 

(あんな風に、先生と……)

 

 何をしていても……諸々の案件を捌いているときにも、気付けば思考は空想を巡らせる。

 

 ゛ナギサ、君はとても綺麗だね゛

 

『あ、先生……』

 

 先生の大きな手がナギサの頬を心ごと包み込む。溶けてしまいそうな温かさにうっとりとしていると、微かに微笑みを浮かべた精悍なかんばせが目の前にあって、その迷いない瞳に吸い込まれてしまいそう。

 

 ゛ずっと、ナギサとこうしたいと思ってた゛

 

『あ、ああ……わ、わたしも、です……』

 

 吐息が熱く交わる。先生の手はナギサの制服に掛かって、そっと彼女が纏った重責を脱がせていく。ティーパーティーのホストから、一人の恋する少女に変えられていく。あまりの恥ずかしさに目を伏せ、けれどちらりと目線だけで先生の反応を窺うと、そんな内心を見透かしているかのように微笑みかけられて心臓が飛び跳ねる。

 

 ゛ナギサ、好きだよ゛

 

『は、ああ……っ!』

 

 そんな愛の言葉を囁かれては、脳みそが蕩け落ちるに違いなくて。やがて先生の手が腰の括れをなぞって臀部に触れると、腰がぴくりと跳ねてしまう。

 

『あ、あ、せん、せい……!』

 

 ゛だめだよナギサ。絶対に、離さない゛

 

『んっ……!』

 

 それ以上の動きは腕をがっちりと腰に回されて許されなくなる。身体の一切を先生に支配されたようで、ぞくぞくと背筋の震えが止まらない。そうしているうちに、先生の指がナギサの秘花に触れる。

 

『ひ、いっ……!』

 

 ゛ナギサ、可愛い゛

 

 ぐっとその蕾を後ろから押し込まれて、びりびりとした感覚から抜け出そうとつま先立ちになっても先生はきっと容赦ない。にゅくにゅくと指を沈めてきて、ナギサの反応を思うがままに楽しんでから、更に奥へ、奥へ。

 

 ゛ナギサのお尻の中、とっても温かいね゛

 

『あ、ああ……そこ、汚いです』

 

 ゛ナギサに汚い所なんてないよ。全部……綺麗だ゛

 

『ん、ひあぁ……! 先生の指が、おしりの、なかにぃ……』

 

 先生のたくましい指。侵入を拒もうと締め付ける度にぐっと固い感触が返ってきて、腸内を為す術もなく掻きまわされて……。

 

 そんな至福を味わう妄想。

 

「んっん゛ん!」

 

 トリップしかけていた思考を咳払いで何とか引き戻す。今はまだティーパーティのテラスにいて、白昼堂々慰めに耽(ふけ)るわけにはいかなかった。警護についている生徒の視線が痛い。

 

 しかしナギサの中で燃え上がり始めた官能の熱は、消えることなくじくじくと身体をいぶす。ホストとしての職務を全うしている中でも腰は切なげにうねり、彼女のアナルは息をするようひくついていた。

 

 そんな日々が一週間も続いては、ナギサの理性も限界を迎えるというもの。彼女もまた思春期の少女であり、先生に慕情を寄せ……禁じられたものへの誘惑に抗いがたい、お嬢様のひとりであるのだから。

 

 その夜日付が変わる頃。ナギサはつい自室のベッドの上で秘め事を始めた。

 

「はーっ……ふー……こ、これを、使うのですね……」

 

 彼女が密かに取り寄せた性具の数々。アナルを開発するためのローションや、中に挿入れる大小様々な棒。そして腸を洗浄するためのイチジク浣腸。

 

 ナギサが初めて目にするそれらは、買い手が掴めぬよう極秘のルートで手にしたものだ。トリニティの長がこんなものを持っているなど、とんでもない醜聞である。そうでなくても人に知られれば、どれほどの羞恥を味わうことになるか……。

 

 それでも、一度芽吹いた好奇心は抑えられなかった。

 

「まずは、こちらから……」

 

 イチジク浣腸を手に取る。その使い方はちゃんとあの本で予習してあった。ベッドに仰臥し、足首まですっぽり覆ってしまうシルクのネグリジェをめくりあげ、ショーツをずらす。露わになった菊穴にチューブの先端を差し込み、ゆっくりと中身を押し出していく。

 

「あ、ああ、はあーぅ……!?」

 

 にゅうう、と入り込んでくる冷たい感触に、ナギサは大きく目を見開いた。思わず押し出された嬌声はまだ始まったばかりだと言うのに艶を帯びている。剥き出された丸い桃尻が、淡い月明かりの中でふるふる揺れた。

 

(な、なんですか、これは……!?)

 

 かあっと全身が羞恥に火照る。はしたない姿勢で、健康そのものだというのにお尻に薬を入れるだなんて、今までのナギサには想像もつかないことだった。だから本を読んでいてもあまり共感できなかったのだけれど。

 

 今ならわかる。これはあまりにも恥ずかしくて……そしてたまらなくイケナイ行為だ。

 

「あ、あー……!」

 

 ぞくぞくと脳髄が痺れ、翼が小さくはためく。些細ないたずらとは比べるべくもない、背徳感。

 

(イケナイ、こんなことをしてはいけないのに……)

 

「はっ、はっ、ふー……っ!」

 

 駄目だと理性ではわかっているのに、身体は不思議と昂って止めることができなかった。

 

 そもそもナギサは好奇心旺盛な少女である。何が起きるのかわかっていなくてもボタンを押してしまう、可愛らしい一面を持っている。そんな彼女が、駄目だと言われて止まれるはずもない。

 

 チューブはあっという間に空になって、薬液がナギサの腸内へと染みこんでいく。

 

「あ、ああ……っ! お、おなかが……!」

 

 込み上げてくる排泄欲に、ナギサは慌てて立ち上がる。しかしその足取りに普段の凛とした佇まいの気配はなく、ふらふらと危なっかしい足取りで、壁にもたれかかりながら廊下を歩く。誰にも見られないように。そう願いながら歩くお手洗いへの道のりは酷く長く感じられた。

 

 トイレで全て済ませればよいと気付いたのは、部屋に戻ってからのことだった。

 

 ■

 

 そうして何度か浣腸を済ませた後。

 

「はー、あ……っこれで、準備はできて……。次、は……」

 

 とろりと細められた視線が捉えたのは、小さな球がいくつも連なったアナルビーズだった。手に取って持ち上げてみれば、しゃなりと重力に引かれて垂れ下がる。

 

「ちょっと、可愛らしいかもしれませんね……」

 

 変わった感想が出てくるあたり、ナギサは既に出来上がっていると言えた。やめるという選択肢はもう彼女の脳内には微塵も浮かばなかった。目の前に開けた未知の世界に夢中になっていたのだ。

 

 ナギサはそのおもちゃにローションを垂らして四つん這いになると、清められたばかりのそっと菊穴に宛がった。冷たいシリコンの感触にきゅっと窄まる穴へにゅく、にゅく、と何度か押し当てるうちに、だんだんと口が開いてくる。そして次にナギサが力を込めた瞬間、ぬぷんっ、と球はアナルを潜り抜けた。

 

「んふああっ!?」

 

 甲高い嬌声が部屋に響く。まだ球が入ることはないだろうと思っていたナギサは完全に不意を突かれた形で、襲い掛かってきた感覚に驚かずにはいられなかった。

 

 なにせそれは異物感ではなく、ぴりりと微弱な電流が脊髄を駆けあがって脳を痺れさせる感覚……快楽であったのだから。

 

「は、はっ、ああ、い、いまのが……お尻での感覚……」

 

 ナギサは微かに開いた口から熱っぽい息を零す。丸く見開かれた目は中空を彷徨ったまま。じっとりと汗に濡れたネグリジェが肌に張り付くのさえ気にならなかった。

 

「まるで、全部忘れてしまうような……」

 

 親友にまで疑心を向けてしまうほどに重い、ホストとしての重圧も。終わらせる端から増えていく業務への苛立ちも。今の一瞬は、全てが真っ白に消えていた。

 

 不意に、視線が窓の外の月を捉える。遠くから優しい光を注ぎながら、見守ってくれる存在。望まぬ役割を押し付け、あまつさえ敵視までしたのに赦しを与えてくれた人。

 

「先生……」

 

 今宵の月を、あなたも見ているのでしょうか。

 

「あ、あ、ん、んぅ……は、あっ!?」

 

 先生を想った瞬間、指はぬぷぬぷと球を送り込んでいた。一つ入れば後は止まらない。肛肉が何度も滑らかにめくり上げられ、下腹部から媚悦が込み上げてくる。

 

「あ、ああ……全部、入って、ぇ……っ!」

 

 持ち手の輪っかの部分だけがナギサのアナルから飛び出している。菊輪が元の状態に戻ろうと球を締め付ける度、わずかに串が奥へと伸びこんでくるのがたまらなかった。

 

 突き出された双丘が悩ましげにくねるのは、ナギサの肛門性感が開かれつつある証だった。

 

「はっ、は……んっ。後は、これを……」

 

 抜かなくてはいけない。少しずつ一つ目の球を引きずり出そうとして、ナギサはふっと力を抜いた。アナルを内側から広げる疑似的な排泄感。そこに混ざる快楽の予感に、急に怖くなったのだ。

 

(な、なんだか、これを知ってはダメなような……!)

 

 しかし今更思いとどまったところで、既に腸内に異物が埋まっているのだからどうしようもなかった。ナギサは息を整え、先生がこの輪っかを持っているのだと想像して、くっと手に力を込めた。

 

 ぬぽぬぽ!

 

「あ、ああ、おっ……~っ!」

 

 勢いあまって二つ飛び出したビーズの感触に、ナギサは枕に額を押し当てて悶絶した。ほっそりとした太ももに筋が浮き、純白の翼がピンと伸びて宙に泳ぐ。秘所から垂れ落ちる愛蜜が、月光に銀色の光を返しながらつうー……と細い糸を引く。やがてぷつりと落ちる。淫液はシーツに染みこんでなお光っていた。

 

「はっ、はっ、く、ふぅ〜……っ!」

 

 開かれた口で快楽を噛み締める。歯の隙間からしい、と熱い空気が漏れだす。

 

(これ、いけません……! 腰、砕けて……!)

 

 このまま続ければ、腰がぐずぐずに蕩けてしまう。そう思っているのに……ナギサの手は、再びビーズを中に押し込んでいた。

 

「はっ、ああう……っ!」

 

 肉桃がぴくりと跳ねる。嫋やかな細指で自らの肉壺に埋まったおもちゃを手繰る。淑女らしからぬ淫猥な行為だというのに、彼女が普段そう振舞っているせいか、所作には気品を思わせる美しさがあった。

 

「ん、あっ……ああ……!」

 

 ゛お尻で気持ちよくなるなんて、ナギサはえっちな子だね゛

 

「せん、せい……! んっ、あ、そんな、いじわるを言わないでください……ああ!」

 

 その手を操るのは、想像の中の想い人だった。ナギサのアナルを甚振るように、ぬぷ、と一つ球を引き出してはくにゅぅ……とゆっくり押し込む。菊輪が無事にそれを受け入れ、目一杯に頬張る様を見て、もう一度引き抜いていく。

 

「はっ、はっ、せん、せいっ、せんせい……!」

 

 甘えるように名前を呼ぶ。何度も抜き差しを繰り返し、手の動きは次第に熱を帯びて速さを増していく。出入りする球も一つから二つ、三つと増えていく……。大きくなっていく快感に背中が丸く弧を描き、大きく広げられた翼がベッドの上に影を落としていた。

 

 ゛ナギサ、お尻の穴は抜く時が一番気持ちいいんだよ。今これを一気に抜いたら……どうなると思う?゛

 

「あ、まっ、て、まってください。そんなの、そんなことを、されたら……!」

 

 本の中で先生はそんな風に少女を虐めていた。ナギサはその少女に自身を重ね、被虐的な快感に震えている。不浄の穴までもを先生に支配されているような感覚は甘美で、ぞくぞくと脳髄を痺れさせてくるのだった。

 

 そうして今、彼はナギサにもっと気持ちいいことを教えようとしている。三つだけでも腰がたまらなく痺れるのだ。一気に全部引き抜かれればどれほどの快楽に襲われるのか、想像もつかない。

 

 けれど今の彼女の手はイマジナリー先生の手で……躊躇うことなく、ぬぽぽぽぽおっ! と一気にアナルビーズを引きずりだした。

 

「んっ、お、あおおお゛ー……っ!?」

 

 ナギサの体内で攪拌されたローションと腸液が一緒に飛び出すほどの勢いで、ナギサの脳に排泄快楽が叩きこまれる。それで彼女の思考は白く灼けた。何もかも消えて、ただ多幸感だけが身体を包む。

 

 まるで先生に抱きしめられているかのように心地よかった。

 

(あ、ああ……。わたし、おしりなんかで、達して……)

 

 法悦と幸福に満たされたまま、だらりと脱力する。イケないことをしたとわかっている。けれどその後ろめたさゆえに、尚更快楽は大きいのだ。

 

 翼が小さく震え、白無垢の羽が一枚抜け落ちる、ふわり、ふわりと宙を漂ったそれは、何のいたずらかシーツに出来たシミの上に落ちて、また新たに落ちてきた淫らな雫を受けとめた。

 

 ■

 

 それからまた一週間後のこと。ちょうどその日のシャーレの当番は、ナギサ一人だった。

 

「先生、こちらの書類、を……」

 

 ゛ああ、ありがとう……ナギサ゛

 

「なんでしょうか?」

 

 ゛大丈夫? 顔がすごく赤いよ?゛

 

 書類を手渡したナギサの顔は、先生の言うように一目見てわかるほど赤く色づいていた。熱があるのではないかと心配されるのも、当然のことであった。

 

「いえ、これは、なんでも……んんっ! 大丈夫です。なんでもありません」

 

 ゛……゛

 

 先生はじっとナギサの顔を見つめる。

 

 赤い。色っぽさに思わずどきりとしてしまうほどに赤い。そうして息は短く、時折切なげに唇がわななく。常なら優雅な彼女の仕草に余裕がないように見えるのは、ごくごく微かに内股をもじもじと擦り合わせているからだろうか。

 

 目線を真っ直ぐ合わせれば、柔らかなハシバミ色の瞳が揺れる。

 

 ゛本当?゛

 

「ほ、本当、ですから……」

 

 ゛じー゛

 

「う、うう……!」

 

 先生の視線にナギサは数秒と持たずに目を逸らした。そもそも、恋情を抱いているのだ。まともに見つめ合うなど恥ずかしくて出来ることではなかった。

 

 隠し事をしている今なら尚更のこと。

 

 ゛……うん。ナギサ、少し休もうか゛

 

「あ、は、ひええっ!?」

 

 ゛わっ……ナギサ?゛

 

「あ、ああいえ、その、なんでもありません。はい、なんでも……」

 

 休む。その言葉に別の意味を連想してしまうほど、今のナギサの思考はピンクに染まっていた。

 

「そ、それでは紅茶を淹れますね」

 

 ゛いや、私が淹れるよ゛

 

「いいえ、そういうわけにはいきません。先生にはぜひ、美味しい紅茶を味わっていただきたいですから」

 

 ゛そう言われると弱いなあ。……気を付けてね?゛

 

「はい」

 

 そうして、身体の震えで手元を誤らないよう気を付けながら紅茶の準備をする。何年も慣れ親しんできた動作は、異物感に苛まれる中でも何一つミスを犯すことはなかった。

 

 しかし淹れた後はまた別の話である。ナギサが運ぶトレー、そこに載せられた二つのカップの水面は、ゆらゆらと零れてしまいそうなほど蛙波立っていた。

 

「先生、紅茶をどうぞ、あっ!?」

 

 ゛ナギサ!?゛

 

 先生の前にカップを置こうとしたナギサの身体がふらりと傾いて、先生はとっさにその身体を受けとめた。ぽふりと先生の胸に飛び込む形となったのは、慕情を寄せる彼女にとっては幸運だったと言えるだろう。奇跡的にカップから紅茶が零れなかったことも。

 

 ただ一つ不運だったのは……先生の手がタイツに包まれた彼女のお尻に触れていたこと。しっかり受け止めようと込めた力のままに、そこに埋められていたおもちゃをぐっと押し込んでしまったことだった。

 

「んひいあぁーっ!?」

 

 ゛ナ、ナギサ……!?゛

 

 不意打ちの肛門快楽にナギサは甲高い嬌声をあげた。先生を見上げる目は大きく見開かれ、はくはくと口を喘がせる。頬を舐めた熱い吐息に、先生の顔色がはっと変わった。

 

「あ、ああ……! ん、く、ふぅ……!」

 

 ゛ナギサ、まさか……゛

 

 ナギサが白いおとがいを反らして唾を飲みこむのを、先生はじっと力のこもった目で見つめていた。おもむろに姿勢をずらし、自分の太ももにナギサが跨るような状態に変える。そうして、もう一度。今度は故意にナギサの尻の谷間に指を当て、飛び出している持ち手部分を掴んでぬっと押し込んだ。

 

「あ、は、ああ……! せ、先生……っ!」

 

 ゛ねえナギサ、これは何?゛

 

「あ、いや、これは、ちが、ぁあっ……! や、はっ、ちが、うんです……!」

 

 ゛違うって、何が? これはえっちなおもちゃだよね?゛

 

「あ、あああ……!」

 

 言い訳は許さないとばかりに、先生がおもちゃでナギサの腸内をかき混ぜる。ナギサはそれだけでびくびくと震え、タイツとショーツの二枚の布があってもなお先生のズボンが濡れるほどに愛液を漏らしてしまう。

 

 ゛こんなものを付けてここに来るなんて、どうしたのかな?゛

 

「あ、あ、や、はあー……っ!?」

 

 先生の瞳の中に嗜虐の色があるのを感じて、ナギサの腰がぞくりと震えた。想像していた情景が今目の前に。

 

 立ち上がろうとしても足に力は入らず震えるばかりで、罰を与えるように先生の足がぐっとナギサを持ち上げてくる。にじゅり、といやらしい音がナギサの官能の炎を煽り立てていた。

 

(ああ……先生に、恥ずかしいことを知られて……!)

 

 ゛ねえ、ナギサ、どうしたの?゛

 

「あ、んひゅぅっ!?」

 

 かりかりと窄まりのふちを引っかかれる。ぴりぴりと走る甘い痺れに思考が蕩けていく。

 

「あ、あのっ! せ、先生に、ご相談したい、っこと、が、ふあっ……!」

 

 ナギサはついに、自らを先生に委ねることに決めた。

 

 ゛なにかな?゛

 

「あ、ああっ! 実、は、わたし……お、お尻での、その、行為に、はまってしまって……先生に、されるのを想像すると、もう我慢できなくて……んあっ!」

 

 軽蔑するも、たしなめるも、都合のいいおもちゃにするも……全て先生の自由。この秘密一つで、ナギサの全てを先生が支配したと言っていい。

 

 破滅的だ。けれど言葉を綴れば綴るほど、悦びが身体を満たしていく。

 

「ど、どうか……先生の手で、わたしを、滅茶苦茶に、してくださいませんか……?」

 

(言って、しまいました……!)

 

 ミカほどにはないにしろ、年相応のボリュームはある両胸を胸板に押し付けながらの、蕩けた上目遣い。媚びるようなその所作は、先生に甘えたい……先生のモノにされたいという無意識から来たもの。

 

 それゆえの恥じらい。清純さを捨てきれない誘惑が先生の心を撃ち抜いた。

 

「あっ……!」

 

 ゛ナギサ、いつからこんないけない子になってしまったんだい?゛

 

「は、ああ……! そ、その……レッドウィンター学園からの本に、書いてあって……先週、どうしても真似をしてみたくなって、しまって、ぇ……っ!?」

 

 ゛なんだ。やっぱりナギサはむっつりすけべだったんだね゛

 

「そんなことはっ、あっ……!?」

 

 先生はナギサを持ち上げるとテーブルに手をつかせ、尻を高く突き出させる恥ずかしい姿勢にさせた。制服のスカートを捲り上げ、露わになった柔尻をタイツ越しにさわさわと撫でる。臀部はよく肉付いているのに、そこから足に向かってはほっそりと美しい線を描いていくのが目に心地よい。

 

「あ、いやぁ……こんな、姿勢、すごく恥ずかしいです……」

 

 ゛滅茶苦茶にしてほしい……そうでしょう? こんなふうに恥ずかしい姿を見せて、気持ちよくしてもらいたいんでしょう?゛

 

 ナギサの翼が打ち震えたのを肯定と見て、タイツをずり下ろす。彼女の清らかなイメージに似合う白いショーツは、愛液で濡れそぼって透き通っていた。その谷間に小さく突き出た異物。ショーツを下ろしてみると、それはアナルスティックの持ち手だとわかった。

 

 ゛こんなものを挿れてシャーレに来るなんて、変態だね゛

 

「へ、変態なんかじゃ、ありませんっ! おっ、く、ひぃ……!?」

 

 ゛いいや、変態だよ。ナギサは変態なんだ゛

 

 そう言いながらアナルスティックを引き出すとナギサはあおお……! と内臓を引き抜かれているかのように呻いた。ぬるんっ! と全てを引きずり出された疑似男根はそれほど太くはない。しかしそれを長時間咥えていたナギサのアナルはぽっかりと口を開けて、戻り切らないままひくひくと涎を垂らしていた。

 

 ゛こっちのお口をこんなにいやらしく広げちゃうなんて、変態以外にないよ゛

 

「あ、いや……そんな、変態だなんて言わないでください……んっ! あ……先生の熱いのが、当たって……ん、お゛、お゛ぉ……っ!?」

 

 先生の亀頭が菊口に触れたかと思うと、そのまま突きこまれてナギサの腸肉はみちみちと押し広げられていった。

 

「あ、ああ゛……っ! ふと、い゛ぃ……!? そんな、はい、りません……!」

 

 ゛でもナギサのアナルはどんどん呑み込んでくるよ。一体どれだけ自分で弄っていたのやら……ほら、もうすぐ全部入る゛

 

「あ、はあ……っ、く、おく、までぇ……あ、つくて……! そんなところ、しりませんっ……あぁ!」

 

 おもちゃと実物はあまりにもかけ離れていた。焼けるように熱い肉竿はナギサが咥え続けていたモノよりも固く、太い。おまけに反り返った先端がぐっと尾てい骨の裏側を刺突してくるものだから、ナギサの腰はじくじくと痺れ、全身から力が抜けていく。机の上に倒れ込んだところで先生はナギサの両腕を掴み、再び身体を起き上がらせた。

 

「あ……!」

 

 ゛まだ挿入れただけだよ? ダウンするには早い、ねっ!゛

 

「んいひぃ゛っ!?」

 

 素早くカリ首までを引き抜いてから、一気に腰を打ち付ける。肉感豊かな臀部が強烈に叩かれ、甲高い拍手のような音が響いた。

 

(こ、れ! すご、すぎてっ、おかしくなってしまいます!)

 

 痛みは全く感じなかった。その瞬間ナギサが感じていたのは、白痴になってしまいそうな快楽だけ。自己開発で少しずつ開かれつつあったアナル性感が、一気に開花した瞬間だった。

 

 自分一人でするのとは比べ物にならない、禁断の蜜の味。一瞬で悩みも苦しみも吹き飛んで、自らの声がはしたなく変わり果てていることさえ気にならない。

 

 けれどこれはまだ始まりに過ぎないのだ。先生はナギサの腕を引いて胸を突き出すように反らさせたまま、リズミカルに抽送を始めた。

 

「んっ、ひっ、あ、ああっ! はっ、せん、せいっ! はげしすぎっ……ですっ!」

 

 ナギサの身体が激しく揺れる。先生に両腕を引っ張られているせいで、腸の奥に突き刺さる衝撃を一切受け流せない。たった今見つかったばかりの弱いところを、何度も何度も肉槍に突き上げられて、その度に脊髄をスパークが駆け抜ける。

 

 凛と涼やかなお嬢様の声は、先生の耳を蕩けさせる嬌声に変わっていた。

 

「はっ、はっ、んひゅ、うぅ……ん゛っ! あ、ああ……! だめ、だめですっ、こんなの、だめ、なのにぃ゛……っ! きもち、いいです……っ!」

 

 ゛ナギサはお尻で気持ちよくなっちゃうんだ?゛

 

「は、い……っ! せんせいに、おしり、つかれて、ぇ……っ! はっ、あっ、もう、なにもわからな、ああ゛ー……っ!」

 

 腸液が掻き混ぜられ、泡立てられる淫らな水音が部屋に響く。振り乱されたプラチナブロンドの髪の毛が桐の花に似た淡い香りを振り撒き、そのあとにむせ返るような甘ったるい淫臭が立ち込める。汗の匂い、愛液の匂い。トリニティで最も高貴な生徒は今、ただの牝に堕ちていた。

 

 優雅さも気品も失って、後ろから肉棒で刺される度に快楽濃度の濃い喘ぎ声を絞り出す獣だ。

 

 ゛ナギサ……!゛

 

「あ、あっ、ああ゛ー……! お、く、いい、ですっ! もっと、もっと、お゛……っ!」

 

 先生もさほど余裕があるわけではなかった。ナギサのアナルはぎりぎり肉竿を受け入れているような状態で、締め付けのきつさに搾り取られてしまいそうだ。その反面腸内はまろやかにペニスに吸い付いてきて、極上の快楽を味わわせてくる。

 

 何より普段のナギサと、今の淫らな牝の姿とのギャップがたまらなく男の獣欲を掻き立ててくるのだった。

 

「はっ、あっ、ん゛ぅっ! せん、せい、せんせい! わたし、わたし……!」

 

 ナギサが蕩け切った目で先生を見返る。先生はそこに最後の躊躇いを見た。トリニティの長としてかくあれかしという振る舞いを続けてきた彼女にとって、快楽に耽るのは罪悪なのだ。罪悪感故に、背徳感が興奮をいや増すけれど……それでも最後の一線がそこにあった。ちかちかと明滅を始めたヘイローは、彼女の絶頂が近いことを告げている。

 

 その先に行くために必要なのは、赦し。

 

 ゛ナギサ。大丈夫……全部忘れられるくらい滅茶苦茶にしてあげるから゛

 

 彼女が身に着けた鎧も仮面も全て剝ぎ取って、今この瞬間だけはただのナギサであっていいという免罪符。耳元で囁かれた言葉に、ナギサはあ……と小さく涙を零した。

 

「せん、せい……はいっ! もっと、もっと……! あ゛っ、ふぅっ!? は、あっ、ああ、だめ、だめ、もう、イってしまいます……!」

 

 ゛私もだよ……!゛

 

「せんせいっ、いっしょに、いっしょ、にぃ……! あっ、おっ、ああ゛っ、イク、イ゛ッぃ゛!? ああああ゛ーっ!」

 

 ゛ぐっ……!゛

 

 ナギサが潮を噴きながら果てるのと、白濁が腸内に吐き出されたのは同時。肉棒が力強く脈打つたびにナギサの腰がびくりと跳ねる。小気味良く愛液が散る。がくがくと痙攣する足の間には、大きな水たまりが出来ていた。

 

 初めて味わう深い絶頂。ナギサの視界の中でいくつもの星が踊って、瞬いて、光の乱舞を織りなす。下半身は熱の塊となっていて、そこからじんわりと幸福が全身に流れている。吐息はその収まりきらぬ熱を孕んで熱く、あまりの熱量にナギサは犬のように舌を突き出してさえいた。

 

(せんせいとすると、こんなに、きもちいいのですね……)

 

 どく、と残った精子を吐き出されるだけで、また白く視界が弾ける。お尻での性行為、生徒と先生、二つの禁忌を犯した味はあまりにも甘美で、抜け出すことは出来そうになかった。

 

「はっ、はっ、はーっ……、あー……っ! ん゛っ! せ、せんせい!?」

 

 ゛滅茶苦茶にするって言ったのに、一回で終わるわけがないよね?゛

 

「あ……ん゛ぅっ!」

 

 余韻も引ききらぬうちに、先生は再びゆっくりとナギサのアナルを穿ち始める。ナギサの頭は快楽を処理しきれず、もう何が何だかわからなくなっていた。

 

 自分がティーパーティのホストであることも。その重責も。今の自分の姿がそれに相応しいのかどうかさえ。

 

 ただ、先生に求められている。何も抵抗できない状態で滅茶苦茶にされる、本当に壊されてしまう。その予感に、ぞくぞくと被虐的な快楽が留まるところを知らないでいる。

 

「あ、はあ……! せん、せい、せんせいっ! もっと、もっと、お゛ぉ……! いっぱい、くださいっ、わたしを、あなたのものに、して……っ!」

 

 ナギサは快楽の世界に堕ちていく。先生はそれを肯定するようにそっと抱きしめ、二つの影が重なった。

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