゛さあ二人とも、上がって。あまり綺麗ではないけれど゛
「お邪魔します。もう、先生また散らかしたんですか? こないだ片づけたばかりなのに」
「あらあら、どんな様子なのか気になりますね。それでは……お邪魔します」
適当に靴を脱いで部屋へと上がる先生の後を、ユウカが慣れた様子で追いかけていく。ノアは始めて訪れる先生の家。シャーレにほど近いセキュリティの厳重なマンションの一室は、彼女が想像していたよりも片付いていた。
(先生はほとんどシャーレで生活しているようですから、もっと散らかっているかと思っていたのですが)
先生は多忙故に、平日はシャーレで寝泊まりしているというのはある程度仲の深い生徒にとって周知の事実だ。特にしばしば仮眠室で一緒に寝る以上の行為をしているノアにはなおさらのこと。いつ帰っているのか不思議なくらいで、掃除もなかなか行き届いていないのではとここに来るまでは思っていた。もしそうなら自分も手伝って、いろいろと部屋を記録してしまおうという目論見もあった。
ところが、意外とすっきりしている。洗濯籠に数日分の洗濯物が放り投げられているくらいで、他に不精さを感じさせるものはない。その理由がユウカにあるのは先の言葉からも伺えることで、ノアは少し不満を抱いた。
(ユウカちゃん、それはもう通い妻じゃないですか)
確かに、おせっかい焼きなこの友人ならばそうするだろう。口では文句を言いながらも内心喜んでいるのもいつものこと。その喜びが、自分だけ先生のプライベートに深く入り込んでいる特別感から来ているのも間違いない。
別にノアは先生を彼女から奪い取りたい訳ではないし、彼女と争いたくもないのだが……それでも、多少の敗北感を覚えずにはいられない。吐き出せば棘となってしまうそれは、後で存分に、誰も傷つけない形で発散することに決めた。おあつらえ向きなことに、今日先生の部屋に来た目的も先生の性欲発散というお題目の、三人での淫行なのだから。
「……先生? またフィギュアが増えてません?」
゛き、キノセイダヨ゛
「……全く。後でレシート見せてくださいね」
間取りは1LDK。ほぼ家に帰ってこない一人暮らしとしては持て余す広さだ。先生はその広さをフィギュアや本の保管スペースとして活用しているらしく、ショーケースや本棚でリビングは広さに反して狭く見える。
「これはこれは。興味深いですね」
゛ノアもわかる?゛
「いえ、フィギュアについては寡聞にしてよく存じ上げませんが……先生の生態、と言いましょうか。どのようにプライベートを過ごされ、どんなものを好まれるのかがここには詰め込まれています」
一目で手が込んでいるとわかる合金製のロボット。日曜朝のヒーローが振り回す武器のレプリカ。一言で言ってしまえば、これが男のロマンというものなのだろう。
(今度プレゼントを贈るときはこのカテゴリを中心に探してみましょう。原作はどこから見ていきましょうか……)
脳内で先生により近づくための計画を立てていく。ユウカはこういうものを好まない……というよりは、ここに生活費を削ってまでもお金を費やす先生の行動を理解できない。それは確かにそうなのだが、そこにノアがユウカとは別のポジションを築く隙がある。目指すは正妻が口うるさく言う先生の趣味を理解する全肯定愛人だ。
ユウカを鞭に、自分を飴にする。そうして自分の甘さに先生が夢中になってくれるのをゆっくりと待とう。例え先生がこっちを向いてくれずとも、他人がユウカから先生を奪うために一番都合のいい席には既に自分が座っているのだから、それで十分だ。
(ずるい、とは言わせませんよ? 内緒で関係を進めていたのは、ユウカちゃんのほうなんですから)
にこにことした笑顔の裏に稚気を隠す。ノアはふと思いついたことがあって、コレクションを眺めながら、お尻を突き出すようにしゃがんだ。それは先生の位置から見た時に、一番お尻の丸みが目立つよう計算してのことだった。
勿論スカートで中は見えない。けれども少し高さを変えれば太ももの裏のタイツがぐっと伸びて、臀部の下の肌の色が良く見えるようになる。別のショーケースを見るために姿勢を変えれば先生がノアの視界の端に入るようになって、彼の視線はノアに注がれているのがわかった。じっと、下半身を食い入るように見つめている。ユウカはどうやら隣の部屋に行ってしまったようで、先生は見ることに何のためらいもないようだった。
(この位置ですと……こう、でしょうか)
一番下の段をじっくり見る風を装って、先生に足を向けて体育座りをする。そうすれば自分のスカートは短く、タイツのデニールもそこまで高くないから、先生からは自分のショーツがほんの少し見えるようになる。でも一番肝心な部分は足で隠してみせる。先生から見えるのは端の部分だけ。視界の端で先生がもっと見ようと位置をずらしているけれど、それに合わせてノアも足を動かしていく。
(ふふ、先生? 鼻息がだんだん荒くなっていますよ?)
今のノアはあくまでも先生のコレクションに夢中な無邪気な少女だ。珍しいフィギュアに心惹かれるあまり無防備な姿を見せている。そこを盗み見しようとする先生は、やはり変態なのだろう。わざとやっている自分も人のことは言えないが。
先生の視線がただ熱い。その熱が突き刺さったかのように、ノアのお腹の奥が疼き始めていた。
しばらくそうして戯れてから、ノアは先生に流し目を送って艶っぽく微笑んだ。先生はそれでようやく遊ばれていたことに気付いたようだった。
(もしかして、怒らせてしまったでしょうか)
無言で傍に立った先生の表情は、照明が逆光となってよくわからない。そのせいで威圧感があって、これから何をされるのかスリルも混ざったどきどきに襲われる。
゛……やっぱりノアは悪い子だね゛
「悪い子はお嫌いですか?」
゛大好物だとも!゛
「あら、あら……!」
返事と共にノアは先生に軽々と抱え上げられていた。いわゆるお姫様抱っこの姿勢に、ノアは瞬きを繰り返していた。
身体の密着度はそれほどでもない。だが支えてくれている先生の腕は力強く、不思議な安心感がある。不安定なはずなのに心地よい。なるほどこれは皆が憧れるわけです、などと納得せざるをえない。それでいて先生が足を抱える手でお尻をくすぐるように撫でまわしてくるものだから、これから何をされるかを想像してしまって心臓が早まってしまうのだった。
「……ノア? なんでお姫様抱っこされてるのよ」
「何故なのでしょう……?」
ノアがぼんやりと感じ入っているうちに、いつの間にかベッドルームへと運ばれていたようだった。隣の部屋までのほんの少しの時間。だというのに、小悪魔じみた悪戯を仕掛けていたノアはすっかり無垢な乙女のように潤んだ瞳で、先生に夢中となっていた。先生がベッドにノアをそっと降ろすと、ベッドサイドライトの暖色光が彼女の蕩けた顔を浮かび上がらせる。それは隣に腰掛けていたユウカですら息を呑むほどに、心を掻き立てる代物だった。
「先生……」
先生は応えないままで、ノアの服を脱がせていく。セミナーの書記として身に纏っている制服が一枚、また一枚とゆっくり剥がされて、生徒からただの女へと変えられていく。
最後に残ったのは、上下お揃いの黒い下着のみ。それも隠すべき部分がほとんど透けてしまっている、男の欲望を煽るためのもの。
゛うお……!゛
「……その、どう、でしょうか……」
゛滅茶苦茶、エロい……!゛
「こういうの、お好き、ですか……?」
゛好きだとも。今すぐにでも、暴きたいくらい゛
「あらあら。それは、よかったです……」
大胆な下着とは裏腹に、ノアは恥じらいを隠せないでいるようだった。お腹に置かれた手が、ノアの下着姿を目に焼き付けようとする先生の視線から胸を隠そうと動く。けれどそこでこれは見せるものなのだと思い直して、淡く震えるだけに終わる。その代わりにあらぬ方を向いて唾を飲みこむのでさえ、喉仏の薄い陰影がゆっくりと動いて色を醸し出す。
鎖骨のくぼみに、玉のような汗が一つ滲んでいた。
「ぐ、ぐうぅ……! なんだか、負けた気分……!」
服を自分で脱いだらしいユウカがノアの隣に寝そべる。彼女もまた下着姿で、こちらは清楚感を意識した白のレースのものだった。
「ふふ。たまには思い切ってみるのもいいかな、と思ったんです」
「わたしだって、次はもっとお、大人っぽいのを買ってくるんだから……!」
゛ユウカも十分エッチだよ゛
「ほ、ほんとですか!? じゃあ次着てくるとしたら、どっちがいいですか!? ノアみたいなのと、今のわたしのと!」
゛……゛
「ああ、やっぱりぃ! そこでノアを見るのが答えじゃないですか!」
゛でも今のこれもまた趣深いんだ。ユウカが白で、ノアが黒……いつもと逆で、いとをかし゛
「どこに風情を見出してるんですか……」
ため息を吐きながら、ユウカは羨ましそうにノアを見る。これは敗北だ。自分では試す勇気がなかったような過激な衣装を、果敢にもノアは着た。そして先生の好みを暴いてみせた。先生が今の状況に興奮していることなど、そのズボンの膨らみを見れば一目瞭然だった。
自分にはできなかったことを彼女はしてのけたという、たったそれだけのこと。それで文句を言う権利など、あるはずもない。
「……むぅ……」
「むくれちゃって。ユウカちゃんったら、可愛いんですから」
どこか誇らしげに言うノアに、思う所がないわけではなかった。それでも反論したくなる気持ちを、今ばかりはとぐっと抑える。
「……今日は、もう何も言わないわよ。あなたの、初めての日だし……」
「ユウカちゃん……」
今日はただ三人でエッチをするだけではないのだ。ノアのアナル処女を、先生が奪う日。ノアのアナル開発が進んだために、指や道具ではなく先生自身をノアが受け入れるようになる特別な日だ。
そんな日に差し出がましくあれこれ言うのは、ユウカの望むところではなかった。
゛じゃあ、ノア。お尻をこっちに向けて゛
「は、はい……」
ノアが四つん這いになり、お尻を高く差し出す。ふっくらと盛り上がった双丘は頭の方から柔らかな光を受け、夕日に陰っているかのようだった。
その頂に先生が手のひらを置くと、ノアの身体が小さく震える。さわさわと滑らせて柔肌の感触を堪能すれば、はらりと広がった白髪と、肩甲骨の間にある陰影が悩まし気に移ろい官能的な色合いを描き出す。
「は、あっ、ああ……」
まだ肝心な部分には触れていないのに、ノアの吐息は既に熱を帯びていた。徐々にノアの肌がしっとりと汗ばんでくる。こうして戯れのように触れられるだけでも、ノアはこれまでの開発のことを、そして与えられた快感を鮮明に思い出してしまうようになっていた。
ふと思いついたのか、先生はおもむろにノアのお尻を軽く叩く。
「んふああっ!?」
それだけで甘くノアはイキかけた。既に出来上がっている彼女のショーツに先生が指を掛け、そっと降ろしていくと、長い銀の糸がつうと一筋秘所とショーツの間に架かる。糸は上の方から少しずつ太い雫が伝い落ちていって、十秒も眺めていると下に溜まり、恥ずかしくなったノアが腰を小さく揺らすと、ぷつりと切れてしまった。
だがそれでも、雫はまだ溢れている。
゛ノア、気分はどう?゛
「うう……なんだかとても、恥ずかしい、です。その、先生がじっくりと見るものですから……あっっ……!」
先生はローションを指に垂らすと、それをそのままノアのアナルに宛がった。指は二本。何度も先生の指やおもちゃを受け入れてきたそこは、もはや反射的な抵抗もほぼしなかった。
それどころか桜色の綺麗な窄まりは貪欲に口を動かし、にゅくにゅくと侵入者を自らの中に呑みこんでいく。
「んあっ、ううくぅ……! はっ、はっ、せんせいのゆび、はいってぇ……!」
゛ほとんどノアからせがんできたね。すっかり厭らしいアナルになってる゛
「は、ああっ、やだ、そんなこと、いわないでください……! せんせいが、こうしたのに……」
゛そうだね。私好みの、いい具合だ゛
「ううああ……!」
くにくにと指を曲げて中を引っ掻いてやれば、その度にノアの身体が跳ねる。感度は開発の割に十分すぎるといってよく、彼女には元々アナルの素質があったのだろうと先生は思った。
菊輪を指の太さに馴染ませながら、もう片方の手でブラジャーのホックを外して胸を掌に収める。巨乳とはいかずとも立派な大きさの果実は、こうして揉みしだくと極上の柔らかさを感じられるものだった。
゛ユウカも揉んでみない?゛
「いいんですか? 一度目は二人だけでするものだと思ってたんですけど……」
゛せっかくだから、いっぱい気持ちよくしてあげよう゛
「ノアは、いいの……?」
ユウカはそう言われてもまだためらっていた。自分は二人きりで初めてを迎えたのだから、ノアもそうさせてあげようという、一種の遠慮がそこにあった。それにノアは余裕なさげにユウカへ顔を向け、こくりと頷く。
「わたしは、んっ、ユウカちゃんをなかまはずれに、したくないです……」
「……わかったわ。じゃあ、その、失礼するわね」
ユウカがもう片方のノアの胸に触れる。隣に寝転がっているユウカからは、彼女の乳房が重力に引かれて垂れる様も、その先端がしこり勃っている様も明瞭だった。垂れ下がった髪で表情は隠れがちだが、身体の揺れに合わせて時折紅潮した頬が覗く。ユウカもどきどきとしてしまうほどに、艶美であった。
「やっぱりノアは脱ぐと大きいわね。羨ましいわ……」
「んふっ! ユウカちゃん……? その、しえんがこもってますか……んああっ!?」
「そんなのないわよ。ああでも、やっぱりずるい……わたしもこれくらい……大きかったら……」
ユウカは柔らかさを楽しむというよりも、私怨をほんの少し込めて鷲掴みにするように揉んでいた。左右で違う感覚、すっかり第二の性器とされつつある肛門からもたらされる悦感に、ノアは何度も軽い絶頂を味わっている。
慣らすための前戯だというのに、ノアはそれ以上が欲しくて仕方がなかった。なにより今日はそれこそを待ち望んでいたのだから。
「せんせい、おねがいですっ……はやく、いれてください……! せんせいが、ほしいんですっ……!」
゛……!゛
涙ながらの懇願。先生は言葉もなくペニスを晒し、ぽっかりと口を開けたアナルに突きつける。ノアがねだるように腰を近づけると、亀頭に肛肉が口づける小さな水音がして、それから獲物を食らい始める。
「ふぐっ! んふああ……っ!? わたしのなか、ひろげられて……ッ!」
゛ノア……!゛
ぐぬ、ぐぬ……。赤黒い肉棒が、少しずつノアの腸内に沈んでいく。初物だけあって、慣らしたとはいえ締め付けが強い。菊輪で肉を縛られるような強烈さだ。しかし内部は全く違う反応で、ぴとりと肉竿に吸い付いて全方位から抱きしめてくる。そのギャップに先生は自然と呻きながら、最奥を目指していく。
「んう゛っ……! あ、あつい、です。こんなに、あついなんて……ん゛っ!」
枕に額を擦りつけて快感に身悶えるノア。おもちゃとも指とも違う、お腹が溶け落ちてしまいそうな熱さが、確かな感触を持って自分を貫いている感覚は言葉にしがたかった。
ただ、熱い。そして……気持ちいい。追い出そうと括約筋に力を込めているのに、どうあがいても追い出せない力強さ。むしろその固さと熱に、締め付けたアナルの方がじんと痺れてたまらなくなる。
「んあ゛っ……! ふ、ふか、い゛……!」
゛全部入ったよ、ノア。どう? 痛くない?゛
「いたみは、ぜんぜんないのですが……あっ、せ、せなかがぜんぶしびれたみたいで、へんな、かんじです……!」
(なるほど、これはユウカちゃんが癖になってしまうのも、わかりますね……)
剛直に突き上げられた背骨が、腰のあたりまでぴりぴりと痺れている。初めて味わうそれに、新たな世界を予感していた。
きっとこの先に、親友のはまった世界がある……。
゛じゃあ、動くよ゛
「は、い……イ゛ッ!? いにィ゛……っ!?」
ぬろお……と。ゆっくりとした動きで先生が腰を引く。それだけのことなのに、ノアはお腹の中が全て引きずり出されているかのような錯覚を覚えた。無論そんなことはない。ちゃんと中は綺麗にしてきたし、内臓は出てくるはずもない。
ただ、そう。ぴったりと先生に吸い付いた腸壁が、離れまいと脳に激感を送って抵抗しているのだ。
「はっ、ああ゛っ!? お゛っ! おなか、おかしくなって……!」
゛ノア、すごい吸いついてくる……! そんなに出て欲しくないなら、また挿入れるよ!゛
「あう゛んぅっ!? はっ、あうああ゛……ッ!? や、また、おく……!」
「すごい声……初めて聞いたわ」
「ゆうか、ちゃ、ん゛うくぅ……ッ!」
ユウカの呟きに、ノアは自分が今あられもない声を発していることを自覚する。けれどそれを取り繕う余裕などどこにもなかった。こんなもの、計算できるはずがない。英明さも役にたたない。脳に波濤のように膨大な快楽が押し寄せてきて、全てのシナプスを染め上げていくのだ。
ただ耐えることでさえ、難しい。抽送の度に狂ってしまいそうになる。
「こんなの、しらない、しりません゛っ……! ん゛っ、ああ……!」
゛じゃあこれからもっと教えてあげる。私は先生だからね!゛
「あ゛っ、やあ゛っ!? はげしく、なったら、ぁ゛……!」
先生が腰を加速させると、ノアの背は高く跳ね上がった。ぱんぱんとリズミカルな抽送にノアのアナルは酷く摩擦される。腸襞がカリ首でめくられ、押しつぶされてを繰り返す。
先生に教え込まれたその感覚は、快楽だ。不浄の穴という、本来は感じるはずのない場所からもたらされるそれは背徳的で、際限がない。
「っぐ、んうう゛っ!? ふいっ、あ、あ、んあっ、や゛っ、だめ、だめです、ふといので、えぐられて……!」
゛抉られて、どうなるの?゛
「んくっ、うあっ、はっ、はっ、ふあっ……オッ! も、もどれ、もどれなく、なっちゃいます……!」
「戻らなくていいじゃない」
「そんな、ゆうか、ちゃ、んむぅっ!?」
ユウカがノアの口をキスで塞いだ。いつの間に自分の下に潜り込んでいたのか、何故そうしようとしたのかなどノアにはわからない。目覚めたばかりのアナル性感に圧倒されている頭ではもはや何も、わからない。
信じられないことが起き、呆然と目を見開いているノアの口腔を、ユウカは好き勝手に蹂躙していた。差し込んだ舌でノアの舌を絡めとり、引っ張ってみる。唾液を飲んだり、逆に送ってみたりする。
(先生も多分こういうのが好きなんでしょう)
ユウカとノア。それぞれを先生は責める。けれどユウカの計算によれば、こうして二人の行為を眺めるのも彼は好むはずだった。
実際に先生は我慢ならないとばかりに腰を動かしているようで、ノアの身体は一層激しく揺さぶられている。酸素を求めるノアは、鼻からしか呼吸をできず苦し気に喘いでいる。ユウカに慈悲をせがむように舌が絡みついてくる。それでもユウカは容赦なかった。
「んじゅっ、んぷっ、ん゛むぅっ!? ちゅ、じゅむ、んふ、む゛ぐっ……!」
「ちゅる、ちゅ、りゅッ、んちゅ、じゅる、じゅう……」
(ユウカちゃん、いったいなにを……)
(悪く思わないでよね。ノアがエッチなのが悪いんだから)
先生を喜ばせたいという気持ちは確かにある。だがそれ以上にユウカを突き動かしたのは、ノアの乱れる姿だった。
普段自分は全てわかっていますよとばかりに泰然としたノアが、これほどまでに余裕をなくしている。それがどうにも愛おしい。
友愛とはまた違うように見えるこの感情は、全部ノアの放つ色気のせいだと。そういうことにした。
゛ノア、そろそろ……!゛
「ん゛むっ!? ん、ぷはっ! は、は、い゛ィ……ッ!」
宣言と同時のスパート。慌てたノアがユウカを振り払うと、息つく暇もない遠慮ないピストンに襲われる。
「オ゛っ、あっ! はっ、はっ、フんぅっ!? う、あ、いや、や゛、だめ、だめです、だめぇ……っ!」
唇を引き結んだノアの身体から汗が飛び散り、痴態を食い入るように見つめているユウカの顔を濡らす。そればかりかそこには涎までも垂れ落ちていた。
限界は目前だった。
゛ノア、ノア……!゛
「せんせい、せんせい……! あ、ああ゛っ! い、イ゛……っくぅ――!」
どく、どく、と白濁がノアの腸奥に解き放たれる。その熱は電流のようにノアの脳髄を打ち据え、快楽で滅茶苦茶に塗りつぶしてしまった。白く、白く。絶頂にちかちかと意識が明滅する。
崩れ落ちるノアの身体をユウカは受けとめると、ねぎらうようにその背中をさすった。息の荒さに彼女の受けとめた快感の程が思われた。
「ノア……よかったわね」
「……は、い……」
途切れ途切れながらも、耽溺するような息が一つ。ノアが先生とのアナルセックスにはまったのは間違いない。
「それじゃあ次はわたしの番ね」
「んお゛っ……!」
ユウカがノアと自分の身体を入れ替える。するとちゅぽんとペニスがノアのアナルを引っ掻くように抜け出し、ノアは余韻イキを味わわされた。
「ゆうかちゃん、いきなりすぎ、です……!」
「ご、ごめん。でも……もう我慢できそうになくて」
ノアを見るユウカの目には、強い情欲の炎がちらついていた。
友人が愛されるところを間近で見続けていたのだ。自分もあんな風にいじられたら。ああ、あれは気持ちいいやつ。早く、わたしも……! そんな風にノアに自分を重ねて想像していたせいで、ユウカの身体はどうしようもなく疼いていた。
「ね、先生? 一度だけじゃあ足りないでしょう? ねえ、早く……」
゛ユウカ……゛
お尻をゆらゆらと振って先生を誘う。そのショーツには既に愛液が滲んでいた。ノアから降ってきたものと、ユウカ自身から溢れたもの。出所が二つあるせいで、おもらしでもしたかのようにひどく濡れている。
混ざり合った牝の匂いにくらくらと眩暈を覚え、先生の血流が再び巡る。次はユウカだ……と先生が彼女のお尻に手を伸ばした時、そこには既に先客がいた。
「ゆうか、ちゃん……!」
「ひいああっ!?」
ノアだった。彼女はなんとか持ち上げた手をユウカのお尻に這わせ、そして指を三本、穴の中に突き入れていたのだ。
嫋やかな細指とはいえ、三本も束ねればそれなりの太さになる。それをいきなり差し込まれたのだからユウカにとってはたまらない。しかもノアはぐりぐりと肛肉を指で押し広げるように蠢かせている。
絶頂直後で力がうまく入っていないとはいえ、優しさに欠ける手つきだった。
「んあ゛っ……! ノア、なにを……!」
「ふふっ、ユウカちゃん……それはいくらなんでも、あんまりですよ。せっかちさんにもほどがあります。少しくらい、余韻に浸らせてくださってもいいとは、思いませんか……?」
「それはその、悪かったわよ……んいっ!?」
「ええ、はい。悪いと思うなら、いいんです」
「く、んうっ!? いいなら、それ、やめてよおぉ……!」
「いいえ? これはただの八つ当たりですから」
「余計ひどいじゃない! うああ゛っ……!」
初体験は情熱的で、情緒的だという憧れをノアは抱いていた。互いに愛を確かめ合うように深くつながり合って――この場合愛はなくとも、互いを求める想いさえ、欲さえ確かめられればそれでよかった――行為の後もゆったりと囁き合うような、そんなひととき。
決してこんな、はい次ね、と急ぎ足にするものではなかったのだ。
(それも今なら少しはわかりますが……)
目の前で御馳走をお預けされていたのだと、その気持ちは納得する。けれどもう少しだけ、余白が欲しかった。そんな不満をぶつけるようにユウカのアナルを掻き回す。
「んくうう……あっ、はっ、ふうう゛……! ちょっと、のあ、なんでそんな、よわいところをしってるのよぉ……!」
「ユウカちゃんが先生にいじめられるところは、傍で見てましたから」
些細な怒りが込められている分、多少荒い指の動き。それでも先生に調教されたユウカのアナルは柔軟にそれを受け入れて広がり、より太いモノを受け入れる準備をしてしまう。
゛これは、なかなか……゛
先生から見るとなかなかに壮観な光景だった。目の前でユウカの後孔がノアの指を咥えこんでいる。白い指が腸液に塗れ、ぐちゅぐちゅと淫らな水音を奏であげる。震える柳腰に、むっちりとした太もも。責めるノアは妖しく笑んでいて、その魔性にぞくりと背筋が恐ろしくなる。
何よりも肌色が眩しかった。汗みずくの肌がぼんやりとした明かりに照らされて艶めくその色。この光景を写真か絵にでも残せたらと思わずにはいられなかった。
「うう、くひぃ……っ!?」
「さあ、先生。そろそろ……いかがでしょうか?」
そう言って、ノアはユウカのアナルをくぱぁ……と両手で広げた。ノアのそれよりも大きく開いた菊輪の奥に、薄っすらとピンク色の粘膜が覗いている。ぬらりと腸液が溢れている。
我慢などできるはずもない。
゛ユウカァ!゛
「んあああア゛っ!? あ゛っ、せんせ、いきなり、すぎ……ィッ!」
ずぷん!
杭打機のような強烈な衝撃を、ユウカはシーツを強く握りしめて耐えた。普通なら痛みを感じてもおかしくないはずなのに、全く痛みがない。それどころか気持ちいいとさえ感じてしまう。先生も我慢できないんだ、こんなにも強く求められて嬉しい。そんな感情がばらばらに湧き起こって、続くピストンの気持ちよさに掻き消されていく。
「ふぐぅっ! はっ、はっ、はー……あア゛っ! は、はげし、だめ、イ゛っ……!」
待ち望んでいた分、一度目に達するのも早かった。それはノアの快楽を共感覚として受け取っていたかのようで、ユウカ自身も信じられないほど。
だがまだ先生は満足していない。そして。
「ユウカちゃん、わたしもいるんですから……ね?」
「んんはあ゛っ!? の、のあっ! それ、くりとりす、つままないで……ッ!」
「さて、どうしましょうか……うーん」
「んに゛っ! こ、こりこりするの、だめ、だめだってばぁ……!」
ノアもまた、ユウカを責めずにはいられなかった。仕返しの意味もある。自分でも大人げないとは思う。
ただ、こうして先生とノアで同時に責めているときのユウカは可愛いのだと、気付いてしまったのだから仕方がない。
特にアナルを穿たれているときにクリトリスを虐められると、面白いくらいに身体が跳ね上がるのだ。そんなことをしても逃げられないのに、そのささやかな抵抗が愛らしい。
「ふふ、ユウカちゃん……お潮まで噴いちゃってますよ?」
「の、のあぁ……! あとで、おぼえてなさいよぉ……!」
「ええ、はっきりと覚えておきますね? 今のユウカちゃんのエッチな姿も、その顔も」
「それはっ! おぼえなくてもいい、から、ァ゛っ!?」
「ふふ、残念ですが全部覚えてます、ん゛みぃ゛っ!?」
二人の声が途切れたのは肉棒が抜け、そして貫かれる衝撃によるもの。つまり先生が再びノアに挿入したためだった。
「せ、せんせい!? どうしてまた、わたしに、あふううっ……!」
゛先生として公平を期するべきかなと゛
「そんなところに、きを、つかわないでくださいィ゛ッ!?」
「のーあー……!」
「ゆ、ゆうかちゃん、いまはちょっとまって……だめ、いまは、だめ……!」
「……だめって、つまりいいってことよね?」
「いああっ……!」
攻守が逆転し、今度はユウカがノアの乳首をつねり上げる。先生が上から覆いかぶさっているせいで、ただでさえユウカの胸に圧し潰されているというのにだ。
くにくにと、仕返しをするように力が込められている。その刺激が脳で瞬いているうちにも、先生は激しく腰を動かし続けてノアを責め苛む。
「んう゛っ! んあっ、はっ、はッ、いア……!」
「乳首、わたしの指先と同じくらいまで大きくしちゃって……ノアって結構やらしいわよね」
「ん゛っ、あっ! ゆうかちゃんに、いわれたくない、です!」
「そんなぐちゃぐちゃの顔で言っても、説得力がないわよ、ォ゛ッ!? せん、せい……! こっちにくるの、はや、すぎ……っ!」
「ふー……! ユウカちゃんだって、クリトリスが大きすぎて摘まめるくらいじゃないですか。こんな感じに……それに知ってるんですよ? 最近は自分でするときもお尻の穴を使わないと満足できなくなったんですよね?」
「うひぃ゛……! な、なんでそれをしってるのよ……んあっ」
「冗談ですよ? でも、おまぬけさんは見つかったみたいですね」
「……のあぁ! ああ゛ううっ!? や、せんせい、おく、ぐりぐりってぇ……!」
セミナーの双璧が目の前でくんずほぐれつ絡み合いながら、互いを責める光景は強火で先生の興奮を煽った。肉棒を挿入れられた側はそれだけですぐ乱れ、獣じみた嬌声をあげるしかなくなる。すると抜かれた側が余裕を取り戻し、好き勝手に責められた分をやり返す。
仲がいい分、容赦はない。先生はその上から二人を抱え込んで、二人の熱で茹で上がってしまいそうになりながら争いを仕切る。
けれどそれを愉しむゆとりは、徐々にこみ上げてくる射精感に奪われていた。最後に選んだのは……まだ今日は射精されていないユウカ。
゛ユウカ、射精すよ!゛
「は、イぃ……っ! ください、わたしの、おしりのおくに、せんせいのあついの、だして……! オ゛くう……! クリ、イ゛っ……!」
一際甲高い肉の音の後に、二度目の射精がユウカの腸内に吐き出される。それと同時にノアがクリトリスを捻り上げていたせいで、ユウカは二重の絶頂を味わう羽目になった。
肉づいた太ももを情けなく震わせて絶頂に至っているというのに、そのアナルは先生の精子を搾り取ろうと肉竿を食いちぎらんばかりの力で締め付けている。
「おお゛……ふー……ぅ!」
やがて精子が尽き、先生が肉棒を抜くとユウカはノアの上にぺしゃりと落ちた。先程も同じような状態になっていた。裸の二人、潰れたおっぱいが横に広がっている様が先生の目を癒す。
潰れたカエルのような有様で痙攣しているユウカの姿。それは開いて戻らなくなっているアナルからどろりと白濁が垂れ落ちているのもあって、退廃的な風情があった。
゛ユウカ、ノア……゛
「せんせい……」
「ふふ、そんな頼りない声をされて、どうされましたか?」
重なった二人を先生は丸ごと抱きしめる。ついさっきまでのような荒々しさはそこになく、二人は優しさに包まれていた。
゛……ありがとう。二人とも。感謝しかないよ゛
「……それは、その。……はい」
「あらあら……」
反応は違えども、ノアもユウカも照れている。それは二人が互いを良く知っているからこそわかることだった。しばらく妙にくすぐったい空気が流れて、二人は不意に目を合わせる。
この感謝の言葉も、自分たちの反応もなんだかおかしなことに思えて、二人は小さく笑った。それから示し合わせたようにユウカは先生の手首に、ノアは首元に口づける。焼き付けるようなリップ音の後には、赤いあざが二つ残っていた。