※この作品はR-18です。

チェンソーマン バイト編   作:衣畑みなと

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テストの悪魔

「全員目をとじろ」

朝会が始まって、挨拶が終わるとすぐに担任が言った。

みんな、ぽかんとしていて、デンジもバイトであまり寝ていないせいかぼーっとした目で見ながら、

「何だよセンセエ、プレゼントでもくれるのかぁ」

「そんなにプレゼントがほしいのか? デンジ、お前にだけ特別に後で宿題をやろう」

「い、いらねー」

「おら、全員、笑ってないで目をつぶれ」

何事かとクラスのみんなが目をとじると、担任は芝居がかった重々しい口調で言った。

「昨晩、学校の職員室に忍び込んだものがいる」

反応を見ているのか、たんにもったいぶっているのか、しばらく間をおいて、

「見回りの用務員の健さんが発見したんだが、襲われてケガをした。これは立派な犯罪だ。しかし、おそらくテストの答案を盗もうとしたのだろうし、見つかってとっさにけがをさせてしまったのだろう。学校としても、生徒を犯罪者ににしたいわけじゃない。

そこで、心当たりのある者は、目をつぶったまま手を上げるんだ」

教室が静まり返る。

「デンジ、どうして手を上げない?」

「なんでオレが手をあげなきゃなんねーんだ!」

「お前やったんだろう」

「やってねーよ! だいたい夜は、俺は忙しいんだ」

「テストの答案を盗むのに忙しいのか」

「バカらしい! オレは答えを見るまでしてテストの点を上げたくはないね」 

「じゃあせめてまともに復習でもして成績を上げるんだな」

休み時間になると、珍しくデンジのもとにクラスの男子が何人か集まる。

「ほんとにやってないのかあ、デンジ?」

「そんなひまがあったら、金になることしてるぜ」

「実は用務員のおじさんをけがさせたの、悪魔じゃないかって話なんだ」

「マジ?」

机に上体をくっつけてだるそうにしていたデンジが、顔をあげる。

「悪魔がテストを盗み見るなんてことすっかね」

「テストの悪魔かも」

「それは怖いぜ」

「それで、クラスの男子で、肝試しついでに悪魔を発見しようって話になってるんだけど、デンジも来ないか?」

「オレ、バイトだから…いや、今日はシフト入ってねえな…」

「じゃあ、やろうよ。デビルハンター部のやつも一人くるから、ほんとに悪魔でも平気さ」

「悪魔はやべーやつはほんとにやべーぜ」

デンジはあくびしながら、

「でも、オレは忙しいんだ。ナユ…妹を毎晩ひとりにはさせとけないし」

「そうかあ」

「でもまー、マジで悪魔だったら、すぐ逃げな。そいで公安呼んだほうがいい」

「俺達でやっつけることが出来るかも」

「やめときな。ゲームみてえに、最初のうちに弱っちい悪魔が出るってわけじゃねえんだ」

「デンジって、悪魔のことになると、なんかプロのデビルハンターみたいなこと言いだすことあるよな」

「悪魔なんて、あっちこっちにいいるだろ。とにかく気を付けな…」

ふああ、とあくびをして、机に突っ伏して目をつぶった。

教師に起こされるまで寝るつもりのようだった。

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