※この作品はR-18です。

チェンソーマン バイト編   作:衣畑みなと

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おいしいスイーツの選びかた

「この中に生娘はいるか?」

職員室の壁に並ばせられて、かたまっている生徒たちに、大きな顔の悪魔が言った。

豚のような鼻、ギョロギョロした目、これはこうもりの悪魔だと、デビルハンター部員のあんなは思った。

「おれはいま、生娘を食いたい気分なのだ」

全員食べるつもりなのだったが、一斉に逃げ出されると少々面倒なのと、自分なりの食の嗜好を持っていた。

「わたし、処女じゃない!」

「あたしも!」

すぐに女子ふたりが声を上げた。

あんなもとっさにウソをつけばいいのに、躊躇してしまった。

「わたしも非処女、です」

「ム? 」

目が動いて、闇に浮かぶ大きな顔があんなのほうを向く。

「はじめに警棒を振り回してきた女…返答が少し遅かったな。おまえ、怪しいぞ」

ぎくりとする。

「そこのオトコ、その女が生娘かどうか確かめろ」

「えっ?!」

確かめるって…男子はあんなのほうを見て、ちらっと、スカートに目を向ける。

「あんなさん、ごめん…」

「い、いや…」

近づく男子から顔をそむけていたが、

すぐに、何か思いついてポケットからハンカチを出した。

「これで、目隠しして!」

「そんなことしたらバレるよ…」

「いいから、目隠しして」

男子が渋々ハンカチで目隠しをしようとすると、こうもりの悪魔が

「オイ、人間は目を塞いだら物が見えなくなるのだろう??」

「このひと、心眼使えるから」

「何ッ、心眼」

「目隠ししたほうが、より見えやすいの」

「ム…人間も侮れんな…」

「ね、見えるでしょ??」

「まっくらだよ」

「み え る で しょ!」

「いたたた、見えます見えます」

あんなはスカートを上げる。

「見て…」

見える訳ないだろ、と心の中で不平を言ってから男子は

「非処女だ」

と、うその宣言をする。

その様子を見ていたこうもりの悪魔が

「オイ、見当違いの方向を向いているぞ」

と、男子があんなの股間から30度右にズレた所を向いているのを指摘した。

あわててあんなは、

「こ、このひとは頭の第3の目で見てるから」

「何ッ、第3の目」

あんなは声を潜めて、

「もう、こっちへ顔むけて」

「はい…」

「もうちょっと頭上げて」

男子は、目隠しがずれてきているのに気づく。

あんなは、男の子が急にペンライトの光を的確に当ててきたので

ハッとして男子の顔をよく見ると、

「キャー!」

蹴り飛ばす。

「何をやっているのだ!」

こうもりの悪魔は、

「いい加減にしろ。手っ取り速い方法を試させてやる。その女が最初に振り回してきたその警棒、それを女に突っこめ。生娘なら血が出るだろう」

「ええ…」

完全にハンカチが目からずれている男子が身をおこして、毛むくじゃら、人間の腕のような太さの指先の爪がさした、床に転がっている警棒を見る。

「そ、それは」

「やらないなら、おまえを食う」

「ヒッ、ひい!」

男子は、落ちていた警棒を取り上げ、あんなのほうを見た。

「や、やめて」

「ごめんなさい、あんなさん」

「いや…!」

「早くしろ。あまりじらされると、ここのいる者の誰か、食ってしまうぞ」

非情な宣告だった。

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