「え、チェンソーマンが来たんですか?」
病室のベッドで、体のあちこちに包帯を巻かれている近藤が、看護師に聞き直した。
「そうそう、チェンソーマンっていってたわ。そのチェンソーマンが悪魔をバラバラにしたんだって」
ヒーローは、来たのか…。
ひとりになったとき、つぶやく。
悪魔に突っこんだ際、とっさに大きな鼻の穴に、のばした警棒の先を刺し込んだ。
やっぱりいくら悪魔でも、鼻の穴の中に突っ込まれたら痛かったんだろう。
腕もつっこむくらいの勢いでいった後は、ほぼ記憶がない。
職員室が回転するくらいまわりが動いて、頭に硬いものがぶつかって、ゴチーンと響いたのを覚えているし、その後はもう何人かの人に運ばれたり、少し意識を取り戻したとき、白衣を着た人と何か会話して、頭をスキャンするからねと声をかけられた気がする。
それから気がつくと翌日で、こんだけ包帯を巻かれてるのに、痛くないので冗談かなと思ったけど、試しにうごかすと確かに痛かった。
チェンソーマンが来たなんて、うそみたいだけど、本当らしい。
ヒーローが来たんだ。
でも、俺も、あの時は少なくともヒーローになったよな…。
みんなもちゃんと無事らしいので、良かったと思った。
あんなさん…。
ぜんぶが夢みたいだけど、あんなさんのアソコ、チョー見ちゃったな。
股間が熱くなり、体にかけられた毛布のまん中が浮きあがる。
まわりを仕切るカーテンがしまっていて、今はベッドにひとりだからいいけど、
やばいな、看護師さんや友だちが来たら、これはわかっちゃうな。
腰をうごかして、なんとか下着の中でエレクトしたのをへそのほうへ寝かせられないかとやってみる。
何とか使えるほう手を、ゆっくり、痛みを感じながらも動かしながら、毛布の中へもぐりこませる。
あんなさんの股間を見たのを、思い出してばかりだ。
処理とかしないタイプなのか、ボーボーとは言えないが、毛の濃さが印象に残っていて、その下にくだのように細い肉が、われめからのぞいていた。
あんなさんは、僕をヒーローと思ってくれたかな。
下の唇を指でひらいた時のことが鮮明に浮かぶ。
硬くなりすぎて、ペニスがビターン!とお腹にくっついた。
あんなさん、無事逃げられたんだったら、お見舞いに来てくれるかな。
有難う近藤君、とかいって、抱きしめてくれたりして。
俺、あんなさんの、すみずみまで開いて見ちゃったんだよなあ。
お見舞いに来てくれて、もし毛布が浮きあがって、エレクトしているのを見られたら、
自分で処理できなくってハハハ、とか言おうかな。
そしたら、処理してあげる、命の恩人だもんとか言ってくれちゃって、
あんなさんが指でエレクトをやさしくつかんでくれないかなあ。
「これでいい? どうするの、とか言われたら、手をうごかして、さすってみて、ってお願いしよう。こう? そうそう、いいよ、もうちょっとにぎってもいいよ、ああ、いいよ、あんなさん、しぼって、おお、いいよ…キスしてみてくれる?」
キスしたこともないのに、ペニスにキスさせるのは鬼畜かな。
でも、命の恩人だからって、先っちょにキスしてくれるかも。
「ああ、あんなさん、やわらかい濡れたくちびる、感激だ…! ちょっと唇ひらいて、くわえてみて」
あんなの唇がペニスの先をつつんでいって、彼女の髪の毛が、俺の開いた足にかかって、顔が俺の腰にくっつくくらい、口の中に含まれていく…!
閉じていたカーテンに指がかかって、少し開いた。
「近藤く…」
見舞いに来たあんなが、少し頬の染まった顔をのぞかせて、だいじょうぶ?と言おうとして見ると、ベッドの上の近藤は寝ころんだまま目をつぶって、腰を上げるように体を反らして呻きながら、竿を握った手をしきりに動かしている。
「…」
あんなの顔が影が差すように急に青くなり、侮蔑の瞳を浮かべて、カーテンをとじると、見舞いを床に置いてさっさと病室を後にした。